Sword World PBM #35「テン・ハイ」                


「落札−悪戯は続く」


トップページへ 前のページへ 次のページへ

フェン家−火事の現場にて 
 フェンの家の火災現場は、現在住んでいる飼料小屋の北にある。
カルソニック、エデン、ホルト、アスタルテはは調査のためそこへやってきた。

(地図)

___________________
l                  l
l                  l
l                  l
l                  l
l                  l
l        一面の畑      l
l旧フェン              l
l 家                l
l                  l
l                  l
l馬房  −−−−−−−−−−−−−−l
lフェン家  仮設調教路       l
l井戸________________l   

 
■ フェン To: ALL 
 全部燃えてしまって、焼け跡も片づけたんで何も残ってないですが……、好きなだけ調べてください。  
 フェンがそう言い残して農作業にいったあと、一行は捜索を開始した。
ちなみに、フェンの護衛のため、アスタルテがフェンに同行している。

さてさて、捜索は次のように手分けして行われた。地面及び地下に埋まっていて残っているものがないのかをエデンが調査。
火元及び火を使っていたと思われる所周辺をホルトが調査。
そして、カルソニックは、その力を生かして二人の調査の補助を行っている。

 しかし、3人の懸命な調査にも関わらず、何ら有効な証拠、遺留品などは出てこなかった。

■ ホルト To:エデン、カルソ 
見事にな〜んも見付かんねぇなぁ。何せ半年前だものな。  
無理もないか‥‥‥  
原因が失火にしろ、不審火にしろ、これじゃここから真実に迫るのは不可能じゃないのか?  
どうする、まだ続けるか? 
 秋の陽射しとはいえ、昼辺りはまだまだ汗ばむ程の陽気になる。
額の汗を拭い、二人に問掛けた。
■カルソニック TO:ALL 
 そうだな、これ以上ナニもやっても分からないんじゃ仕方ないな。  
 あ、とりあえず・・奥さんの冥福を祈る為に黙祷を捧げよう  
 ここで色々する前にやるべきだったかもしれんが忘れてた・・・。
 
■ ホルト To:二人 
しまった、俺もすっかり忘れてたよ‥‥‥‥ありがとうカルソ。  
死者には敬意を払わなきゃな。  
奥さんがどの神の信者だったかわからないから、それぞれの信じる神にで構わないだろう。  
エデンには馴染みのない習慣だろうけど‥‥‥(偉大なる〜よ‥‥‥‥‥) 
 二人はその場に膝をつき、しばしの間各々の神に祈りを捧げた。
■ エデン To:ホルト 
(神様は信じていますけれど……祈った事は御座いませんわね。)  
そういえば、別段出火原因が判らずとも依頼に支障は無いのではなくて? 
 
■ ホルト To:エデン 
それはそうだが、わかればそれに越したことはない。  
火災に人為が絡んでいたかどうかはっきりすれば、依頼に役立つかもしれないしな。  
どうせ時間は余っているんだ、情報を得るのに手間を惜しむ必要はないだろう?  
もっとも、ここは骨折り損だったみたいだけどな。  
それがわかっただけでも良しとしようや。 
 ということで、火事場の調査は終了ということになった。 
 
フェン家−家の前にて 
 火事場の調査が終わった頃、丁度、昼の時間となったようだ。
リアンが何か食べ物を持ってこちらへ向かってくる。
■ リアン To: ALL 
 ……おにいちゃんにおねえちゃん、お昼ご飯に芋を蒸かしたんだ。  
ここに置いておくね。  

おとうさん、お昼ご飯できたよ〜。  
こっちに用意してあるよ〜。 

 ふかし芋を置きながら、リアンはそう叫んだ。
4人の方にはふかし芋が12個置いてある。
■ えでん To:芋(東方語) 
うにゃ?
 とりあえず、ごく稀に神経質なエデンはジャガイモの芽はちゃんと取っているか調べたりする。
その後、ふかし芋を銀食器に取り分けるとナイフとフォークで食べ始める。 
■ ホルト To:リアン 
おっ、ありがとう。ご苦労様。  
丁度良いから一休みしようか。もうそんな時間なんだなぁ。  
んーっ、腰が痛い、なっと。(ゴキゴキ)  
そういや、パオルとフィリスまだ帰ってないのな。ま、心配要るめぇ。  
(リアンの奴、今日は愛想が良いな‥‥‥?いや、その前に取りあえず飯だ、飯。) 
 元々やや集中力に欠ける嫌いがあるホルトにとって、長時間の捜索は辛い作業であったらしい。
井戸で顔を洗うと食前の祈りもそこそこに食べ始めた。
それにしても爺臭ぇなホルト。お前幾つだ?
■カルソニック To:リアン 
 お、有り難い・・。早速頂くかな。 
 そう言うとカルソニックは一気に芋にかじりついて飲み込んだ。・・・・人間かコイツ・・?
■カルソニック To:ホルト 
しかし、これだけ調べて状況証拠が無いとすると・・・・・どうするかなぁ・・・・。 
 みんなで和やかに食事をしていると……エデンの食べていたジャガイモから虫の死骸がぼこっと出てきた……。
ジャガイモにつく寄生虫であろうか……。
■ えでん To:オラングリーンマダラジャガイモムシ(仮)(東方語) 
(グサ)ぱく。 
 気付いたのか、気付いてないのか、エデンはそれをフォークで突き刺すと口に入れた。
苦く、まったりとしていて何ともいえない食感いや触感であろうか。
それでいて、ざらざらとしていて、とても飲み込めそうにない味である……。
やっぱりエデンは吐いてしまったみたいである。
エデンの顔から脂汗が流れ落ちた……。
■ えでん To:オランキイロタテジマジャガイモムシ(仮)(東方語) 
(ぺ)……にが。 
 その後、口直しに皿に残った塩を舐めるエデンであった。
■フェン To:リアンandエデン 
 リアン、虫が入ったイモはしっかり外しておかなきゃダメじゃないか。  
ごめんなさいねえ。これを代わりに食べてやってください。 
 といって、フェンは自分のジャガイモをひとつエデンの方へ渡ししながら、リアンに謝るよう促した。
■リアン To:エデン 
 ごめんなさい……。気をつけるようにしますね……。 
 しかし、リアンの目は怒ってエデンをにらみつけているような感じである。
もちろん、フェンからは見えないように気をつけている。
■ ホルト To:カルソ、エデン 
ま、元々大して期待はしてなかったさ。何せ半年前のことだからな。  
(肩をすくめて)さて、どうするかね?  

ん?エデンどうした?苦虫を噛み潰した様な顔して。  
〜あれもモノによっては食えんことはないんだが。揚げるとかな。  
俺も流石に生ではなぁ。 

苦笑しながら慰めてんだかどうだかわからない調子で、ホルトが話しかけた。
なお、ホルトは別にゲテモノ食いではない。
彼の有名なソーサラーとは断じて違う‥‥‥‥はずだ。
単に彼も身に覚えがあるというだけの話である。ね、レ・ン・シ・オ
■ エデン To:ホルト 
取り敢えず、見張りさえきちんとしておけば依頼に関しては問題無いと思いますわ……。 
 
■ ホルト To:仲間達 
そうだな、考えるにしたって今はまだ情報が足りなさ過ぎる。  
考えても仕様がないときに考えるのは労力の無駄だな。  
先はまだ長いんだ、じっくり腰を据えてかかるとしますか。  
今日のところはパオルとフィリスが持ち帰って来るであろう情報に期待、かな。 
 そうこう話すうちに、皆午後の仕事へとうつっていったようだ。 
 
フェン家−家の中にて 
 午後、見張りをしているうちにパオルとフィリスも帰ってきたみたいである。
そして、一行はお互いに情報交換などをしていたみたいだ。

 夕方、農作業が終わって一行が家に帰ってくると、パオルの荷物がなぜか開けられていた。

■ パオル To:独り言、ALL 
おやぁ!?なんで開いてるのか・な? 
 パオルが中を確認すると……その羊皮紙に東方語で
でていけ!
と書かれていた……。
どう見ても、子供の書いたような拙い文字である。
一行にはこのような文字を書く人はいないし、フェンの字(依頼書の文字)とも違っている。
■ パオル To:独り言、ALL 
特に異常ナシっと・・・。  
で、この羊皮紙の「でていけ!」・・か・・ふむ。  
これを書いた人は、ボクが東方語しか読めないのを知っているのかな?  
かなり親切な人だね。・・って事は親切で「でていけ!」というの?  
まぁ単に、共通語が書けないって事かもしれないけど・・・さてさて。  

あの皆さん、コレどう思います? 

 仲間の方に振り返って、パオルは皆に羊皮紙を見せた。
その羊皮紙をみるなり、エデンがつぶやいた。
■ エデン 
あら……割としつこいのね……。  
一度お話しした方がよろしいかしら……?
 エデンは、リアンを彼らの部屋へ来るよう、呼びに動いた。
■ ホルト To:エデン 
待てエデン。さっきの事もあるだろうが、ここはおさえてくれ。  
幸い、明日は買い出しの日だ。  
その時の方が互いにとって良いんじゃないか? 
 ホルトはエデンの行く手に回り、説得を試みた。
■ エデン To:ホルト 
そう。では、明日に致しますわ。  
けれど……これ以上邪魔されると面倒よ。  
早いうちにどうにかしなければね……。 
 カルソニックは腕を組みながら自分なりに考えた意見を話始めた。
■カルソニック To:ALL 
 に、しても・・疑問に思うんだが。  
 あの子がこんな事して何か好い事になるのだろうか?  
 事態が好転すると考えるだけの要因があるのか、それとも・・。  
 昼間会ったあいつらと繋がってるとか・・?  
 そこまでだと考えすぎだろうが、何かあるんだろうな・・・。  
 その辺りを考えるといいかもしれんな。
 
■ パオル To:ALL 
まさかあのゴロツキさん達と、繋がってるって事はないと思いますよ。  
むしろ同じように見られてるのかも・・・。  

そうですねぇ・・、一度ゆっくり話してみる必要があるますよね。  
ホルトさんが言うように、明日はリアン君が買い出しに街にでますからその護衛の方に説得というか、よく話をしてもらいましょうか。  
で、明日の護衛はホルトさんとカルソニックさんですが、どうです?なんとかなりそうですか?

 
■ ホルト To:パオル、ALL 
いや、正直自信はないな。  
不信と怒り――悲しみなどもあるだろうが――に溢れた彼の心を解きほぐすのは並大抵のことじゃない。  
まして俺には彼の飢えを満たすことなど出来はしない。  

しかし、このままではいずれ依頼にも支障をきたすのは確かだし、やれるだけのことはやってみるよ。  
心の傷は癒えはしないだろうが、遅かれ早かれ自分で乗り越えなくてはならない痛みだからな。  
俺に出来るのはせいぜいその手助けくらいだ。  
自分で言っといてなんだが、全く陳腐な台詞だと思うけどさ‥‥‥‥‥(苦笑) 

 
■カルソニック To:ホルト 
 俺も微力ながら手助けしてやるぜ。  
 人の死を乗り越えて人は大人になっていくんだしな。  
 何時までも悲しみに打ち拉がれていては何も変わりはしないんだしな・・。
 
■ パオル To:ALL 
火事から後は色々と大変な事続きですから、リアン君がボク達を疑うのも無理はないですよね・・・・。  
ボクの場合は物心ついた時から母がいなかったので、リアン君の気持ちを理解できていないのかもしれませんけど・・。  
それでも、家族を失った時の哀しみはボクにも分かりますよ。  

そうですね・・・。  
とりあえずここはお二人にお任せしていいですか?  
二人から話してもらって、なんとかリアン君の信用を得たいですね。

 ということで、翌日はホルトとカルソニックがリアンの説得に回り、残りのメンバーでフェンの農場を護衛することとなった。

トップページへ 前のページへ 次のページへ


原    作:  宮  

ページ管理:OZZY<OZZY>