SW-PBeM Scenario #27
twilight garden.
黄昏の箱庭
46: 柔らか痛い
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砦本館 1階 玄関ホール
2nd Day 10:35-

アルスとの会話の後、フェリオはセレンを探して話を聞く事にした。
傷心の彼女と手込めにしよう・・・・なんて考えてない・・・・と思う。

1階の玄関ホールに入ると、倉庫の中から会話が聞こえて来た。
ティアードが誰かに話しかけている様な感じである。

倉庫の前に行くと、中にセレンとティアードの姿があった。
セレンは、入り口近くの荷物の上に腰掛けていた。
ティアードは、奥の方で踏み台に乗り、重そうな箱を棚の上から危なっかしく引き降ろそうとしている。

砦本館 1階 倉庫

セレンはぼーっとしていて、ティアードは作業に集中していて、フェリオが来た事に気付いていなかった。
■ ティアード To:セレン
疲れてるんだよ。
私がやるから少し休んでていいから、…っと、と。

■ セレン
ふぅ…。

ティアードの返事を返さないほど元気の無いセレン。
■ フェリオ To:セレン&ティアード
お邪魔するよ、おふたりさん。

フェリオは倉庫の中に入った。
■ ティアード To:フェリオ
あ、フェリオ様?

直接見ずに、声で判別するティアード。
フェリオは大変そうな彼女の近くに寄った。
■ フェリオ To:ティアード
大変そうだな、手伝うよ。

■ ティアード To:フェリオ
すみません。踏み台、押さえていてもらえます?

脚が揃ってないのか、ぐらぐらとした4本脚の踏み台に乗っている。
箱は既に半分引き出されていた。
■ フェリオ To:ティアード
あぁ、いいけど・・・これ、随分とまぁ安定感の悪い踏み台だな。

押さえてもらって安定すると、ティアードは棚の上から一抱えある箱を一気に引き摺り出した。
ティアードの体重+箱の重量が踏み台に掛かった瞬間――、

みしっ…。ボキベキッ
■ フェリオ 
・・・は? 今の音は・・・。

フェリオの押さえていた方の脚が、2本共折れた。
箱を掲げたまま、フェリオに向かって倒れてくるティアード。
■ ティアード
あれれ?

■ フェリオ To:ティアード
げっ!?
あっ、あぶねぇ!!

ずささっ…ごすっ★ドッどかっガンッばふっ、どさっ、ジャラ…。

一瞬の出来事であった。

フェリオが受け止めようと構えたところ、床に散っていた粉や粒で滑る足元。
空中で、ティアードの頭に箱が勢いよく命中。
何とか彼女の身体を掴んだフェリオ。だが勢いが殺せず、一度後ろの棚に身体が触れる。
床に落ちた箱は転がり、棚の下部に当たってようやく停止。
箱は丈夫で、壊れなかった。

フェリオはティアードを抱えて床に倒れ込む、運良く小麦か何かの入った袋の上で痛みを感じなかった。
安心した直後、上に重なって来るティアードの身体。
と、その服のポケットから、床に鍵束がこぼれ落ちた。
■ フェリオ 
ふぅぅ・・・あぁ、びっくりしたぁ・・・。
・・・ん? これは・・・まさか・・・。

鍵束を拾うと、ポケットへ忍ばせる。

ティアードは、気絶して脱力状態であった。
女の子の体は柔らかいが、脱力した人間は重い。
■ フェリオ To:ティアード > セレン
おーい、てぃあーど? てぃあぁぁーーどちゃぁーん?
・・・うーん・・・これは・・・。

セレンちゃん、どうしよっか?(^-^;;

起き上がってみると、セレンは先程座っていた場所で身体を横にしていた。
…今の騒ぎに何の反応もない様子。

ティアードを抱えたままセレンに近寄ってみる。

セレンは、目を閉じて少し荒い息をしていた。
■ フェリオ To:セレン
ん? どしたん?
って、おい! 熱があるじゃねぇか、大丈夫か?

返事は無い。くてっ、と横たわるのみ。
■ フェリオ To:ティアード、セレン
うぅ・・・えっとえっと・・・どうすっかなぁ・・・。
うー・・・仕方ねぇ・・・ティアードちゃん、ちょいごめんな。

一旦ティアードを、柔らかい荷物の上に寝かせる。
■ フェリオ To:セレン
大丈夫か?
・・・よっと。

セレンを抱えあげると、使用人部屋(セレン達の部屋)に運ぶ事にした。

砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋)
2nd Day 10:45-

使用人室に到着。
運ぶ間に、他の人とは出会わなかった。
■ フェリオ To:セレン
さぁ、ベットに・・・う゛・・・。

一瞬、「セレンはそっち」と昨日教わっていた乱雑な方(昨日のままである)に降ろしかける。 が、…何故か思い直して奇麗な方へ降ろした。
■ フェリオ To:セレン
まぁ・・・違う方のベットだけど・・・奇麗な方が良いよな、うん。

セレンは汗をかいて辛そうであった。
今は高熱しか出ていないが、"ひどい風邪"だと思われた。
■ フェリオ To:セレン
大丈夫かなぁ・・・。
辛いだろうけど・・・ちょっと待っててな。

声を掛け、すぐさまティアードを拾いに戻ろうとする。

傍に居る者が立ち去るのを感じたのか、
■ セレン
いかないで、お姉ちゃん…。

と呟くセレン。
■ フェリオ
・・・お姉ちゃん?

・・・えっと・・・大丈夫、すぐ戻ってくるよ。

フェリオはセレンの頭を撫でてやった。

砦本館 1階 倉庫
2nd Day 10:47-

フェリオはティアードを拾いに再び倉庫へ。

人の気も知らず、すやすやと眠るように気絶しているティアード。
改めて見て気付くが、眼鏡が外れていた。
近くにはぱっと見、転がっていない。

眼鏡探しは諦め、ティアードの身体に手を掛けていると、部屋の中がふっ、と暗くなった。
ランタンの油が切れたらしい。

入口から差し込む光のおかげで、暗闇に閉ざされるという事は避けられた。
と、不意にその入口に人が立って影を落とす。
■ ルドラ To:倉庫の中
荷物は――。

…お邪魔だったかな(^^;

二人を見て、何やら誤解するルドラ。
■ フェリオ To:ルドラ
え? え?

や、やだなぁ、ルドラさんてば、誤解しないでくださいよ、ははは。
えっと・・・実はティアードちゃんが荷物を取ろうとしてて、その荷物が頭に当たっちゃって気を失っちゃったんですよ。
それで今からとりあえず寝室に運んどこうと思いまして。
あ、怪我はないようですのでしばらく休んどけば治ると思います。

荷物は・・・そこら辺に転がってるかと(^-^;;

■ ルドラ To:フェリオ
頭に?
…よく診た方がいいな。
離れにレイアという人がいるから呼ぶといい。

■ フェリオ To:ルドラ
あ、はい。
私も一応神官ですから大丈夫です・・・けど、見てもらいますね。

薄暗い中、ルドラは床に転がっている例の箱を見つけて手を掛けた。
■ ルドラ To:フェリオ
その娘の服に、鍵束が入ってると思うんだが。
すまないが取ってくれないか?

箱からフェリオに視線を移して頼む。
■ フェリオ To:ルドラ
(げっ!!)

あ、その鍵ならさっき拾ったんで持ってます。
なんか沢山鍵がついてるし・・・捨てとく訳にもいかなかったもんで。

ポケットから鍵束を取り出し、素直に渡す。
ルドラは、受け取った鍵束の鍵で箱を開けた。

箱の中には、金属片が数枚入っていた。それをルドラは取り出す。
よく見ると、無記名の商業証のようであった。

急いで執務室に戻るルドラ。
■ ルドラ To:フェリオ
後で見舞いに行くよ(^^;

去り際にティアードを見て言う。
■ フェリオ To:ルドラ
あ、大丈夫だとは思いますけどね(^-^;;

ティアードを抱えたフェリオも、遅れて倉庫を後にした。

砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋)
2nd Day 10:50-

ティアードを部屋に運ぶと、セレンが床に転がり落ちていた。
どうやら、ベッドから無理に起き上がったらしい。

今は動く様子はなく、熱にうなされ続けている。
■ フェリオ To:セレン
おいおい・・・大丈夫かよ・・・。

先にティアードを(仕方なく乱雑な)ベッドに寝かせ、次にセレンを持ち上げて戻す。
■ フェリオ To:セレン
しょうがねぇなぁ・・・全く。
・・・よっ・・・と。

ふぅ・・・・・・俺、一体何やってんだ・・・?

溜め息を吐くと、レイアを呼びに行く事にした。

砦内 中庭
2nd Day 10:55-

厩舎の掃除を終え、塔に戻る途中のレイアと出会う。
フェリオは手短に事情を説明した。
■ レイア To:フェリオ
大変だねぇ…。
急ごうか。

■ フェリオ To:レイア
すんませんね、お願します(^-^;;

レイアを連れ、急ぎ部屋に戻る。

砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋)
2nd Day 11:00-

レイアは、先にセレンを診た。
■ レイア To:セレン > フェリオ
こりゃ、酷い熱だね。苦しそうに…。

井戸水を汲んで来てくれないかい?
あと、何か飲ませた方がいいね。こんなに汗をかいてるんだから…。

セレンの服の紐を緩めて楽にさせてあげながら、フェリオに言う。
■ フェリオ To:レイア
え? あ、あぁ・・・水はいいけど・・・。
薬の方はどうするんすか?何処かに置いてあるんすか?

■ レイア To:フェリオ
薬かい。あればいいんだけど…。

薬は置いて無いらしかった。

一方のティアードは、ベッドの上で気持ち良さそうに目を閉じている。
■ フェリオ To:ティアード > レイア
こっちは・・・だいじょぶかな?
でも、一応頭打ったみたいなんで看といてくれますか?

■ レイア To:フェリオ
全く、世話の掛かる娘達だねぇ(^^;

■ フェリオ To:レイア
ははは・・・はは・・・。

乾いた笑いを返すと、今度は水汲みに急いだ。

砦内 本館裏 井戸

桶を探し出して、井戸に。

からからからから…、パシャ、かこーん。

水位は極めて低かった。
1度では満足な量が取れない為、2度3度と汲み上げる。
■ フェリオ 
ふぅ〜・・・・・・さぁ、急いで戻らないと・・・。

(何かが・・・何かが違う・・・俺のやるべき事は・・・何だったっけ・・・)

急いで戻る。
……心で問いながら。

砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋)
2nd Day 11:10-

フェリオが戻って来ると、レイアは井戸水で冷やした手拭いでセレンの頭を冷やした。
■ レイア To:フェリオ
ティアードの方は、大丈夫みたいだね。
大きなたんこぶが出来てるのが可哀想だけど(^^;

この子は…、疲れが溜まってたんだろうねぇ。
薬に頼らなくても、栄養付けて休ませれば持ち直すと思うよ。

■ フェリオ To:レイア
そっかぁ・・・よかったぁ・・・。

ほっと一息付く。
■ レイア To:フェリオ
さて…。
この子の服を着替えさせようと思うんだけど、手伝ってくれるかい?

■ フェリオ To:レイア
はいはい、お安い御用・・・って、え゛!?

焦るフェリオ。
■ フェリオ To:レイア
そ、それは・・・ほら、やっぱり女の子だし・・・ね?
・・・ちょっとマズイ様な・・・(^-^;;;;

■ レイア To:フェリオ
何恥ずかしがってるんだい、いい歳して。

ほら、これ持って身体の汗を拭いてあげる。
あたしは着替えを探すから。

レイアは絞った手拭いをフェリオに渡すと、着替えを探し始める。
■ フェリオ To:レイア
あぅ・・・・・・そ、そう言われても・・・。

ベッドの上のセレンは、
■ セレン
んっ、はぁ――…。

眠りに落ちていた。…多分。
■ フェリオ 
あぅぅぅぅ・・・・・・はぁ〜・・・。

(・・・何か・・・違うってば・・・)

しばらくお待ち下さい。

2nd Day 11:30-

ルドラが見舞いに訪れた。

セレンが熱を出して倒れてたと知って驚く。
■ ルドラ To:フェリオ
あの後、セレンも倒れたのか…?

■ フェリオ To:ルドラ
あぁ・・・セレンちゃんはその前から倒れてまして・・・。
あの時はセレンちゃんを運び出してティアードちゃんを運ぼうとしてたとこだったんすよ。

■ ルドラ To:フェリオ
うぅむ。
働き過ぎないよう、言ってはいたんだが…。

また倒れるとはな…。

■ フェリオ To:ルドラ
また? またって・・・前にもこんな事があったんですか?

■ ルドラ To:フェリオ
ああ。
その時は、泊り込みでなく家から通っていたのが原因だったんだが…。

■ フェリオ To:ルドラ
そうなんすか・・・。
あの・・・余計な事かも知れませんけど・・・もう一人くらいメイドさんを雇った方が良いのでは?(^-^;;

■ ルドラ To:フェリオ
そう考えていたんたが…。

難しい顔をした。
■ フェリオ To:ルドラ
何か事情でも?
って、俺が詮索する事じゃないすね、失礼しました(^-^;

フェリオには何も言わず看護の邪魔にならないよう、部屋を出てゆくルドラ。

砦本館 2階 使用人室前廊下

フェリオは部屋の外に一緒に出て、ルドラを呼び止めた。
■ ルドラ To:フェリオ
ん、何かまだ?

■ フェリオ To:ルドラ
ええ・・・話が全然違う事で申し訳ないんですが。
古いお城とかには滅多に入れないんで興味が湧いちゃいまして・・・。

■ ルドラ To:フェリオ
歩きながら話そうか。
あの娘達の事、まだトーラには伝えてないのだろう?

■ フェリオ To:ルドラ
あ、はい・・・運ぶので精一杯だったもんで・・・。

それで・・・実はこの砦には地下2階があるって話を、古い文献を見させてもらった仲間から聞いたんですけど。
・・・そこって今はどうなってるんですか?

階段を下りて1階に向かう。
■ ルドラ To:フェリオ
地下2階…?


ああ、そういえばあった様な…。
子供の頃、一度入ったきりでよく覚えていないが(^^;

■ フェリオ To:ルドラ
それとそこの入り口は崩れた通路の先だけなんですか?
例えば、地下1階とか地下水路とか・・・勢い余って墓地とか、そういう所にあるかなーって・・・。

■ ルドラ To:フェリオ
ああ、通路の先だったな。下りの。
そうか、地震で崩れたか…。

■ フェリオ To:ルドラ
あ、いやぁ、こういう砦とかの地下室っていうと隠し通路とかがあるって昔、本で読んだ事があるもんで・・・。
ついつい気になっちゃうんですよね(^-^;;
それで気になったら聞いてみたくなる性分でして・・・ホント、すいません。

■ ルドラ To:フェリオ
水を止めた水路を通路にしようとした、――という話は聞いていたが、使ったという話は聞かないな…。
この砦は元々、人間相手の戦争用ではなく、怪物退治の拠点として造られたそうだから、大掛かりな抜け道を設ける必要は無かったはずだよ。

■ フェリオ To:ルドラ
そうなんですかぁ・・・残念だなぁ、ちょっとわくわくしてたんすけど。

そこって昔は何に使われてたんすか?
あ、それと今は何に使ってるんすか?
やっぱり何か秘密兵器でも置いてあったんすかね?(笑)

■ ルドラ To:フェリオ
ただの、何も無い空洞だったよ(笑)
そうだな。親父なら秘密兵器くらい隠していたかも知れないが(^^;

■ フェリオ To:ルドラ
ある訳ないっすよね、あはははは(^-^;;

(うーん・・・怪しいような怪しくないような・・・)

話しながら、ルドラは庶務室に向かった。

砦本館 1階 庶務室前
2nd Day 11:35-

部屋の中に居たトーラにセレンとティアードの事を説明するルドラ。
鍵束も彼女に渡す。
■ トーラ To:ルドラ
全く、手間の掛かる者達ですね。
すぐ、様子を見に行きます。

トーラは使用人室へと急いだ。
ルドラとフェリオも、それに付いて2階に戻る。

砦本館 2階 使用人室前廊下
2nd Day 11:37-

部屋に全員が入ると狭いので、ルドラとフェリオは使用人室前で待つ形になった。

トーラとティアードが部屋から出てくる。
■ ティアード
眼鏡が――。

眠そうな目をこする彼女。
■ フェリオ To:ティアード
あ、起きたんだな・・・元気そうで何よりだよ。

■ ティアード To:フェリオ
ぁ(^^;; すみません、手伝ってもらって迷惑かけたみたいで。

フェリオに礼を言う。
トーラは、それを遮るようにしてティアードに命令を下す。
■ トーラ To:ティアード
眼鏡を見つけたら、食事の準備を頼みます。

それを見て、呟くルドラ。
■ ルドラ
ゆっくり気絶も出来ないのか…。
大変だな。

…執務室へと戻る。
■ フェリオ To:ティアード
あ・・・はは・・・セレンちゃんも寝てるし・・・何か手伝おうか?

トーラに聞こえない様、小声で伺う。
■ ティアード To:フェリオ
いいんですか?
頼めるなら、その…、水汲みなんかを…(^_^;)

■ フェリオ To:ティアード
はは・・・女の子にはきつそうな仕事だな(^-^;;
任しときな。

昨日の洗濯物取り込みに引き続き、重労働を請け負うフェリオ。
厨房にある水瓶に井戸から汲んだ水を運んでいると、時間は昼を過ぎた。

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Game Master 神楽kagra@na.rim.or.jp