SWPBMシナリオ#32

恐怖再び

第三章:

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官憲本部

パオル達がハザード川を渡ってファリス神殿の近くにある官憲の本部まで来たと きは、すでに日が暮れかかっていました。

官憲の本部は人が慌ただしく出入りしていた詰め所とは違い、落ち着いていました。

■ パオル To:ヴァーン
へぇ〜、官憲本部ってこんなとこなんだ・・・・。
おっと!ぼやっとしてたら日が暮れちゃいますよね。

■ パオル To:官憲の人
あの、スミマセ〜ン!北区の事件に協力してる者なんですけど、被害者遺体を見 せてほしいんですけどぉ。

パオルの声を聞いて、一人の官憲が応対にでました。
■ 官憲C To:パオル
あ、貼り紙を読んだ冒険者かい?
協力御苦労だ。

検死したいなら地下に安置所があるから、今から案内しよう。

■ パオル To:官憲C
あ、よろしくお願します。(ぺこり)(_ _)

さて如何ほどのものか・・。うっ!なんか寒気がしてきたような。(ーー;

案内された死体安置所の内装は白く、汚れも少なくて割と清潔に保たれていました。
部屋の中央にある人間大の白い三つの包みがなければ、そのようには見えなかっ たかもしれません。
もっとも、それも死体が痛まないようにするための処置なのでしょうが。

包みを解かれたその死体は官憲が言ったとおり、見るも無惨なまでに体中に傷を負っていました。
首は声帯が存在する部分が鋭いもので切り裂かれ、同じような傷が体中にありました。

■ パオル To:ヴァーン&官憲C
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・この手口、正気じゃない・・。(ーー
犯人はを・・・、を貶めていますよ。 こんなの許される事じゃ無い・・、許すわけにはいかないんだ。

パオルの声の調子は落ち着いてはいるが、己が内に込み上げる怒り押さえるのに 精一杯のようだった。
そして気を取り直して、遺体の傷口を調べはじめた。
■ パオル To:ヴァーン
ふぅ、だめだな。分からないや・・、どう?ヴァーンの方は何か分かった?
ボクには全然駄目。凄腕ってのは分かるけどね。

■ ヴァーン To:パオル
すまん、こっちも解らないわ
しかし、見た限りじゃ凶器は剣じゃないな

■ パオル To:ヴァーン
え!?凶器は剣では無い?じゃあ一体何なんだ・・・。(ーー?

■ ヴァーン To:パオル
剣以外でこれほどの殺傷能力がある武器は……
何か思い当たる物はあるかな?

■ パオル To:ヴァーン
うーん・・、ボクには思いつかないです。
メルディスさんがいればなぁ。彼は物知りみたいですからね。
もう暗くなってきたし一度、銀の綱亭に戻りましょ。

そう言うと突然パオルのお腹が
ぐぅ〜〜〜!!
■ パオル To:ヴァーン
あはは。(^^;
まぁそーゆー事で戻りましょうよ。
とりあえず、飯食って酒飲んでからって事で・・。


北の区域(20時頃)

 一行が分散して北の区域での情報収集を始めてから、かれこれ数時間が経過しました。
日も暮れ、辺りはすっかり薄暗くなっています。裏通りにはすでに完全に人影はなく、大通りでも人影はまばらになっていました。
 時刻はすでに20時を回っていました。

 その時、北の区域で情報収集を繰り返していた3人は、風に乗った小さな−それこ そよほど注意していても聞き逃してしまいかねないほどの−くぐもったような、か細い声が聞こえてきました。

■ マーズ To:フィリス&メルディス
う〜ん、すっかり暗くなってしまいましたねぇ・・・・・おや?
(耳を澄ましながら)
フィリスさん、メルディスさん、今、何か聞こえませんでしたかぁ?
風の音にしては何か違和感のある、おそらくは・・・声のような音が。

■ メルディス To:マーズ&フィリス
ええ、聞こえました。どうやら空耳ではなかったようですね。
何でしょうか・・・気になりますね?
風に乗ってきたという事は風上の方で何か起こっているのかもしれません。
行ってみましょう!

■ フィリス To:マーズ&メルディス
…私も聞こえました(・・;
もしかして…いきなり犯人さんと遭遇でしょうか…
慎重に、慎重に行きましょう…

さりげなくマーズの背中に回っているフィリス^^;
3人は音が聞こえたと思われる方向へ向かいました。そこは決して遠い場所ではありませんでした。
細い路地を何度が曲がり、再び人気のない大通りにでたほぼ目の前で3人は目撃しました。
一人の人が、大きな漆黒の物体に押さえつけられた状態になっているのを。
すでにその人は動く力を失っているのか、微動だにしていませんでした。
■ メルディス To:不確定名正体不明の黒い物体&被害者
!?
(何だこいつは・・・?)
貴様何をしているんだ!?
さっさとその人から離れなさい!!

メルディスの一言に黒い大きな物体は反応を示しました。
パーティーに背を向けていましたが、ゆっくりとパーティーの方を向きました。
前後に長く伸びた頭部に、列んだ鋭い刃のような牙。
犬のようでもある、人間の醜悪なデフォルメされたその頭部はこの世のものとは思えません。

それは一行の姿を確認すると、一目散に逃走しました。

■ マーズ To:被害者
今のは一体なんだったんでしょうねぇ・・・・?
おおっと、そんなことより、あの方の回復をして差し上げないと。
まだ間に合えばいいのですが・・・。
(倒れている被害者に駆け寄り)
もしもぉし、大丈夫ですかぁ?
今回復しますからねぇ。

■ フィリス To:メルディス、マーズ
…あれは…「特殊戦闘用スポーン」ですね
デーモンの創造物で精神攻撃や毒が効かず、カモフラージュもできるので暗殺に使われるんです…
もしかして今までの被害者もあのスポーンに?

■ メルディス To:マーズ
逃げたか・・・ふう。
(肩の息を抜く)

どうですマーズ?その人は大丈夫でしょうか?

キュアーウーンズで、被害者は辛うじて一命を取り留めたようです。
回復されてから、すぐに目を覚ましました。
■ マーズ To:フィリス&メルディス
ふぅ・・・。
こちらの方はなんとか大丈夫ですよぉ。
それにしても、さっきの“スポーン”でしたっけ?
特徴を聞いた限りでは、かなりやっかいな感じですねぇ。

■ 被害者A
あ………
ここは………もう………天国なのか………

メルディスは被害者をざっと観察してみました。
被害者はぱっと見で20代半ばくらいの青年でした。
中肉中背ですが、特に強そうと言う印象は受けません。
服は切り裂かれていて、元がどんな服だったのかはよく分かりません。
その為、金持ちそうかどうかもよく分かりませんでした。
■ マーズ To:被害者A
いえいえ、まだ天に召されるには早いですよぉ。
ここは先程貴方が襲われていた場所です。
僕はファリスの神官でマーズって言います。
あちらのお二方はフィリスさんとメルディスさん。僕の仲間です。
よろしければ貴方のお名前、それと襲われた心当たりなどあったら教えて頂けます かぁ?

■ アレン
え、襲われていた場所?………あ、そうか。僕は何かに襲われていたんだ。
なんにしても、僕は助かったんですね。どうもありがとうございます。

僕の名前ですか?アレンって言います。
心当たりなんか急に聞かれても………
う〜ン………思い当たることはないと思いますけどねぇ………。

それにしても、やっぱり官憲からの夜間外出禁止令がでているのに、出歩いたのがまずかったですねぇ。
家族が心配するといけないので、僕はこれで失礼させてもらいますね。

■ メルディス To:アレン
ちょっと待ってください。
先ほどの魔物ですが逃げたとはいえもしかするとまだ付近にいる可能性もあります。

あなたの家はこの近くですか?
一人じゃ危険でしょうから家までお送りしますよ。
その代わり道すがら2,3の質問に答えてもらえますか?

■ アレン To:メルディス
そうしてもらえますとホントに助かります。では、お願いします。(_ _)

ところで、質問とはなんでしょう。

■ メルディス To:アレン&マーズ&フィリス
じゃあ、あなたの家に向かいましょうか。
フィリスとマーズもかまいませんよね?

と言うわけで、アレンを家まで送っていくことになったのでした。
■ メルディス To:アレン
じゃあ早速聞かせてもらえますかね?
まずどういった状況であのスポーンに襲われたんでしょう?
いきなり襲いかかられたんでしょうか?

■ アレン To:メルディス
はぁ、そんな感じです。
なるべく大通りを歩いていたんですけど、友達の家から帰る途中、いきなり背後から 襲われてしまったというわけでして………。
まさか、僕が襲われるとは思ってもいませんでしたねぇ。

■ メルディス To:アレン
(苦笑)
まぁ実際に自分だけは大丈夫・・と考えがちですからね。
でも本当に注意してください。
俺達もこの事件の解決に協力しているんですがこれ以上被害者は出したくありませんし。

襲われたときあいつ(スポーン)はなにかうなり声とかそういうのを上げてましたか?
俺達がここに駆けつけたのは風に乗って何か声のようなものを聞いたからなんですけ ど・・・。
後、あなたは悲鳴を上げる余裕がありました?
今までの被害者は全員のどを狙われてるんですよ。
もし、これまでの事件もあいつの仕業なら喉を狙うと思うんですが・・・・。

■ アレン To:メルディス
いえ、いきなり背後からの一撃ですからねぇ。何か聞こえていたら、僕だって何か不審に思いますよ………多分。

で………喉を最初にですか………。
そう言われると、そのような気もしますねぇ。あくびしたかったんで口の前に手を持ってきた瞬間、襲われたんですよ。
丁度その時、手首の辺りに焼け付くような痛みを感じたわけでして………。
そのあと、体中を切り裂かれるような痛みを感じて、気絶したんですよ。

■ メルディス To:アレン&フィリス&マーズ
なるほど。
やはり、今までのもあいつの仕業の可能性が高いですね。

でもあいつを操っている黒幕がいる可能性がいますね・・・。
もしかしたら前回のデーモンが残していったのかも知れないですが・・・。

ところでアレンさん?
一応官憲の方に襲われた被害者として名前を教えますけどそれは了承してくださいね。
もしかしたら官憲が何か聞きに来るかもしれないですけど・・・。

■ アレン To:メルディス
はいはい。それは構いませんよ。

あ、ここが私の家です。本当に助かりました、どうもありがとうございます。
(懐から小さな金貨袋を取り出して)
あの、お礼というにもなんですけど………。
これ、受け取って下さい。

アレンはメルディス達に袋を差し出してきました。 あまり多くは入っていないようですが。
■ メルディス To:アレン
いえ、それは受け取れないですよ。
実際俺達が何かしたわけじゃあないですしね。
それに貴重な情報をいただきました。
その情報料金という事にしませんか?

そうですね・・・・・。
まぁもしこの事件が解決したときに覚えてらしたら「銀の網」亭に来て食事でも奢ってください(笑)
それで十分ですよ。

善意で言っているメルディス。
しかしこのパーティ食費の方がかかりそうである(苦笑)
■ アレン To:メルディス
はい、ではそう言うことにさせてもらいます。
ホントにどうもありがとうございました。
では、失礼させてもらいます。

■ メルディス To:ALL
さてと、ちょっと予想外のハプニングがあって遅くなりました。
官憲本部に向かってパオル達と合流しましょう!

と言うわけで、ちょっとした人助けをした一行は北の区域をあとにしたのでした。

オラン市街

メルディス達が北の区域をでた頃には、すでに22時を過ぎていました。
パオル達と合流するために、急ぎ足で官憲本部に向かっている途中、ハザード川 の手前で前方から見知った二人組がやって来ました。

どうやら、パオルとヴァーンのようです。

■ フィリス To:ヴァーンさん、パオルさん
あっ!ヴァーンさん達だ♪おーいおーい♪^^)/
そちらは何か収穫ありました?
こちらは…えと、実は実行犯と遭遇しちゃいました^^;
スポーンっていうデーモンなんですけどね、目があったとたん 一目散に逃げられちゃって、スポーンを使役している真犯人までは わかりませんでしたけど…
あ、それで女の子が助かったっていう現場に駆けつけた 冒険者がメルディスさんのお知り合いらしいんです。

■ パオル To:ALL
ふむ・・・、デーモンねぇ。なるほど、だから傷口が剣によるものじゃなかった のか。
こっちの方はあまり収穫は無かったですよ。

カクカクシカジカ

というわけです。
で、その冒険者の方にどこで会えるか分かりませんか?

■ メルディス To:パオル&ALL
とすると・・やはり今までのはスポーンの仕業と見てよさそうですね。

冒険者の件ですがルード達だと思います。
人数や服装などが一致しますし・・彼らならスポーンにも引けを取らないはずです。
会うんだったら銀の網亭に戻ってみてはどうでしょう?
前回の時は銀の網で落ち合うようにしていましたし、おやじさんなら居場所を知っ てるかもしれませんよ?

結果、本日の捜査は打ち切って「銀の網」亭に引き返すことになったのでした。

「銀の網」亭(幸せの木)

一行が「銀の網」亭に戻ってきたときは、24時近くなっていました。
酒場にある人影はまばらで、互いに離れた卓にぽつりぽつりと見かけられる程度です。
おやじもすでに奥に引っ込んだのか、他の人に任されていてカウンターにはいませんでした。
■ フィリス To:メルディスさん
{酒場の中をくるっと見回して}
メルディスさん、ルードさん…でしたっけ?その人やパーティの 方って今ここにいますか?

■ メルディス To:フィリス&ALL
(同じように店内を見回す)

ん・・・・・いや。残念ですがいないようですね。
困りましたね。
おやじさんに話を聞いてみましょうか。
って・・・あれ?おやじさんはいないのかな?

カウンターに向かうメルディス。おやじがいないので店員に話しかける。
■ メルディス To:店員
すみません。
おやじさんに話があるんですが・・もしかしてもうおやすみになられました?

■ 代理マスター To:メルディス
あ、すいませんねぇ。
マスターはもう奥に引っ込んじゃいましたからねぇ。多分寝てると思いますよ。
用事があるなら、明日の朝にでもお願いします。

■ メルディス To:代理マスター
そうですか・・まぁ仕方ないですね。
わかりました。明日にしますね。
お手数かけました。

■ メルディス To:ALL
どうもおやじさんはもう寝てるみたいですね。
さすがにこの時間では仕方ないですね(苦笑)
ルード達の事を聞くのは明日ということにしてとりあえず今後の事でも相談しま せんか?

まず、ルード達と接触して話を聞く必要がありますね。
マーファ神殿の生き残りの方にも会う必要があります。
後・・・俺としては学院(スコット)に話が聞きたい。
他には・・官憲のその後の動きも確認しておいた方がいいかもしれません。

えっと、何か見落としてないですかね?(笑)

■ パオル To:ALL
そのアレンさんの件を官憲に伝えておかなくて良いのですか?
あと浮浪者の人達に事件について聞いて回りたいですね。
そもそもデーモンが何故、街中に出没するのか・・・。
分からない事ばかりですよね。

謎が謎を呼び、夜は更けていく………

捜索はさらに明日に続く………。


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GM 大石
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