Sword World PBM #29





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美味しいキノコの
美味しい食べ方


炸裂!!アスタハンマー。



宿の一階

 また宿にシーンを移す。

 食事を始めてしばらくして、さっきもめていた三人組のうちの一人、マーファ神官らしき女の子が近づいてきた。
 そして、声のトーンを落とし、ささやくように訊ねる。
■女の子 To:ALL
 ねぇ…あなたたちもキノコを探しに来たの?

■アスタルテ To:女の子
 ガツガツガツ……
 ん……………

 アスタルテが食事の手を止めて、ちらりとそちらを見る。
■イルミナ To:女の子
彼方はさっきの...

 イルミナも食事を中断し、ワインを一口飲むと女の子の顔を見た。アーギーも声の方へ振り向く。
■アーギー To:女の子
 ん・・・・・?
 ・・・・・ああ・・・・・そうだけど・・・・。
 ・・・・それがなにか・・・・?
 ・・・・「負けないよ」とでも言いに来たのかな・・・・?

 皮肉げなアーギーの言葉に、彼女は少しきょとんとした表情を浮かべると、軽く首を横に振った。
■女の子 To:ALL
 それもあるけど、あなたたちもドナルド商会の依頼で来たのかしら?

■イルミナ To:女の子
えっ、どうしてそれを...

 イルミナは隠す様子も無く、驚いたように聞き返した。その様子に、アーギーがイルミナの方に視線を向けながら言う。
■アーギー To:イルミナ&女の子
(イルミナの方に目を向けて)
(クスッ)・・・別にそんなに驚かなくてもいいだろう、イルミナ・・・。
「さっきまでグレッグソンとかいう人ともめてた」んなら、その名前が出てきても別に不思議じゃないんじゃないかな・・・?
(再び女の子の方を向いて)
 ・・・・えっと。
 ・・・確かにそうだけど・・・?

 その返答を聞いて、何がおかしかったのか女の子はクスクスと忍び笑いを漏らした。
■女の子 To:ALL
 そう。やっぱりドナルド商会もキノコを狙ってきたわけね。で、グレッグソンさんもあなた達の仲間ってとこかしら。

■アスタルテ
(ん、ドナルド商会も?)

■イルミナ To:女の子
確かにグレッグソンさんもドナルド商会に雇われた冒険者のようですが私達とは別に仲間なんかではないですよ。
ま、結局のところ単なるライバルってことになるわね(^^
あっ、そうだ。自己紹介がまだでしたね(^^
私の名前はイルミナ。彼らは私の仲間でこちらがクレフ。
あちらがアーギーよ。
で、女の子がアスタルテ。
他にあと2人仲間がいるわ。
私達はあなたがおっしゃった通りドナルド商会に雇われてきたわけですけど、あなた達はいったいどう言った経緯でキノコを狙うことになったのか教えていただけるかしら?

■アーギー(心の声)
 ?・・・名前までいきなり紹介しなくても・・・

■女の子 To:イルミナ
 ふぅん……よろしく、イルミナさん。
 あたしはマリエル。さっき喧嘩してたのがジェイクで、もう一人の細いのがケインズです。

 名前を呼ばれたからか、さっき喧嘩していた男と、もう一人のシーフ風の男がこちらをちらりと見た。しかしすぐに興味なさげに、また酒を飲み始める。
■アスタルテ
(そちらの方を見て、にっこりと笑って手を振ってみます)

 ジェイクとかいう男がへらへらとアスタの方に手を振り返そうとして、ケインズとかいう男に殴られている………
■マリエル To:ALL
 で、あたしたちがキノコを狙ってる経緯は………

 彼女はそこで言葉を一旦切って、クスクスと笑い───
■マリエル To:ALL
 そんなの、言えないわ。
 でも、あなた達と大差ないわ。キノコをおかしなことに使うために狙ってるワケじゃないから安心して。

 マリエルの言葉を聞き、イルミナは自分の馬鹿正直さにはっと気付いて赤面した。
■アーギー(心の声)
(イルミナを見て)
 ・・・・・???
 ・・・・・赤面するようなことなんてあったか・・・・・????

 アーギーは「しゃべらせられた」ことに気づいていないようだ。
 赤くなったイルミナを見て───可愛いとか一瞬思いつつ───クレフが(あまり早い方ではない)頭を巡らせてフォローを考え始める。
■クレフ To:イルミナ
(うぅ〜ん、彼女も私と同じで交渉向きじゃないなぁ(^_^;))
ま、まぁ、ほら、別に言っちゃっても困らないようなことですから・・・ねぇ?(^_^;;;;

■アスタルテ
(ボソッと、しかしみんなに聞こえるように)
 そりゃそうよ、食べるために取り行くんだもん。
 それの何処に隠す理由があるのよ。
 でもあの言い方だと、そのキノコは何かおかしな事に使えるって言いたそうよね。

 と、アスタルテは意味ありげにマリエルを見た。
■アーギー(心の声)
 ・・・・毒薬の材料として暗黒神官に売るためとかいうヤツがいたりしてな・・・・

■イルミナ To:マリエル
あっ、えっ、そ、その...
(しどろもどろしながら)ぐ、グレッグソンさんとはどうしてあんな風にもめごとに?

■マリエル To:イルミナ
 知らない。あの二人、喧嘩っぱやいのよ。

■マリエル To:アスタルテ
 で………ほんとに知らないの?それとも、とぼけてるの?
 あのキノコ、精製法によっては毒にもなれば薬にもなるって話よ。

■アスタルテ To:マリエル
 うんにゃ、全然知らない。
 しかも超初耳。

■アーギー To:マリエル
 ハハッ・・(思わず吹きだし、手で顔を覆う)
 おいおい、たった今「毒の材料として暗黒教団に売ったりとか出来るのかな」とか考えてたらその通りかよ・・・・。
(ふうっと一息ついた後、マリエルの方を向いて)
 ・・・オレ達が知ってたのは「調理法によっては美味になることもあれば、昇天することもあるので注意」っていうくらいだけだよ。とぼけるなんてとんでもない・・・。

■マリエル To:アーギー
 ほんとに知らないの?………脳天気ねぇ。
 いいわ、別に隠してたってあたしたちの得になるわけじゃないし。
 なんだか、幻覚剤っていうのかしら。そういうのも作れるって。おかしな連中が狙ってるかもしれないから、あなたたちも気を付けた方がいいと思うわ。

■クレフ
(ぼそっと)能天気・・・私だけなら大当たりですかねぇ・・・(苦笑)

■アスタルテ To:マリエル
 能天気って言われてもねえ……、あのおっちゃんそんな事全然言ってなかったし。
 そんな幻覚剤造れるような代物食べておいしいのかな。

 まあいいや、ところでマリエル。(もう呼び捨て)
 そのおかしな連中ってのに心当たりある?
 あ、それともう一つ。
 ドナルド商会もキノコを狙ってきているのか、っていうのはどういうこと?
 あなた達もどっかからの依頼を受けて来てるってことなの?


■マリエル To:アスタルテ
 おかしな連中って言ってもね、おかしくない連中なんかいるのかしら。だいたい、あなた達が本当のこと話してるかどうかも分からないじゃない。
 ま、あたしたちも依頼を受けてきてることには違いないわ。依頼人までは言えないけどね。

■アスタルテ
 かっちん…………… (- -#)
(現在、怒りゲージ上昇中)

■イルミナ To:マリエル
私達は別に...
(マリエルの言葉に不服そうな顔をして反論しようとしたが、無駄なきがしてやめる)ご忠告ありがとうございます。

■アーギー 
 ・・・・・・・・・。
(首をひねって、呟くように)
 キノコに関しては、みんなで記憶引っ張り出して資料探してそれでも知らなかったことなのに「脳天気ねぇ」なんて言い方したり・・・
 人に依頼人のこと聞き出しといて自分に関しては笑い混じりで「言えるわけない」・・・。
 挙句の果てにそっちから聞いておいてこっちが話してることを「本当のことかどうか分からない」・・・・・。
 何だか失礼だらけなように思えるのはオレだけかな・・・・?
(テーブルの方を向き、再び料理を食べ始める)
 ・・・ま、どうでもいいけどな・・・。

■マリエル To:ALL
 ま、あなたたち、あまり嘘上手そうじゃないし、嘘の下手な人に大悪党はいないものね。
 それから………

 そこで声のトーンを落とす───
■マリエル To:ALL
 ………上に泊まってる男の人のことで、何か知ってることない?
 ジェイクが、何年か前に賞金首で張り出されてるのを見たことあるって言ってるんだけど………

■アーギー
 ・・・

 アーギーが突然表情を厳しくして再び振り返った瞬間───
 がん!!
 アスタルテは乱暴に席を立つと、テーブルをヘビーメイスで殴っている。
■アーギー
 !

 イルミナが、びくっとして思わず数歩後ずさる。クレフは、仰天して椅子から転げ落ちている。
■クレフ
(ひっくり返ったまま)・・・あ〜、びっくりした〜

■アスタルテ To:マリエル
 ちょっと、あんた。いいかげんになさいよ。
 マーファの神官てのはいつから礼儀知らずになったの。
 人をうそつき呼ばわりしたくせに情報を教えろってどういうこと。
 馬鹿も休み休み言いなさいよ。
 私達がほんとの事を言ってるのかどうか分からないなんて言っといて。
 信用できないと思ってるんならいちいち聞くんじゃない!!
 上に泊まっている人が賞金首かどうかなんて、私達に聞くより本人に聞きにいったらどう。
 その方がきっと早いわよ。

 だいたい、人の事は根掘り葉掘り聞いといて自分たちの事は言えないってどういうことよ。
 あんたの方から聞きに来といて何寝言抜かしてるの。
 情報は「Give and Take」が常識でしょうが。
 それにねえ、私からすればあんたの方がよっぽど嘘ついてるように見えんのよ。
 おかしな連中ってあんた達の事なんでしょう。
 嘘つくのが上手な人は悪党なのよね、あんたの話だと。

 もうあんたと話事なんてないわ。
 お仲間と一緒にさっさとここを出て行くのね。
 これ以上ここにいるんなら、今度はあんたの頭を潰すわよ。


 アスタルテは、宿の隅々まで聞こえるほどの大声で怒鳴っている………
 クレフは、尻餅をついた格好のまま、マリエル、アスタルテ、アーギーの三人を見比べている。が、何もできそうにない。
■アーギー
 ・・・・・・・・・。

 アーギーは、アスタルテが一通り怒鳴るのを待った後、アスタルテの肩にぽんと手を乗せて前に出た。
■アーギー To:マリエル
 ・・・・・・・。
(厳しい目でじっと睨むように)
 ・・・アスタの言う通りだと思う。まあ、君達が「おかしな連中」とまでは言い過ぎかもしれないけど・・・・・。
 ・・・・しかしあまりにも失礼が過ぎたな。今すぐ去れ・・・・。

  あと、その男とやらについては「知らない」。
 まあ、君が信用するかどうかは分からないけどな・・・(暗笑)

■マリエル To:ALL
 ………?

 マリエルは、しばらくメイスの形にへこんだテーブルを不思議そうに見つめていたが、きょとんとアーギーの方に向き直り首を傾げた。嘲笑混じりのアーギーに対して、心底不思議なものを、もしくは奇妙なものを見るような顔つきになっている。
■マリエル To:ALL
 あなたたちがあたしを信用するかどうかも、あなたたち次第だもの。別に無理に信用してくれなくてもいいわ。
 まあ、聞きたいことは一通り聞けたし、頭を潰されたくないから、退散するわね。

■イルミナ To:マリエル
えぇ、そうしてください。
これで喧嘩になったら先ほど仲裁に入った身として情けないですから...

■マリエル To:イルミナ
 そうね。そうさせてもらうわ。

 そう言ってマリエルは軽く会釈し、仲間のいるテーブルに戻っていった。

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ゆな<juna@juna.net>