SW-PBeM Scenario #27
twilight garden.
黄昏の箱庭
58:去りゆく人々
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砦本館 2階 客間(冒険者・女性部屋)
3nd Day 7:00-

■ ヴェアリアス To:アルト、エデン
ねぇ、こういう日にこの服って着るのよね……?

アルトさんが…最初に言ったとおりになっちゃったね……。

ちょっと寂しそうに笑う。
■ エデン To:ヴェアリアス
あら……お役に立って良かったですわね。

■ アルト To:エデン
……あまり、役に立って嬉しい服じゃないけどね……。

ぽんぽんと、励ますようにヴェアの肩を叩く。
■ アルト To:ヴェアリアス
ほら、元気だしなよヴェア。
ヴェアがそんな顔してると、みんな辛くなるよ…。

彼女らは部屋を出ると食堂へと向かった。

砦本館 1階 食堂
3nd Day 7:20-

3日目の朝にはセレンも起き上がり、ティアードと働いていた。
■ ジーク To:セレン、ティアード
おはようございます。

■ ヴェアリアス To:セレン
おはよう……良く眠れた……?

恐る恐る尋ねる。
■ セレン To:ヴェアリアス、ジーク
あ…、はい(^^)

明るい返事が返る。
■ ヴェアリアス To:セレン
そう…よかった(^-^)

セレンより、隣に居るティアードの方が寝不足そうな顔であった。
■ ジーク To:ティアード
??
大丈夫ですか?

■ ティアード To:ジーク
はい…。
おはよう、ございます。

ティアードは答えながら、眼鏡を掛けたままで目を擦ろうとしていた。

朝食が終わる頃には、馬車の準備が整います。
■ フォン To:冒険者達
馬車の用意はいいぞ。
オランまでだな。

途中、何処かに寄るという話だったが…。

■ ヴェアリアス To:フォン
ええ、お願いします。

■ ジーク To:フォン
マーファ神殿に寄っていただけませんか?
彼女たちにも、別れの挨拶をしたいので。

■ フォン To:ジーク
いいだろう。
荷物がまとまったら乗ってくれ。

冒険者達は準備が出来た者から荷物を積み込み、そして彼ら自身も乗り込んだ。

砦内 中庭
3nd Day 8:00-

まさに出発しようとする彼らを見送ってくれるのは、アルス、レイア、そして門付近に居るバスク。
ルドラとトーラ、セレン、ティアードの姿はなかった。
まだ事件の後片付けがすんでいないのだろうか。
もっともトーラ達は食事の後片付けがあるからだろうが。
■ アルト To:見送り
色々世話になったね、どうもありがとう。

■ フェリオ To:見送り
あばよ。
出来れば今度は・・・冒険者、じゃなくてただの観光客、として会いたいもんだね。
色々と大変だろうけど・・・頑張ってな・・・。

■ ジーク To:アルス、レイア
2日間お世話になりました。
ルドラさんやトーラさん達にもよろしくお伝えください。

■ ヴェアリアス To:アルス、レイア
皆さん、突然押しかけて申し訳ありませんでした。
2日間いろいろありましたけど……。

あの………ルドラさんたち…元気になってくれればいいですね。
……わたしたちが言うことじゃないですけどね。

■ レイア To:冒険者達
それは、皆思ってるよ。
なに、大丈夫さ。

■ ヴェアリアス To:アルス
アルスさん、セレンさんを助けてあげてね。

■ アルス To:ヴェアリアス
ん、何か言ったか?

ヴェアは何も言わず、意味ありげに微笑む。
■ ヴェアリアス To:アルス、レイア
それではお世話になりました。

アルトは、軽く溜息を付いて馬車をまじまじと眺めた、
■ アルト To:仲間
………さて……。
じゃあまたこの、揺れる移動式拷問車に乗ってオランまで戻るとしようか……。

嫌そうな顔をする。
■ フェリオ To:アルト
ん・・・アルト。
良かったらこれ飲んでみな。

■ アルト To:フェリオ
え…?
何だい、これ。

■ フェリオ To:アルト
アルト辛そうだったから・・・こっち来てから買っておいた酔い止めの薬だ。
酒かなんかと一緒に飲むと良いらしいから・・・砦でエール貰っといたからよ、これと一緒に飲みな。

俺は途中でちっと野暮用で降りるけど・・・ちゃんと飲めよ。

■ アルト To:フェリオ
………………フェリオ……。

ありがと…フェリオは、いつも優しいね(^^)

しみじみと感激しつつ、薬を受け取る。
■ フェリオ To:アルト
あ、いや・・・安もんだし、たいした事ねぇよ(^-^;

■ アルト To:フェリオ
じゃあ、早速飲ませてもらうよ。
……悪いけど、ちょいとこれを持っててもらってもいいかい?

手に抱えていた花束を見せる。
■ フェリオ To:アルト
ん、あぁ、良いぜ。

何故かさり気なく周囲を確認するアルト。

フェリオが受け取りに来たら、すっと花をフェリオの顔に寄せ…、
ひょいと背伸びをして、花束と共にフェリオの頬に軽くキスをする。
■ フェリオ To:アルト
あ・・・・・・。

ゆっくり離れるアルト。
■ アルト To:フェリオ
え、えと…これは、ロスフェル式感謝の挨拶ってやつかな…。

……恋人へのね(^^)

にっこり微笑むと、くるりと向きを変えて馬車の方に走り去った。
■ フェリオ To:アルト
・・・えっと・・・こい・・・びと・・・って言ったんだよな、今・・・。

あ・・・あは・・・はは・・・ははははは・・・。

頬を押さえ、破顔するフェリオ。
■ ジーク
おやおや、お熱いことで(^^

実はしっかりと端で見ていたジークは笑顔を共にそう洩らす。

ロスフェル市街

神殿へと向かう途上、フェリオはもう一度イーシャの所を訪れる為に、途中で馬車を降りた。
後で墓場にて落ち合う約束をして、貧民街の奥へと向かう。

マーファ神殿前
3nd Day 8:10-

マークスが腰を叩きながら掃き掃除をしていた。
■ ヴェアリアス To:マークス
おはようございます……。

馬車で訪れた冒険者達と挨拶を交わす。
■ ジーク To:マークス
昨日はどうも(^^
あの、彼女たちは・・・・・。

■ マークス To:冒険者達
埋葬と鎮魂の祈りは、昨日の内に。
場所は、ここから少し離れた共同墓地です。

参られるなら、案内しましょう。

■ ジーク To:マークス
ええ、よろしくお願いします。

■ アルト To:マークス
ん、よろしく頼むよ。

……っと、それからこれ…。
ウォルクライの遺骨なんだけど、良かったら彼もどこかに埋葬してやってもらえないかい?
こんな姿になっちゃ、もう悪さも出来ないだろうからさ。

■ マークス To:アルト
ウォルクライさんですか。
街の人達を、飢えから救おうとしていた人でしたが…。

マークスは遺骨を預かった。
■ アルト To:マークス
………なら、彼は手段を間違えたね。

■ ジーク To:マークス
なるべく彼女たちから離して、埋葬して上げてください。
近くだと、彼女たちが安心して眠れないかもしれないですから。

エレボスはマークスに、神殿への寄進として50ガメル包んだものを渡した。
■ エレボス To:マークス
少ない額ですが…。
彼女達の為にこれを使ってください。

■ マークス To:エレボス
宜しいのですか?
…感謝します。

■ エレボス To:マークス
いいえ、今の私にはこれぐらいしかできませんので……。

■ マークス To:エレボス
額よりも、その気持ちがありがたいですよ。

共同墓地に向かう一行。
ヴェアも、落ちつかない気分で皆の後を付いて行く。

共同墓地
3nd Day 8:20-

丘の上の日当たりの良い場所に埋葬されてます。
簡略式の墓は4名分。
■ アルト To:マークス
へぇ……いい場所だね。

少し微笑み、4人のお墓に順に花を添えていく。
■ マークス To:アルト
彼女達には、もっと後に来て欲しかったですが…。

エレボスも、昨晩彫った木彫りの女性像を取り出し、墓に供えた。

暫し神殿の方を眺めるアルト。
■ アルト To:マークス
……確かマーファの教義では、人は死後この世界において転生をするんだったよね……。

再び墓に視線を戻す。
■ マークス To:アルト
はい。
死は、全ての終わりではありません。

■ アルト To:亡き少女達
………新しい朝を迎える者に、炎の勇気を、水の優しさを、風の気まぐれと 大地の喜びを、 八百万の物達がもたらすように………。

……新しい地に行く人に贈る言葉だって、以前の仲間が言ってたっけ…。
コレット達の新しい人生にも、祝福があるように………。

静かに目を閉じて、祈ります。

ロスフェル市街 貧民街 コレットの実家
3nd Day 8:10-

バラックの中に、イーシャの姿は無かった。

裏手から、声が聞こえる。
そちらを確かめると、イーシャは顔見知りらしい女性3名と、井戸端会議を開いていた。
■ フェリオ To:イーシャ 東方語
あー、えっと・・・ごめんくださーい。
昨日立ち寄らせてもらった者ですけど・・・ちょっと良いですか?

■ イーシャ To:フェリオ 東方語
昨日の(^^
今日は何の用で?

その場で聞き返すイーシャ。
周りの者は、じろじろとフェリオを観察した。
■ フェリオ To:イーシャ 東方語
あ、いえ・・・そのですね・・・。
実はコレットちゃんから頼まれ物をしまして。

■ イーシャ To:フェリオ 東方語
あら。
また何か?

フェリオは、200ガメル包んだものを手渡した。
■ フェリオ To:イーシャ 東方語
これ・・・コレットちゃんから渡してくれって頼まれました。
なんでも・・一生懸命働いてるから特別に御褒美だって事らしいですよ。

大事に使ってくれって・・・そう言ってました。

■ イーシャ To:フェリオ 東方語
あの子がそんな事を…。

わたしには昨日の分だけで、充分過ぎるのに。

イーシャは、足を運んでくれたフェリオと、コレット、ルドラの好意を有り難く受ける。
■ フェリオ To:イーシャ 東方語
それじゃあ・・・仲間が待ってますので失礼します。

墓場に向かうと、仲間とマークス、フォンの馬車が待っていた。

オランへの街道

墓参りが済んだ後は、そのまま馬車でオランまで送ってもらう。
酔い止めが効いて、アルトは馬車の揺れが全く苦にならなかった。


馬車に揺られながら呟くヴェア。
■ ヴェアリアス
もしかして………わたしたちは、事件を解決しちゃいけなかったのかな……?

■ エデン To:ヴェアリアス
……何故そう思われまして?

■ ヴェアリアス To:エデン
なんとなく………ね。
……みんなのあの顔を見てたらなんとなく………。

■ ジーク To:ヴェアリアス
少なくとも・・・・これからはこのような事は起らないですよ。

ヴェアは顔を外に向けたままで、
■ ヴェアリアス
………そう思いたい………。

…………ルドラさん…これからよ…………………。

■ フェリオ
事件を解決した事は間違ってねぇよ。
真実に背を向けていたらいつまで経っても人は前に進めやしないぜ。
夢がいつか覚めるように・・・真実もいつか・・・。

だから、たとえ今が辛くても・・・受け入れなきゃいけない。
そして、その苦難を乗り越えて・・・人は成長するんだよ。
だからルドラさんはきっと人の痛みを知る良い領主様になるだろうよ・・・。
セレンちゃんや・・・アルスさんもな。

フェリオは馬車上から後ろ−ロスフェルの方−を振り返る。
だがすでに町並みは見えなかった。

街道 野営地
3nd Day 夜中

その夜、アルトは、何故か眠りに付けなかった。
酔い止めを飲んだ後、妙に頭がすっきりし続けている。
薬のおかげか馬車酔いはしなかったものの、どうにも寝付けなかったのだ。
周りでは仲間達が心地よさげな寝息を立てており、アルトはそれを恨めし気に見やっていた。

そして――
フェリオは夜通し話に付き合わされる事になった(合掌)
Fin......

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Game Master 神楽kagra@na.rim.or.jp