Sword World PBM #29 |
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野営地 |
マリエルの側を離れイルミナが周囲を探索する。
探すまでもなく、野営できそうな乾いた場所は見つかった。さっきの殺害現場の、すぐ側だ───
■イルミナ To:アーギー |
この辺...でいいですか? さっき殺されていた方々のすぐそば...ですけど、犯人が戻ってくるようなら探す手間が省けるとも考えられますね |
イルミナが、珍しく冗談っぽく笑ってみせた。
■アーギー To:イルミナ |
・・・・まあ、来るとは思えないけどね・・・・。 (微笑を浮かべる) |
■イルミナ To:アーギー |
それじゃ、皆さんを呼びに行きましょう |
イルミナ達が、仲間を呼びに戻った。
マリエルは、毛布にくるまれた上にマントを掛けられた状態で運ばれてきた。
相変わらず顔色は良くないが、アスタルテの魔法が効いているのは、呼吸は規則正しい。
■アスタルテ |
よかった、癒しが効いてるみたいね。 あとは薬草でも探してきて飲ませたらオッケイかな。 その後で念のためにもう一回癒しをかけといたほうがいいかな。 |
■ドリス To:ALL |
ねぇ、今晩は戻るのは無理そうだからしょうがないとして、夜が明けたらこのコ…マリエルちゃんだっけ…連れて一度村に戻ろうよ。 キノコ探しにしても、マリエルちゃんたちを襲った犯人を探すにしても、こんな状態のコ連れてじゃ無理だと思うし… 依頼は失敗になっちゃうかもしれないけど、やっぱりキノコなんかよりも人の命の方が大事だと思うの… |
そこに、ようやくクレフとカルソニックが追いついてきた。
■クレフ To:ドリス |
いえ、依頼はあくまでも遂行すべきだと思いますが。・・・でも、確かに今は人命救助のほうが先決でしょうね(^_^;) |
■カルソニック To:ドリス |
(ふぅ、とため息をする)冒険者になった途端失敗か・・。 ま、失敗する冒険の方が得る物は多いって言うしな。 人命を尊重する俺としてはソレでいいぜ。 ま、こんな事考えるからお人好しとか言われるんだろうが・・・。 |
カルソニックを狂犬と呼ぶことはあっても、お人好しと呼ぶことはないような………。敢えて誰もつっこまない。
■イルミナ To:カル |
失敗になるかどうかはまだわかりませんよ マリエルさん達を襲った犯人がキノコを手に入れていたなら、犯人を探す事がキノコ入手にも繋がるわけですから(^^ 気持ち的にはキノコはもうおまけみたいになっちゃいますけど(^^ |
■ドリス To:イルミナ |
そうだね、まだ諦めなくていいかも……。 じゃあ、このコの安全確保したらもう一度キノコの確認と犯人探しにここに戻るってことでいい? |
■イルミナ To:アーギー、クレフ、アスタ |
皆さんはどうですか?明日の朝、一度村へ戻るという方針でよろしいですか? |
その言葉に、アーギーが一人背を向け大きく息を吐く。
■アーギー |
・・・・・・・嫌だな、オレは・・・・・・・。 第一、人一人が死にかけてるだけで、もうあれだけ固く誓った約束が「どうでもいいこと」とか「おまけ」とかになるのかオレには全く分からない・・・・・。 ・・・・それにもしそうなったら帰った後依頼人にどんな顔すればいいんだよ・・・・。 「敵を助けていたせいでキノコを取るどころじゃなかった」なんていう理由が通じるとはとても思えない・・・・。只の恥だよ。それ以外の何ものでもない・・・・・。 (ふと気付いたように) ・・・・って、まさか「そんなものごまかすかなんかすれば分かってくれる」なんて馬鹿げた事考えたヤツいないだろうな・・・・ |
■ドリス To:アーギー |
人一人が死にかけてるだけ…って、それじゃ、美味しいキノコを採ることは人の命より重い任務だというのっ!? ア、アーギー様からそんな言葉聞くとは思わなかった……。 元医学生だったんでしょ、人の命の大事さとかそういうことは充分判ってる人だと思ってたのにぃ…(えぐえぐ) (以下涙まじりに、かなり興奮して) 依頼の遂行を続けろというのは簡単よ。 でも、このコどうするつもりなの? アーギー様はどうしろっていうの? まさか、ここに放っておけとかいうの? 「キノコを採るために人助けどころじゃありませんでした」なんて理由でこのコを見捨てたりしたら、それこそ恥どころじゃない汚名よっ!! 人間として恥じなきゃいけないわっ |
一気に喋った後、はぁはぁと荒く息をつく。そして、少し落ち着いたところで………
■ドリス To:ALL |
ごめん…。ちょっと興奮してるみたい。 感情的になり過ぎだね。あ、はは…(力ない笑い) |
■イルミナ To:ドリス |
ドリスさん..... |
イルミナも少し目に涙を浮かべながら、なだめるようにドリスの肩をだいた。
■クレフ |
そうですね、仕事ももちろん大事です。おまけだなどとは考えてませんよ。でも、私としても、せっかく助かるかもしれない人を見殺しにすることもできませんよ。 |
■カルソニック To:ALL |
依頼を遂行出来るか、出来ないか・・。人命を尊重するのか、それとも・・。 悩む所だな。 |
■アスタルテ To:ALL |
(ちょっと考えてから) とにかく、明日の朝のマリエルの容態を見てから考えようよ。 ただ、私としては、できればこのまま進みたと思ってるわ。 もちろん人命は尊重しないといけないからあくまでも彼女の容態次第だけどね。 (ここで一回帰ってしまうと、犯人を特定しづらくなると思う。 とりあえず、マリエルのことは私に任せて頂戴。 |
■アーギー |
・・・・・・・・・・(小さく吹く) 何か少し勘違いされてるみたいな気がするけど・・・・。 ・・・・言い方変だったかな・・・・? |
アーギーは一息つくと、パーティに背を向け、野営場所から離れるように歩き出した。
■イルミナ To:アーギー |
あっ... |
■アーギー To:ALL |
(パーティーの方を振り向かないまま) ・・・・・・ごめん、誰か一人ついてきてくれないかな・・・・・・。 |
■クレフ To:アーギー |
何をするんです? |
クレフの声に対する返答はない。
イルミナもアーギーを呼び止めようとするが、無駄と判断したのか直接アーギーの方へ向かった。
■イルミナ To:アーギー |
ど、どこへ行くんです? 納得いかないことは、もっと皆で話し合いませんか? |
■アーギー |
・・・・・(クスッ) 別に大したことじゃないよ。話し合い以前に、ちょっとやりたいことがあるんでね・・・。 「単独行動は危険」だからちょっと一人ついてきて欲しかっただけさ・・・・。 |
イルミナは黙ってアーギーに続く。
アーギーは再び歩き出し、さっきの殺害現場まで着た。
■アーギー |
さてと・・・・・・・・・。 (死体のほうに向かって) さっきは中途半端ですまなかったな・・・・・。 |
そう言うと、近くの木に寄りかかり、ハーモニカを取り出す。
■アーギー |
・・・・・・・・・・・・・。 あの女を見捨てるのは可愛そうに決まってるよ・・・・・。でも・・・・・命がなくなっただけでもう見向きもされなくなったこいつらもまた、オレはもっと可愛そうに思えて仕方がないんだよな・・・・。 |
■イルミナ To:アーギー |
それは...私達だって体は1つしかないんですから、今はマリエルさんを優先せざるを得ないと思いませんか? 現にあの時の様子だと、もうちょっと発見が遅れていたらマリエルさんだってもう... アーギーさんのおっしゃる事もわかりますが、全部やるのが無理な時だってあると思うんです |
■アーギー To:イルミナ |
(クスッ)それは当たり前さ・・・。 だからこそ、今あの女の容態がとりあえず一段落ついたわけだし、そしたら次はこっちに目を向けないと、ってことだよ・・・・。 「生きてる人間と死んでる人間がいたら、もちろん生きてる人間が先。でもその後には必ずすぐ死んでる人間に目を向けること・・・・。」 先生の・・・・・いや先生だけじゃない、オレの両親の口癖だよ・・・・・。 |
そう言って、ハーモニカを吹き始める。
■アーギー |
・・・・・・・ふう・・・・・・・。 あの女は・・・・明日の朝目覚めるのかな・・・・。 もし元気になってくれれば一緒に行動も出来るかもしれないけど、それも無理かな・・・・。 |
表情を引き締めて、しばらく沈黙する。
■アーギー To:イルミナ |
イルミナ・・・・・・・・・・・。 |
■イルミナ To:アーギー |
えっ?... |
アーギーの言葉に反応して、イルミナは顔を上げた。
更に、アーギーはかなり長い沈黙を置く。
■アーギー To:イルミナ |
あの女は・・・・・・・・・オレが一人で村に連れて帰るよ。 だからお前達は五人で・・・・・明日もキノコ探しを続けてくれないかな。 いや、キノコだけじゃなく犯人探しも・・・・・。 ・・・・・・・どうかな。 |
ちなみに、アーギーはレンジャーとしての訓練は受けていない。足場がひどく、歩ける場所も限られている状態では、レンジャーの先導なしでは真っ直ぐ進むことさえおぼつかないのだ。
イルミナとアスタルテが先導していて不自由なく歩いてきたせいか、その自覚はないようだ………
■イルミナ To:アーギー |
ア、アーギーさんが? それは... |
イルミナはしばらく考え込み、答えた。
■イルミナ To:アーギー |
今ここではお答えできません 私達は6人でパーティです。このことはちゃんと皆で話し合うべきだと思いませんか? 皆ちょっと感情的になってしまった部分もありましたが、お互い言葉が足りなかったり、誤解を招くような事を言ってしまったりしていたんだと思うんです。 これから、どうすべきなのか...皆のところに戻って相談しましょうよ...ね?マリエルさんの容態だって明日の朝になってみないとなんとも言えないと思うんです。 今私達にできる事は、とにかくマリエルさんの体力回復のためになることと、自分の体を休めることです それが最もよりよい明日に繋がることだと私は思っています |
真剣な眼差しを、少し和らげる。
■イルミナ To:アーギー |
さぁ...彼らの弔いを最後までしてあげましょう。アーギーさん きっとみんなも心配して待っていますから(^^ |
■アーギー |
・・・・・・(クスッ) ああ・・・・・最後まで、な・・・・・。 |
そう言うと、アーギーは死体の側あたりの泥を掘り始めた。
■アーギー |
最後まで弔うんなら・・・・これをしてあげないとな・・・・。 「安らかに眠れ」とかいっておいて野ざらしじゃあ・・・・矛盾してるしな・・・・。 |
■イルミナ To:アーギー |
えっと、私もお手伝いしたいんですが、なにか掘るものが.... |
そう言って、あたりをきょろきょろと見回す。
■イルミナ |
う〜ん...なかなか使えそうなものがないなぁ...しょうがない...このくらいが私にできる事か... |
布を取り出すと、死んだ二人の顔についた血を丁寧に拭う。
■アーギー To:イルミナ |
・・・・・・・・・ (少し悲しい表情を見せて) ・・・・・・・イルミナ、ごめん・・・・・・・。 すごく勝手だけど・・・・さっき言ったオレの意見、君の口から伝えてくれないかな・・・・。 ・・・・・なんて言うか・・・・もちろんオレの言い方変だったせいもあるけど、みんなオレが「女を見捨てるべき」って感じで言ってるようにとって変な目で見てるみたいな気がするから・・・・。オレの口からはなんか言いにくくて・・・・。 |
■イルミナ To:アーギー |
えっ、私がですか? ...確かにアーギーさんが言いにくいのもわかりますけど... 本当は、アーギーさんから言っていただきたいと思っているんですよ でも...今回は特別です(^^ だからそんな顔しちゃ駄目...ね(^^ |
そう言って、にこにこしながらアーギーの顔に手を伸ばし、指で頬のあたりを押し上げた。
■アーギー |
あっ・・・・・・・・・ |
■イルミナ To:アーギー |
笑ってください(^^ そんな顔してたら、皆と仲直りできませんよ(^^ |
■アーギー To:イルミナ |
・・・・・・・・・・・・・・・ ありがとう。優しいな・・・・。 ・・・・・・・・(^^) ・・・・・なんか、昔を思い出しちゃったや・・・・・。 |
アーギーは、左手をイルミナの頭の後ろに回すと、自分の肩口のあたりに抱き寄せた。
そして、数秒して放す。
その頃、アーギーに言い過ぎたかと気にしつつ、たき火のところで様子を伺っていたドリスは───
■ドリス |
ああっイルミナちゃんに…(何となくムカッ) ふ、ふんだ…アーギー様なんて関係ないもんねーだ…… |
などと言いつつ、ドリスは地面の「の」の字。
■アーギー To:イルミナ |
・・・・・・ありがとう。 |
アーギーは、再び穴を掘り始めた。
イルミナは、顔が真っ赤になっているが、平静を装おうと笑っている。
■アスタルテ To:ドリス |
………何やってんのよ、ドリス。 まあ、いいわ。 うん、マリエルの顔色も良くなってきたようだし…… |
変な呪文………
■ドリス |
ふん。ふんだ…。(ちらっと仲良く穴堀りしてるアーギー達を見て) こうなったらあたしも見せつけてやるもんねっ… |
などと言いつつ、アスタルテに抱きつくドリス。
■アスタルテ To:ドリス |
…………………………あのね。 (- -#) |