ひな鳥亭 入口 1st Day 20:45- |
ひな鳥亭の扉を開けるジーク。
飾り気の無い店内であったが、天井から鳥籠が幾つか下がっているのが目に付く。
店内に入るとすぐ隣から、
■ ? To:ジーク |
イラッシャイませ、イラッシャイませ。 |
という声が掛かった。
見ると、止まり木の上から1羽のオウムがジークを見つめている。
■ ジーク |
おっと・・・・なんだ、オウムですか(^^; こんばんわ(^^) |
■ オウム To:ジーク |
オハヨー。 |
■ ジーク To:オウム |
はいはい、おはよ(^^) |
店内を見渡す。
席は狭いカウンター以外に、4人掛けのテーブル席が6つ。
酒場よりは食堂という雰囲気の店である。
客の姿は無かった。
代わりに、大型犬(セッター種)が床に寝そべっている。
■ ジーク |
(あらら、誰もいませんね(^^;) |
奥のカウンターに向かう。
ひな鳥亭 カウンター |
■ 娘 |
むにゃ。悩む事ないって……。 |
寝言付き。
■ ジーク |
(悩み?(^^;) |
■ ジーク To:娘 |
えっと・・・・・・(^^; こんばんわ、もうおしまいですか? |
ん? と目を覚ます娘。
■ 娘 To:ジーク |
ふぁ…。 ――あれ? アルス居なくなってる。 |
周り、そしてジークを寝ぼけ眼で見る。
■ 娘 To:ジーク |
わあ、な、何でしょう。じゃなくて、いらっしゃ…きゃぁ(>_<) |
■ ジーク To:娘 |
あ、危ない! |
腰掛けていた丸椅子から慌てて立ち上がろうとして、カウンター内で転ぶ。
■ 娘 |
いてて……。 |
■ ジーク To:娘 |
だ、大丈夫ですか? 脅かしてごめんなさい(^^;; えっ、えっとエールを一杯貰えますか? |
■ 娘 To:ジーク |
は、はい、エールですね。 今出しますから……。 |
カウンター上の銀貨や什器を手早く片付け、心地大きめの杯に8分目まで注いだエールを出してくれる。
■ ジーク To:娘 |
あ、ありがとうございます。 美味しいですね♪ |
一口飲みながら、改めて娘を見るジーク。
歳は16、7歳。
身長は165cm程。切り揃ってない短い黒髪に同色の瞳。肌はよく日焼けした褐色。
気持ち鼻が低く、そばかすが残っていたりする顔。
服装は、綿シャツにパンツルック。そして赤いチョッキを羽織っていた。
何をしたのか、左手の指全部に包帯を巻いている。
今は、後頭部に出来たたんこぶを手でさすっていた。
1st Day 20:55- |
鳥籠の中の鳥も休んでおり、店内は静まり返っていた。
■ 娘 To:ジーク |
静かに飲むの、お好きですか? |
見知らぬ客に、興味を持って聞いてくる。
■ ジーク To:娘 |
静かに飲むのも、仲間達と騒いで飲むのも好きですよ(^^ でも、よろしかったら話し相手になってくれませんか?(^^) |
■ 娘 To:ジーク |
うん。 お客さんの話聞くの、好きだからいいよ(^^) |
■ ジーク To:娘 |
それは良かった(^^) あ、私はジークと言います。よろしく♪ 旅の者でして、ロスフェルのお城に逗留させて頂いてます。 |
そう堅苦しくないお客さんだ、と思う娘。
■ 娘 To:ジーク |
あたしはエスト。 今晩の店番(^-^;) お城のお客さんかぁ。 |
ますます興味が増す。
■ ジーク To:エスト |
ええ、今日と明日だけですけどね(^^; |
そう答え、店の事に話題を移す。
■ ジーク To:娘 |
動物達がいるお店というのも珍しいですね(^^) |
■ エスト To:ジーク |
そうかな? でも、鳥さん達やそこのオリバーが居てのこの店だから(^^) |
オリバーというのが、床で寝ている犬の名前らしい。
■ ジーク To:エスト |
ちょっとオウムさんにはびっくりさせられましたけどね(^^; |
■ エスト To:ジーク |
あの子はイーバルって言うんだよ。 挨拶してくれた?(^^) |
■ ジーク To:エスト |
ええ、してくれましたよ(^^) 「オハヨー」でしたけど(^^; |
■ エスト To:ジーク |
それは、わざとだよぉ(笑) |
■ ジーク To:エスト |
ははは、そうでしたか(笑) |
続いて、話をアルスの事に切り換える。
■ ジーク To:娘 |
そいえば先ほどアルスさんと言っていましたが・・・・、お城でお会いしたアルスさんですか? |
■ エスト To:ジーク |
うん、そう。お城のアルス。 彼と知り合いなんだ? ジークさんが来る前にここに寄ってたんだけど、何時の間にか帰っちゃったみたい。 |
罰が悪そうに答える。
■ ジーク To:エスト |
今日はじめてお会いしたんで知り合いというほどじゃないですけど(^^; あ、アルスさんってよくこちらに来られてるんですか? |
■ エスト To:ジーク |
うん。街に戻ってる時は。 ふーん…。 何だか怪しいな。お兄さん、彼の秘密でも探ってるの? |
エールを注ぎ足しながら尋ねてくる。
■ ジーク To:エスト |
あ、ありがとうございます(^^) ええ、実は・・・・・・私はオランでも腕利きの探偵でして(^^) 内緒ですよ♪ ・・・・・。 というのは嘘ですけどね(^^ゞ |
がくっ。(←エスト)
■ ジーク To:エスト |
明日、私の仲間がアルスさんと稽古試合をすることになりましてね。 それでアルスさんがどーいう人なのかちょっと興味があるんですよ(^^) |
■ エスト To:ジーク |
なぁんだ。 それじゃ、聞きたくない? 2ヶ月前にアルスが大活躍した話。 |
■ ジーク To:エスト |
2ヶ月前ですか? ええ、是非聞かせてください(^^) |
カウンターに身を乗り出し、瞳きらきら興味津々で聞く。
■ エスト To:ジーク |
事の始めは、2ヶ月前の21日…。 |
その晩の夕食時、賑わっていたこの酒場に、ボルクと名乗る男を頭にした3人組が訪れた。
極悪な面構え(エスト談)で、他の客に暴言を吐き、給仕を手伝っていたエストも"あんな事"をされ"そんな事"を言われた、最低の客である。
『もう許せない』 と彼女が手を出そうとした時、たまたま食事に来て居た街の衛視、ブラドさん(40才男性・独身)が立ち上がり、ボルク達に店を出る様言い渡した。
1分後、ブラドさんは店からボルク達の手によって叩き出される。
訓練を積んだ衛視といえど、3対1。
更に丸腰ではさすがに敵わなかったとエストは語る。
■ ジーク To:エスト |
3対1ではねぇ(^^;; |
『やっぱりわたしが』 と思った時、エストの父親と兄が立ち上がった。
包丁やフライパンで武装し、果敢に挑んだのだが、これは30秒も掛からず店の隅で気絶する事に。
調子に乗って、暴れ始めるボルク達。
『後はわたししか』 と心を決めた時、奥の席に居たアルスが立ち上がり「俺に任せろ」とエストに一言。
ボルク達を止めに行くアルス。
剣を持ったアルスに恐れをなした(エスト談)ボルク達。
彼等も剣や槌、鞭等を取り出して――(中略)
勝負は2分でつき、遅れて来た衛視達の出る幕は無かったという。
■ エスト To:ジーク |
その時のアルスさん、格好良かったぁ。 |
■ ジーク To:エスト |
アルスさん、強いんですねぇ(^^; 明日、フェリオさん大丈夫ですかね(”; |
■ エスト To:ジーク |
文句なしに、街で一番だよ(^^) |
■ ジーク To:エスト |
街で一番ですか(^^;;; アルスさんって昔から強かったんですか? |
■ エスト To:ジーク |
うーん。それは……。 わたしが小さい頃もよく喧嘩してたなぁ(^^; |
■ ジーク To:エスト |
領主さんの弟なのに喧嘩ですか?(^^; |
『何か出生に秘密が?』 と思って聞く。
■ エスト To:ジーク |
うん。 お兄ちゃん達とよく遊んでたよ。 ほら、男の子って誰が一番強いか凄く気にしたりするでしょ? |
■ ジーク To:エスト |
そうですね(^^; |
そういった経験は、あまり無いジークであった。
■ ジーク To:エスト |
そういえば、この街にあった白い尖塔って知ってます? なんでも怪物を封じていたとか聞いたんですが。 |
ルドラから聞いた事を尋ねてみる。
■ エスト To:ジーク |
あれかな…。"朝日の塔"とか"輝きの塔"って呼ばれてた奴。 今はもうないけど。 怪物って話は…そう言われてみれば聞いたことあるような(^^; ごめん、あたしじゃ詳しく話せないや(^^;; |
■ ジーク To:エスト |
あ、いえいえ(^^) その、怪物の話を詳しく知ってる人ってどなたか知りませんか? |
■ エスト To:ジーク |
学院のお婆ちゃんか、歌姫のお姉さんかな? |
即答。
■ ジーク To:エスト |
学院のお婆さんですか(^^;;; う〜ん・・・歌姫のお姉さんってどこにいるんですかね? |
■ エスト To:ジーク |
この時間なら、そこの白ユリ亭に居ると思うけど。 |
エストは、減ったエールを注ぎ足す。
■ ジーク To:エスト |
白ユリ亭ですか? あ、ありがとうございます(^^) |
溢れそうになったエールに、ジークは口を付けた。
1st Day 21:05- |
■ ジーク To:エスト |
そいえば、エストさん、ここの酒場の娘さんなんですか?(^^) 看板娘ってやつですね♪ |
■ エスト To:ジーク |
なんだかそう言われると恥ずかしいな(^^; |
たんこぶの辺りをさするエスト。
■ ジーク To:エスト |
お客さんに言い寄られて大変なんじゃないですか?(^^) |
■ エスト To:ジーク |
そんな事心配してくれるの、ジークさんだけ。 わたしにはもう、ちゃんと相手がいるんだから(^_- |
■ ジーク To:エスト |
はは、これは失礼(^^) |
■ エスト To:ジーク |
ううん。少し嬉しい(^^) |
■ ジーク To:エスト |
そう言っていただけると光栄です(^^) さて、そろそろおいとましますね。おいしいエールをごちそうさまでした(^^) お勘定はこれでたりますか? |
5ガメル出したが、
■ エスト To:ジーク |
3ガメルでいいよ。 |
2ガメル返してくれる。
■ ジーク To:エスト |
では、また(^^/~ |
■ エスト To:ジーク |
良かったら、今度は仲間の人と食事に来てね(^^) |
扉までジークを送ると、エストはそのまま店を閉じた。
ひな鳥亭 店の前 1st Day 21:10- |
待ち合わせ場所の方を見たが、まだ誰も居なかった。
■ ジーク |
さて、まだ少し待ち合わせまで間がありますね・・・・・。 う〜ん・・・・・(”; 神殿でも行ってみますか。 |
神殿まで早足で行く事にする。箱庭で大体の位置は把握していた。
数分後。
向かう途中で、何処を歩いているのか自信が無くなるジーク。
■ ジーク |
あれ? こっちを・・・・こうじゃなかったかな? いや? 向うの通りかなぁ(^^;;; |
それでも進んでいると、少し開けた場所――街の外れへと出た。
離れた場所に、神殿らしき少し大きな建物が見える。
街の外れ |
■ ジーク |
ふう、あれが神殿ですかね? |
一息付いていると、
■ 女 |
誰かと思ったら…。帰ってたの? |
声が、街の外側方向から聞こえた。
■ ジーク |
? (女性の声?) |
見ると、少し離れた緩やかな丘の上に人影が2つ見えた。
月が雲に隠れて、2人の顔や格好はよく見えない。
丘には、何か小さな建造物が細々と置かれている。
■ 男 |
何だ、知らなかったのか? |
■ ジーク |
?? (男の声も?・・・・・逢い引きって奴ですかね?(^^;) |
男女共に、ジークには聞き覚えない声であった。
■ ジーク |
(なんなんでしょうね・・・・・?) |
傍に立つ木の陰から、そっと様子を伺う。
■ 女 To:男 |
全然。店に寄ってくれれば良かったのに。 何時帰って来てたの? |
■ 男 To:女 |
何時だっていいだろ。 それに、あの店に今更行く気はしねぇよ。 |
■ 女 To:男 |
理由は分かってるけど。 ……まだなの? |
■ 男 To:女 |
「まだ」って何がだ? |
■ 女 To:男 |
色々。 仲直りの事や、仕事の事。 ――彼女の事。 こんな時間に、ここに来ておいて嘘は付かないでよ。 |
雲から出た月が、辺りを照らした。
丘の上に、無数の墓標が立っているのが見える。
■ ジーク |
(お墓?) |
■ 男 To:女 |
墓場でゾンビが出るって言うから来たんだよ。 ……シェラに会いに来たのはついでだ。 |
■ ジーク |
(・・・・・・ゾンビですか?(^^; シェラ・・・男性の方の恋人で故人、というあたりですかねぇ。) |
■ 女 To:男 |
嘘。ゾンビなんて噂聞いた事ないわよ――、きゃっ?! |
■ 男 To:女 |
どうかしたのか? |
■ 女 To:男 |
あそこ……。木の陰に何か居る……。 |
■ ジーク |
(見つかったかな?!) |
ジークは木陰で動きを止めた。
■ ジーク |
(どきどきどき・・・・・) |
少しの静寂。虫の声がやけに大きく聞こえる。
■ 男 To:女 |
……何も居ねぇみたいだぞ。 そうだな、ゾンビ野郎なら俺に任せとけ。 |
■ ジーク |
(ほっ) |
■ 女 To:男 |
貴方が変な事言うから。 あ、いけない。急いで帰る途中だったんだ。 |
■ 男 To:女 |
家、近くだったよな。 送ろうか? |
■ 女 To:男 |
いい。 邪魔しちゃったね。それじゃ、おやすみ。 |
■ 男 To:女 |
ああ、おやすみ。 |
女は丘の上から家に戻るらしい。
■ 男 |
……俺も帰るか。 |
男も立ち去る事にした様子。
ジークが息を潜めていると、誰も居なくなった。
■ ジーク |
・・・・・・・・・・・。 ふぅ、しかし誰だったんですかねぇ。 あっ、私も戻らないと(^^; |
慌てて、待ち合わせ場所へと戻る事にした。
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