SW-PBeM Scenario #31
かなしみのおやこ
第5章 カロリック村

村長と孫息子

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カロリック村


 一行はやっとの思いで村にたどり着いた。
 時は夕刻‥‥空では鳥たちが思い思いに帰路につく頃である。

 村の入り口である林を抜けると、ちょっと広めの畑が広がっており‥‥村人たちも自分たちの家に帰るところであった。
■ ヘルムンス To:ALL
 ようやく着きましたか・・・。
 何にせよ、何ごともなく日暮れまでにつけて、よかった。

 何ごともなかったのにほっとしているというよりは、これ以上歩かなくてすむことにほっとしているようである。(^^;
 よほど山道がこたえたらしい。



 村の畑にはトマト、きゅうりなどの夏野菜が植えられている。
 大豊作♪とまではいかないが、なかなか実りは悪くない。

 一行は村に入っていった。
 農作業を終えて帰る村人達が、冒険者達とすれ違う。
 皆、一目でよそ者と見れる彼らに‥‥冷たいまなざしを向けている。
■ ノエル
 この村、いつもこんな感じなのかな・・・
 私たちが冒険者だからなのか、それともよそ者全般に対して排他的なのか・・・

■ ヘルムンス To:ノエル
 まぁ、冒険者が来るような時なんてのはたいがい、やっかいごとがあったときでしょうからねぇ。
 私達が事件を運んで来るなんて思われても、無理ないかもしれませんよ。

■ソフィティア To:ヘルムンス
 ヘルムンスはこういった雰囲気の経験があるんだ。わたしはいままでないから、さすがにちょっと……いやかな(^^;

 と、いままでのことを思い出す。
 ヘルムンスは無意識のうちに‥‥なのだろうか、村人の視線が自分が異種族という事で向けられている視線なのか否かを見ていた。
 村人達の冷たい視線は‥‥ヘルムンスに特に向けられているのではなく、冒険者全員にまんべんなく向けられているようだ。
 どうやら、種族で差別するわけではなさそうだ。
■ アトール To:ALL
 オランから2日程度の近場にある村なのにこれだけ寂れているんだ。
 村の外の人に排他的でも不思議じゃないよ。

■ アフル To:アトール
 さすがに、あの山道じゃぁ、近くても来る気が無くなるんじゃないかな?(笑) 

 と、アフルは今日の行程を思い出しつついった。
 確かに1日とはいえ‥‥1日まるまる山道はちょっときつかったな‥‥と。

 ‥‥
 冒険者達の陰に隠れるようにして歩くミトラ。
 怒られるのが怖いのか、はたまた冷たいまなざしで見られるのが辛いのか‥‥‥
■ ミトラ To:ALL
 あのね、ボクの家は‥‥この道ま〜っすぐ行ったとこなの‥‥

 辛いせいか、いつもの元気なく言うミトラ。
■ オジイ To:ミトラand ALL
 じゃあ、まずおじいさんの所へ案内してくれるかな。
 なんにしてもそれからでしょう。

■ ミトラ To:オジイ
 うん‥‥こっち‥‥

 と、まっすぐを指差した。
 遠くに、ちょっと周囲の家よりは立派な家が見える。
 あれが村長宅なのであろう
■ ノエル To:ALL
 心の準備はいいよね?ノックするよ?

■ ミトラ To:ノエル
 うん‥‥‥(もじもじもじ)

 ノエルがノックしようとした寸前、耐えきれなくなったのだろうか?ミトラが急にバタンとドアを開けた。
■ ミトラ
 シンディおねぇちゃんっ!!勇者様を‥‥おねぇちゃんを助けてくれる勇者様を連れてきたよっ!!!

 そういうと、ミトラは村長宅へと駆け込んでいった。



村長宅

 家の中はこざっぱりと整理されており、奥の台所から、夕食の準備だろうか?かなり美味しそうな匂いが立ちこめていた。

 部屋の中にいた老人は‥‥勢いよく入ってきたミトラに、一瞬驚いたようだったが‥‥すぐに、
■ 老人 To:ミトラ
 こら!!ミトラっ!!
 今までどこほっつきあるいていたっ!!!

■ ミトラ To:老人
 おねぇちゃんを助けてくれる勇者様を見つけてきたんだいっ!!
 何にもしてないじぃちゃんよりも、ましだいっ!!

 そういうと、ミトラは奥の台所へとかけていった。

 部屋に残された冒険者と老人の間に‥‥ちょっと気まずい空気が流れた。

 しばらくして。
 ミトラに連れられて一人の女性が冒険者達の前に現れた。
 長い髪を後ろで一つにしているその女性は‥‥ミトラによく似た人だった。きっとこの人がシンディなのであろう。
■ ヘルムンス To:ベクト(?)&シンディ(?)
 えっと・・・村長のベクトさんとミトラ君の姉のシンディさんですね?
 とりあえず、詳しい話を聞かせていただけませんか?

■ ベクト To:ヘルムンス
 ‥‥?
 わしは‥‥お前さんが言ったとおり「ベクト」というモノじゃが‥‥‥そういうお前さんは一体どこのどなたかな?
 先ほどわしの愚孫が「勇者様」と言っておったが‥‥その「勇者様」というのだけでは、わしにはどこのどなたか見当もつかぬのでな。
 それとも「勇者様」というモノは、いきなり人の家に上がり込んできて質問をしてもよい‥‥と思われているのか?
 どうなんだね?エルフの若者よ。

 ベクトは嫌みとかではなく‥‥若輩者に礼儀を教える風にそう言った。
■ オジイ(独り言)
 ……どうやら、歓迎されてないみたいですね。

■ ヘルムンス To:ベクト
 ・・・確かにこれは礼を失しておりました。ご容赦を願いたく存じます。
 私はヘルムンスと申します。魔道の心得を少々持つものです。

 ヘルムンスは慇懃にならないよう気を付けながら頭を下げた。
■ ノエル To:ベクト
 私はノエルと言います。

 軽く会釈しながらノエル。。
■ オジイ To:ベクト
 失礼しました。自分はオジイといいます。
 武器の扱いには少しばかり心得がございます。

■ ベクト To:ALL
 これはご丁寧にありがとう。
 わしが‥‥先ほどヘルムンス殿もおっしゃっていたベクトじゃが‥‥‥(ちらりとミトラを見る)
 さて。「カロリック村のベクト」と名乗るべきか、それとも、ただのミトラの爺であるベクトと名乗るかのぉ‥‥

■ オジイ(独り言)
 勘違いしていたのかな……。

 どうも先ほどの印象とは違ったらしい。
■ アトール To:ベクト
 俺はアトールだ。見てすぐに解ると思うが、俺達は冒険者だ。
 さっきはどこの誰だか見当もつかないと言われていたが、シンディさんのおかれた事態、ミトラ君の失踪、そして我々が村にミトラ君を連れてきた状況から、事の経緯はだいたい想像できると思うが、詳しく話した方が良いかな?

■ ベクト To:ア・トール
(ふぅ、とため息をついてから)
 確かにお前さんや‥‥みなさんを見れば一目で「冒険者」だというのはわかる。しかしな、‥‥‥
 どうせミトラが話したと思うが‥‥わしのかわいい孫娘が大変な目に会うという状況で、さらに孫息子までが家から居なくなって。
 その状況で平素普通にしていられると思うか?
 いきなり孫息子が家に駆け込んできて‥‥そのまま奥の姉のところに向かった。
 わしの目の前には、見たことのない冒険者達がいる。
 わしには、とりあえずその冒険者達がどなたさん達かを聞くくらいしかできんかったよ。
 見ての通りの田舎モンじゃ。あまり買いかぶられても困るのじゃが‥‥

 と、ベクトが話していると、じれったそうに
■ ミトラ To:ベクト
 じぃちゃん!
 この人達はね、ボクがオランまで行っておねぇちゃんを助けてくださいってお願いして‥‥で来てくれた人たちだよぉ!
 怪しい人ぢゃないよぉ!

■ ベクト To:ミトラ
 おまえはだまっとれ!まったく‥‥誰のせいで眠れなかったと思ってるのじゃ‥‥

 そう怒鳴るベクト。
■ ベクト To:ヘルムンス&ノエル
 まぁ、うちの愚孫がお前さん達にお願い‥‥たぶん依頼じゃろ?
 依頼して来てくださった方々じゃからな‥‥ミトラの知人としてこの村に滞在するがええ。
 村人にもそう伝えとくから‥‥話しも聞き易くなるだろう。

■ ノエル To:ベクト
 お心遣いありがとうございます。

■ ベクト To:ノエル
 いや、このぐらいはしないとな‥‥

■ソフィティア To:ベクト
 おくれました。ソフィティアです。先ほどから「愚孫」とおっしゃられますが、なかなかしっかりしたお孫さんだと思いますよ。たしかにだまって出てきたのはいただけないですが(^^;
 わたしがこんな事をいうのは何ですが、お手柔らかにしてあげてもらえませんでしょうか?

 遠慮がちながら、ミトラのことをきにしているようだ。

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