砦本館 2階 書庫 2nd Day 8:15- |
試合の時間まで、ジークとアルトは書庫で調べ物をする事にした。
ジークは地震で崩壊したという尖塔に封じられていたものの文献を探したが それについて書かれた文献は見つからなかった。
■ ジーク To:アルト |
見つかりませんねぇ? アルトさんの方はどうです? |
アルトに期待の眼差し。
■ アルト To:ジーク |
そうだねぇ…こんな事が書いてあったけど |
■ ジーク To:アルト |
え? どんなことですか? |
アルトは、闇事件について見つけた資料を見せた。
資料を覗き込むジーク。
資料によると、1人の女エルフ魔術師が街に持ち込んだ怪物、"闇"が街の人間を無差別に食い殺したという事件である。
生き残った者の証言には、視界が濃い黒霧に覆われ、"闇"の姿を見る事は出来なかったと書いてあった。
事件は発生から2日後、夜が明けた時に霧が晴れ、魔術師も"闇"も消えた事で一応の結末を迎えている。
■ アルト To:ジーク |
……まぁ、あまり今回の事件とは関係なさそうだね。 これは、塔に封印されてたって言う怪物とは別物かな? |
■ ジーク To:アルト |
そうですね。 一応フォンさんに姿を見られてるみたいですしねぇ(^^; |
■ アルト To:ジーク |
うーん……こりゃあここで調べるより、街で誰か詳しい人にでも直接聞いた方が早いかもしれないねぇ。 |
■ ジーク To:アルト |
さすがにこれだけ本がありますしねぇ(^^; |
■ アルト To:ジーク |
それにしても、何だかさっぱり犯人が見えてこないんだけど…。 ジークは、例の怪物って今回の行方不明に絡んでると思うかい? |
ジークに話を振る。
■ ジーク To:アルト |
さっぱり見えてきませんね(^^;; その怪物の正体が分かれば、絡んでるのかどうか推測はつくと思いますけど・・・・。 アルトさんはどう思います? |
■ アルト To:ジーク |
分からないけど…こういう事件は人間相手だと、解決しても後味の悪い思いをすることが多いからねぇ。 出来れば怪物相手の方が、まだ気は楽…かな? ……何にせよ、今はまだ情報不足だね。 午後からでも、少し街の方に聞き込みに行ってみようか? |
そういったアルトにジークは肯いた。
続けて、地震以後の行方不明事件について調べようとしたジークであったが、地震以後に書かれた文献は見つからなかった。
■ ジーク |
おや? 地震以後の文献はないんですねぇ(^^; |
アルトは、アルスやバスクについての記述が無いかも調べる事にした。
バスクについては何もなかったが、アルスに関しては幾つかの記述が見つかる。
前領主の次男。生まれた歳から逆算すると、年齢は24歳。
19歳の時に父親(前領主)から勘当されている。
…ルドラが 27歳だという事も分かった。
また、アルスの後に長女が生まれたが、生まれて間もなく母親と共に他界したという記事も目に留まる。
■ アルト |
へぇ…アルスに妹がいたんだ。 フォンの旦那の奥さんなら、もっと詳しく知ってるかな……? |
さらに二人の睡魔、いや文献との格闘は続く。
砦本館 2階 廊下 2nd Day 8:20- |
屋上から下りて来たヴェアとフェリオは、2階に上がって来たセレンと出会った。
■ ヴェアリアス To:セレン |
あ、いたいた♪ セレンさーん |
■ セレン To:ヴェアリアス |
はい? |
立ち止まって軽く会釈。
■ フェリオ To:セレン |
こんちわ、昨日はどーも(^-^;; |
■ ヴェアリアス To:セレン |
今いいかな? ちょっと大切な話があるんだけど。 あ、わたし、ヴェアリアスっていいます。改めてよろしく☆ |
■ セレン To:ヴェアリアス |
よろしく…。 自分に大事な話、ですか? |
なんとなく元気のないセレンであった。
少し鬱気味。
■ ヴェアリアス To:セレン |
ええっと、ここで立ち話もなんだから・・・。 |
不審人物が居ないか周りを見渡す。
■ ヴェアリアス To:セレン |
こっちへ来てくれる? |
客間へと案内した。
砦本館 2階 客間(冒険者用) |
セレンを連れて部屋に入る。
■ ヴェアリアス To:セレン |
ちょっと、荷物が散らかってるけど・・・よかったらここに座ってくれる? |
■ ヴェアリアス To:フェリオ |
あ、フェリオさん、荷物物色しないでね。 |
■ ヴェアリアス To:セレン |
あのね、実はわたしたち・・・。 ある人に依頼受けて、・・・誰かすぐ分かると思うけどね、ここの居なくなった使用人さんを探すためにやって来たの。 だますつもりじゃなかったけど、はっきり言ったりしたらみんな警戒して調査できなくなるから。 表向き偶然でのふりで、内密に調査してたの。 |
こくり、と頷くセレン。
驚いた様子はない。
■ ヴェアリアス To:セレン |
でもね、ジークさんがあなたが友達のコレットさんを探しているって聞いて、あなたなら信用できると思って打ち明けることにしたわ(^-^) いきなりよそから来た冒険者をすぐに信用できないかもしれないけど・・・。 |
■ セレン To:ヴェアリアス |
信用とかは関係無いです。 コレットの行方が分かるなら、それで。 |
■ フェリオ To:セレン |
うんうん・・・コレットちゃんを捜すのが第一だしね。 |
■ ヴェアリアス To:セレン |
セレンさんはコレットさんの家を知ってる? もしかしたらコレットさん家に立ち寄ってるかも知れないから行ってみたいの。 |
■ セレン To:ヴェアリアス |
ええ。知ってますけど。 行くんですか…。行って、見るだけですよね? |
■ ヴェアリアス To:セレン |
・・・ええ。 もちろん、コレットさんの失踪については隠しておくつもりだけど。 |
ヴェアはセレンからコレットの家の場所を聞いた。
そして話を続ける。
■ ヴェアリアス To:セレン |
あなたのお友達を早く見つけるためにも、ぜひ協力してほしいの。 |
■ セレン To:ヴェアリアス、フェリオ |
でも、ジークさんに話した事くらいしか、私に伝えられる事ないです。 砦の外にも、勝手に出て行けないし…。 |
俯いて、膝の上の手を握り締める。
■ ヴェアリアス To:セレン |
・・・・・・・?どうしたの? |
■ フェリオ To:セレン |
・・・さっき、中庭でアルスさんと話してたよな? 悪いとは思ったけど・・・その・・・魔法を使って聞かせてもらってたんだ。 というのも、俺達が聞いた話じゃ、アルスさんが第一容疑者って事になってるんでね・・・。 だけど色々調べてみて、俺達はアルスさんは犯人じゃないと思ってる。 でも、さっきアルスさんは何か隠してる事があるみたいだったよな? それが何なのか、知りたいんだよ・・・このままじゃアルスさんが犯人だと思わざるを得なくなっちゃうからな・・・。 俺達はアルスさんとの試合が終わったら彼に話を聞こうと思ってるんだ。 もちろん、彼を問いただすのではなく、彼の無実を証明する為にね。 その時に・・・君も協力してくれないかな? |
■ セレン To:ヴェアリアス、フェリオ |
彼は絶対に犯人とかそういうのじゃないです。 ちょっと困った人かも知れないけど、悪い事はしない人なんです。 無実を証明するなら、喜んで協力します。 でも…。 彼も、何か事情があっての隠し事なんだと思います。 それは、自分が頼んでも教えてくれないと思います。 だから…、自分、お役に立てないと思います。 |
■ ヴェアリアス To:セレン |
ううん、そんなことないよ。 アルスさんもセレンさんが大切だからこそ言えないことがあるのよ。 |
ヴェアは、セレンの肩にそっと手を乗せた。
■ ヴェアリアス To:セレン |
コレットさんがいなくなってもう時間がだいぶ経ったわ。 だれかに誘拐されたのなら危険な状態かもしれない。 わたしたちには時間が無いの。今は少しでも協力が欲しかったの。 |
セレンは黙ったままうつむいていた。
■ フェリオ To:セレン |
あぁ、そうだ・・・。 大丈夫だとは思うけど、この件はくれぐれも口外しないでくれよ。 わざわざごめんな・・・でも、信じてくれてありがとう(^-^) |
■ セレン To:フェリオ |
今の自分に出来るのは、コレットの帰りを待つ事だけですから…。 |
セレンは元気なく微笑んだ。
しばらく沈黙の時間が経ち・・・・・
■ ティアード |
セレン〜。何処〜? |
廊下からティアードの声が聞こえた。
■ ヴェアリアス To:セレン |
ん? ティアードさん? なにかお仕事があるみたいね。 あ、長い時間引き留めてごめんなさい(^^;; ありがとう。セレンさんの気持ち無駄にしないからね。 |
先に立ち、客室の扉を開けるヴェア。
■ ヴェアリアス To:セレン |
アルスさんのことは心配しないで。 |
セレンが部屋を出て行く際、一言言葉を掛ける。
部屋に残されるヴェアとフェリオ。
■ フェリオ |
うーん・・・セレンが一緒なら話してくれると思ったんだけど・・・もしかしたら逆にセレンがいると話せないような事なのか・・・? でもそうなると・・・アルスは・・・。 |
呟くフェリオであった。
砦本館 2階 書庫 2nd Day 9:50- |
■ ジーク To:アルト |
おっと、そろそろフェリオさんの試合の時間ですね。 切り上げましょうか? |
■ アルト To:ジーク |
あ、もうそんな時間かい? それじゃ、後片づけしようか。 |
やれやれ……と、メイジスタッフで肩を叩く。
■ ジーク To:アルト |
ええ、そうしましょう(^^) ・・・・ってものの見事に読み散らかしちゃいましたね(^^; |
■ アルト To:ジーク |
しっかり片づけとかないと、後でどやされるよ(^^; ………あの人に。 |
あの人にしかられるのが恐い二人は散らかった本を手早く片づけていった。
Game Master | 神楽kagra@na.rim.or.jp |