Sword World PBM #35「テン・ハイ」                


「帰厩−作戦会議」


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フェン家−家の中にて 
 一行は昼食のため、フェン家へと入っていった。
本来だったらリアンがいて昼食があるはずのその家の中にリアンはいない。
そして………部屋の中央に置き手紙があった。
フェンは、それを取ると食い入るように見た。

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フェン・ウー殿

貴殿の息子を預かった。
返して欲しくば、書類にサインをして明日の朝6時、
この山の中にある炭焼き小屋まで1人で持ってくることだ。
あなたがよく借りている共同の炭焼き小屋だ。
冒険者が一緒に来た場合は、息子とは二度と会えないだろう。

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 読んだとたん、フェンは腰からへなへなと崩れ落ちた。

■ フェン 
 ………そ、そんなばかな………。 
 
■ パオル To:ALL 
(置き手紙を見て)
ええー!?(  ̄□ ̄;)!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・し、しまった・・・。
ともかく二人を呼んできます! 

 パオルは、そのまま家を飛び出し、ダグの家の方に向かって走っていった。
■ ホルト To:パオル 
くそっ、やられた…
おいパオル?
パオル、びいどろの方は俺に任せろ!!
カルソ、アスタ、フェンさんを頼む! 
 そして、ホルトもまたオランの街へと駆け出していった。 まず、10分程度でパオルとエデンは帰ってきた。
よっぽど急いでいたのであろう。
 さらに、1時間経過後、ホルトとフィリス、それに仕事を切り上げたアップルも帰ってきた。
全員そろったのを確認してから一同は対策のための会議を開始した。
 とりあえず、一行がそろったのを確認して、フェンが一言発した。
■ フェン To: ALL 
 リアンを……リアンを……助けてやってください。
サインもします。書類も持っていきます。
だから………。 
 
■ エデン To:おおる 
つまり……、4名付いていましたけど、何方も誘拐されたことにはお気づきにならなかったというわけですのね。 
 
■ パオル To:エデン、フィリス、フェン 
す、スミマセン・・・・・。(;_;)本当にフェンさんとリアン君には申し訳ないです・・・。
 かなり落ち込んでるパオルであった。
■ ホルト To:フェン、フィリス、エデン 
面目ない…弁解の言葉もない。我々の責任です。
…フェンさん、書類を持って行くのは最後の手段です。リアン君は必ずや助け出します。
だから…だから、もう一度私達にチャンスを下さい…最早信じてくれと言えた義理じゃありませんが…
まだ打つ手はある。ある筈なんだ… 
 
■ カルソニック To:ALL 
 ・・・読みが甘かったか・・・実力行使はまだ早いと思ったが・・・。
 カルソニックは、平静を装っているものの拳にはかなり力が入っている。
■ エデン To:フェン 
このお手紙にはフェン様が良く借りている炭焼き小屋とありますけれど、ご存知かしら? 
 
■ フェン To:エデン 
 大体、炭焼き小屋はこんな感じのところです。 
 そういって、フェンは炭焼き小屋の簡単な地図を書いてエデンに手渡した。
■ エデン To:フェン 
では、フェン様はその書類にご署名をして、事件についての報告のお手紙をオランの官憲宛に書いて戴けまして? 
 
■ ホルト To:エデン 
エデン、どういうつもりだ?
確かに官憲に言うなとは一言も書いてないが、結果は明らかだろう。
それとも、陽動に使うつもりなのか?しかし…危うい賭けだぞ。 
 
■ エデン To:ホルト、ダグ、アップル 
ダグ様かアップル様は明朝6時に其の手紙と脅迫文、証書の写しを官憲に届けて下さるかしら?
リアン様の誘拐はそれまでになんとか致しますわ。 
 
■ ダグ To: ALL 
 それぐらいは、おらやってもいいだが、……大丈夫だが? 
 
■ フェン To: ALL 
 よろしくお願いします。
なんとか、リアンを助けてやってください。 
 
■ パオル To:エデン、ALL 
つまり・・・取り引きの時刻には官憲に訴えておけば、以後彼らはうかつに市内に入れなくなる。
という事ですか・・・。 
 
■ カルソニック To:ALL 
 俺はサインに偽証を使う手を思いついたのだが・・どうかな?
 つまり、遠目から見たらサインをした様に見せかけ近くで見ると誤字が入っている・・・と言う様にな
 この証紙を渡した時点で俺達の負けは決定している。だからこそここが最大のヤマ場だ・・・。
 どちらにしろどこにリアンが連れていかれたか分からないとどうしようも無いがな。
 
■ ホルト To:仲間 
いや、それならいっそ書類そのものを偽造するというのはどうだ?
リアンの行き先はともかく、奴らの行き先ならわかるかもしれない。
あまり期待は出来ないが、ギルドに訊けば…こういう事情なら、あるいは… 
 
■ カルソニック To:ホルト 
 ・・・それは書類の構造を見るしかないな。 魔法がかけてある可能性もあるから・・・
 だから結局やつらに『契約成立』を阻止しないといけない訳だから・・・・。
 偽造が困難な証紙だったらその方がいいと思うぞ。 
 
■ ホルト To:カルソ 
魔法はともかく、確かに偽造は手間がかかるからな。そいつはおいとこう。
何にせよ、フェンさん自身にサインさせるのは出来れば避けたいところだ。
それこそ、サインに細工したり、俺達が筆跡を真似たりと他にも手はある。
こういう時こそ発想の転換が必要なんだが…くそ、浮かばんな。 
 
■ エデン To:おおる 
では、私、明るいうちに小屋を見て参りますわ。
 そう言い残してエデンは炭焼き小屋の偵察に向かった。
確かに、エデンが1人でいくのが一番見つかりにくいので適任であろう。
小屋の近く(といっても割と遠く)まで周囲の人物に注意しながら移動し、手頃な高さの木に登る。
2mくらいずつウィップを引っかけながら、ラバーリングアクションですっすっすっと登っていくエデン。器用な奴である。
そしてで、木の上から小屋を調査した。枝の隙間から顔を出して様子をうかがっている。
すると、小屋の前に男が1人、あれはワルツマンであろうか?、座って見張り番をしているのが分かった。
小屋にはもちろん煙突はあるが、それ以外には窓などなく、中の様子はうかがえなかった。
■ エデン To:おおる 
……少し見て参りましたけれど、炭焼き小屋にはワルツマン様らしき人物が小屋の前に座っておりましたわ。
取り敢えず、リアン様に差し入れでもお届け致しましょうかしら? 
 
■ ホルト To:エデン、フェン 
そうか…ありがとう。でも、それは止めておいてくれ。連中に不要な刺激を与えたくない。
しかし、何かにかこつけて様子を探るというのは良い考えだな。
ふむ…
そうだフェンさん、小屋には入口と煙突の他に開口部はないんですか?窓とか。 
 
■ フェン To:ホルト 
 はい、ありませんねえ。 
 
■ エデン To:フェン 
そう言えば此の辺りに炭焼き小屋は彼処しか御座いませんの? 
 
■ フェン To:エデン 
 ええ、他にはないですね。 
 
■ エデン To:フェン 
では、何方か……普段、炭焼き小屋をお使いしているお知り合いの方にでも、直接中の確認を頼めませんこと? 
 
■ フェン To:エデン 
 う〜ん、隣のネイさんなら、もしかしたらやってくれるかもしれないですね。
ネイさんに頼んでみますか? 
 
■ パオル To:ALL 
そうですね。上手く行けば、リアン君を確認できるかもしれませんね。 
 
■ フェン To:ALL 
 うまく確認できるといいのですが……。
じゃあ、今からちょっとネイさんを呼びに行ってきますね。 
 
■ パオル To:フェン、ALL 
お願いします。

ともかく最優先すべきはリアン君の安全なので、明日の取り引きには応じましょう。
そしてリアン君の安全を確保したら、後はただ行くのみです。 

 
■ フェン To:ALL 
 すぐに帰ってきますから。じゃあ。 
 そう言い残して、フェンは、隣人のネイを呼びに行くため席を立った。

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原    作:  宮  

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