SW-PBeM Scenario #36
氷晶の蒼狼
第4章 旅立ちの支度♪

静かに出発


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オラン某所

 昼‥‥うららかな時。
 秘密の待合場所に、すすす‥‥と集まる影がいる。
 その影達。朝、「夕方集まろう」と話し合っていた冒険者達6人に依頼人、それにわくわく顔のアイオンとブロンの姿だった。

 お互い、変な3人組につけられていないかをもう一度だけ確認し、そして依頼人の馬車へと乗りこんだ。
■シーアン To:みんな
(奴等の姿は見えないっと・・・。)
 よし、行こう!

 御者席はルツァー。そして、道案内のブロン。
 馬車の中は広く、かつ、防寒具をそろえているので下に敷くものには困らなかった。
 アイオンは初めて馬車に乗るのか、とてもわくわくした様子だった。



ヘビの街道

 道中、さまざまなことがあった。

 今回も料理の腕をふるったシーアン。
 最初のほうはなかなかの味であった。
 何度かめの夕食時、自分で仕入れた食材での料理は、オランの有名レストランでもなかなか味わえないほどの逸品!いつもシーアンの料理をにこにこと食べているアイシャも、びっくりするようなおいしさで、その笑顔に、シーアンも思わず「俺って天才‥‥☆」と思ったり、思わなかったり‥‥‥

 しかし、旅も終わりに近づくにつれ、依頼人が持っていた見慣れぬ保存食を材料に選んだのがいけなかったのか、はたまた基本的ミスなのか。
 ドワーフの村を前に作った料理は‥‥ちょっと不本意なできばえであった。
 先に素晴らしい料理を作っていただけに、シーアン自信もちょっと不満がのこる料理であった‥‥‥。

 また、外の風景に見とれたアイオンが馬車から落ちそうになり、あわてておさえたポムまでもが馬車からころりんと落ちそうになったことなど、ちょいとしたハプニングも途絶えることはなかった。
 ‥‥
 本当は途絶えて欲しいところなのだが、そう、うまくいかないのが旅なんだろう。きっと‥‥‥


 だが、よいことも多少あった。
 一つ。冒険者達にとって、この馬車での移動ほどステキなものはなかっただろう。
 なんてったって、周囲さえ注意していれば、歩かなくてよいのだ。

 シーアンにしてみれば、ただ短調な馬車の旅ではあるのだが、少し乗り物に弱いのか‥‥終始アイシャがぴたっと自分に寄り添っている。
 そんなステキな移動だった。

 また、先の依頼で船では散々だったバジルも、今回の馬車の旅は、なかなかに快調であった。
 通る道も森周辺が多かったのが手伝ってか。それとも、馬車は得意なのか。
 少したりとも酔う事はなかった。

 また、ポムはというと‥‥‥
 いつもの定位置でなかったせいか、はたまた座る場所が定かでなかったせいか。
 すこぉし、お尻が痛いかな?
 ‥‥‥終始、すわり心地のよさそうな‥‥クロスの膝を狙っていたとか、いないとか‥‥‥



 エストン山脈への道は、のどかな旅であった。
 ずっと街道を来たせいもあるのだろうが、動物達に襲われることもなく、はたまた山賊に狙われることもなかった。
 皆、代わる代わる後方のチェックをするのを忘れなかったが、とくにソレらしい影を見る事はなかった。
 見かけたものといえば‥‥ウサギ、子鹿、巣に帰る途中らしきこうもりぐらいであった。
 こうもり‥‥‥近くに洞窟でもあるのかな?
 そう、バジルはちょっと思った。
 たまに聞こえる狼の声が、近くに狼のグループがいることをカヴァレスに伝える。

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BasePageSource 桐耶
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