砦本館 1階 玄関ホール 2nd Day 10:35- |
アルスとの会話の後、フェリオはセレンを探して話を聞く事にした。
傷心の彼女と手込めにしよう・・・・なんて考えてない・・・・と思う。
1階の玄関ホールに入ると、倉庫の中から会話が聞こえて来た。
ティアードが誰かに話しかけている様な感じである。
倉庫の前に行くと、中にセレンとティアードの姿があった。
セレンは、入り口近くの荷物の上に腰掛けていた。
ティアードは、奥の方で踏み台に乗り、重そうな箱を棚の上から危なっかしく引き降ろそうとしている。
砦本館 1階 倉庫 |
セレンはぼーっとしていて、ティアードは作業に集中していて、フェリオが来た事に気付いていなかった。
■ ティアード To:セレン |
疲れてるんだよ。 私がやるから少し休んでていいから、…っと、と。 |
■ セレン |
ふぅ…。 |
ティアードの返事を返さないほど元気の無いセレン。
■ フェリオ To:セレン&ティアード |
お邪魔するよ、おふたりさん。 |
フェリオは倉庫の中に入った。
■ ティアード To:フェリオ |
あ、フェリオ様? |
直接見ずに、声で判別するティアード。
フェリオは大変そうな彼女の近くに寄った。
■ フェリオ To:ティアード |
大変そうだな、手伝うよ。 |
■ ティアード To:フェリオ |
すみません。踏み台、押さえていてもらえます? |
脚が揃ってないのか、ぐらぐらとした4本脚の踏み台に乗っている。
箱は既に半分引き出されていた。
■ フェリオ To:ティアード |
あぁ、いいけど・・・これ、随分とまぁ安定感の悪い踏み台だな。 |
押さえてもらって安定すると、ティアードは棚の上から一抱えある箱を一気に引き摺り出した。
ティアードの体重+箱の重量が踏み台に掛かった瞬間――、
みしっ…。ボキベキッ
■ フェリオ |
・・・は? 今の音は・・・。 |
フェリオの押さえていた方の脚が、2本共折れた。
箱を掲げたまま、フェリオに向かって倒れてくるティアード。
■ ティアード |
あれれ? |
■ フェリオ To:ティアード |
げっ!? あっ、あぶねぇ!! |
ずささっ…、ごすっ★、ドッ、どかっ、ガンッ、ばふっ、どさっ、ジャラ…。
一瞬の出来事であった。
フェリオが受け止めようと構えたところ、床に散っていた粉や粒で滑る足元。
空中で、ティアードの頭に箱が勢いよく命中。
何とか彼女の身体を掴んだフェリオ。だが勢いが殺せず、一度後ろの棚に身体が触れる。
床に落ちた箱は転がり、棚の下部に当たってようやく停止。
箱は丈夫で、壊れなかった。
フェリオはティアードを抱えて床に倒れ込む、運良く小麦か何かの入った袋の上で痛みを感じなかった。
安心した直後、上に重なって来るティアードの身体。
と、その服のポケットから、床に鍵束がこぼれ落ちた。
■ フェリオ |
ふぅぅ・・・あぁ、びっくりしたぁ・・・。 ・・・ん? これは・・・まさか・・・。 |
鍵束を拾うと、ポケットへ忍ばせる。
ティアードは、気絶して脱力状態であった。
女の子の体は柔らかいが、脱力した人間は重い。
■ フェリオ To:ティアード > セレン |
おーい、てぃあーど? てぃあぁぁーーどちゃぁーん? ・・・うーん・・・これは・・・。 セレンちゃん、どうしよっか?(^-^;; |
起き上がってみると、セレンは先程座っていた場所で身体を横にしていた。
…今の騒ぎに何の反応もない様子。
ティアードを抱えたままセレンに近寄ってみる。
セレンは、目を閉じて少し荒い息をしていた。
■ フェリオ To:セレン |
ん? どしたん? って、おい! 熱があるじゃねぇか、大丈夫か? |
返事は無い。くてっ、と横たわるのみ。
■ フェリオ To:ティアード、セレン |
うぅ・・・えっとえっと・・・どうすっかなぁ・・・。 うー・・・仕方ねぇ・・・ティアードちゃん、ちょいごめんな。 |
一旦ティアードを、柔らかい荷物の上に寝かせる。
■ フェリオ To:セレン |
大丈夫か? ・・・よっと。 |
セレンを抱えあげると、使用人部屋(セレン達の部屋)に運ぶ事にした。
砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋) 2nd Day 10:45- |
使用人室に到着。
運ぶ間に、他の人とは出会わなかった。
■ フェリオ To:セレン |
さぁ、ベットに・・・う゛・・・。 |
一瞬、「セレンはそっち」と昨日教わっていた乱雑な方(昨日のままである)に降ろしかける。 が、…何故か思い直して奇麗な方へ降ろした。
■ フェリオ To:セレン |
まぁ・・・違う方のベットだけど・・・奇麗な方が良いよな、うん。 |
セレンは汗をかいて辛そうであった。
今は高熱しか出ていないが、"ひどい風邪"だと思われた。
■ フェリオ To:セレン |
大丈夫かなぁ・・・。 辛いだろうけど・・・ちょっと待っててな。 |
声を掛け、すぐさまティアードを拾いに戻ろうとする。
傍に居る者が立ち去るのを感じたのか、
■ セレン |
いかないで、お姉ちゃん…。 |
と呟くセレン。
■ フェリオ |
・・・お姉ちゃん? ・・・えっと・・・大丈夫、すぐ戻ってくるよ。 |
フェリオはセレンの頭を撫でてやった。
砦本館 1階 倉庫 2nd Day 10:47- |
フェリオはティアードを拾いに再び倉庫へ。
人の気も知らず、すやすやと眠るように気絶しているティアード。
改めて見て気付くが、眼鏡が外れていた。
近くにはぱっと見、転がっていない。
眼鏡探しは諦め、ティアードの身体に手を掛けていると、部屋の中がふっ、と暗くなった。
ランタンの油が切れたらしい。
入口から差し込む光のおかげで、暗闇に閉ざされるという事は避けられた。
と、不意にその入口に人が立って影を落とす。
■ ルドラ To:倉庫の中 |
荷物は――。 …お邪魔だったかな(^^; |
二人を見て、何やら誤解するルドラ。
■ フェリオ To:ルドラ |
え? え? や、やだなぁ、ルドラさんてば、誤解しないでくださいよ、ははは。 えっと・・・実はティアードちゃんが荷物を取ろうとしてて、その荷物が頭に当たっちゃって気を失っちゃったんですよ。 それで今からとりあえず寝室に運んどこうと思いまして。 あ、怪我はないようですのでしばらく休んどけば治ると思います。 荷物は・・・そこら辺に転がってるかと(^-^;; |
■ ルドラ To:フェリオ |
頭に? …よく診た方がいいな。 離れにレイアという人がいるから呼ぶといい。 |
■ フェリオ To:ルドラ |
あ、はい。 私も一応神官ですから大丈夫です・・・けど、見てもらいますね。 |
薄暗い中、ルドラは床に転がっている例の箱を見つけて手を掛けた。
■ ルドラ To:フェリオ |
その娘の服に、鍵束が入ってると思うんだが。 すまないが取ってくれないか? |
箱からフェリオに視線を移して頼む。
■ フェリオ To:ルドラ |
(げっ!!) あ、その鍵ならさっき拾ったんで持ってます。 なんか沢山鍵がついてるし・・・捨てとく訳にもいかなかったもんで。 |
ポケットから鍵束を取り出し、素直に渡す。
ルドラは、受け取った鍵束の鍵で箱を開けた。
箱の中には、金属片が数枚入っていた。それをルドラは取り出す。
よく見ると、無記名の商業証のようであった。
急いで執務室に戻るルドラ。
■ ルドラ To:フェリオ |
後で見舞いに行くよ(^^; |
去り際にティアードを見て言う。
■ フェリオ To:ルドラ |
あ、大丈夫だとは思いますけどね(^-^;; |
ティアードを抱えたフェリオも、遅れて倉庫を後にした。
砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋) 2nd Day 10:50- |
ティアードを部屋に運ぶと、セレンが床に転がり落ちていた。
どうやら、ベッドから無理に起き上がったらしい。
今は動く様子はなく、熱にうなされ続けている。
■ フェリオ To:セレン |
おいおい・・・大丈夫かよ・・・。 |
先にティアードを(仕方なく乱雑な)ベッドに寝かせ、次にセレンを持ち上げて戻す。
■ フェリオ To:セレン |
しょうがねぇなぁ・・・全く。 ・・・よっ・・・と。 ふぅ・・・・・・俺、一体何やってんだ・・・? |
溜め息を吐くと、レイアを呼びに行く事にした。
砦内 中庭 2nd Day 10:55- |
厩舎の掃除を終え、塔に戻る途中のレイアと出会う。
フェリオは手短に事情を説明した。
■ レイア To:フェリオ |
大変だねぇ…。 急ごうか。 |
■ フェリオ To:レイア |
すんませんね、お願します(^-^;; |
レイアを連れ、急ぎ部屋に戻る。
砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋) 2nd Day 11:00- |
レイアは、先にセレンを診た。
■ レイア To:セレン > フェリオ |
こりゃ、酷い熱だね。苦しそうに…。 井戸水を汲んで来てくれないかい? あと、何か飲ませた方がいいね。こんなに汗をかいてるんだから…。 |
セレンの服の紐を緩めて楽にさせてあげながら、フェリオに言う。
■ フェリオ To:レイア |
え? あ、あぁ・・・水はいいけど・・・。 薬の方はどうするんすか?何処かに置いてあるんすか? |
■ レイア To:フェリオ |
薬かい。あればいいんだけど…。 |
薬は置いて無いらしかった。
一方のティアードは、ベッドの上で気持ち良さそうに目を閉じている。
■ フェリオ To:ティアード > レイア |
こっちは・・・だいじょぶかな? でも、一応頭打ったみたいなんで看といてくれますか? |
■ レイア To:フェリオ |
全く、世話の掛かる娘達だねぇ(^^; |
■ フェリオ To:レイア |
ははは・・・はは・・・。 |
乾いた笑いを返すと、今度は水汲みに急いだ。
砦内 本館裏 井戸 |
桶を探し出して、井戸に。
からからからから…、パシャ、かこーん。
水位は極めて低かった。
1度では満足な量が取れない為、2度3度と汲み上げる。
■ フェリオ |
ふぅ〜・・・・・・さぁ、急いで戻らないと・・・。 (何かが・・・何かが違う・・・俺のやるべき事は・・・何だったっけ・・・) |
急いで戻る。
……心で問いながら。
砦本館 2階 使用人室(セレン・ティアード部屋) 2nd Day 11:10- |
フェリオが戻って来ると、レイアは井戸水で冷やした手拭いでセレンの頭を冷やした。
■ レイア To:フェリオ |
ティアードの方は、大丈夫みたいだね。 大きなたんこぶが出来てるのが可哀想だけど(^^; この子は…、疲れが溜まってたんだろうねぇ。 薬に頼らなくても、栄養付けて休ませれば持ち直すと思うよ。 |
■ フェリオ To:レイア |
そっかぁ・・・よかったぁ・・・。 |
ほっと一息付く。
■ レイア To:フェリオ |
さて…。 この子の服を着替えさせようと思うんだけど、手伝ってくれるかい? |
■ フェリオ To:レイア |
はいはい、お安い御用・・・って、え゛!? |
焦るフェリオ。
■ フェリオ To:レイア |
そ、それは・・・ほら、やっぱり女の子だし・・・ね? ・・・ちょっとマズイ様な・・・(^-^;;;; |
■ レイア To:フェリオ |
何恥ずかしがってるんだい、いい歳して。 ほら、これ持って身体の汗を拭いてあげる。 あたしは着替えを探すから。 |
レイアは絞った手拭いをフェリオに渡すと、着替えを探し始める。
■ フェリオ To:レイア |
あぅ・・・・・・そ、そう言われても・・・。 |
ベッドの上のセレンは、
■ セレン |
んっ、はぁ――…。 |
眠りに落ちていた。…多分。
■ フェリオ |
あぅぅぅぅ・・・・・・はぁ〜・・・。 (・・・何か・・・違うってば・・・) |
しばらくお待ち下さい。
2nd Day 11:30- |
ルドラが見舞いに訪れた。
セレンが熱を出して倒れてたと知って驚く。
■ ルドラ To:フェリオ |
あの後、セレンも倒れたのか…? |
■ フェリオ To:ルドラ |
あぁ・・・セレンちゃんはその前から倒れてまして・・・。 あの時はセレンちゃんを運び出してティアードちゃんを運ぼうとしてたとこだったんすよ。 |
■ ルドラ To:フェリオ |
うぅむ。 働き過ぎないよう、言ってはいたんだが…。 また倒れるとはな…。 |
■ フェリオ To:ルドラ |
また? またって・・・前にもこんな事があったんですか? |
■ ルドラ To:フェリオ |
ああ。 その時は、泊り込みでなく家から通っていたのが原因だったんだが…。 |
■ フェリオ To:ルドラ |
そうなんすか・・・。 あの・・・余計な事かも知れませんけど・・・もう一人くらいメイドさんを雇った方が良いのでは?(^-^;; |
■ ルドラ To:フェリオ |
そう考えていたんたが…。 |
難しい顔をした。
■ フェリオ To:ルドラ |
何か事情でも? って、俺が詮索する事じゃないすね、失礼しました(^-^; |
フェリオには何も言わず看護の邪魔にならないよう、部屋を出てゆくルドラ。
砦本館 2階 使用人室前廊下 |
フェリオは部屋の外に一緒に出て、ルドラを呼び止めた。
■ ルドラ To:フェリオ |
ん、何かまだ? |
■ フェリオ To:ルドラ |
ええ・・・話が全然違う事で申し訳ないんですが。 古いお城とかには滅多に入れないんで興味が湧いちゃいまして・・・。 |
■ ルドラ To:フェリオ |
歩きながら話そうか。 あの娘達の事、まだトーラには伝えてないのだろう? |
■ フェリオ To:ルドラ |
あ、はい・・・運ぶので精一杯だったもんで・・・。 それで・・・実はこの砦には地下2階があるって話を、古い文献を見させてもらった仲間から聞いたんですけど。 ・・・そこって今はどうなってるんですか? |
階段を下りて1階に向かう。
■ ルドラ To:フェリオ |
地下2階…? ああ、そういえばあった様な…。 子供の頃、一度入ったきりでよく覚えていないが(^^; |
■ フェリオ To:ルドラ |
それとそこの入り口は崩れた通路の先だけなんですか? 例えば、地下1階とか地下水路とか・・・勢い余って墓地とか、そういう所にあるかなーって・・・。 |
■ ルドラ To:フェリオ |
ああ、通路の先だったな。下りの。 そうか、地震で崩れたか…。 |
■ フェリオ To:ルドラ |
あ、いやぁ、こういう砦とかの地下室っていうと隠し通路とかがあるって昔、本で読んだ事があるもんで・・・。 ついつい気になっちゃうんですよね(^-^;; それで気になったら聞いてみたくなる性分でして・・・ホント、すいません。 |
■ ルドラ To:フェリオ |
水を止めた水路を通路にしようとした、――という話は聞いていたが、使ったという話は聞かないな…。 この砦は元々、人間相手の戦争用ではなく、怪物退治の拠点として造られたそうだから、大掛かりな抜け道を設ける必要は無かったはずだよ。 |
■ フェリオ To:ルドラ |
そうなんですかぁ・・・残念だなぁ、ちょっとわくわくしてたんすけど。 そこって昔は何に使われてたんすか? あ、それと今は何に使ってるんすか? やっぱり何か秘密兵器でも置いてあったんすかね?(笑) |
■ ルドラ To:フェリオ |
ただの、何も無い空洞だったよ(笑) そうだな。親父なら秘密兵器くらい隠していたかも知れないが(^^; |
■ フェリオ To:ルドラ |
ある訳ないっすよね、あはははは(^-^;; (うーん・・・怪しいような怪しくないような・・・) |
話しながら、ルドラは庶務室に向かった。
砦本館 1階 庶務室前 2nd Day 11:35- |
部屋の中に居たトーラにセレンとティアードの事を説明するルドラ。
鍵束も彼女に渡す。
■ トーラ To:ルドラ |
全く、手間の掛かる者達ですね。 すぐ、様子を見に行きます。 |
トーラは使用人室へと急いだ。
ルドラとフェリオも、それに付いて2階に戻る。
砦本館 2階 使用人室前廊下 2nd Day 11:37- |
部屋に全員が入ると狭いので、ルドラとフェリオは使用人室前で待つ形になった。
トーラとティアードが部屋から出てくる。
■ ティアード |
眼鏡が――。 |
眠そうな目をこする彼女。
■ フェリオ To:ティアード |
あ、起きたんだな・・・元気そうで何よりだよ。 |
■ ティアード To:フェリオ |
ぁ(^^;; すみません、手伝ってもらって迷惑かけたみたいで。 |
フェリオに礼を言う。
トーラは、それを遮るようにしてティアードに命令を下す。
■ トーラ To:ティアード |
眼鏡を見つけたら、食事の準備を頼みます。 |
それを見て、呟くルドラ。
■ ルドラ |
ゆっくり気絶も出来ないのか…。 大変だな。 |
…執務室へと戻る。
■ フェリオ To:ティアード |
あ・・・はは・・・セレンちゃんも寝てるし・・・何か手伝おうか? |
トーラに聞こえない様、小声で伺う。
■ ティアード To:フェリオ |
いいんですか? 頼めるなら、その…、水汲みなんかを…(^_^;) |
■ フェリオ To:ティアード |
はは・・・女の子にはきつそうな仕事だな(^-^;; 任しときな。 |
昨日の洗濯物取り込みに引き続き、重労働を請け負うフェリオ。
厨房にある水瓶に井戸から汲んだ水を運んでいると、時間は昼を過ぎた。
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