Sword World PBM #29 |
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森の中 |
悲鳴の方へ行くと、少し開けたところに出た。この辺りは、少し水はけがいいのか、地面は比較的乾いている。
見ると、森の一角が、わだかまるような闇に包まれている。どうも、《ダークネス》か《シェイド》のようだ。
■イルミナ To:駆けつけたメンバーALL |
な、なんかあの辺り変じゃないですか? |
森の異質感に戸惑いつつ、イルミナは辺りの様子を注意深く観察しようとする。
■アスタルテ To:イルミナ&ALL |
そんな悠長な事してる暇ないって。 早くしないと…… 私は行くわよ。 |
そう言って、アスタルテは無造作に闇に向かって突入しようとする。
■クレフ |
どうやら自然の闇ではなさそうですが・・・はて? |
■ドリス To:アスタルテ |
ちょっと待って。闇の中に飛び込むのは無謀よ。 今対抗魔法唱えてみるからちょっと待って。 |
アスタルテの袖を掴んで引き留めると、ドリスは《ライト》を唱え始めた。
■イルミナ To:ALL |
どうやら辺りに人気はないみたいね... ...とすると危険はないか、それとも敵が人ではないか...のどちらかってことになるわね。 後者でない事を祈りたいけど、あの闇が嫌な方を予感させるわね。 |
■ドリス(上位古代語) |
万物の根源たるマナよ闇を打ち払う光となれ!! |
ドリスの《ライト》が発動すると、光と闇が相殺し、わだかまった闇が消えた。
ぬかるんだ地面には、血塗れの男が二人倒れている。鋭利な刃物でめった突きにされたらしく、出血はさほどひどく見えないが、どう見ても絶命している。
死んでいるのは、昨日マリエルといた冒険者だ。ジェイクとケインズと紹介されたのを思い出す。
■イルミナ |
あっ! |
思わず目を伏せるイルミナ。
■クレフ |
・・・!・・・・・・なんてことだ・・・ |
■ドリス |
!! こ、これは…… |
ドリスは、現れた死体に一瞬呆然となるが、我に返り黙祷を捧げた。
■アスタルテ |
……… (無言で二人の遺体に近づくと、傍らにひざまずき簡単にですがお祈りを捧げます) 我が神マイリーよ。 戦いにて命を失いし者に永久の祝福を与えたまえ。 願わくば2人の勇者の魂に安らぎを与えんことを…… ……酷い殺され方をしているわね。 |
■カルソニック |
・・・結果、コレか・・・。 締めてかからないと二の舞するぞ? (目を閉じて耳を澄ます) |
レンジャーとして訓練を積んでいるわけでもないカルソニックには、特に不審な物音は聞き取れない。不審なものも見あたらない、だって目をつぶってるから。
■イルミナ |
マ、マリエルさんは??? |
マリエル、及び殺人者の行方が分からないか、辺りの足跡を調べ始める。
ぱっと見たところ、殺された2人以外に、足跡は少なくとも3人分。2人分が森の更に奥へ、1人分は別の方角に向かっている。
1人分の方の足跡の主は、よほど重傷を負っているのか、おびただしい血痕が足跡に添って続いている。
■ドリス |
これは、血? 怪我してる人がいるのね。 あの女の人かな? ねぇ、イルミナちゃん足跡を辿れる? 怪我してるんなら助けて…、助けてあげなきゃ……。 |
■カルソニック To:イルミナ |
・・下手をすると最悪パターンだな・・・ 出来れば手助けしてやりたいのだが・・・。 何とかならないか? |
■イルミナ To:ドリス |
えぇ、これだけはっきり残っていれば大丈夫 問題はこれだけの血を流しているという事...急がないと!アスタさん!一緒にお願いします。 |
■ドリス To:イルミナ |
お願いっ。それじゃ急ごうっ |
■アスタルテ To:イルミナ・ドリス |
わかってるって。 個人的にはいけ好かない女だけど、怪我人を放っておくわけにはいかないもんね。 |
アスタルテもイルミナ達のところに走って追いつくと、足跡を追跡し始めた。
かなり遅れて、アーギーが木陰から姿を表す。2人の死体を確認し、そこを中心に周囲を見回す。
■アーギー |
・・・・・・・・・。 ・・・・・あの女は・・・・・逃げたのかな・・・・・。それとも助けを求めに行ったのか・・・ ・・・・まあそれは今はどうでもいいか・・・・。 |
そう言いながら、アーギーは平然といった様子で死体の前まで近づいた。
■アーギー |
(一息ついて) とりあえずは・・・・これくらいはしといたほうがいいかな・・・・。 |
マントを外すと、死体の上にかぶせる。
■アーギー |
・・・・・・・・・。 ふう・・・・・・・・・・・・。 |
アーギーは、再び死体から離れると、ダーツをしまって代わりにハーモニカを取り出した。そして、近くの木に寄りかかって、練習中のレクイエムを吹こうとする。
■クレフ |
こんなことができるのは・・・村の人には無理でしょう・・・とすると・・・ ・・・やはり、ヴィオかグレッグソン以外には考えられないのか・・・? |
■アーギー(ハーモニカを吹きながら心の声) |
・・・・森の中なら魔物であってもおかしくはないはずだと思うけど・・・・。 |
そこに、森の少し奥から、ドリスの声が飛んできた。
■ドリス To:残ってる人 |
みんなー。一緒に来てっ。 こんなことが起きたんだし、バラバラにならない方がいいよっ!! |
そう声を掛け、ドリスは更に奥に進もうとする。
■カルソニック To:ドリス |
だったらバラバラに行くな!事が起きてからでは遅いんだぞ! |
そう言って、カルソニックもドリスに続く。
■アーギー(ハーモニカを吹きながら心の声) |
・・・・・バラバラに行くなとか言っといてオレ達を放って自分一人で走るって・・・・・ ・・・全然筋が通ってない気がするが・・・・。 |
と、アーギーはまだ動こうとしない。
クレフは、ドリスの声に、はっとしたように反応した。
■クレフ To:ドリス |
・・・?!どうしたんです? |
■クレフ To:アーギー |
(振り返って)何かあったらしい、行きましょう! |
そう言って、クレフもドリス達を追った。
最後にアーギーだけが残る。
■アーギー |
ふうっ・・・・・・・・。 ・・・・・弔う余裕もなし、か・・・・・。(ハーモニカの演奏を止め、二人の死体の方を向く) 中途半端な弔いで・・・・本当にすまない・・・・・・・・・・。 |
そう言い残し、再び見失わない程度に追う。
森の中 |
イルミナ達は、足跡を追跡していた。
血痕がはっきりしているので追跡は簡単である。
更に辿ろうとすると、半分泥に沈んだ、血塗れの手袋のようなものを見つけた。
■イルミナ |
これは... |
血塗れの『それ』を、イルミナは拾い上げてみた。
感触は手袋よりもずっとぷにぷにとしていて、重量がある。嫌な感触だ。泥に埋もれていて拾い上げるまでは分からなかったが、どう見てもそれは………人間の手だ。
■イルミナ |
きゃっ! |
思わず、手袋と思った『それ』を手放して、ドリスにしがみつく。
■ドリス |
(しがみつかれて) うきゃあっ!! ど、どうしたの? |
■アスタルテ To:ドリス |
なになに、どうしたの? |
ドリスは、イルミナの手から逃れてかがみ、件の『手袋』を拾い上げる………。
■ドリス |
これは……人の手首ぃっ?? |
■アスタルテ To:ドリス |
……そのようね。 誰のかな? |
ドリスも驚きは隠しきれなかったが、さっきのイルミナの様子で心の準備が出来ていたせいか手放しはせず、手首を調べてみる。
ほっそりとした繊細な手だ、あまり大きくはない。手だけを見れば、おそらく綺麗な女性のものであろうと想像してしまう。
が、手首から先がぷっつりと切れていて、その先は知るすべもない───
■クレフ |
(追いついて、手首を見る)う・・・あぁぁぁ!な、なんですか、それ!? |
■ドリス To:ALL |
女の人の…手首だね。 あの女の人かな…やっぱり……。 グズグズしてる場合じゃないね。急いで探しださなきゃ。 みんなっ。行こう! それから判ってると思うけど、周りにも注意しながら行かなきゃね。 あの人達を襲った奴らが、あたしたちも襲いに来るかもしれないし…。 それに、この怪我してる人も、あたしたちを敵と勘違いして、死に物狂いで襲ってくるかもしれないし……。 |
■イルミナ |
マリエルさん...生きていて... |
祈るようにつぶやきながら、イルミナは更に足跡を追った。
■カルソニック To:この場に居る面々 |
・・最悪の状況を想定しなきゃならんかもな・・・。 いいか?単独で行動するのは命取りになる。固まって行動しよう それから気付いた事は逐一皆に報告するようにな。 ・・・何か裏がありそうだと思ったが・・結果こうか。 |
そう言いながら、イルミナの後を追うカルソニック。
■アスタルテ |
まったくあの女は…… 勝手に死ぬんじゃないわよ、私との勝負まだついてないんだから。 |
■アーギー |
・・・・・・・・。 |