| 前へ | 目次へ | 次へ |
| 遺跡内部へ |
ティトルのたいまつで照らされた横穴内部は、バティが見て取ったように人工物である床がまっすぐ奥へと続いていた。しかし壁面はほぼ自然のままであることがわかる。自然の洞窟を利用した入口のようだ。
たいまつの明りに照らされた範囲にはとりあえず何も無いようだ。 その奥は真の闇である。先は長そうだ。
| ■ ジル To:おおる |
|
どうやら、ここで間違いなさそうじゃな。 見たところ、進むべき道はひとつしかないのぉ。 |
| ■ カナル To:おおる |
|
奧へ向かうか。 ラングドーフの館の入り口なら、罠が仕掛けてあるって事も ない気もするが…… ここは、バードの勘に期待するか。 |
| ■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
|
まっ、部屋ん中じゃしょうがねぇか。 あんまりアクセク働くのは性にあわねぇんだけどな。 |
| ■ ティトル To:バティ&リグ |
| 頑張ってくださいねぇ〜(^-^)(期待の眼差し(笑)) |
| ■ ジャン=バッティスタ To:ティト |
| こんなところで迷子になるなよ。干物になっちまうぞ(笑) |
| ■ スレイ |
| はぁ、バードさんって凄いんですねぇ… |
| ■ リグ To:ティトル&バティ |
| 凄いのはバティ兄ちゃんだけだよ。 わたしはまだ未熟だから、お師匠様(バティ兄ちゃん)に頑張ってもらわないとね♪ |
| ■ ジャン=バッティスタ To:リグ |
| はいはい。頑張ってみましょう。 |
先頭からバティ、ティトル、ジル、カナル、スレイ、しんがりをリグの順に隊列を組んで奥へ進む。スレイは後ろからたいまつをかざし、鋭く周囲に気を配るが、今のところ特に危険は感じない。
一行は、一本道を慎重に進んだ。入り口の光が小さくなった頃、前方におぼろげながら扉が現れた。たいまつの明りに照らされて、ドラゴンのレリーフが浮かび上がる。
| ■ リグ To:カナル |
| やったね、カナル兄ちゃん♪ 大当たりだね♪ |
| ■ カナル To:リグ、おおる |
|
まあな。 それにしても、ドラゴンのレリーフか……物々しい扉だな……。 やばそうな雰囲気はしないが、どうだ? |
| ■ ジャン=バッティスタ To:ALL |
| ぜんぜん、しないね |
スレイも黙ってうなづいて賛同した。今のところ、まだ危険な感じはない。
警戒して待機するおじさん達を尻目に、好奇心の固まりリグとティトルは、興味津々と扉に近づいた。リグはしげしげと扉のレリーフを眺めて一言。
| ■ リグ To:カナル |
|
ふ〜ん、このレリーフに描いてある首が長いトカゲみたいなのがドラゴンなんだ。 話しでしか聞いたことなかったからどんな怖い怪物なんだろうと思ってたけど結構カッコイイんだね。 |
そう、強くて恐いんだよ、リグ。
| ■ ティトル To:カナル |
|
う〜ん、どうなんでしょうねぇ。 よいしょっ…と。(と、扉を押してみたりして(笑)) |
| ■ カナル To:バティ |
|
! おい、ちゃんと捕まえとけよ。 |
ティトルの手が扉に伸びるのを見て、カナルが慌てて注意する。 しかし、矛先はバティだったりして。
| ■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
|
うちのは放任主義でねぇ…… まっ、ティトが爆死するのは仕方がないが、よそ様に迷惑がかかるとやばいからな。 というよりは、俺様、死にたくないから…… |
ティトルの手の動きをのんびり見ていたバティが、オクターブ声を上げて注意する。
| ■ ジャン=バッティスタ To:ティト |
| ティト〜、向こうでカナルのおっちゃんがこわい目で睨んでるよ〜。 そう言うところは招かれざるお客さん対策がしてあったりするからね、 ちょっと下がっててくれるか? |
| ■ リグ To:ティトル |
|
あわわわ・・・。 ティトル姉ちゃん危ないよぉ。 こういうところの扉をうかつに触ったら罠が発動したりするから気をつけなさいってお母さんが言ってたよ。 |
| ■ ジル To:ティトル |
|
まぁ、ここから入るしかなさそうじゃが、入るにしても段取りというものがある
からの。 ここはバティに任せて下がっておったほうがいいの。 |
スレイ、またもや激しくうなずいている。 「ティトル、危ないですよぉ〜。扉にバクンと食べられちゃいますよぉ〜」と言いたいらしい。
わらわらわらっとみんなに注意されて、ティトル、思わずホールドアップの体勢。
| ■ ティトル |
|
うやぁ……、危ないところでしたぁ(^^;てへへ (バティさんの邪魔にならないところで待機) |
| 扉の番人 |
バティは皆の期待に後押しされ、扉に近づいて罠と鍵の調査を行う。罠や鍵は見当たらない。しかし、バティが扉に触れたとたんカナルにはレリーフの目がキラリと光ったように見えた。スレイの耳もピクリと動く。
| ■ スレイ |
| っ!? |
| ■ カナル To:バティ |
|
おい! 離れろ! なんかやばそうな雰囲気だぞ! |
カナルは鋭く警告を発しながら周囲に魔力感知を試みる。扉の方向から、強い魔力をビンビンに感じる。
扉の輪郭がフッとぼやけたかと思うと、次の瞬間、扉のあった空間に巨大な爬虫類の頭部が現れた。一同を威嚇するように大きな口を開ける。 肉食の尖った歯が、たいまつを受けて鈍く光る。喉の奥から、聞くものを萎縮させるドラゴンの唸り声が低く響いてくる。
| ■ カナル To:おおる |
| ! ドラゴン……の幻影か!? |
| ■ スレイ To:おおる |
| ほ、本物だったら挨拶でもしてみますか…?(^^; |
前から 5 番目のスレイがのんびり言ってみる。周囲の精霊に語りかけるが、特に異常は感じられない。鋭敏な耳にも、扉の方から大型の獣の唸り声と、すぐ近くの自分たちの息遣いしか聞こえない。うなじの毛が逆立つような危険な感覚。
次の瞬間、ひときわ大きく幻影の口が開かれた。そこから大音響が発せられる。ドラゴンの咆哮だ!周囲の壁がビリビリと振動するのが皮膚を通して血管に入ってくる。
| ■ カナル |
|
ぐっ……何だ、このプレッシャーは……。 まさか、これが話に聞くドラゴンの咆吼って奴か。 |
| ■ ジル |
| ぬぉぉぉぉぉ!!なんのこれしき!! |
凄まじい咆哮に、ジルは根性で耐えた。 しかし、彼以外の仲間は全員恐怖に捕えられた!
バティは目の前の恐怖に硬直して動けない。 スレイは反射的に背中の弓に手を伸ばし、エルフ語で吠えた!
| ■ スレイ To:ドラゴンの幻影 |
| (ぷちっ) ―――てめぇ、幻影のくせして生意気なんだよっ!! |
キレた…。
| ■ ティト |
| どぉ、どらごんのおじさんのひ〜ほ〜っ??!! |
ふっ…本物をき〜ちゃったよ……
| ■ リグ |
| ああ〜ん、まだ何もしてないのに怒らしちゃったよぉ〜!? |
リグの悲鳴とほぼ同時に、冒険者の足元に落とし穴が開いた。 穴の中はどこまで続くかわからない漆黒の闇。 恐怖で竦む彼らは、突然の不幸にパニックに陥りそうになる。
誰もが穴に落ちる!と思った瞬間。
全員の頭の中で声が響いた!
| ■ 声 To:ALL |
| オレサマちゃんが助けてあげる〜! |
落とし穴の中に、突然銀色の円盤が出現した。
落とし穴を避けられなかったバティ、ティトル、カナル、スレイは、その円盤に吸い込まれていく。4 人の体が消えると、銀の円盤は、だんだん小さくなっていく。
一方、一声凄まじい声で吠えた幻影は、急速に影が薄くなっていく。 再びレリーフに戻って、次の不法進入者を待つのだろうか。
| 司祭 2 人 |
| ■ ジル To:リグ |
|
リグ?大丈夫か?? |
正義の神の守りで根性で咆哮に耐え、落とし穴からも意外にも身軽に身をかわしたジルが、後ろを振り返ってリグのそばに駆け寄る。
| ■ リグ To:ジル |
|
・・・・・う、うん。 (ショックでちょっと涙目) |
リグは幸運の神に守られ運良く落とし穴を免れたが、ショックで軽い放心状態のようだ。
| ■ ジル To:リグ |
| そうか。他のみんなはどうかのぉ? |
素早く周囲を見回すが、他の仲間の姿はない。仲間を吸込んだ銀の円盤はみるみる小さくなっていく。幻影のドラゴンは、再び扉に戻ろうとしている。闇が徐々に小さくなる。
| ■ リグ To:ジル |
|
みんな、消えちゃったよぉ。 ・・・・クスン、どうしようジルおじちゃ〜ん(泣) |
| ■ ジル |
|
ゆっくり考えておる時間はなさそうじゃな。。 魔が出るか邪がでるか。。。マイリーの加護を!! |
ジルは、普段の彼とは思えぬ機敏さでとっさに判断した。
初めての体験に泣き出すリグの肩を抱きかかえ、円盤の中へ飛び込んだ。
誰もいなくなった。 後にはスレイが持っていたたいまつが床に転がり、ジリジリと音を立てているのみ。
| 前へ | 目次へ | 次へ |