SW-PBeM Scenario #27
twilight garden.
黄昏の箱庭
57+: 恋して愛して…
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砦本館 2階 使用人室(冒険者・男性部屋)
2nd Day 23:00-

事件は最悪の結果とは言え、一応の解決を見せた。
そのため疲れているはずなのに何故かジークは眠れず、ベッドから身体を起こした。
■ ジーク
・・・・・・・・やっぱり気になりますね。

ジークは横で寝ているフェリオを起こさぬように部屋からこっそりと抜け出し、隣の使用人部屋に向かった。

砦本館 2階 使用人室(セレン、ティアード部屋)
2nd Day 23:03-

ジークは一瞬ためらいつつ、ノブにそっと手を触れて回すと、扉は開いた。
■ ジーク
おや?開いてますねぇ(^^;

窓からの月明かりに照らされ、部屋の中の様子が伺える。

右奥のベッドの上で、服を着たままのティアードが横になっていた。
他のベッドは全て空で、セレンの姿はない。
■ ジーク
セレンさんがいない?

部屋の中には、微かに酒の匂いが漂っていた。
■ ジーク
お酒の匂い・・・・?

■ ティアード
あっついよぉ…。

ロスフェルの夏の夜。
窓を閉めて厚手の服を着たままでは、暑苦しくて眠れないのも当たり前である。
寝苦しそうなティアード。

ジークはベッドの脇にそっと立つ。

外された眼鏡が、ベッド脇の小物置きの上にあり、半分寝ている彼女は素顔であった。
ベッドの下には、服の腰帯が落ちていた。邪魔なので解いたものと思われる。
服の裾は乱れ、太腿がちらっと見えていたりする。
■ ジーク
・・・・・・(^^;

■ ティアード
ぁ…ふぅん――…。

寝返り。
酒が入ってほんのり上気した顔がジークの方を向く。
今彼女が目を開ければ、視線が合うという所。
■ ジーク
あ、可愛い(^^

手を動かし、耳の下辺りを掻くティアード。
掻き終えると、手は胸元に。
■ ジーク To:リュセラ
リュセラさん。

声を掛けるジーク。
■ ティアード
ん…。

「リュセラ」に反応したのかは不明…。
目を開けて、ジークを見る。
■ ティアード To:ジーク
あ…(^^

何処行ってたの?
話の続き、聞いてよ…。

身体を奥に寄せ、ベッドの上にジークが座れるスペースを空ける。
■ ジーク To:ティアード
話の続き・・・・ですか?(^^;

■ ティアード To:ジーク
ね。立ってないで、もっと近くに来て…。

■ ジーク To:ティアード
ええ、わかりました(^^

彼女の言葉を否定せず、ジークはベッドに腰掛けた。
■ ジーク To:ティアード
さて、なんのお話です?(^^

■ ティアード To:ジーク
次は、ある女の子の初恋話。

…つまんないかな?

■ ジーク To:ティアード
初恋の話ですか?(^^
いえ、是非聞かせてくださいな。

■ ティアード To:ジーク
3年前の寒い冬…。その女の子は、独りぽっちでした。
仲の良かった友達とは喧嘩して、帰る所もありません。

寒空の下を歩き回って、街の外れで小さな空家を見つけた女の子は、そこでしばらく過ごす事にしました。
…そこには暖炉があったから、凍える事もなかったの。

ある日の事。
外に出た女の子は、家の近くで倒れてる男を見つけました。
金目の物があれば奪っておこう。そう考えて女の子は近付きます。

男は酷い傷を負ってましたが、まだ息がありました。
放っておけば死んじゃうね。さようなら。
女の子は結構中身の入ってた財布を貰って、家に帰りました。

でも…、
気になって、もう一度外に出ます。
結局、女の子は男を連れて戻り、手当てしてあげる事にしました。

男の名前は、クロードといいました。

女の子はそれから毎日、傷の手当てをして、食事の世話をしました。
暖炉の前で二人きり。楽しい話をして、笑い合いました…。

傷が癒え、彼がありがとうと言ってくれた日…。
女の子は、彼に抱いてもらいました。

次の日の朝。もう彼は家に居ませんでした。
ずっと待っていても、戻って来ません。
彼女は、その時になって初めて、彼に恋してた事に気付きました――。

ベッドの上に置かれたジークの手に、ティアードの手がそっと重なる。
■ ティアード To:ジーク
…つまんないね。

次は、何の話しようか?

■ ジーク To:ティアード
つまらなくはありませんよ(^^

仔猫さんは甘えんぼで寂しがり屋さんなのに、それでいて気高いものですから。
愛は存在する時は石ころのようで、でも失うと宝石のように輝くもの。
恋をしたことに、そして失ったことに気がついたのなら・・・・・次の恋はもっと深く、そして楽しいものになりますよ。

もう片方の手で、そっと頭を撫でる。
■ ジーク To:ティアード
さて・・・何の話をします?
お返しに私の恋の話をしましょうか?(^^

■ ティアード To:ジーク
うん。
聞かせて。

今晩は眠れなくていいから…。

片手は触れたまま。
■ ジーク To:ティアード
 私の初めての恋は・・・・・遠きベルダインの街で。
はじめて吟遊詩人として、街に立ったときのこと。

 まだ未熟だった私の演奏などに誰も耳を傾けてはくれませんでした。
それでもフルートを吹き、サーガを歌い続けていた私の前に気がつくと一人の女性が座っていました。
彼女はじっと私の歌に耳を傾けてくれていました。
そしてすべての曲を奏で終わり、歌い終わったとき、彼女は1枚のガメル銀貨を私に渡してくれました。
吟遊詩人として、私が初めて頂いたお金です。今も大切に持っていますよ。

 そしてその日以来彼女は毎日決まった時間に訪れて、私が止めるまでずっと私の歌を聴いていてくれました。
毎日顔をあわすうち、初めは挨拶程度でしたが、やがて二言三言と話をするようになり、 何時の間にか彼女の座る場所は目の前から、私の隣へと変わっていました。
一緒に詩を歌うこともありました。

 そんな日々が続くうちにいつしか私は彼女を好きになっていまいた。
何度か自分の想いを打ち明けたことがあります。
でもその度に彼女は困ったような表情をするだけでした。
それでも毎日自分のもとを訪れて、一緒の時を共有してくれる。私はそれだけで満たされてしまったのかもしれません。

 ですが、ある日を境に彼女は私の前から姿を消してしまいました。
私は毎日同じ場所で歌を歌い、彼女が来るのを待ちました。
でも、結局彼女と会うことは叶いませんでした。

 事情を知ったのはしばらく後のことです。
親同士の交わした約束により、別の街の商人の家に嫁いだということでした。
一度だけ愛を告げる私に言ってくれた彼女の言葉。
「私は生まれたときから籠の中の鳥。どんなに憧れても貴方のように空を自由に羽ばたいてはいけないの。」
言われた時はその意味が分かりませんでしたが・・・・・。
その事情を知ったときにようやく理解しました。

それ以来私は悲恋の詩しか歌いませんでした。
自分が語る悲恋の恋人達に、遠き過去の想いを重ねあわせていたのかもしれませんね。

ですが・・・・今、私は新しい恋をしています。
その人はまるで気まぐれな猫のよう。
昨日甘えたかと思うと、今日は素知らぬ顔。
でも、なぜだかそれが心地いいとすら思えるのですよ。
その人の為になら、悲恋ではない恋の歌を歌えるはずですから。

■ ティアード To:ジーク
あなたはもう、昔の恋とさよなら出来たの?

私の話した女の子は、3年経ってもまだ彼の事を忘れられずに居るのに。
だから…。忘れられないから、その子は本気で新しい恋が出来ないの。

恋の歌を聞いて顔は微笑んでても、心は寂しくて哀しいの。

ティアードは空いている方の手で目頭を擦った。

頭を再び撫でるジーク。
■ ジーク To:ティアード
 さよならしたわけではありません。
彼女に恋した想いは私という人間を構成する上ですでに必要なものなのですよ。
そしてその上で、人を好きになり、愛しているのです。

 だから私は、愛しき人の心の中に忘れられない人がいて本気で恋をしてくれなくても、 その全てを受け入れた上でその人を愛したいのです。

今もっとも愛しき人が寂しくて、そして悲しいのなら、私はその人の痛みを少しでも和らげてあげたいのです。


身体を起こすティアード。
■ ティアード To:ジーク
相手の過去を知らなくても?
その子が半妖精で、頬に傷があっても?
気が短くて、意地も口も悪くて、自分勝手でも?

それでも…、それでもまだ、リュセラを愛してくれるの?

ジークの脇に寄り添い、顔を見上げる。

ジークは彼女をそっと抱きしめ、キスを交わした。
■ ティアード(リュセラ) To:ジーク
ん…。

■ ジーク To:リュセラ
私は過去のリュセラさんに恋したわけではありませんよ。
今の貴方を愛しているのですから。

過去が気にならないといえば、それは嘘になりますけどね(^^;

■ ティアード(リュセラ) To:ジーク
今晩は何でも話せそう。
だから、もっと私を知って。
それで、嫌いになるかも知れないけど…。

■ ジーク To:リュセラ
話してくれる過去で、人を嫌いになるのは難しいですよ(^^

今度はリュセラの方から唇を近付けて来る。
■ ティアード(リュセラ) To:ジーク
夜が明けるまで、貴方のリュセラで居てあげる。

ね…、もう一度キスをして。今度はもっと長く――。

目を閉じる。
ジークはもう一度、今度は長く唇を合わせた。
■ ジーク To:リュセラ
さて・・・・・どんなお話を聞かせてくれるのですか?

■ リュセラ To:ジーク
…私の、お父さんの話。

私が小さかった頃、よくこんな風に抱いてくれたの。
街の散歩にも、よく連れて行ってくれた。
肩車してもらうのがお気に入りで、いつもお願いしてた。
肩の上からは遠くまで世界が見えて――。
大好きだった。

お母さんが居なくなってから、私はお父さんみたいな盗賊に なれる様に頑張ったんだ。
今は、それで良かったと思ってる。
お父さん喜んでくれたし、独りで生きる事も出来るようになったから。
今日まで生きて、こうして夜を過ごしていられるから…。

■ ジーク To:リュセラ
リュセラさんが盗賊となったのもお父さんの影響だったのですね。
良いお父さんだったんですね(^^

■ リュセラ To:ジーク
お父さんの事が昔話なのは、ある夜の出来事のせい。
ギルドの反逆者狩りがあってね。
私も手柄を立てたくて参加したんだけど――、相手はお父さんだった。


お父さん、何か言ってたけど思い出せない…。
最期に抱きしめてくれようとした手から、私、逃げた。
大好きだったはずなのに、恐くなったの。

…私、それからずっと、色んな事から逃げ続けてる。

■ ジーク To:リュセラ
・・・・・・・・・。

辛いお話ですね・・・・。
でも、これからはもう逃げなくても大丈夫ですよ。
私が・・・・・貴方を守りますから。


■ リュセラ To:ジーク
うん。ありがと。

…よかったら、ジークも家族の事聞かせて。

■ ジーク To:リュセラ
ええ、いいですよ(^^

 私の父と母も吟遊詩人を生業としています。今日ももしかしたらベルダインの街で歌っているかもしれません。
ですが若いころは今の私と同じように冒険に出ていたらしいです。
そしてとある冒険者の酒場で父と母は出会い、何度か一緒に依頼をこなすうちに恋に落ちたそうです。
そして母が私を身ごもったのを機に冒険者を止めて、父の生まれ故郷であるベルダインへと戻り第二の人生を始めたそうです。
やがて生まれた私を両親は愛情を持って育て、そして吟遊詩人の技と剣の使い方を教え込みました。


■ リュセラ To:ジーク
ジークは私と出会ったね。

■ ジーク To:リュセラ
ええ、出会いましたね(^^
偶然ではなく、運命として・・・・

■ ジーク To:リュセラ
そして私が15になりようやく独り立ちしたころ、いきなり両親が双子の幼子を連れ帰ってきました。
”その子は?”と問う私に両親はこういったのです。
”おまえの妹だ。よろしく頼む。”と。
突然だったんでほんと面食らいましたけどね(^^;
実際、血が繋がっているのかどうかはわかりませんが、その日から妹達の面倒を見るのも私の仕事となりました。
初めは戸惑っていましたがいつのまにやら近所でも噂されるほど、妹に甘いおにいちゃんになってましたけどね(^^;
二人とも、おてんばで元気が良すぎてよく振り回されました(^^ゞ

 だから旅立つときは大変でした。
なかなか妹達には許してもらえませんでしたからね。


■ リュセラ To:ジーク
私、あなたの妹だったら良かったのに。

■ ジーク To:リュセラ
妹で・・・・いいんですか?
血が繋がっていなかったとしても・・・・・女性として愛することはできませんけど、それでも?
私はこうして出会えた、リュセラさんがいいです。

■ リュセラ To:ジーク
そういうなら…、妹は止めとく。

――あのね。
実は、私も妹が居たの。
次は、その話聞いてもらえる?

■ ジーク To:リュセラ
妹さんがいたのですか?
ええ、聞かせてくださいな。

■ リュセラ To:ジーク
2つくらい歳下で、とってもわがままな子だったんだ。
最初は妹なんて思わずに、何度か一緒に仕事してた。

その子の父親が私のお父さんだったって事が判ったのは、 たまたま身の上話を聞いた時。
母親からそう聞いたんだって。
だから、本当の妹じゃないのかも知れない。

その事は黙ってたから、最後まで「お姉ちゃん」なんて呼んで もらえなかった。
別にいいんだけどね。
初めて出来た友達。その関係だけで良かったの。


最後は、互いに馬鹿な仕事請けてお別れしちゃった…。

頬の傷は、その時の代償。ずっと残ってるの…。

ジークはそっと頬の傷にそっと触れます。
■ ジーク To:リュセラ
本当の妹さんでも、そうでなくても・・・・また会えるといいですね。
私も、会ってみたいですよ。

自分の頬をリュセラの頭にくっつけ、そしてもう少し抱きしめる手に力を込めるジーク。
■ ジーク To:リュセラ
少し・・・・・こうしていてもいいですか?

■ リュセラ To:ジーク
ぁ、くすぐったい…。

リュセラは大人しく抱かれたまま。
■ リュセラ To:ジーク
お願い。
今晩はずっと抱いていて。

■ ジーク To:リュセラ
ええ、今夜はずっと貴方の側にいますよ。

ジークはもう一度愛しき彼女に優しくキスをする。














貴方は18歳以上であり、かつ自分の行動に責任がもてますか?(Y/N)
YESならこのまま続きをどうぞ。
Noならこちらへ。














砦本館 2階 使用人室(セレン、ティアード部屋)
3nd Day 05:47-

そして、朝。
■ ティアード To:ジーク
ジーク。

…ジーク様。

■ ジーク To:ティアード
ん・・・・・・んん・・・・・・。

声に応じてジークはねむそげに目をこすりながら、うっすらと目を開けた
彼が目を醒ましたのは、自分が泊まっているべき男性部屋ではなく、使用人達が使っている部屋で。
そしてベッド脇には、服を整え眼鏡を掛けたティアードの姿が。
■ ジーク To:ティアード
ん・・・・・おはようございます(^^

ベッドに寝転んだままそれだけを言う。
■ ティアード To:ジーク
今のうちに、お部屋にお戻り下さい(^_-)

窓の外では、夜が白々と明け始めていた。
■ ジーク To:ティアード
ん・・・朝ですか。
そうですね、フェリオさん達が起きる前に部屋へと戻らないと(^^;

ジークはベッドから起き出して奇麗に畳まれていた服を着た。
■ ジーク To:ティアード
今日もお仕事、頑張ってくださいね(^^

■ ティアード To:ジーク
はい。頑張ります(^^

そして出ていき間際、ジークはふと振り返ります
■ ジーク To:リュセラ
銀の網で、待っていますね(^^

■ ティアード To:ジーク
……。

その言葉を聞いて哀しい瞳で、ジークを見送る。
ジークは気がついたのか気がつかなかったのか、そのまま部屋を出ていった。

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