Sword World PBM #35「テン・ハイ」                


「新馬戦−ゴロッキー再び」


トップページへ 前のページへ 次のページへ

フェン家−畑にて 
 パオルが道具屋に行った3日後、昼飯時に”また”ゴロッキーたちがやってきた。
全部で3人、アクーニョは来ていないようである。
ちなみに、今回は連中も武装している。
ゴロッキーとファーラはチェインメイル、ワルツマンはハードレザーである。
でもって、ゴロッキーは背中にバトルアックスを、ファーラはメイスを、ワルツマンはダガーを持っているようだ。
■ ゴロッキー To:一行 
 今日はよー、証文の写しを持ってきたぜ!
今日こそ耳そろえて返して貰えるんだろーなあ! 
 ゴロッキーの出した証文には、確かにフェンがお金を8000ガメル返さなければならないことが書いてある。
そして、残念なことに期限が明記されていないことも書いてある。
■ ワルツマン To:一行 
 もし、払えないなら今週中にここ開け払って貰わないと何が起こるか分かりませんよ! 
 
■ ホルト To:招かれざる客 
ほほぅ?
何が起こるとおっしゃるのかな。まさか火事でも?
それに、その証文には返済期限が明記されておりませんな。
ということは、貴方がたが取り立てに来るのは確かに不当ではありませんが、かといって必ずしも返さねばならないという理由は何処にも無いわけです。
こちらとて何も返さぬと言っているのではなし、お引き取り願いましょうか。 
 
■ パオル To:ホルト、ゴロッキー 
ちょっと待って下さいホルトさん!

つまり、返済期限が記入されてないってことは・・・・いつでも返済できると言いたいのですね?ゴロッキーさん。 

 
■カルソニック To:パオル、ゴロツキーズ 
 そうだな。この場合の返済期限の記入のされていない場合は『すぐに返さなくてはいけない』というのではなくて
借り手の方を尊重して『いつでも返していい』という事になるな
ちなみに取り立て自体や脅しも違法行為だから覚えておくよーにな(笑)
よって君たちのやっている事は違法行為なんだよ。
 
■ファーラ To:カルソニック 
 じゃあ、一緒に官憲に行ってもらえないかな……フッ。
違法行為といわれるが、正式な取り立てを邪魔するあなた方の方が困るのではないかねえ………。 
 
■ ホルト To:ファーラ 
どうも勘違いをなさっている様ですが、貴方がたの行為が違法か適法かはともかく、私達はオランの法に反することなど何一つやってはいませんよ。
官憲のお世話になって困るのはむしろ貴方がたの方ではないのですかな? 
 
■ファーラ To:ホルト 
 じゃあ、一緒に全員で官憲にいきますかね。
あなた方と一緒に官憲にお世話になっても私は困らないですしねえ……。
そこで、どっちが捕まるかはっきりとすることですし……フッ。 
 
■ ホルト To:ファーラ 
生憎ですが、私達はご覧の通り、仕事の途中です。
貴方がた程ではありませんし、双方証拠不十分で釈放と決まっているものを、わざわざ確かめに行く気にはなれませんな。
私としては非常に残念で、不本意極まりないことですがね。 
 
■ ファーラ To:ホルト 
 くっくっくっ……。
官憲をよっぽど信頼なさっているんですねえ……。
失礼、どこのお坊ちゃんかと思いましたよ……。
まあ、官憲に行くのは私も面倒ですがねえ……。 
 
■カルソニック To:来た人たち(笑) 
 君たちにも少し聞きたいのだが、友人や知人にお金を借りてその後いきなり『すぐに返してほしい』と言われて手持ちがない場合
自分が『少し待って欲しい』と言う場合はいけないと思うかい?
 
■ ゴロッキー To:一行 
 少し待って欲しいだと!
もう、こちとらは半年待っているんだよ!
さっさ出すか、こっちの書類にサインをするかしてくれないと俺たちもおまんまの食い上げなんだよ。 
 というと、今度は、ファーラがもう一枚書類を出した。
その書類には、借金を返せないため、フェンの所有する土地、建物及びテン・ハイをすべて譲り渡す旨の内容が書かれてある。
■ ファーラ To:一行 
 これ、フェンさんに渡してくれないかねえ……フッ。
今日は、これにサインしてくれるまで帰れないからねえ。 
 
■カルソニック To:ゴロッキー 
 払えない物は払えないし、払うアテがあるのにその払うアテを借金のカタとして取るのは納得できん・・・・。
そういえば、もう一人が見当たらない様だかどこへ行かれたのかな? 
 そう言って遠くをわざと見る様にキョロキョロするカルソニック、見張りを捜しているのだろう。
だが、それでも誰も確認できなかった。
■ ファーラ To:ダグ 
 最近、自分たちは3人だがねえ……フッ。
この前飲んだときも3人だったよなあ……ダグさんよう。 
 
■ ホルト To:ゴロッキーズ 
私達も仕事を果たさねば報酬は貰えませんし、そちらの事情など知ったことではありませんな。
それにしても、最近の取り立て人は随分と物騒になったものですね。
他人の家に完全武装で押し掛ける…控え目に言ってもとても善良な一般市民のすることとは思えませんが、一体どういうおつもりですか? 
 ダグをかばう位置に立ちながら、ホルトはそう答えた。
■ ファーラ To:ホルト 
 あなた方がいつも武装しているから、危険を感じて武装してきたのですが……
それぐらいのことも分からないのですか? 
 
■ パオル To:ファーラ、ゴロッキー 
それはつまり・・、身の危険を感じるような何か後ろめたい事でもあるんですか? 

それ以前に、あなた達は金貸しのガートランドさんに正式に依頼されて、借金の取り立てに来ているんですか?
証文の写しを見せられただけで「ハイ、そうですね」とお金は返せませんよ。
その前に取り立ての依頼されたなら”イニンジョウ”とか見せて下さいよ! 

 
■ ゴロッキー To:パオル 
 なんか勘違いしていないかよう、おめーら?
おれたちゃ、お金を貰いに来てるんじゃなくて、ガートランドさんのところへコイツを連れて行くか、この証文にサインして貰うために来ているんだぜえ。
そのことは、フェンさんもよーくよーくしっているさ。
だからまあ、安心しな。
ちなみに、これにサインしても証文と一緒じゃないと効果がないからこれを安心して俺たちに預けてくれて大丈夫だ・か・ら・な。
持って帰って証文とあわせればすぐに官憲を通じて立ち退きをお願いすることになるけどな。 
 
■ パオル To:ゴロッキー 
サインはできませんねぇ。でもガートランドさんには話は伺いたいのもあるし・・・ふむ。(ーー)
ちなみにフェンさん一人で来いとか言うのでしたら、どちらもお断りですよ 
 
■ ゴロッキー To:パオル 
 まあ、今日はこの書類を渡しに来ただけだからなあ、
今日サインしてくれとは言うつもりはないさあ。
とりあえず、この書類持っておいて損はないぜ! 
 そういったあと、ゴロッキーは証文をパオルに手渡した。
■ パオル To:ゴロッキー 
あ、どうも・・・。 
 
■ ホルト To:ファーラ 
身の危険を感じてねぇ…
しかし、だからと言って他人の家に武装して押し掛ける理由にはなりませんな。
私達が武装しているから?
私達は護衛として雇われているのですから当然でしょう。
その程度の事もお分かりになられないのですかな?
…どうやら私は貴方がたのことを少々買い被りすぎていた様です。
なにしろ、その程度の事もお分かりになられていないのですから。
…それで?
貴方がたは如何なる理由を以って武装を正当となさるおつもりですか?
確たる理由がないのであれば、即刻お帰り願いましょうか。
私達は今から昼食の時間ですのでね。くずぐずしていると折角の食事が冷めてしまう。 
 
■ ファーラ To:ALL 
 フッ……、では、官憲に行ってどっちの言い分が正しいかはっきりさせますか。
世間知らずのお坊ちゃんとね。
行くなら最低3人ついてきてくださらないと人数があいませんがねえ。 
 
■ パオル To:ファーラ 
あ!ちょっと待って下さい!
こちらもボクらだけでは決定する事はできないんですよ。
書類の方を見ながら検討しておきますので、今日は官憲に行くのは止めておきます。 
 
■ ファーラ To:ALL 
 そっちのお兄ちゃんは、世間というものをよく知っているようだな……。
また、来るかもしれんがな……フッ。 
 
■ アクーニョ To:ワルツマン(ウインドボイス) 
 こっちは終わったよ。
さっさひきあげてちょうだい。 
 そのウィンドボイスから聞こえてくるアクーニョの声を聞いて、ワルツマンがゴロッキーにこそこそ耳打ちをした。
■ ワルツマン To:ゴロッキー 
 兄貴……向こうは終わったようですぜ。 
 
■ ゴロッキー To:ALL 
 よし、ファーラもそういうことだし、ここは一旦帰らせて貰うとするか。
じゃあな、坊や。
それとフェンさんよー。今度までにしっかり証文にサインしておいてくれよ。
はっはっは。 
 そういうと、ゴロッキーたちはさっさと帰ってしまった。
脱兎のごとき早さだ。
何事でもあったのだろうか?
■ パオル To:ALL 
なんとか帰ってくれましたね・・・。ぐきゅるるるるるるぅぅ〜〜〜!!あ・・・、もうお昼みたいですね。(^^;とりあえずお昼ご飯にしませんか? 
 
■ ホルト To:パオル 
ん…そうしようか。
パオル、さっきの証文、ちょっと貸してくれないか?
何か気になるんでな。 
 といってから、ホルトはパオルから証文を受け取って読み始めた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

取引証書借主フェン・ウー(以下Aとする)は、現在、ガートランド農商工金融
(以下Bとする)から借用中の8,000ガメルの代償として、以下の
ものをBへ譲り渡すものとする。但し、本取引証書はA及びBが以前に
取り交わした借用証書と一組になって効果を発揮するものとする。
1.フェン・ウーが現在所有している土地及び建物の全て
2.フェン・ウーが現在所有している農馬一頭
 

    借主              貸主  ガートランド農商工金融
 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ちなみに、貸主の欄の欄外にはガートランド農商工金融の割印が押してある。
借用証書と一組にするためのものであろう。

■ パオル To:ホルト、ALL 
とりあえずコレについては後でフィリスさん、エデンさんにも相談してみましょう。
ともかくお昼にしましょう!フェンさん、ダグさん。もうお昼ご飯ですよね?
お昼〜♪(^^)さてさて、今日のお昼ご飯は何かなぁ〜 
 証書を懐にしまいながら、先程の事はもう忘れたのかルンルン気分でリアンのいる台所に向かうパオル、そしてそれについていく一行であった。
このあと、何が起きるかも知らないで………。

トップページへ 前のページへ 次のページへ


原    作:  宮  

ページ管理:OZZY<OZZY>