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ガラクタの山 |
DreamWeaverは一旦ディナンからのこれ以上の取材を諦めて、周囲のガラクタを調べてみることにした。ひょっとしたら、何か役立つアイテムがあるかもしれない。
スレイ、カナル、リグでそれっぽいものを探し出すと、次のものが見つかった。 カナルが日記にアイテムの制作について記録があったのを思い出し、スレイと協力して片っ端から調べていった。その間に、ディナンが片っ端からコメントしていく。
その1、革靴 1 足、重さ 1000g。靴のサイズは、人間の成年男性が履く位。古ぼけただたの革靴に見える。 |
■ ディナン To:ALL |
オレサマちゃんには大きすぎるね。 |
日記には次の記述が見つかった。泉の水深は深くても 50cm しかない。ここでも役に立たなそうだ。
- 「水に浮く靴」
- 魔力=靴底が水に浮く
どんなに重い者が履いても、靴底だけは必ず水上にある靴。 大体において、水面に靴底が出て体は水中に落ちる。 水上を自由に歩けるようにしたかったのだが、失敗。
その2、2m 位のなわ数本、重さは 1 本 200g。普通のロープのように見える。 |
■ ディナン To:ALL |
手に持って引っ張ってみたらわかるよ |
カナルが引っ張って見るが引っ張れば引っ張るほどスルスル伸びていく。 日記には次の記述が見つかった。
- 「伸縮自在ロープ」
- 魔力=伸縮自在なロープ
負荷がかかっている限り永遠に伸び続けるロープ。 捕縛に使っても逃げられる。物を持ち上げようとしても ダメ。目的の長さで止まるようにしたかったのだが失敗。
その 3、20cm 位のひも数本、重さは 1 本 5g。ロープよりは細めの白いひも。 |
■ ディナン To:ALL |
2 人でそれぞれ両端を持って『役立たず!』って言ってごらんよ♪ |
- 「ゴムひも」
- 魔力=伸び縮みするひも
コマンドワードによって伸びはじめる。再び同じコマンド ワードを唱えると一瞬で元の長さに戻る。両端を持っていると かなり危険。目的は「伸縮自在ロープ」と同じだったが失敗。
その 4、直径 5cm 程のボールたくさん。重さは 1 個 50g。そこら中に散らばっている。 |
■ ディナン To:ALL |
それ、面白いんだ〜。全部おんなじようにみえるけど、実は 2 種類あるんだ。触ってみればわかるよ。 |
- ボール 1「言霊」
- 魔力=言葉を記録する
ボールを持ちながら話した言葉が記録され、再びボールを 握ると再生される。何度でも録音出来るようにしたかったが、 一度記録したボールは再生専用になってしまうため失敗。- ボール 2「人魂」
- 魔力=魂を記録する
何かをしゃべりながらさわるとボールの色が変わり、触った者は 魂の抜けた抜け殻のようになってしまう。が、本人は意識を失った わけではない。今度はそのボールから本人の声が聞こえてくる。 触った時に喋っていた言葉が解放のコマンドワードとなる。 人間本体を閉じ込めるようにしたかったのだが、失敗。
2 種類あるが、見た目はほとんど違いはない。スレイが片っ端から触ってみる。もちろん、触る時には何も喋らないようにして。何か言葉が聞こえたら、それをカナルに翻訳してもらうことにした。
1 つ目のボールからは、男性の声がした。
■ 言霊 |
あー、あー、テストテスト。テストテスト。これはテストです。 |
■ ディナン To:スレイ、ALL |
わー、それってお師匠様の声だ〜! |
2 つめのボールは、握ってみても何も起こらない。どうやら、未使用の言霊か人魂のようだ。
3 つめのボールは言霊。ボールを握ると、次の言葉が再生された。
■ 言霊 |
お師匠様のばかー |
■ ディナン To:スレイ、ALL |
…へへ、冗談だよぅ、冗談。そんなこと思ってないって |
4 つめのボールは言霊。ボールを握ると、次の言葉が再生された。
■ 言霊 |
腹減った〜 |
■ ディナン To:スレイ、ALL |
それ、デュナンが言ったんだよ。オレサマちゃんじゃないよ〜 |
他にもボールはたくさんあるのだが、きりがないようだ。
その 5、ヘルメット、重さは 500g。黄色くて固いヘルメット。緑十字のマーク入り。 |
■ ディナン To:ALL |
かぶって、壁に激突してみよう! |
- 「ヘルメット」
- 魔力=痛くない
かぶって自分から壁にぶつかりにいくと痛くないのに、普通に 殴られるとめっちゃ痛い。 最強の兜を作りたかったのだが失敗。
その 6、絵本 1 冊、重さは 1200g。
全 20 ページほどあるが、書かれているのは 4 箇所。挿し絵と文章が一対で 1 シーンを成している。
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■ ディナン To:リグ |
絵本、いいねぇ〜。読んで聞かせてよ |
- 「飛び出す絵本」
- 魔力=書かれている物語が目の前に出現
文章を朗読すると、その場面の挿し絵が現実の物として飛び出してくる。 一度実体に成ってしまうと元の絵に戻らないので失敗。
その 7、細身のメイジスタッフ、重さ 1000g。カナルにはちと軽い、スレイにはちと重い。上部は二又に別れ鳥の翼を模した飾りつき。 |
■ ディナン To:リグ |
飛べるんだけど不便だよ |
- 「飛翔の杖」
- 魔力=フライト
杖を持ってコマンドワードを唱えると、20m 舞い上がって 降りてくる。自由に飛べないので失敗。
その 8、壊れかけたテーブル、重さ 20000g。 |
■ ディナン To:ALL |
スイカが食べたいな〜。でも外に出ないと食べらんないもんな〜 |
- 「明るい食卓」
- 魔力=食べ物が出現する
望んだ食べ物が何でも顕われる食卓。周囲が明るいと使えない。 テーブルに乗り切らないほど願うと何も現れない。 暗闇で食事するのはツライので失敗。
その 9、ベッド、重さ 40000g。シングルベッド。マットと毛布とまくらもちゃんと付いている。 |
■ ディナン To:ALL |
眠いなら寝てみれば?よーく眠れるよ。ヘヘ |
- 「姿勢矯正ベッド」
- 魔力=寝相がよくなる
横たわると自動的に四方からロープが出て来て拘束される。 連続して 8 時間寝ないと拘束が解けない。 途中で目が覚めるとタイマーがリセットされる設計ミス。
その 10、本、1 冊 300g。既にカナルとスレイが調査済み。 |
■ ディナン To:ALL |
お師匠様の日記だよ |
その 11、金魚。デメキン。体長 8cm。 |
リグは最初に見つけた時から金魚のことが気になっていた。泉を覗き込んで話しかけようとしているのをディナンが目敏く見つけた。
■ ディナン To:リグ |
そいつ、かわいくないんだよね〜 |
■ リグ To:ディナン&デメキン&カナル |
なんでそんなに嫌うのかなぁ。 ちょっと大きいけど可愛いじゃない、ねえデメキンさん。 ねえねえカナル兄ちゃん、その日記にこのデメキンのこと書いてない? |
カナルは黙々と日記を調査中。
■ ディナン To:リグ |
見た目に騙されちゃだめだよ〜、お嬢ちゃん♪ |
■ 水の中の金魚 |
…… |
水の中のデメキンは、何か言いたげにリグの方を眺めている。口から小さな空気の泡がぽこぽこ上がっている。
リグはそのようすを見て、泉の中に手を入れてデメキンに触れようとした。もちろん、何かあったら対応できるように警戒しながらではある。
デメキンは泉に差し入れられたリグの手にやさしく擦り寄ってくる。「水から出して、出して」というように、軽く口の先でリグの指の腹をつついている。
その時、カナルがこの金魚に関する記述を見つけた。それによると…
- 金魚
- 魔法生物の実験として作られた。
水中でも空中でも泳げるかわいいペットにしたかったのだが 空中ではなぜか凶悪になるので失敗。
■ カナル To:リグ |
……そいつは、水から出さない方が良いみたいだぞ。 水から出すと、すぐに死んでしまうらしいからな。 |
とりあえず無難に止めてみる。リグは掬ってあげようとした手を止めた。
■ リグ To:カナル |
そうなの? じゃあ、この水袋に入れて連れて行くならいいよね。 ディナン君がいなくなったらこの子一人になっちゃって可愛そうだもん。 |
そして水袋の口を切り開き、金魚をやさしく掬い取った。金魚の色は赤いまま、たゆたゆと水袋の中を泳いでいる。
その 12、絵図、1 枚 10gほど。壁の模様を写したものらしい。かなり上手に写されている。 |
■ ディナン To:リグ |
デュナンが描いたんだ。あいつ、そういうゲージュツ的なもの 好きだったんだ〜。才能はなかったけどね〜 |
カナルとスレイはその模様が崖の上の廃虚で見た石に彫られていたものと同じであるとすぐわかった。それについての記述を日記に探すと、次の記録が見つかった。
■ 日記より引用 |
われわれが降り立ったこの地は古えより由緒のある地らしい。 今日、屋敷の建設中に遺跡を発見した。この巨大さ、この精巧な彫刻、堅牢な建築物。これは古代の巨人の手による遺跡ではないだろうか?だとしたら素晴らしい発見だ。私としても胸の高鳴りを抑えることが出来ない。 |
ということで、今まで見つけたアイテム全部に関する記述を日記の中に見つけることができた。
しかし、目的はいまだ満たされない。
どうやったらここから出られるんだ?
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