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漁村ヤッファー |
昼下がりの漁村は、早朝漁に出て一仕事終えた男達が網の繕いをしていたり、女達は魚を捌いて保存したり森の恵みを選別したりと心地よい潮風を受けながらのんびりしている。
一行が村に近づくと、舟を繋いだ浜辺から子供たちの歌声が聞こえてきた。
■ 子供達 |
ひとつひとりの王様が、ふたつふたりの供を連れ、
みっつ 3 日で、よっつ 4 棟、
いつつ 5 層の城建てた♪ むっつ 6 日目、ななつの海越え、 やっつ 8 人客が来た♪ ここのつ 9 種の料理でおもてなし、 全部食べちゃってもうおしまい♪ |
浜辺で 5 人位の子供が遊んでいるのが見える。
■ カナル To:おおる |
のどかな風景だな……。 それじゃ、少し様子を見てきてもらおうか? |
■ スレイ To:おおる |
確かに、のどかでほのぼのとした風景ですね。 こういう暮らしをしている人間もいるんですねぇ………なるほどなるほど。 |
■ ジル To:おおる |
ワシには、こんなに水の近くに住みたがる人間の気持ちはわからんがな。 怖くは無いのかのぉ。。。。 |
■ リグ To:ティトル&カナル |
なつかしいな〜♪ 子供の頃、ああいう「数え歌」歌って色々遊んでたなぁ。 |
それぞれの感慨を抱く一同。
ティトルは、熱心に子供の歌に聞き入っている。最近こういうのに興味津々らしい。 カナルの「様子を見てきてもらおうか?」の疑問形のはしっこだけがようやく耳に届いたが、心はここにあらずである。
■ ティトル To:カナル |
……ほぇ? なんかゆいましたぁ?カナルさぁん? うふふ〜あの歌面白そうですねぇ〜♪ |
何とか返事をしながらも、目と耳と体は子供たちに向いている。
■ カナル To:ティトル |
……行ってきて良いぞ。 (と言うか、行って来い) |
■ ティトル To:カナル |
いってきちゃってもいいんですかぁ? ん〜、じゃぁ行ってきますねぇ〜♪ |
ゴーサインが出たのをいい事に、てってけて〜♪とスキップせんばかりに走り出す。
■ スレイ To:ティトル |
あっ。わたしも行きますよ、ティトル(^^) |
■ リグ To:ティトル&スレイ |
あっ!わたしもいく〜♪ |
スレイとリグも同じくてってけてけて〜♪
後に残ったオヤジチーム。やる気無く手を振る。
■ ジャン=バッティスタ To:ティト |
いってらっは〜い |
■ カナル To:バティ、ジル |
お子様の相手は任せるとするか。 何か、面白い話でも聞いてきてくれればいいがな。 |
■ ジル To:カナル、バティ |
うむ。ワシもちと子供の相手は苦手じゃて。 マイリーも「泣く子と怒る嫁から逃げることは恥ではない」と言っておるしな。 |
■ ジャン=バッティスタ To:ジル |
ふーん。マイリーも逃げ出すんだな。 怒る嫁にバトルソングでも唄ってやれば、血管がプチっといって 静かになりそうなものを…… |
おいおい。
一方ギャルチーム(エルフ含む)は優しいお姉さんとなって子供たちにご挨拶。
■ ティトル To:子供達 |
こんにちはぁ☆ 今の歌、私にも教えてくれないですかぁ〜? (にっこし☆) |
■ スレイ To:子供達 |
(しまった!!・・・東方語はわからないや(^^;)) ……… コ、コニチワ!(^^; |
ティトルが東方語で挨拶するのを聞いて、ようやく困難に気づいたスレイ。 彼は東方語が分らないのだ。 仕方がないので、ティトルの発音を真似て何とか挨拶らしきものをしてみる。 顔は笑顔を絶やさないが、心はドッキドキ。まるきりアヤシイ外国人である。
■ リグ To:子供達 |
こんにちは!(^^) |
■ 子供たち To:よその人 |
わー、こんにちわ〜 (^o^)/ |
しかし、子供たちは怪しい発音のスレイや知らない人を怖がる様子は全くなかった。 返って興味津々、あっと言う間にティトルとスレイとリグを取り囲んだ。 目をキラキラさせて、得意の質問責め攻撃だ。
■ 年かさの女の子 To:よその人 |
おねいちゃんたち、どこの人?町から来たの? |
■ 小さな男の子 To:耳の長い人 |
ねぇねぇ、お兄ちゃんどうして耳長いの? |
■ 小さな女の子 To:お姉ちゃん |
お歌好きなの?一緒にうたおうよ! |
特にエルフは珍しかったらしく、男の子に耳は引っ張られるわ体に登られるは大変な騒ぎである。しかし、言葉の分らないスレイにはただニコニコしているしか仕方がなかった。
■ ティトル To:子供達 |
あわわわっ? う〜ん、おねいちゃん達は他の町から来たです〜(^-^) いいですよぉ一緒に歌うデス〜 あれ?でも今はかくれんぼじゃないんですか?? |
■ リグ To:みんな |
じゃあ、わたしが伴奏してあげるよ。 たまには弾かないと楽器もすねちゃうからね。 ポロロ〜ン♪ |
予期せぬ大歓迎に、さすがのティトルも慌てぎみ。しかし、あっと言う間に馴染んでいる。リグが歌とダンスに合せて楽器を弾き始めた時には、子供たち、大喜びである。
■ 子供たち To:楽器のうまいお姉ちゃん |
わーい、歌おう、歌おう! |
■ スレイ |
(はて。何故ティトルはいきなり歌い出したのでしょうかね・・・?(^^;)) |
相変わらず事情はつかめないが、とりあえずニコニコしてあまつさえ一緒に踊ってみたりするスレイ。一緒に歌いながら、ティトルは歌について子供たちに聞いてみた。それによると、この歌は「ベッキーのおばあちゃん」が教えてくれた歌で、かくれんぼの時など、数を数えたりするときに歌うらしい。歌に出てくる王様は、空から飛んできた伝説の王様らしい。そして、おばあちゃんは何でも知ってるらしい…
それからも一頻り踊ったり唄ったり、子供たちもリグもティトルも十分に楽しんだ。 ティトルが思い出したように子供たちに尋ねる。
■ ティトル To:子供達 |
そぉ言えば、ベッキーのおばあちゃんはどこにいるですか? ベッキーちゃんちですかぁ?(^-^) |
■ ベッキー To:ティトル |
うん。おばあちゃんはおうちにいるよ。 おばあちゃんにご用なの? |
人間の子供に付合ってすっかり踊り疲れてしまったスレイが音を上げる。
■ スレイ To:ティトル、リグ |
・・・そろそろ村の大人の話を聞きたいと思うのですけど、どうでしょうかね? |
■ リグ To:スレイ&ベッキー |
そうだね。 (ベッキーちゃんに向かって) うん、ベッキーちゃんのおばあちゃんとお話しがしたいんだ。 案内してもらってもいいかな。 |
■ ベッキー To:リグ |
うん!こっちだよ〜! |
子供たちは、一目散に駆け出した。途中で一行を誘うように振り返る。
■ リグ To:ベッキー |
じゃ、行こっか。 |
DreamWeaver はその後を追った。
ベッキーの家 |
さして大きくない村の中を抜けた奥がベッキーの家だった。途中村人とすれ違うが、リグはニッコリと挨拶を忘れない。村人も怪訝な顔をしながらも、子供を先頭にした一行に快く挨拶を返す。
駆け比べ一等賞はベッキーだった。一足先に部屋の中に駆け込んで、奥に声をかける。少しすると戻ってきて、一行を室内に招き入れる。
■ ベッキー To:ALL |
お母さん達は海にいるからいまいないの。 でも、おばあちゃんはいるから大丈夫。 いらっしゃいって言ってるよ。 |
足を踏み入れた室内は暗いが、きちんと片づけられていて掃除も行き届いている。 奥の部屋に通ると、ベッドに横たわった老婆がクッションに支えられて上半身を起している。白髪でしわくちゃで、かなりの高齢のようだ。
■ 老婆 |
いらっしゃい…。…こんな村にお客とは珍しい… |
■ ジャン=バッティスタ To:ばぁちゃん |
うむ、いらっしゃった。こんな田舎で共通語とは珍しい……。 |
言語博士の琴線に触れたらしい。今はよぼよぼの老婆でも、昔取った杵柄なのだ。
■ リグ To:お婆ちゃん |
こんにちは。 のどかでいい村だね、ベッキーのお婆ちゃん。 今日は、お婆ちゃんに色々話を聞きたくて来たんだよ。 |
■ カナル To:婆さん |
初めまして。私は、カナルと申します。 こちらはリグ。 私どもは、オラン周辺の伝承などを調べておりまして、 この村にも立ち寄らせていただきました。 |
なにげに偶然立ち寄った風の言い回し。 あくまでもラングドーフの遺跡が目的とは言わないらしい。
■ スレイ To:お婆さん |
(………さすがカナル。言葉の魔術師…(^^;)) わたしはスレイです。よろしくお願いしますね、お婆さん(^^) |
■ 老婆 To:カナル、スレイ |
…こんな辺鄙なところまで、…よう来なすったのぅ… はて、お話できるような事があったかどうか… |
老婆はすっかり一行を「伝承を研究しているオランの学者ご一行様」だと思い込んでしまった。リグが突然先程子供と唄った歌を諳んじた。
■ リグ To:お婆ちゃん |
ひとつひとりの王様が、ふたつふたりの供を連れ、
みっつ 3 日で、よっつ 4 棟、
いつつ 5 層の城建てた♪ むっつ 6 日目、ななつの海越え、 やっつ 8 人客が来た♪ ここのつ 9 種の料理でおもてなし、 全部食べちゃってもうおしまい♪ 子供達がこの歌を歌ってたんだけど、これに出てくる王様ってだれのことなの? |
■ 老婆 To:リグ |
おぉ、…上手、上手。…よう覚えなすったのぅ… 昔昔、天の国から空を飛んでこの地にやってきた王の話だのぅ。 …はて、それが誰かと聞かれても…。 昔話の中では「意地悪な大臣の計略にかかって天空の国を追放された王子」ということになっとるが…。 |
と言って傍らのベッキーの方を見るが、ベッキーは共通語が分らないので不思議そうな顔をしている。
■ 老婆 To:リグ |
…かくいうワシもその頃から生きておった訳ではないからのぅ…。 ふぉっふぉっふぉっふぉ… |
と前置きして老婆は次のような昔話を語った。今から 500 年位前、天空の国から舞い下りた王子がヨッパの地を安住の地と定め、ここに城を作った。王子は大臣の計略により、天空の国の城を追い出されたのだった。ここに来た時は 2 人の小人を供に従えていた。約束の地に立派な城を建て、供と一緒にこの地を治めた。
しばらくすると天空の国より意地悪な大臣たちがやってきたが王子は彼らを暖かく迎えた。実は大臣たちは王子が生きていると知ってを殺しに来たのだが、それを知った供は料理に魔法の薬を混ぜてネズミの姿とし、そのネズミを焼いて食ってしまった。
それを悲しんだ王子は城を捨て、どこへとも無く飛び去ったという…
王子はこの後、マーファ様の元で幸せに暮らしたとも、呪われた島の王になったとも言われている。
■ カナル To:婆さん |
その王子の名前などは伝わってはいないのでしょうか? |
■ 老婆 To:カナル |
…伝わっておりませぬのぅ… 年寄りなぞが語る時には、子や孫の名前にして話したりもしますがのぅ… |
■ スレイ To:お婆さん |
ほうほう…。 その王子の住んでいた城は、この辺りにあったのですか? |
■ 老婆 To:スレイ |
…城かのぅ… あった、といえばあったようじゃのぅ… 左翼の崖の上に、瓦礫の山があってのぅ… ここらへんじゃそれが王子の城跡じゃないかと言われとるよ。 皆さんは、あないなところでも調べなさるのかのぅ…? |
カナルの目がキラリと光る。明らかにその瓦礫の山に興味を引かれたらしい。
■ カナル To:婆さん |
遙かなる昔、何処より流れ来る貴人が住みし場所……。 面白そうですね。 左翼の崖の上というと、あの辺りでしょうか? |
■ リグ To:みんな |
うわ〜、上まで登るの大変そうだねぇ。 |
カナルが指して見せた窓からの景色には、村の左翼に広がる崖があった。高さ 50m ほどでほぼ垂直である。これが、海からの強風を防ぐ壁の役割もしているようだ。 登って登れない事はないかもしれないが…
■ 老婆 To:カナル |
そう、ちょうどあのあたりじゃのぅ… こちら側から登るのはちと辛いが、裏から上がれる山道はあるでの。 なんならこの子の父親にでも案内させましょうかの…? |
スレイが考えたくもない、と言う風に首を振る。
■ スレイ To:おおる |
………アレを登るんですか?(ぶんぶん) 山道を案内していただきましょうよ(^^; |
■ リグ To:お婆ちゃん |
お婆ちゃん、裏から回るとどれくらい時間がかかるの? |
■ 老婆 To:リグ |
…そうじゃのぅ…。今から出ると、着くのは夜になるかのぅ… |
ちょっと考えて、リグが出した結論は回り道だった。
■ リグ To:みんな |
誰かと競争してるわけでも、急いでるわけでもないから案内してもらおうよ。 あんな所から落ちてペシャンコ蛙になるのは嫌だモンね。 |
ふむ、と相談する一行に、老婆が休憩所の提供を申し出る。
■ 老婆 To:みなさん |
……ゴホ、ゴホ… …遠いところからお疲れじゃろうて…。 空いてる小屋がありますから好きに使ってくだされ。 この子に案内させましょうて。 |
■ リグ To:お婆ちゃん |
無理させちゃってごめんねお婆ちゃん。 今日はお話をしてくれたうえに泊まる所まで貸してくれて本当にありがとう。 |
長話をして少し疲れた老婆に、リグが気遣いを見せる。とりあえずここはもう出よう。 老婆は顔を皺だらけにしてリグに笑いかける。DreamWeaver一行のお世話という大任は、孫のベッキーに任命された。老婆が東方語で優しくベッキーに語りかける。
■ 老婆 To:ベッキー |
ベッキーや、このお客様をアルの家にご案内しての。 ご不便のないよう、ようお世話してなぁ… |
ベッキーは、リグとティトルの手を引っ張りながら…
■ ベッキー To:ALL |
うん、おばぁちゃん! こっちだよ、みんな。 あっ、お姉ちゃんたち。後でお姉ちゃんの知ってる歌も教えてね! ベッキーも教えたんだから、あいこだよ〜! |
■ リグ To:ベッキー |
うん!後から一緒に歌おうね。 |
ベッキーに引っ張られて行くリグやティトルを視界に入れながら、咳込む老婆の背中を優しくさするスレイ。
■ スレイ To:お婆さん |
大丈夫ですか、お婆さん? それではお言葉に甘えて、小屋で休ませてもらいますね(^^) |
■ 老婆 To:リグ |
…いやいや、すまんのぅ、大丈夫だでのぅ… こんな何にもない村で贅沢もできんが、ごゆっくりのぅ… |
アルの小屋 |
家の外に出ると、浜辺で一緒に遊んだ子供達がいた。どうやら、出てくるのを今か今かと待っていたようだ。自分にも何か聞いてくれないかとワクワクして見つめている。
■ リグ To:子供達 |
ねえ、みんな、あの大きな崖の上には何があるの? |
■ 小さな男の子 To:リグ姉ちゃん |
ん〜っとねぇ、ガケのうえにはねぇ… |
嬉しそうに答えようとする男の子の声に、女の子の声が割って入った。
■ レナ To:リグ姉ちゃん |
シ〜ッ! リグ姉ちゃん、ちっちゃい子は崖の上に行っちゃ駄目なんだよ! だから、アタシたち知らないもん!ね〜っ、みんな〜 |
■ 子供たち To:リグ姉ちゃん |
しらなーい♪ |
一様に満面の笑みをたたえて知らないフリ。小憎らしいお子様達である。
■ ジャン=バッティスタ |
(このパーティにちっちゃい大人が混じってなくてよかったよ…… ミルマとか、ミルマとか、ミルマとか……) |
ポムとかシュウとかフェイスでも大変なことになってたかもしれないね…
バティがそんな感慨を抱いている間、リグはスレイやジルのために子供たちの言葉(東方語)をせっせと同時通訳している。
■ スレイ To:おおる |
どうしてちっちゃい子が崖の上に行っちゃ駄目なのか聞いてくれませんか? 他に、何か知っていることがあるかどうかも聞きたいですね。 |
■ リグ To:レナ |
あっ! レナちゃん、何か隠してるでしょ〜(-_-) じゃあ、小さい子がダメなら大きい子なら行ってもいいんだよね。 |
レナちゃんはバツの悪いとこ見つかったみたいにモジモジ。何やらベッキーと内緒話。
■ レナ To:ベッキー |
え〜、お、おっきい子は…行ってもいいのかなぁ? |
■ ベッキー To:レナ |
しーっ、危ないから行っちゃダメなんだよ〜。 お母ちゃんに見つかったら叱られちゃう… |
内緒話がまとまったらしく、リグを振り返ってお返事。かなり困った表情だ。
■ レナ To:リグ姉ちゃん |
うんとね、子供は危ないから行っちゃいけないの。 …って、言われてるの〜(^^;; |
■ リグ To:レナ |
ふ〜ん・・・・・(-- そう言われている・・・・けど、なんでしょ。 (ちょっと、意地悪顔のリグ) |
■ レナ&ベッキー To:リグ姉ちゃん |
えへへへへ…(^^; (ごまかし笑いのレナ) |
そこで、スレイが説得をバトンタッチ。
■ スレイ To:リグ |
リグ、彼女たちにわたしの言葉を伝えてくれませんか? |
■ リグ To:スレイ |
うん、わかった。 |
スレイは、長い背を折りたたんでちびっこの目線の高さまでしゃがんだ。 そしてニッコリ微笑む。
■ スレイ To:ちびっこ達 |
キミ達はその場所に行った事がありますか? もしあるなら、どんな所だったかお兄さんに教えてくれませんかね? もちろん、お父さんお母さんには秘密にしておきますよ(^^) |
■ リグ To:ベッキー |
もちろん、お婆ちゃんにもね。(ウインク) |
■ ベッキー To:リグ |
あっ、それ絶対ナイショなの〜(^^;;; |
スレイの微笑みとリグの後押しに、子供たちも安心したようだ。 崖の上のようすを一生懸命思い出しながら話し出した。
■ レナ To:スレイ&リグ |
うんとね、うんとねぇ、ガケの上はねぇ、すっごく風が強いの。
リグ姉ちゃんなんか飛ばされちゃうくらい強い風が吹くんだよ! それとねぇ、もようのついた石のかけらがいっぱいあるの。 ときどき、キラキラしててとってもキレイなのがあるの。 |
■ 少年 To:スレイ |
これ、オレが拾ったんだ〜 |
年かさの男の子がポケットからキラキラした石のかけらを出して見せてくれた。 ガケの上で拾ったものだそうだ。とても自慢げなレナちゃん。
■ レナ To:スレイ&リグ |
ほぅら、キレイでしょ! |
■ リグ To:少年&レナ |
ちょっと見せてね。 ほんと、キレイだねぇ。 (しばらくウットリとしてます。) |
■ スレイ To:ちびっこ |
ほう、たしかに奇麗ですね。 ココを磨けばもっと奇麗になると思いますよ(^^) (水晶ですか……) |
スレイとカナルも石を借りてためすすがめつして見るが、どう見てもただの水晶のかけらのように見える。カナルはさりげなく魔力感知を行うが、反応はシロと出た。
スレイは少し考えた後、優しく子供の頭をなでながら、こうつけ加えた。
■ スレイ To:ちびっこ達 |
でも、大人の人たちが危ないから行ってはいけない、と言っているのでしょう? わたしも君たちに怪我をして欲しくないので、なるべく行かないようにしてくださいね (^^;) |
■ ベッキー To:リグ&スレイ |
う、うん。行かないよ〜。だから今のもナイショだよぉ〜(^^; |
横の方では石を拾った少年とレナちゃんがひそひそ話。
■ 少年 To:レナ |
とかいいながら自分は行くんだぜ、きっと。 きたねーよなぁ、オトナってヤツはよぅ… |
■ ジャン=バッティスタ To:少年 |
そんな大人を信じるから悪いんだよ、少年。 ふっ、坊やだな…… |
と言ってシャア並みに意地悪げな笑みを浮かべて見せるバティ。
…これこれ、子供を脅えさせてどうする。
■ リグ To:少年&ベッキー&レナ&子供達 |
そんなこと言わないで、ね。 さっき意地悪しちゃったお詫びにわたしの故郷の歌を教えてあげるから許してね。 |
■ 子供たち To:リグ |
わーい!教えて教えて〜 |
なんだかすっかりご機嫌直ってるみたい…。単純な子供たちだ。
リグのふるさとの歌をみんなで元気に歌いながら歩いているうちに、ベッキーがぱたりと足を止めた。その前にある小屋を指差してこう言う。
■ ベッキー To:ALL |
ここだよ〜。じゆうに使っていいからね〜。 |
老婆の言っていた「アルの小屋」はここらしい。ベッキーが小屋の扉を開けた。小屋は 10 畳ばかりの板張りで、中は一応掃除してあった。扉の内側にはかんぬきがある。 ジルが一通り見回して安全を確認する。
■ ジル To:ALL |
なかなか良い家じゃの。 ここじゃと久しぶりにぐっすりとねむれそうじゃな(^^) |
あんたいつもぐっすり眠ってるだろ!!
ベッキーは冒険者達が気に入ってくれたのを見届けて、次の仕事に走ろうとする。
■ ベッキー To:ALL |
じゃあ、おとうさんを呼んでくるね〜 |
■ カナル To:ベッキー&おおる |
「今日はもう遅いし、明日でいい」と、 お父さんには、そう伝えてくれないかな。 |
子供たちと遊んだり老人の話を聞いているうちにすっかり夕方近くになっていた。ベッキーは明日の朝父親と一緒に迎えに来ることを約束して子供たちを連れて引き上げた。子供たちも名残惜しげに立ち去った。
■ ジル To:ALL |
うむ。もう今日は特に話し合うことも無かろう。 どう推測しても、これ以上は実際現場に行ってみんとわからんじゃろうからな。 今夜はもう、一杯引っ掛けて寝るとしよう。 |
■ カナル To:ジル |
そうだな。 かなり減ってしまったが、まだスピリッツが残ってるぞ。 |
ということで、旅先でも三度(みたび)酒盛りが始まるのだった。
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