SW-PBeM Scenario #36
氷晶の蒼狼
第10章 氷狼像

像を手にする者


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洞穴入り口

■フラウA To:ALL
(精霊語)
 では、案内しよう‥‥ついてきてください‥‥

 そう言うと、冒険者の前にフラウAがすっ‥‥と通っていく。
 その後をジリィを抱っこしたポムを筆頭に付いて行く冒険者達。
 洞穴に入った瞬間は暗かったのだが、キラキラと輝くフラウ達のおかげが、なんとか明かりは足りているようだ。
■クロス
 フラウって光るんだ…

 暗闇の中で青白く光るフラウを見て、また感動しかけているものが一人。
 今回は、ほんといろんな体験ができるな〜‥‥
 ジリィがいう居間や寝所を過ぎたころ。通路は突き当たりになっていた。???となっている冒険者達の目の前で、フラウ達はすっ‥‥と突き当たりの壁を通り抜けていってしまった。
■ジリィ To:ALL
(西方語)
 このさき、とととって、すすめるぉ。
 んと、このかべ、じりぃと、にぃたん、ねぇたんがいれば、とととってすすめるかべなんだぉ。

 と、すんなりGoサインを出しているジリィ。
 その言葉に、おそるおそる壁に進む冒険者達。
 ぶつかるかな?っと思った瞬間、彼らは全員部屋の中へと入り込んでいた。
■シーアン To:
(う、なんか気味悪ぃーな)

 壁を通り抜ける瞬間の、シーアンの素直な感想である。


洞穴の中

■ジリィ To:ポム
(西方語)
 ぽ〜、ありがとぉだぉ。
 じりぃ、これから、ぎしきするぉ♪
 あかいみずくさ、くれくれだぉ〜〜☆

 とポムの目の前で尻尾ふりふり、おくれくれ☆なぽぉず。
■ポム To:ジリィ
(西方語)
 うん。わかったぜ

 ポムは、水袋から取り出した水草を、ちょっとすまなそうに見てからジリィに手渡す。
 ジリィはその水草に口をちかづけ‥‥なにかごしょごしょ言ってからそっと咥え、は部屋の奥にある祭壇らしき場所へととことこっと歩いて行った。

 祭壇‥‥そう言うのがもっともふさわしい言葉であろう部屋の奥。
 左右対象となっているその場所は、石をくりぬいてあるのか、だいぶ頑丈な印象を受ける。
 その祭壇の中央には青白い炎が、ゆらり‥‥と燃えている。
 左右に控えているフラウ達は、静かに主の儀式を見守っている。

 しかし。目を皿のようにして見まわしても、肝心要の「像」の姿は部屋のどこにも見当たらなかった。
■フラウA To:ALL
(精霊語)
 これより‥‥若様の儀式となる。

■フラウB To:ALL
(精霊語)
 手伝っていただく時になったら言うので‥‥その時は御願いします‥‥

 そうして、儀式は始まった。


 青白い炎に、そっと赤い水草をくべるジリィ。
 陽気な赤い水草も、己の運命を感じたのか、静かにしているようだ。
 そして、次にふんわりとした羽毛、ずっしりとしたキノコをくべている。
 静かに燃える炎。だんだんとその炎が大きくなり‥‥‥そして、ジリィの口へと吸いこまれ始める。

 どのぐらい吸いこんだのであろうか?
 静かに燃え盛る炎すべてを吸いこんだジリィの身体は、ふんわりと。いままで以上にふんわりとした印象を受けた。
 そして‥‥そのまま、くるっと振り返り、にっこりと冒険者に微笑む。
■フラウB To:ALL
(精霊語)
 ‥‥冒険者達‥‥若様に御手を‥‥

 静かに。しかし、はっきりとそう言った。
■ポム To:フラウB
 手?
 手をどうするんだ?

 きょとん、と聞き返すポム。
 手をいったいどうするんだ?ジリィにでも乗っけてやるのか?と首を捻る。

 一体何のコト?という表情の冒険者の前に、にこっと笑みを浮かべたままジリィが近づいてくる。
 そのまま、冒険者達の目の前にきて、
■ジリィ To:ALL
(西方語)
 じりぃ、これでじゅんびばんたんだぉ。
 さささ。やくそくのぞう、おにさん、おねさんたちにあげるぉ♪

 そういうと、ころん♪と冒険者達の目の前に、あお向けに転がります。
■ジリィ To:ALL
(西方語)
 ぞう、じりぃのなかにあるぉ。
 さささ。じりぃ、きりひらいて、ぞう、とりだすぉ〜〜〜♪

 限りなく無邪気に。そう、ジリィは言いました。
■ポム To:ジリィ
(西方語)
 切り開くだってぇぇぇ!
 そんなのぜったい痛いぞぉ〜っ!

 「死」のイメージよりも先に、「痛み」のイメージがポムの頭に浮かんだらしい。
■クロス To:ジリィ
(東方語)
 ええええっ? な、何を言って…?

■シーアン To:ジュリー
(東方語)
 はぁっ?
 切り開くって―――そしたらお前はどうなるんだ?死なねーのか?

 あまりにも急な発言に、泡食らうシーアンとクロス。
■ジリィ To:シーアン
(東方語)
 むむ〜♪いいしつもんだぉ。
 これ、ぎしきだぉ。
 だいじょぶ、じりぃ、しななぃぉ♪
 それに、きてもらわないと、ぞう、わたせないぉ〜〜?
 じりぃ、とれないんだぉ‥‥?

 と、はやくはやく♪とお腹を見せています。
 ふわふわな毛につつまれたお腹。触ると気持ちよさそうです。
■クロス To:ジリィ
(東方語)
 でっ、でも痛くないのっ!?

■ジリィ To:クロス
(東方語)
 いたくない、いたら、うそになるぉ。
 でもでも、じりぃ、がんばるぉ♪おっきくなるためのしれんだぉ☆

 仰向けのまま、にっこりと言います。
■クロス To:ジリィ
(東方語)
 そんな…

■ポム To:ジリィ
(西方語)
 ジリィがおおっきくなるのって大変だ
 ………よし、あたしは手伝うって言ったんだから手伝うぞ!
 うにに〜…………(^^;
 うん。ジリィが頑張れるように手を握っていてあげるぞ。
 でも普通の剣とかで切れるのか?

 一度。「儀式を手伝う」と言った手前、それを中断させるなんてことはできない。
 しかし、あまりにも無邪気に。あまりにも無抵抗なジリィに刃を突き刺す事ができないようだ。
 ポムは‥‥そっと優しく、暖かく、ジリィの前足を握ったまま‥‥すまなそうな瞳でシーアン達を見る。

 その周囲では、同じく刃を刺せないでいるバジルやクロス、アイシャが心配そうな瞳で見ている。
■バジル To:シーアン
 僕はちょっと無理…かも

 ポムと同じく、ちょっと辛そうな表情だ。
■シーアン To:みんな
 じゃあ、俺が切るか。

 神妙な顔つきになってジリィに近寄るり、背中のソードに手を伸ばすが、そこで自分が手にしようとしている物がグレートソードだった事に気づく。
 流石にこれで切るのは‥‥と思い留まる。
■シーアン To:みんな
 あ・・・っと、誰かショートソード持ってないか?

 空の右手を差し出しメンバーを振りかえる。
■クロス To:シーアン
 え? あ、そうか、僕のダガーで良ければ貸すけど…

 空の右手相手に、あわあわと少し動揺しているクロス。
 先ほど仕舞ったダガーがうまくとりだせない。
■カヴァレス To:
 ・・・・・・・・じれってぇ・・・・
 とっとと済ませて帰るぜぇ。

 シーアンに獲物を渡さないで、すっ‥‥と横を通る者がいた。カヴァレスだ。
 言うが早いか、カヴァレスは懐からスッとダガーを取り出すと、表情一つ変えずにサクっとジリィのふわふわな腹に突き立てる。
■アイシャ
 きゃっ。

 ダガーが突き刺さる瞬間、ぎゅっっとシーアンの腕にしがみつくアイシャ。
 ‥‥辛くて、目をそちらの方向には向けられない。
 その刃は驚くほどすっ‥‥と‥‥。毛の抵抗もなにもないかのように刺さり、そのままなんら抵抗もないまま下に引き下ろされる。
 切り開かれた瞬間、辺りは精霊力のない者も「なにかしら」を感じられる、雰囲気に包まれた。

 ここはごつごつとした岩穴なのに。
 優しげな風、静かなせせらぎ、気持ちのいい緑、そして暖かな大地。
 そんな「感じ」が冒険者達を包み込む。

 ジリィの腹をすっかり切り開いたカヴァレス。
 血と呼べるものは一滴もでず、ただ、その切り開いた切り口から、蒼白い光をたたえた狼の像が見える。
 ちょうど「心臓」と呼べる位置にある、氷晶の蒼狼像が。

 カヴァレスは、ダガーを持たぬ手で、むんず‥‥と像を取り上げた。
■カヴァレス To:
 ほぉ・・・?

 その手に煌くのは、静かな蒼をたたえた像が。
■バジル To:カヴァレス
 あ…

■クロス
 ブルートパーズの狼像!

■フラウA
(精霊語)
 ‥‥‥氷狼様‥‥‥

■フラウB
(精霊語)
 おかえりなさいまし‥‥‥

 カヴァレスが像を取り上げた瞬間、カヴァレスの目の前で仰向けに転がっていたふわふわな存在はかき消されるように消えた。
 手には像が。ダガーがある。
 しかし、ジリィの姿は無い。

 辺りは静寂につつまれた。
■ポム To:ジリィ
(西方語)
 ジリィ?

■クロス To:ジリィ
(東方語)
 ………え?

■カヴァレス To:
 クク,次は手品かぁ? 手の込んだ事ったぜぇ・・・

 急に姿を消したジリィを探し、辺りを見回す。
 しかし、ポムとクロスの目に映るのはキラキラと輝くフラウと仲間のみ。

 カヴァレスは、この状況をじっくりと観察しているようだ。
 心なしかフラウ達の輝きが薄れてきたころ。
 時間にしては、5分も経っていないのだが‥‥あまりにも急にジリィが消えたので、しばし呆然となっている冒険者。
 ジリィは?いったい‥‥と思ったちょうどその時。その「場」に「力」が感じられるようになってきた。

 その「力」はだんだんと集まり、固まり‥‥冒険者の目の前でゆっくりと形作られていった。
 その力の集合体は、おおよそ形容するならば「蒼白い炎につつまれた狼」の姿へと形を安定していった。
■クロス
 これは……氷狼!?

 思わずつぶやいた言葉に、心なしか蒼白き狼の表情がゆるんだようだ。
■頭に響いてきた声 To:ALL
 冒険者の方々‥‥‥いや、それとも「おにさん」「おねさん」とお呼びした方がよろしいか?

 その蒼白き狼からなのか?
 声は直接皆の頭に響いてくる。
 静かだが、でも、十分に力強い声が。
■ポム To:声
(西方語)
 あたしの事はもちろん、ポムでいいよ(にっこり)

■頭に響いてきた声 To:ポム
 そうか。では「ぽ〜」ではないのだね。

 と、教えてもらった名前を言う。
 どうやら、先ほどまでの記憶はちゃんと残っているらしい。
■ポム To:声
(西方語)
 うん、呼ぶのは「ぽ〜」でもいいぜ(笑)
 でもあたしの名前は「ポム」だから
 それ覚えてくれると嬉しいな

 とはにかみながら答える。
■頭に響いてきた声 To:ポム
 大丈夫。「名前」はちゃんと覚えているよ。
 ポム、アイシャ、バジル、クロス、シーアンと‥‥れす?かな?
 ジュビリーの名と共に、常に私の側にいるだろう。

■バジル To:声
 カヴァレスだよ。僕はレスって呼んでるけど。

■頭に響いてきた声 To:バジル
 ‥‥そうか、カヴァレスというのか‥‥ふむ。
 ありがとう。

■カヴァレス To:声
 腹ぁ掻っ捌いた事かぃ?
 言葉の額面通りよぉ,礼にゃぁ及ばねぇさぁ。クッククク・・・

 どんな時でもカヴァレス節は変わりなし♪
■頭に響いてきた声 To:ALL
 あなた方のおかげで、無事この姿へと変貌できた‥‥。
 その像はささやかな礼だ。うけとってくれ‥‥‥

 もっとも「依頼料」ゆえ、渡さなければならぬものだが‥‥な‥‥(^^)

 荘厳な声で、おちゃめな事いわないでくれ。
 今が締めなんだから。
■アイシャ To:声
 ………ジリィ?

■バジル To:声
 え?ジリィ?
 ジリィがあなたになったの?

■クロス To:声
 ホントにジリィなのかい?

■頭に響いてきた声 To:ALL
 そうとも言えるし、そうではないともいえる。

 もともとは同一のものであるからな。
 「成った」とも言えるし「戻った」とも言える‥‥とだけ思っていて欲しい。

 その答えに、ポムは理解の印か、しっかりと頷く。

 その蒼白き狼の目は、限りなく優しかった。
■クロス To:ジリィ
 無事…だったんだね。よかった…

 ”消えた”のではない事が確認でき、ほっと安堵するクロス。
■ポム To:ジリィ
(西方語)
 戻れてよかったな(^^)

■頭に響いてきた声 To:ALL
 お疲れのところ申し訳ないのだが‥‥この「場」の結界はもうじき人が通れぬものとなる。
 また‥‥。
 我は山の守護となる。
 今後は‥‥会わぬ方が良いのだ‥‥‥‥

 そう言うと、すっ‥‥と先ほど入ってきた壁を向き、
■頭に響いてきた声 To:ALL
 さらばだ‥‥‥。
 道中、健やかにな‥‥‥

■バジル To:声
 うん。ありがと。
 ジリィ…あなたも元気でね。

■クロス To:ジリィ
 そう……もうさよならなんだ…

■シーアン To:声
(まただ・・・。また、二度と会えない出会いをしてしまったな・・・)

 シーアンの頭に、黒きペガサスの姿が浮かぶ。
■シーアン To:声
 さよなら、ジリィ。

 その声は、すこし寂しげだ。
■フラウA To:バジル
(精霊語)
 氷狼様がお戻りになられたので、ここ周辺はだいぶ精霊力の集中する場所となる。
 途中までは見送らせていただくが‥‥あとは‥‥振り向かない方が良い‥‥

■バジル To:フラウA
 うん…。わかったよ。

■アイシャ To:声
 ジリィ……もう逢えないんだ…。 

 思わず涙がぽろぽろと‥‥。
 静かに頬を伝わり、地面に落ちる瞬間‥‥綺麗な氷の結晶となる。
 しかし、身体はそんなに寒くはない。

 壁へ向いていた視線をアイシャへと戻し、
■頭に響いてきた声 To:アイシャ
 逢えない‥‥というか、会わない方がよいでしょう。
 今はまだ幼生体の影響を濃く持っていますが‥‥じきに私はこの山の守護者となる‥‥。
 「私」を優先することは、できぬので‥‥‥

 ちらっと、フラウAを見て、また視線をアイシャへと戻す。
■頭に響いてきた声 To:ALL
 しかし、私は忘れぬよ。
 永劫となるであろう守護をしながらも。
 生き物を愛で、木々達と暮らすこの山にいても。

 私に手を貸してくれたあなた達を。
 小さく、か弱い私を暖かく抱きしめてくれたその手を。
 急に飛び出して行った私を受け止めてくれた少女を。
 急な願いに答えてくれた友の姿を。
 我が僕たるフラウを助けてくれたその想いを。

 精霊の加護があらんことを。
 この北の山で祈っているよ‥‥

 その笑み‥‥その瞳。
 ふっ‥‥と無邪気に笑うジリィの顔がだぶった。
■アイシャ To:声
 アイシャも…(ひっく)
 アイシャも忘れないの。

 笑顔を返そうとするがうまくいかない…。
■ポム To:ジリィ
(西方語)
 あたしも忘れない!
 絶対に絶対だ
 いつかこの山に来る事があったらそっと詩を歌うよ
 そうしたら…そうしたらさ、そっと聞きに来て欲しいな

 いつか。今はハッキリとは約束できないけど。
 そっと詩をつぶやくときに、優しい風が身を包んでくれたらいいな。
 ほんのちょっとだけ。そう。ちょっとだけポムは思う。
 その隣では、同じく吟遊詩人たるクロスも頷いている。

 しかし、その問いに対する返事はなく。
 ただ深い蒼の瞳がポムを見ているだけであった。
■カヴァレス To:
 ご大層な儀式だねぇ・・クク,感動的な事ったぜぇ。
 

 一人、己のペースを崩さぬ者がいる。
 そのつぶやきには、スパイスが。
 それも、幾分きつめのようだ。
■フラウB To:ALL
(精霊語)
 あまり礼をつくせなくて、すまない‥‥

 二体のフラウは、すっ‥‥と蒼白い狼の側に控えている。
■頭に響いてきた声 To:ALL
 では‥‥名残惜しいが、ここまでとしよう。

 人の足で歩いてきたように見えるこの道も、すこし次元に細工がしてあるのでな。このままでは帰るのがきついだろう‥‥

 と、フラウAの方を向き、
■頭に響いてきた声 To:ALL
 キオのほうがより麓に詳しい。
 キオに麓までの道を案内させよう‥‥

 では、さらばだ。
 私は‥‥少し喋りすぎたようだ‥‥‥

 その声を最後に、ふっ‥‥と部屋の空気が急に軽くなった。
 先ほどまで強く感じていた「力」も、微塵も感じられない。
 部屋には、冒険者と依頼人、そしてフラウだけが残った。


■ポム To:ジリィ
(西方語)
 さようなら、ジュビリー
 ずーっと元気で…

■バジル To:みんな
 それじゃひとまずブロンさんとこに戻ろうか?

■ルツァー To:ALL
 そうですね。この後の話は、ここを出てからにいたしましょうか。

■クロス To:みんな
 それがいいよ。

■ポム To:みんな
 あたしはちょっとお腹すいちゃったぜ♪(^^)/

 と、ちょと妙に元気が良い。
■ルツァー To:ALL
 そうだ!!
 ‥‥先ほどまで立っていた場所に‥‥ロシを‥‥‥
 ‥‥‥大丈夫だと‥‥いいな‥‥‥(^-^;;;

■クロス To:ルツァー
 え…う〜ん…ちょっとの間だったし、大丈夫なんじゃないかな…

 ‥‥きっと‥‥気の優しい近所のフラウね〜ちゃんが見ていてくれたに違いない‥‥(^-^;
 でも、ロシは見えてないとおもうが‥‥ま、なんとかなってるでしょう。


■クロス To:キオ
 ところでさ、あの、きみは……キオだっけ?
 さしつかえなければ聞かせて欲しいんだけど、ジリィは氷狼様のなんだったの?

■キオ To:クロス
(精霊語)
 ジリィ‥‥。先ほどから「若様」に向けてその名を呼ばれているな‥‥
 「若様」は若様であるし、氷狼様は氷狼様だ。
 同一のものとも言えるし、まったく異なる方とも言える。
 同一の記憶をお持ちになられているが、全く異なる性格をお持ちになる方々と思って下されば‥‥よろしいとおもう。
 ま、もっとも‥‥私やニアにとっては、どちらもお仕えする大切な御方というのには変わらないよ‥‥

 と、の回答を得られた。
■ポム To:キオ
 あ、えっと何て呼べばいいって聞いて、名前が無いって困ってたから
 キオの言う「若様」にジュビリーって名前を付けたのあたしなんだ
 ジリィは愛称なんだ(^^)

■キオ To:ポム
(精霊語)
 なるほど。
 だいぶ可愛らしい名前を‥‥若様もきっとお喜びであろう。

 そりゃぁもぉ、跳ねまわるぐらいに(^^)。
■ポム To:キオ
 なぁなぁ、あたしも聞いてもいいかな?
 何でジリィの中に像があったんだ?
 おかげで痛い思いしなきゃいけなかったじゃないか
 ジリィがいて像が出来たのか?
 像があってジリィが生れたのか?
 いろいろ考えたんだけど上手く想像できないんだ

 と、だいぶ困った顔での質問だ。
■キオ To:ポム
(精霊語)
 今回は貴方達に手伝っていただいたのだが‥‥。
 若様から氷狼様へとお変わりになられるときに、「若様の身体」という殻を破かねばならないのだ。
 その「殻」は、私やニアはもちろん、若様自信では破ることができないのでな、若様の中で「像」を爆発させることによって殻を破っているのだよ‥‥
 若様が先か、像が先か。というものではないのだが‥‥

 と、ちょっと困った顔のキオ。
 うまく説明ができないらしい。
 冒険者達はフラウA‥‥‥キオと呼ばれたフラウに連れられ、山を降りていった。

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