森 |
冒険者達がエーギル親子のもとにいると同時刻。山を進む一組の男女の姿があった。
■ ルセウス To:シンディ |
シンディ‥‥足は大丈夫かい?無理はしてない? |
■ シンディ To:ルセウス |
えぇ、大丈夫‥‥でも‥‥皆さん、本当にどうしたのかしら‥‥? |
■ ルセウス To:シンディ |
山奥の遺跡にいくって言ったっきり‥‥。やっぱり‥‥私も一緒に行くべきだったな‥‥ |
ルセウスの表情は、暗い。
冒険者達だけで、遺跡に向かわせてしまった自分を責めているのだろうか?
■ シンディ To:ルセウス |
そんなこと‥‥‥ ‥‥‥ |
と、発言を言いかけてやめる。
しょせん、言おうとした言葉など‥‥ただの気休めにもならない事を知っているからだ。
二人は、ただ、もくもくと山を進んでいる。
ルセウスの手には弓。シンディの手には‥‥なにか大きな包みがある。
二人は、ただ、もくもくと山を進んでいる‥‥‥
二人はとうとう「分岐」についた。
右へゆけばマーシィの元へ。左の方向が‥‥遺跡があるところか?
ルセウスには相変わらず「違和感」は感じられなかったが、マーシィにはその「違和感」を感じる事ができた。
‥‥とても暖かく、かつ、少し不安がっているような違和感が右の方向から感じられる。
■ シンディ To:ルセウス |
この‥‥この感じが「違和感」なの? |
■ ルセウス To:シンディ |
たぶん‥‥ね。私には昨日も感じられなかったよ。 冒険者の方々でも、戦士風の方は感じられなかったようだよ。 魔術師の方も感じられたようだが‥‥どうやら彼は古代語魔法だけではなく、精霊魔法も駆使できるみたいだったしね。 どう?「違和感」は何処の方向から、どのぐらいの強さで感じる? |
■ シンディ To:ルセウス |
ここから‥‥右のほう。とても暖かいの。 でもね、暖かいだけじゃなくって‥‥とても神秘的なものを感じるわ。 ねぇ、ルセウス。昨日貴方この「右」の方向に行ったのでしょう? そこに、何があるの? 昨日から聞いても‥‥答えてくれないじゃない‥‥ |
シンディの問いかけに、ルセウスはちょっとうつむく。
■ ルセウス To:シンディ |
それで‥‥左の方向からは何も感じない? 邪悪っぽい波動とか‥‥いや〜な感じとかは? |
ルセウスにまた答えをもらえないまま‥‥シンディはちょっとむくれはしたが、ルセウスの言葉に従い左の方向へも意識を集中させる。
■ シンディ To:ルセウス |
‥‥‥ だめ。何も感じないわ。 |
■ ルセウス To:シンディ |
‥‥これを‥‥どう、とるかだな‥‥ もうその違和感が除去されたのか‥‥それとも‥‥ただ単に僕らに感じられないのか‥‥ どっちなんだ‥‥‥ |
ルセウスは、慎重に考えている‥‥‥
■ シンディ To:ルセウス |
で、どうするの?遺跡にいく?それとも‥‥右の方向に連れていってくれる? |
■ ルセウス To:シンディ |
‥‥‥右に行こう。 もし、何かあったとしても‥‥きっと彼女が教えてくれる。 シンディ。右にいくんだ。 ‥‥ちょっと辛いかもしれないが‥‥がんばってくれ。 |
と、さらなる坂道を進むルセウス。
そのルセウスの言葉の意味を、すこし考えながら‥‥シンディも後から続いた。