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銀の網亭 |
学院での戦利品は、バイナル研究室で見つけた「古代王国期地名録」と 「古代王国芳名録」の写し。 そして、バティの頭の中の図書館で見つけた情報がある。
全員揃って銀の網亭へ戻ってきた頃には、時刻はすでに夜、 銀の網亭の酒場幸せの木は夕食や一杯やりにきた客で賑わっている。
一行が中へ入ると、おやじが料理を運びながら陽気に声をかけてきた。
■ おやじ To:ALL |
おう、お疲れさん。お前ら、メシはどうする? |
■ カナル To:おやじ |
何か適当に見繕ってくれないかな。 それと酒を。 |
■ ジル To:カナル |
今日は樽じゃなくてかまわんからな。 |
■ リグ To:おやじ |
お腹すいたよ〜。 おやじさん、鶏の唐揚は絶対もってきてね。 きっと、ティトル姉ちゃんが欲しいって言うと思うから。 |
■ スレイ To:おやじ |
個室に運んで来てもらえますか〜? |
■ おやじ To:ALL |
鶏の唐揚と酒とあと適当にだな。すぐに持っていくよ。 その分じゃ先の見通しが立ったみたいだな。 がんばれよ! |
みんな心持ち急ぎ足で 2 階の個室へ消えた。 スレイなどはあからさまにわくわくした表情である。
部屋に入ると、扉を閉めるのも待ち遠しく、早速テーブルの上に資料を広げる。
■ カナル To:おおる |
さて、これがバイナル師の所かで書き写してきた地名だ。 そっちの地図と見比べてみるか。 バティの方では、何か分かったか? |
■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
うーんと、スレイの見つけてきた羊皮紙にかいてあった詩、
あれな、もちっと古いものらしいぜ。 結構有名だった詩らしくて、いろいろバリエーションができてた。 スレイのも派生詩のひとつとして掲載されてたぜ |
といって、元詩を暗唱する。
はるかな昔、魔法を使えないというだけで奴隷にされていた時代。
そんな私たちを同じ人間として認めてくれたラングドーフ
それが為にレックスを離れ、
海辺の小さな別荘に閉じこもることになってしまっても、
それまでと変わらなく接してくれた。
私たちだけではない。草原の民や、山の民とも、同じように。
彼はもういない。
残されたのは、彼が
私たちも魔法の恩恵を受けられるように、
少しでも楽にできるようにと作ってくれた様々な品
そして、それに10倍する試作品と失敗の数々。
そう。
彼は、ここにいる。
この小さな箱の中に。
■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
それから、図書館の女が変な詩も見つけてくれた。 「海の畔の王国」で調べてくれって言ったらこんな詩を見つけ出してよ。 |
続いて、四行詩を披露した。
海の畔のヨッパの地、
我らが王の住み給う。
上は大岩、下は大水、
帽子を取ってご挨拶。
■ カナル To:おおる |
ヨッパ……地名か? |
■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
さぁ。地名じゃなかったらなんだろうな。 さっぱりわからないよ。 |
と言ってお手上げポーズ。
■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
そういや、グラスランナーがどうだとか言ってたな。 年代不詳のグラスランナーの口伝だとか。 |
■ スレイ To:おおる |
草原妖精の口伝ですか…。どうなんでしょうね? もしかして、ヨッパっていうのはヨッパライのことを指していたりしてね(笑) |
指してへん、指してへん(ツッコミ)。
■ ジル To:おおる |
そういえば、どこかの国の姫をさらった魔王の名前が確かそんな名前だったよう な気が。。。 |
それはクッパ。 ジル殿。しかもゲームが違うってば…
■ カナル To:スレイ |
……さて、とっとと調べるぞ。 |
■ スレイ To:カナル |
そうですね。ぱぁーっとやっちゃいましょう(^^) |
宿題は早く終わらせるに限る。
カナルは、バティの見つけてきた詩を元に「古代王国期地名録」で位置を確認する。 スレイは、「古代王国芳名録」で同じく関連のありそうな記載を探しはじめた。
程なく、カナルが顔を上げる。
■ カナル To:おおる |
あったぞ。 ヨッパ……ここだな。 |
■ ジャン=バッティスタ To:カナル |
ほぉ。本当にそんな地名があったとはね。 目ざといもんだ |
カナルが「地名録」の地図を示して全員に見せる。横目で本を覗くバティ。 リグの位置からは、ちょうどそれとスレイの地図の相似形が目に入った。
■ リグ To:カナル |
あっ、地図を逆さに見ればいいんだ! そんなにオランから遠くないんだね。 カナル兄ちゃん、どのくらいで着けそうなの? |
■ カナル To:リグ |
そうだな……おおよそ、三日と言ったところかな? |
スレイは「芳名録」の写しを最後までめくってみた。
■ スレイ To:カナル |
えっ!?そんな地名があったんですか? こっちの本には、一言もヨッパという地名は出てきませんでしたよ?? 何かおかしいですね。普通ならこの本にも載っていていいようなものなのに…(−−?) |
■ カナル To:スレイ |
惜しかったな。 多分、改訂版には書かれていたかも知れないぞ。 |
■ スレイ To:カナル |
はぁ、そういうもんですかね・・・ |
納得いかなげに 2 つの写しをパラパラと眺めている。
そこに銀の網亭のおやじ、ノックと共に料理と酒を持って登場。
■ おやじ To:ALL |
おまちどうさん、酒と料理だ。 おっと、ちょっとテーブルの上をあけてもらえるか? 皿が置けないぜ。 |
■ スレイ To:おやじ |
あ、すみません。今かたづけます(^^; |
スレイがごそごそ、ばたばたと片づけたあとに料理の皿と 6 つのカップが置かれる。 適当に持ってこられたメニューは、リクエストの鶏のからあげ、マッシュポテト、ライ麦パン、シチューの 4 品と人数分のエールだった。
■ おやじ To:ALL |
で、どんなあんばいだ? 例の地図は宝の地図になりそうかい。 |
■ カナル To:おやじ |
そうなってくれると良いがね。 おやじさん、この辺りに町があるかどうか知らないかい? |
と、「地名録」のヨッパのあたりを指す。
■ おやじ To:カナル |
どれどれ。 確かこの辺にゃヤッファーってちっこい漁村があったんじゃないかな。 そこへ行くのか? |
■ カナル To:おやじ、おおる |
ヤッファーねえ……。 取り敢えず、そこを目指して行ってみるか? |
■ リグ To:カナル |
さんせい、さんせい! 調べる事は調べたし、じっとしてても始まらないから、そうしようよ。 ヨッパの場所がわかったんだから、行けば何か手がかりが出てくるよ。 |
■ ジル To:おおる |
まぁ、ここでじっとしておっても金にはならんからのぉ。 たとえ無駄足であったとしても、経験は貴重な財産になるはずじゃ。 行ってみるとするか。 |
経験は貴重な財産。いいことを言うなぁ…
■ カナル To:おおる |
リーダーもああ言ってることだし、決まりだな。 |
カナルが確認をする。反対する者はいないようだ。
それぞれ出発の決意を固めたところにジルが調子を変えて宣言する。
■ ジル To:おおる |
が、その前に飯じゃ。 遠くの美酒より近くの安酒。もう何百年も眠っているお宝なら、あと一晩やそこら遅れても逃げたりはすまい。 今日はゆっくりと眠って、明日の朝出発することにしよう。 |
■ スレイ To:おおる |
そうですね。さすがリーダー、よく分かっていらっしゃる。 それじゃ今晩はとことん楽しみましょうかね(^^) あ・・・・・・・・・・・ |
何かに気づいたように、じーーーっとリグを見るスレイ。
■ スレイ To:? |
またリグに飲ませたら・・・・・・・・(^^; まぁ、理性から開放された人間を観察できる いい機会なのでよしとしましょうかね。 うまく立ち回れば他の人の反応も楽しむことも出来ますし、 ジルも酔ったら楽しいですからねぇ・・・・ ふふふふ、楽しみです(^^) |
樽美人が出現したのはまだ昨夜の事だ。今晩も楽しいことになりそう…?
スレイ本人は心の中で思ったつもりらしいが、あまりにうきうきしていたのでいつからか声に出してしまったらしい。
■ カナル To:スレイ |
スレイ、ミイラ取りがミイラにならないようにな……。 |
ボソッとつっこむカナルであった。
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