Sword World PBM #35「テン・ハイ」                


「トライアル−西へ東へ」


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炭焼き小屋−小屋の前にて 
 炭焼き小屋へとリアンを確認に行くためにネイはフェンの家を出た。
すでにその前に、エデンとフィリスが見張りのために森の中へ潜んでいる。
フィリスはまず、精霊力の働きをしらべた。
普段と比べて特別強い働きを示す精霊はいないみたいである。
また、何かあったときのために、フィリスはこっそりネイとウィンドボイスで会話出来るように準備を始めた。
■ フィリス To:風の精霊さん 
「大気に遍く精霊達よ…我が声を彼の地へ誘いたまえ…」
【ウィンドボイス!】 
 
■ ネイ To:ワルツマン 
 おう、どうもこんにちは。
ちょっと炭焼きをやりたいんだが、あんたら、誰かにここ借りたのか?
もし終わっていれば交替して貰いたいんだがなあ。
煙突から煙も出ていないことだしな。 
 
■ ワルツマン To:ネイ 
 あ……なんだ。
(どうすりゃいいんだ……)ちょっと待ってくだせえ。 
 そういってワルツマンは中へ相談に入った。
あわてたように、すぐに中からアクーニョが出てきた。
■ アクーニョ To:ネイand中にいる人々 
 ああ、すまないねえ。
フェンさんにお願いしてちょっと借りているんだよ。
今準備しているところなんで明日一杯かかるから、またにしてもらえないかねえ。
リアン君、そうだよなあ! 
 アクーニョは、大きな声で家の中にそう問いかけた。
■ リアン To:表の人々 
 うん! 
 中からリアンの返事が聞こえた。
リアンをよく知るネイには聞き間違えようのない返事だ。
■ ネイ To:アクーニョ 
 そうかい。
すまないなあ。
じゃあ、明後日にでも出直すことにするさ。
では。 
 
■ アクーニョ To:ネイ 
 どうもすまないねえ。 
 そのときシルフの力を借りて会話を盗み聞きしたフィリスが、ネイに話しかけた。
■ フィリス To:ネイさん 
『ネイさん!ちょっと待ってくださいっ!^^;
念のため、「伝えることがあったのを忘れてた」とかで、リアン君を呼びだして、本物かどうか確認してください〜っ!』 
 
■ ネイ To:アクーニョ 
 そういやーリアン君に伝えることがあったんだよ。
ちょっと入らせて貰えないかい? 
 
■ アクーニョ To:ネイ 
 中は今ちょっと取り込み中でねえ。
実は河に落ちちゃってあたしの下着とか干しているんだよ。
ちょっと勘弁してくれないかねえ。
伝言なら伝えておいてあげるからさあ。 
 そういいながらもアクーニョの目つきは結構怖かったりする。
ネイはびびってしまったようだ。
■ ネイ To:アクーニョ 
 そ、それは困ったなあ。
じゃあ、リアン君にこれを渡しておいてやってくれないか。
リアン君の好きな飴玉なんだよ。
じゃあ、またの機会に来ることにするよ。 
 このようにして最低限の確認を済ませて、ネイはそそくさと炭焼き小屋を後にした。
フェン家−家の中にて 
 ネイと様子を見に行った一行が帰ってきて、炭焼き小屋の様子を報告した。
■ ネイ To: ALL 
 とまあ、こういうわけだ。
これ以上はちょっと難しかったんで勘弁してくれ。 
 
■ パオル To:ネイ、エデン、フィリス 
お疲れ様です。ありがとうございました。(ぺこり)
エデンさん、フィリスさんもお疲れ様でした。
 
■ ネイ To: ALL 
 またなんかあるなら呼んでくれよ。
俺にできることならやるぞ。
頑張って助けてあげてくれや。 
 そういって席をたったネイを、フィリスが戸口まで送っていった。
■ フィリス To:ネイさん 
 ありがとうございました〜^^)/ 
 
■ ネイ To: ALL 
 ああ、後はよろしく頼むな。 
 そう言い残して、ネイは自宅へと帰っていった。
■ パオル To:ALL 
どうやらリアン君は無事のようですね。
じゃあ明日の取り引きに備えて今すべき事は・・・・。

一応証文の偽造はやっておきましょう。後で何かの役に立つかも知れませんからね。
そちらはホルトさんとエデンさんにお任せしますね。
・・・で他にする事は・・、何か無いかな?

 
■ フィリス To:パオルさん 
あ、えと、官憲屋さんに行っておきたいです。
どうしたら法的にガートランドさんを取り締まれるかとか、ゴロッキーさん達を逮捕できないかとか聞いておきたいので。
 
■ パオル To:フィリス 
ふむ・・・なるほど、巡査部長のアティスさんにでも相談してみましょっか。
分かりました。じゃあボクも一緒に行きますよ。 
 というわけで、フィリスとパオルで官憲に相談に行くこととなった。
この間に、カルソニックとアスタルテはフェンたちの護衛をし、ホルトとエデンで証文の偽造をやっておくことに決めたらしい。
で、偽造結果であるが、見た感じなんとか似たものは作れたのではあるが、割り印などのところが難しかったのか、ばれる確率が高そうなものしか出来なかった。
やはり、専門家の作った証文だけに偽造は難しいのだろう。
と、いうわけで次は官憲が舞台となってくる。
オラン−官憲にて 
 一行は、とりあえずフィリスとパオルが顔見知りのアティス氏から情報を入手するため、官憲を訪れた。
残念ながら、アティス氏はおらず、そこにはアティス氏と同僚のロックウェル氏がいた。
■ パオル To: 官憲の方 
スミマセ〜ン!こちらに巡査部長のアティスさんはいらっしゃいますか? 
 
■ ロックウェル To: ALL 
 アティスは別の事件で今出払っているんでなあ。
俺で分かることなら何とかしてあげるがなあ。
で、なんなんだい? 
 
■ パオル To: 官憲の方 
あ、そうなんですか・・・。えっとボクはパオル、見ての通り冒険者です。
ちなみに貴方のお名前は何と? 
 
■ ロックウェル To: パオル 
 俺はロックウェル。アティスの同僚だよ。 
 
■ フィリス To: ロックウェルさん 
えっと、お金屋さんのガートランドという方についてご存じですか?
聞こえてくる評判は随分悪いようなのですが…。 
 
■ ロックウェル To: ALL 
 まあ、普通のあこぎな金貸しだよ。
金貸しにまともな奴はいないからなあ。
まあ、法に則って行う分には俺たちも文句を言えないし、社会の必要悪ってところじゃないかな。 
 
■ パオル To:ロックウェル 
ふ、普通のあこぎな金貸しですか・・・・。(^^; 
 
■ ロックウェル To: ALL 
 あこぎでない金貸しのほうがめずらしいからなあ。
オランには今のところ、あこぎでない金貸しの噂は聞かないぞ。 
 ロックウェルは苦笑しながらそう言った。
■ フィリス To:ロックウェルさん 
あこぎ…というか、ごろつきさんを雇っていろいろ嫌がらせにいらっしゃるんですよ。この前なんか武装して恐喝まがいのことも…。 
 
■ ロックウェル To: ALL 
 証文とかがあるんだろ?
それに武装してきたっていっても、あんたらが武装しているんじゃ恐喝にはならないよ。 
 
■ フィリス To:ロックウェルさん 
むー…じゃあどんな嫌がらせ受けても泣き寝入りするしかないんですか?
こういうとき、弱者を守るのが「法」じゃないんですか?なんとかできないんでしょうか…。 
 
■ ロックウェル To: ALL 
 ああいう金貸しは法の網を抜けるのがうまいからなあ。
大概、債権回収業者を雇って債権回収にあたるから、その業者が捕まっても金貸しは捕まらないようになっているんだよ。
どこの金貸しも似たようなものだよ。 
 
■ パオル To:ロックウェル 
尻尾をいくら捕まえても、本体を捕まえる事はできないって事ですか・・・。まるでトカゲですね。

さてさて・・・、どーしたものかな? 

 
■ ロックウェル To: ALL 
 まあしょうがないなあ。
金貸しがいないと困る人もいるからねえ。
俺らもつらいところなんだよ。 
 
■ フィリス To:ロックウェルさん 
うーん…あ、でも「借金払わなきゃお宅のお嬢さんを…」とか脅されたりしたし…。
いくらなんでも、誘拐沙汰とかになったらガートランドさんを逮捕〜♪とかできますよね? 
 
■ ロックウェル To: フィリス 
 うーん。脅した奴がガートランドから命令を受けたってはっきりと分かっていれば逮捕できるがなあ。
ただ、さっきも話したけど大手の貸金業者は取り立ては自分で行わないで、代行業者にやらせるからねえ。
でもって、貸金業者と代行業者に法を守って取り立てるような契約書があれば、代行業者がいくらあくどいことをやっても貸金業者は逮捕できないんだよ。
嘆かわしいことになあ。 
 
■ パオル To: フィリス 
うーん・・・・・・・・・・・・・・。(ーー;
難しいみたいですねぇ。 
 
■ フィリス To:パオルさん、ロックウェルさん 
そうですね…。
仕方ありませんね、私達だけでできるだけのことしてみましょう。

ありがとうございました。
何かあったときにはまた相談に来ますね^^ 

 
■ ロックウェル To: フィリス 
 おー。何かあったらすぐにでも相談にきてくれ。じゃあ、またな。 
 こうして、パオルたちは官憲を後にした。

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