砦本館 1階 玄関ホール 1st Day 15:40- |
地下室に通じる扉の前に立つエデンとトーラ。
トーラは呼び鈴を鳴らすと同時に、持って来た合鍵を使って扉を開いた。
扉の向こう、階段を下りてゆく2人。
下りきった頃、通路にウォルクライの姿が見えた。
こちらを見て面白く無さそうな顔をした後、すぐ部屋に戻ってゆく。
フォンの見取り図で「倉庫」となっていた場所が、今は改装されて研究室になっていた。
出入り口は資材置き場側の壁に1つ。扉は付いていない。
砦 地下1階 研究室 1st Day 15:40- |
室内には棚や机が所狭しと置かれ、置き場の無い実験器具が床に転がっていた。
随分と長い間、掃除をしていない感じである。
ウォルクライはその中に埋もれ、何かの液体をランプの火で暖めていた。
■ トーラ To:ウォルクライ |
ウォルクライさん、この者が研究の事で話を伺いたいそうです。 |
トーラが入口付近で足を止め、そう告げる。
■ ウォルクライ To:エデン |
……話? |
■ エデン To:ウォルクライ |
……ええ……。 ウォルクライ様は乾燥に強い作物の研究をしていらっしゃると、お聞きしましたわ……。 私の友人も、植物の品種改良を研究している者がおりますの……。 それで、ウォルクライ様から何かお話が伺えれば……と……。 よろしければ、少しの間お付き合いいただけませんこと? ……あの……入ってもよろしくて? |
■ ウォルクライ To:エデン |
お前なら入れるか。 |
ぼそぼそと、独り言の様な口調。
積んであった荷物を退かして、場所を作る。
■ ウォルクライ To:エデン |
ここに座ればいい。 |
■ エデン To:ウォルクライ |
有り難う……それでは失礼致しますわね……。 |
空いた場所に座るエデン。
■ エデン To:ウォルクライ |
……ウォルクライ様は、何時も此処にいらっしゃいますの? |
■ ウォルクライ To:エデン |
ここは静かで、落ち着いて考え事ができる。 |
頷いて答えた後、
■ ウォルクライ To:トーラ |
お前も話を聞くのか? |
入り口で立ち止まっているトーラに聞く。
■ トーラ To:ウォルクライ |
ええ。分からないなりに興味はありますし。 ここで聞かせてもらいます。 |
案内した後、すぐ帰る訳では無かった。
訪ねた理由を話し終えて。
■ ウォルクライ To:エデン |
私以外の、植物の品種改良をしている者か。 その友人の名前は何という? |
■ エデン To:ウォルクライ |
オランで花を売っている少女ですわ……。 名前はマリア……姓は存じませんのですけれど……。 |
■ ウォルクライ To:エデン |
彼女は、独学で研究しているのか? それとも……、学院の支援を受けて? |
■ エデン To:ウォルクライ |
何でもお父上がオランの学院にいらっしゃるそうですわ……。 あまり、仲はよろしくないようですけれど……。 |
■ ウォルクライ To:エデン |
学院は、この研究を理解しない奴も多いから仕方ない。 名高いオランの学院でも、やはりそんなものか。 |
■ エデン To:ウォルクライ |
……どうかしら? ……もしかしたら別の理由かも知れませんわね。 私も彼女のことをそれ程詳しく存じているわけでは御座いませんの……。 ……友達とは微妙な関係ですわね……。 全て知ってしまえば、友達では居られなくなるときもありましてよ……。 ですから……話が合う程度で充分ですわ………。 |
悲しそうに目を伏せるエデン。
しかし、ウォルクライはそういう話に興味を示さない。
■ エデン To:ウォルクライ |
……あら……御免なさいましね……。 それで、ウォルクライ様は具体的にどのような研究をなさっていらして? |
自らの研究話を始めるウォルクライ。
■ ウォルクライ To:エデン |
……私は、ラフラオンの第4則に基いた分類から実験を始める事にしている。 どうしてか分かるか? |
専門知識らしい。
■ エデン To:ウォルクライ |
……覚えるのはとても無理ですわね……。 |
羊皮紙とペンの用意をする。
■ エデン To:ウォルクライ |
……ええと……。 その…ラフラオンの第4則から説明していただけませんこと? |
■ ウォルクライ To:エデン |
植物の分類を、発生や成長の形態でする際の約束事だ。 マリアという者なら知っているだろう……、基礎だからな。 植物といっても、様々な種類がある。 種が成長して、草花や樹という異なる形態になるのは何故かという事を理解する。 それが、品種の改良には最も大事な点だ。 |
から始まって、30分間。
彼の仮説や経験を交えての講義が続いた。
(そこまでで、ようやく研究の「まず最初に」の話が終わる)
羊皮紙で取ったメモは 5枚に達した。
1st Day 16:25- |
話にわずかな区切りが付く。
■ トーラ To:ウォルクライ |
興味深いお話の最中ですが、そろそろ仕事に戻りますので。 失礼。 |
■ エデン To:トーラ |
……あら……無理にお付き合い戴いた様で申し訳御座いませんでしたわね……。 ……私はもう暫く、ウォルクライ様にお話を伺っておりますわ……。 ではね、ご機嫌よう……トーラ様。(ぺこり) |
礼をして、トーラが去る。
■ エデン To:ウォルクライ |
……それで……お話の続きですけれど……。 もう、幾つか結果は出せまして? |
■ ウォルクライ To:エデン |
出ているが……。 まだ不充分だ。もっと改良が要る。 乾燥には強くとも、収穫が少ないのは使えないからな。 |
■ エデン To:ウォルクライ |
あら、もう既に乾燥に強い穀物は完成致しまして? では……もう少しですのね……。 研究をお始めになってから、ここ迄にどれ程かかりましたの? 随分御苦労なさったのではないかしら……その結果を出されたのは最近でして? |
■ ウォルクライ To:エデン |
結果が出なければ、研究費も出ないからな。 ……。 苦労はあったが、その事や昔の話はしたくない。 話の続きを聞くか? |
話はこのくらいで、そろそろ退散する事にする。
■ エデン To:ウォルクライ |
あら……? ノートが尽きてしまいましたわ。 ……今晩にも、買い足して来ませんと……。 |
■ ウォルクライ To:エデン |
そうか。 |
■ エデン To:ウォルクライ |
では、私…そろそろお暇いたしますわね……。 本日は突然にお邪魔したにもかかわらず、丁寧な御講義を有り難う御座いました……。 ではね、ご機嫌よう……ウォルクライ先生……研究の完成を祈っておりますわ。(ぺこり) |
■ ウォルクライ To:エデン |
帰るなら、扉まで送ろう。 |
■ エデン To:ウォルクライ |
あら? お気を使わせて申し訳御座いませんわ……。 |
帰り際、途中の脇道の所で足を止める。
■ エデン To:ウォルクライ |
……あら……この先には何があるのかしら? |
暗い通路の先に、ぼんやりと扉らしき物が見えた。
■ ウォルクライ To:エデン |
あの先は、元地下水路だが。 |
■ エデン To:ウォルクライ |
……「もと」……つまり、現在は違いますの? ……ちょっと、見に行ってもよろしくて? |
■ ウォルクライ To:エデン |
開かない扉があるだけだぞ。 |
渋々であったが、明りを持って案内してくれる。
■ エデン To:ウォルクライ |
(あら……本当に……開きませんのね……) |
ぺたぺたと、扉を触って調べる。
取っ手の付いた鉄製の扉で、少し錆びていた。
こちら側から押す扉であったが、押しても引いてもびくともしない。
叩いてみるが、
ゴン、ゴン。
特に変わった反響音はしない。
■ ウォルクライ To:エデン |
地震で、歪んでるんだろう。 |
念入りに調べるエデンを見て、ウォルクライはそう言った。
■ エデン To:ウォルクライ |
……地震……? ……ああ……以前のお城も地震で壊れたと聞きましたわ……。 よほど大きな地震でしたのね……。 |
次いで、何か音がしないか、右の猫耳を外して扉に聞き耳を立てた。
取り外した猫耳は、ポケットに仕舞っておく。
扉からは、耳にコップを当てた時の様な音が聞こえた。
■ エデン To:ウォルクライ |
この向こう側……水路……でしたわね……? 水の音がしませんけれど……今は流れていないのかしら……。 何処から何処へと通じているかご存知でして? |
■ ウォルクライ To:エデン |
いや。知らないが。 |
と答えた後、
■ ウォルクライ To:エデン |
……これは何だ? |
エデンの猫耳(左)を突っつく。
■ えでん #東方語 |
(ピクッ) にゃ…にゃふっ!? ( (l) 。 + ^”) にゃっ……何するにゃん! |
■ ウォルクライ |
おうっ?! |
予想外の反応に驚く。
■ エデン To:ウォルクライ |
(……シマッタ……油断シテイタワ…) ……あ……あら……?(汗) これは…その…ええと…アクセサリーみたいな物でしてよ……。 …部族の風習で……つまり……ネクタイみたいな物ですわ……。 |
■ ウォルクライ To:エデン |
なるほど。 しかし、……興味深いな。 |
一度引いた手が、震えながらまた伸びて来る。
■ エデン To:ウォルクライ |
ああっ……およしなって下さいまし……。 ……そ…それ程ご覧になりたいのでしたら今外しますわ……。 …んっ…(ポコ) ……どうぞ……ご覧になって下さいましね……。 |
外した耳を差し出す。
■ ウォルクライ |
ふむ。革製なのか。 頭にのせると一体……。 |
放っておくと、自分の頭に乗せそうである。
■ エデン To:ウォルクライ |
……あまり……他人様には見せたことは御座いませんのよ……。 ……そんなに見つめないで下さいまし……恥ずかしいですわ……。(赤面) ……あの……もうよろしくて……? |
■ ウォルクライ To:エデン |
……。 変わったアクセサリーだな、これは。 |
無事返される猫耳。
エデンは、それをすぐ頭に着け直した。
砦本館 2階 執務室 1st Day 16:40- |
ウォルクライに送ってもらって1階へ。
その足で、ルドラに礼を言いに執務室に向かう。
扉をノックすると、トーラの声が返ってきた。
■ トーラ To:エデン |
何ですか? |
入室すると、机に着き、難しい顔をして書類を見るルドラの姿が目に入る。
その脇に立ったまま、エデンの方を見るトーラ。
■ エデン To:トーラ |
……先刻……ウォルクライ様の研究の見学を終えましたの。 ……それで……一応、ご挨拶をと思ったのですけれど……。 |
ルドラの方を改めて見たが、声を掛けるのは迷惑そうな雰囲気であった。
■ エデン To:トーラ |
……お忙しいようですのね……。 それでは私、これで失礼致しますわ……。 |
仕方なく、エデンは中庭の方を調べて回る事にした。
砦内 花壇(?) 1st Day 16:50- |
砦に来た時に見た、砦内南側の花壇(?)の前に来る。
■ えでん To:花壇 |
うにゃっ? |
首を傾げ、生えている植物を観察。
花が少々。知らない雑草や小麦等の穀物が残りの大半を占めていた。
花は、アールベルというハーブの一種。
常緑種で、この時期に小さな白い花を幾つも咲かせる植物で、ミント系の香りが楽しめる。
雑草はよく分からない。
小麦は小麦であった。品種改良されてるのかは、分からない。
■ えでん |
……………。(てくてく) |
花壇の周りを歩き回る。
■ えでん To:花壇 |
……にゃ〜。(ザッザッ) |
植物の生えてない箇所の土を、ちょっと掘ってみる。
名を知らない地虫を見つけるが、ぷち。 と潰す。
■ えでん To:花壇 |
(ッザッザ)。〜ゃに…… (元へ戻す) ……埋まって無いにゃ……。 |
立ち上がり、中庭の散策を続ける。
砦内 離れの塔付近 1st Day 17:10- |
近くの門に、バスクの姿が見えた。
彼に会釈をして通り過ぎる。
砦内 厩舎 1st Day 17:15- |
遠回りして通り過ぎる。
砦内 本館裏 井戸 1st Day 17:20- |
置き蓋を少しずらして覗き込む。
下の水が流水なのか、音を聞いて確かめてみるが、水の流れる音は聞こえなかった。
砦内 本館裏 花壇(?) その2 1st Day 17:25- |
先刻と同じく、花壇の周りを歩いていると、1枚の銀貨が落ちていた。
ハンカチに包み、ポケットにしまう。
土を掘り返すと、こちらでは甲虫の幼虫が出てきた。
今度は埋め直しておく。
砦内 本館裏 何か小さな小屋 1st Day 17:40- |
本館から少し離れて、物置のような小屋が建っていた。
扉を調べると、鍵は開いている。
開けてみるエデン。
■ エデン To:小屋の中 |
……御免下さいましね……何方かいらっしゃいまして? |
石材を敷いた床に、地下に通じる階段が見えた。
右壁には、使えない程古くなったランタンが掛けてある。
……濡れた足跡が床に残され、階段の下に続いている事に気付く。
よく見ると、濡れていない足跡もあった。通った人数は1〜2人というところか。
下に降りてみようと考えたが、階段の途中から先は暗くて何も見えない。
明かりになる物が無い為、地下に下りる事は断念した。
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