砦内 中庭 |
フェリオの傷が治ってしばらくした後、
■ ヴェアリアス |
ふぅ・・・・・ そういえば、アルスさんは? |
回りを見まわし、アルスが木の下に居るのを確認すると近付いた。
砦内 中庭 大木の下 2nd Day 10:10- |
■ ヴェアリアス To:アルス |
アルスさん、怪我を見せてくれる? 模擬刀だと油断して、化膿したら大変なことになるんだからね。 |
■ アルス To:ヴェアリアス |
ほらよ。 |
右手を見せてくれた。
怪我は軽い打撲である。
■ ヴェアリアス |
(「あれ、結構素直――?」) |
内心驚きながら傷の確認をする。
■ ヴェアリアス To:アルス |
ふむふむ・・・・ じゃ、治療するね。ちょっとしみるかもね〜☆ |
名も無き生命の精霊の力を借りて、アルスの治療を済ませるヴェア。
■ ヴェアリアス To:アルス |
――で、試合してみてどうだった? わたしたちの腕前。コレットさんを探す役に立つと思う? |
■ アルス To:ヴェアリアス |
そんなつもりであいつと手合わせしたんじゃねぇよ。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
うすうす気づいてると思うけど・・・ わたしたち、偶然ここにきたわけじゃないの。 ある人の依頼でコレットさんを探しにきたの。 |
■ アルス |
ある人? …あいつか。 |
アルトと別れたフェリオが、話に加わって来る。
■ フェリオ To:アルス |
フォンさんだよ。 |
■ ヴェアリアス To:フェリオ |
フェリオさん・・・ |
フェリオの声に振り返るヴェア。
■ アルス To:フェリオ |
フォンが? |
予想と違ったいたという反応。
また、魔法で元気になったフェリオを見て、
■ アルス To:フェリオ |
もう立てるのか。 |
と声を掛けてくる。
■ ヴェアリアス To:アルス |
神様の奇跡というもののおかげよ。 |
ヴェアが、ちょっと面白くなさそうに口を挟んだ。
■ フェリオ To:ヴェア |
次の時はヴェアの友達に頼むよ(^-^) |
ヴェアにフォローを入れてから、フェリオはアルスに応えた。
■ フェリオ To:アルス |
あんたやっぱり強いな、完敗だったよ。 それと誤解のない様に言っとくと、俺も別に他意があってあんたと勝負した訳じゃないぜ? 純粋に強そうな人と戦ってみたかっただけさ。 |
■ アルス To:フェリオ |
こっちも同じだ。 慣れない武器でなかったら、倒れたのは俺かも知れなかったな。 |
アルスはなぜフェリオがなれない武器を選択したのか不思議そうであった。
と、ここでずれかけた話をまたヴェアがもとに戻す。
■ ヴェアリアス To:アルス |
セレンさんに聞いたわ。あなたもコレットさんを探しているそうね? |
アルスはセレンを見て、
■ アルス To:ヴェアリアス |
頼まれてな。 でも、これと言った手掛かりは今のところ無いぜ。 そっちは何か判ったのか? |
ヴェアは、何も言わないセレンに時折視線を向けつつ、
■ ヴェアリアス To:アルス |
手がかりがあるといえばあるし、無いといえばないかな・・・ |
■ フェリオ To:アルス |
こっちもろくな事は分かってないよ。 フォンさんからはあんたが犯人じゃないかって言われてたんだ。 ま、それには理由があったんだけど・・・俺達はあんたは犯人じゃないと思ってる、だから打ち明けたんだしね。 |
■ ヴェアリアス |
(「フォンさんの名前出して・・・あとで喧嘩になるかも・・」) |
■ アルス |
……。 |
■ フェリオ To:アルス |
ただ・・・あんたは何か知ってるんじゃないかな? はっきり言って今のままじゃ俺達は手詰まりだ、コレットを探す手掛かりがほとんどないんだ。 何か知ってるんだったら教えて欲しいんだよ・・・コレットの為にも・・・あんたを信じてるセレンちゃんの為にも・・・。 |
アルスは少し黙った後、
■ アルス To:セレン |
…セレン、仕事はいいのか? |
重い口調で聞く。
セレンは、そう言われて、
■ セレン To:アルス |
そ、そうだね。仕事しないと(^^; |
そう答えると、砦本館に戻ってゆく。
■ ヴェアリアス To:セレン |
・・・・・・・・・。 |
擦れ違いざま、
■ セレン |
自分じゃ、駄目なんだ――。 |
という涙声の呟きがフェリオの耳に届いた。
■ フェリオ |
・・・・・・・・・・。 |
セレンが立ち去った後。
■ フェリオ To:アルス |
すまない・・・気が利かなかったな・・・。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
重要なことみたいね・・・彼女にも言えないなんて。 |
■ フェリオ To:ヴェア |
ヴェア・・・多分、彼女にも言えないんじゃなくて・・・彼女「だから」言えないんだと思うぜ・・・。 |
話を切り出すアルス。
■ アルス To:フェリオ、ヴェアリアス |
フォンからこう聞いたんだろ? 俺が「コレットの首を締めてるのを見た」、とかいうのを。 それがさっき言ってた"理由"なんだよな。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
!?・・・・あなた、まさか―― |
■ フェリオ To:アルス |
・・・・・・正確にはあんたと同じ様な体格の人間が、って事だったけどな・・・。 |
■ アルス |
…あの晩、俺はコレットの首を締めたんだよ。 |
独り言の様に白状するアルス。
ヴェアは軽いめまいを覚えながら、
■ ヴェアリアス To:アルス |
・・・なんてこと・・・それで?・・・彼女、殺しちゃったの? |
■ アルス To:フェリオ、ヴェアリアス |
いいや。殺してない。気を失っただけだ…。 |
■ フェリオ To:アルス |
そっか・・・よかった・・・。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
そう・・・・・・ |
安堵の息をつく。
■ ヴェアリアス To:アルス |
それにしてもどうしてコレットさんの首を? 彼女、なにをしたの? なんにしても女の子の首を絞めるなんて・・・・ |
アルスの手に目をやる。
■ ヴェアリアス |
(「大きな手・・・・コレットさん怖かっただろうな・・・・」) |
不安げに自分の首筋を手で押さえるヴェア。
■ ヴェアリアス To:アルス |
まさかコレットさんがセレンさんと仲が良かったからうらやましくて、つい、なんてことはないと思うけど・・・・ |
■ アルス To:ヴェアリアス |
そうだったのかも知れないな…。 でも、そんな理由だけで手を出したりはしねぇよ。 |
その晩の事を話すアルス。
アルスが部屋に戻ると、誰かの置き手紙があった。
文面は、"今晩8時、階段の下でお待ちしています。" というもの。
指定の時間に指定の場所のアルスが行くと、そこに居たのはコレット。
そこで彼女と会話をして、つい頭に血が昇ったアルスはコレットに手を出したと言う。
■ アルス To:フェリオ、ヴェアリアス |
気が付いたら、彼女の首に手を掛けていてよ…。 死んでないのを確かめてたら、誰かが玄関から見ている気がしてその場を逃げ出したんだ。 |
一度部屋に戻って落ちついた後、現場に戻ろうとしたが、玄関ホールを上から伺うとマーベリック夫妻の姿が見えたので部屋に引き返したと言う。
■ ヴェアリアス To:アルス |
そのときにはもうコレットさんはいなかった・・・・ コレットさんが気絶したのは確かなのね? |
頷くアルス。
■ フェリオ To:アルス |
・・・最初に雇い主がフォンさんだって言った時に、どうも予想と外れてたみたいだったけど・・・誰だと思ってたの? |
■ アルス To:フェリオ |
は…。ルドラ様だと思ったよ。 |
少し自嘲気味にそうつぶやく。
■ フェリオ To:アルス |
うーん・・・コレットはどうしてそんな手紙を出したのかな? その理由を教えてもらいたいんだけど・・・。 |
■ アルス To:フェリオ |
手紙は…、多分、コレットが出したんじゃない。 あいつ、俺が来た時に意外そうな顔をして…。 |
言葉を途中で切る。
■ ヴェアリアス To:アルス |
手紙の差出人はコレットさんじゃなかったの? |
■ アルス To:フェリオ |
差出人も何も書いてない代物だ。 最初は誰かの悪戯と思ってたんだが…。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
違うにしてもコレットさん、なんでそんな時間にそんな場所にいたのかしら・・・ コレットさんなにか言ってなかった? |
■ アルス To:フェリオ |
俺が声を掛けた時、あいつはいつものたどたどしい口調でこう言ったんだよ。 「ルドラ様じゃないの?」ってよ…。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
ルドラ様? |
■ アルス To:ヴェアリアス |
ああ。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
もし、コレットさんが自分で逃げ出したわけじゃないとすると・・・・ あと、その現場に人がいることを事前に知っている人物・・・・手紙の主。アルスさんに手紙を出した人物がコレットさんを何かの理由で連れ出したわけね。 !? その手紙はどこにあるの? ひょっとしたら手がかりになるかも。 |
■ アルス To:ヴェアリアス |
破って捨てた。 もう、燃やされてるよ。 |
■ ヴェアリアス To:アルス |
そ、そう(^^;; |
■ ヴェアリアス To:アルス |
でも、だいぶすっきりしてきたわ。 まだまだ推測の域を越えないけどね。 ・・・アルスさんは"闇"事件って知ってる? |
少し考えた後、
■ アルス To:ヴェアリアス |
"傷ついた私の心を あなたの涙で癒そう" ――とか云うあれか? |
詩か伝承の一部分らしい台詞を出す。
■ ヴェアリアス To:アルス |
この砦となにか関係あるかもしれないんだけど。 |
■ アルス To:ヴェアリアス |
それで? |
■ ヴェアリアス To:アルス |
わたし、その話を聞きにこれから街に出かけようと思うの。 最初、その中の怪物がなにか事件に関係してると思ってたから。 それにほかの仲間はもう出かけてるの。 でも、アルスさん、あなたの話を聞いていたらこれは怪物なんかじゃない、人の仕業だって思えてきたわ。 そこで、アルスさん、わたしが仲間を呼んで戻ってくる間、フェリオさんと一緒に怪しい人物に変化が無いか見張っててほしいの。 ただ、まだ予測の段階だからちょっと今すぐに試してみたいことがあるんだけどね。 |
■ アルス To:ヴェアリアス |
怪しい奴…ウォルクライの事か? |
■ ヴェアリアス To:アルス |
わたしたちの目的は一致してる。 だから、一人で行動するよりも協力して動いたほうが目的は達成されると思うの。 だからお願い。わたしたちに協力して。 |
■ アルス To:ヴェアリアス |
…悪いな。 言ってる事は分かるが、俺は俺で動かせてもらう。 ま、お互い邪魔だけはしないようにしようぜ。 さて…、下らねぇ話が長くなったな。 |
アルスはそう言うと立ち上がった。
■ フェリオ To:アルス |
別にそれで良いさ、あんたにはあんたのやり方があるだろうしな。 ただ、蒸し返すようで悪いんだが最後に二つだけ質問に答えて欲しい。 まず一つ目、あんたはさっきコレットの首を絞めた時の事で「そんな理由だけで手を出したりはしねぇよ。」って言ったよな? だったら・・・何があったんだ?何か首を絞めたくなるような・・・理由があったんじゃないのか? 言いたくない様な話だって事は分かるけど・・・でも重要な事だと思ってる。 その理由を教えてくれないか? |
■ アルス To:フェリオ |
……。 あの娘、コレットが「ルドラじゃないのか」って言った時の眼が嫌だったんだよ。 俺が来た事が残念そうな――俺とあいつを比べるような眼が…。 |
■ フェリオ To:アルス |
・・・比べる・・・か。 それでもう一つはコレットの事だけど・・・。 コレットとルドラさんの関係を知りたいんだよ。 犯人はルドラさんの名前でコレットを呼び出したみたいだけど、コレットにはルドラさんに呼び出されるような理由があったのかな? あんたの知ってる範囲で良いから教えて欲しい。 |
■ アルス To:フェリオ |
雇い主と使用人以上の関係は、無いと思うぜ。 俺の知ってる限りだと、抱くつもりで夜中に呼び出すなんて芸当はあの領主様には無理だしな。 |
■ フェリオ To:アルス |
確かに・・・そんな風な感じだったな。 引き止めて悪かったね、話してくれてありがとう。 (しかし・・・どうも「領主様」にコンプレックス持ってるみたいだなぁ・・・兄弟ってのも意外と大変なんだな) |
アルスは、離れの塔へと歩いて行った。
砦内 中庭 実験畑 2nd Day 10:30- |
アルスとの会話後、ヴェアは植え込みに近付いて精霊力を調べる。
回りの土や樹木にも注意したが、異変は感じられなかった。
それが終わると、ヴェアは白ユリ亭へと向かった。
砦内 中庭 2nd Day 10:10- |
さて、フェリオとアルスの試合が無事終わってどたばたも一段落した頃。
■ ジーク To:アルト |
さて、そろそろロスフェルへと行きませんか? |
■ アルト To:ジーク |
そうだね。 …あ、その前に、ちょいとフォンの旦那の奥さんに話を聞きに行ってもいいかい? 少し確認しておきたいことがあってさ。 |
■ ジーク To:アルト |
ええ、かまいませんよ? |
砦内 塔 1階 |
アルトとジークはレイアのいる塔へ移動。
扉をノックしてみると試合を見終わって戻っているフォンしか居なかった。 レイアの行き先を尋ねてみると、厩舎に行ってるんじゃないかと答えが返ってきた。
■ ジーク To:フォン |
厩舎ですか?(^^; あ、ありがとうございます。 |
砦内 厩舎 |
レイアは厩舎内の掃除に精を出していた。
と、厩舎に入ってきたアルトとジークに気がついた。
■ レイア To:アルト |
おや、二人で今日は何だい? |
■ ジーク To:レイア |
こんにちわ(^^) また少しお話を伺わせていただきたいと思いまして。 |
■ アルト To:レイア |
ちょいと、また仕事の邪魔をしに……じゃなくて。 話を聞かせてもらいに来たよ。 度々悪いね(^^) |
■ アルト To:レイア |
さっき書庫で知ったんだけど、ネヴィル家には長女がいたんだってね。 生まれて間もなく母親と共に他界したって書いてあったけど……。 埋葬先がかつて尖塔にあった地下墓所、ってことはないかな? |
■ レイア To:アルト |
そういう事もあったねぇ…。 ああ、でも墓地は違うところだよ。 |
長女の名前は覚えていないが、婦人の名前はフェイアだったという事。 貴族等の墓はこの砦から歩いて5分程の森の中にあるという事。 それらを聞けます。
■ ジーク To:レイア |
墓場・・・・・つかぬ事をお聞きしますがシェラという方をご存知ではありませんか? |
墓場と聞いて昨夜のことをふと思い出したので聞いてみるジーク。
■ レイア To:ジーク |
さぁ…、知らないけど。 その名前がどうかしたのかい? |
■ ジーク To:レイア |
あ、いえいえ、気にしないで下さい(^^; |
■ アルト To:レイア |
ところで、アルスが勘当された原因ってのは一体何だったんだい? あまり、旦那が言ってたほどの粗暴者には思えないんだけど…。 |
■ レイア To:アルト |
どんなにいい人でも、さっきみたいに剣で戦っているところだけを見たら粗暴者だろうねぇ。 あの子は、本当に父親とだけは馬が合わなかったから…。 貴族としての生活が苦手だったみたいだね。 よく言ってたよ、「こんな家出て行ってやる」って(^^; |
■ アルト To:レイア |
剣で戦うのが粗暴者ってのなら、私たちもそうだねぇ…(^^; まぁ、でも、貴族の生活が苦手ってのは分かるような気もするよ。 |
■ アルト To:レイア |
それから……えーと、フォンの旦那って、ひょっとしてアルスとはあまり仲が良くないのかい? |
■ レイア To:アルト |
そう見えるかい? あたしはそうは見えないんだよ(^^; アルスを見てると、若い頃のあの人みたいでねぇ(笑) |
■ アルト To:レイア |
へぇ…例えばどういったところが? |
■ レイア To:アルト |
強がりなところとかかねぇ(^^) |
■ アルト To: |
あー…確かに、そうかもしれないね(^^; じゃあ単に、似た者同士でそりが合わないってだけなのかな。 特に、二人の間で何か諍いがあったってわけじゃないんだね? |
■ レイア To:アルト |
あたしは特に聞いてないねぇ。 アルスが子供の頃の悪戯を、あの人がまだ恨んでるのかも知れないけど(^^; |
■ アルト To:レイア |
………………………。 フォンの旦那って…意外と執念深………あ、い、いや、なかなか記憶力がいいんだね。うん。 |
焦りつつ雇い主にフォローを入れるアルト。
■ ジーク To:レイア |
アルスさん、悪がきだったみたいですしねぇ(^^; |
レイアはちょっと苦笑しただけで何も言わなかった。
■ ジーク To:レイア |
アルスさんって砦にいない間はどこに行ってるか知ってます? |
■ レイア To:ジーク |
大陸をあちこち旅してるみたいだねぇ。 帰って来た時に、よく何処に行ったとか話してくれるよ。 |
■ ジーク To:レイア |
へぇ。大陸中をですか? |
■ レイア To:ジーク |
遠くは西部諸国辺りまで行ってた事もあったけど…。 この前はオランの北にあるっていう、大きな遺跡に行ってたそうだよ。 …今回の事件と関係の無い話だねぇ(^^; |
■ アルト To:レイア |
…っと、そろそろ街の方に行かなくちゃね。 仕事中にどうもありがとう、助かったよ(^^) |
例を言って立ち去ろうとした二人を呼び止めるレイア。
■ レイア To:アルト、ジーク |
あ、ちょっと。 …それで、犯人はアルスなのかい? |
■ アルト To:レイア |
それは……悪いけど、今のところ何とも言えないね。 ただ、悪い奴じゃない…ってのは分かるよ。 犯人探しに私情は入れないつもりだけど…………犯人じゃないといいね? |
■ ジーク To:レイア |
ええ、悪い人ではありませんね。 私もそれ以上はまだ言えないですけど(^^ゞ |
聞くことも尽きた二人はレイアに礼を言って厩舎を後にした。
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