SW-PBeM Scenario #27
twilight garden.
黄昏の箱庭
20: 砦の禁忌
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砦本館 1階 玄関ホール
1st Day 15:30-

2階から、茶器を持ったティアードが下りて来る。
■ フェリオ To:ティアード
あ、ティアードちゃん♪

待ち続けていたフェリオ。
嬉しい笑顔で、彼女を迎える。
■ ティアード To:フェリオ
すみません、遅くなって(^^;
後はこれを片付けたら、夕食の準備までお付き合いしますね。

厨房に向かう。
フェリオは、その横に並んで歩いた。
■ フェリオ To:ティアード
な〜に、たいして待ってないよ。
夕食かぁ、美味しい料理を楽しみにしてるね。

■ ティアード To:フェリオ
そう言わてしまうと、頑張らないと(^^)
腕が鳴る――じゃなくて、腕を振るって料理しますから。

倉庫、食堂の前を通り過ぎ、厨房の中へ。

砦本館 1階 食堂
1st Day 15:30-

■ ティアード To:フェリオ
お茶、少し残ってますけど飲みます?

白いティーポットを手に持って見せる。
■ フェリオ To:ティアード
あ、ありがと。
うん、丁度喉が乾いてたんだよ。

■ ティアード To:フェリオ
それでは、どうぞ。

カップになみなみと注ぎ込む。
結構余っていたらしい。

受け取ったそれを、フェリオは一気に飲み干して片付けた。

1st Day 15:50-

お茶の片付けが終わる。
■ ティアード To:フェリオ
さて。
何処から調べます? フェリオ様。

手をエプロンで拭きつつ、ニコっと笑って聞いてくる。
■ フェリオ To:ティアード
そうだなぁ・・・まずはウォル・・・ってあれ?
あの・・・調べるんじゃなくて見学なんだけど・・・?

彼女を、じぃ〜〜〜っと見つめる。

微笑んで、表情を変えないティアード。
■ ティアード To:フェリオ
では、何処から案内しましょうか?

■ フェリオ To:ティアード
(この娘・・・誰かに聞いたのか? フォンか? それともジーク?)
・・・そうだなぁ・・・とりあえずは・・・君の好きな所とかに案内してくれないかな?
俺はここの城の事に詳しくないんでね・・・。

砦内の案内を任せる。
最初は、すぐ近くの会議室から案内しましょう、という事に。

移動前に、もう少し話しをする。
■ フェリオ To:ティアード
そういえば、ティアードちゃんは最近入ったメイドさんらしいけど・・・ここの街の生まれなのかい?

■ ティアード To:フェリオ
ええ…多分。
この街のマーファ神殿で世話になっていました。

■ フェリオ To:ティアード
マーファ神殿かぁ・・・じゃあティアードちゃんも神聖魔法が使えたりするのかな?
あ、俺は一応チャザ神官なんだぜ、こう見えてもさ(^-^)

■ ティアード To:フェリオ
神殿で、といっても預け育てて頂いただけで…。
私にも神の奇跡が使えるなら、こうして使用人はしてないと思います(^^;

■ フェリオ To:ティアード
へぇ・・・そうなんだ。
君なら、慈悲深き大地母神の神官に相応しいと思うけどなぁ・・・。
きっと、そのうち神様の声が聞こえるようになるよ。

■ ティアード To:フェリオ
期待しておきます(^^)

話題を、事件に関わる事に変える。
■ フェリオ To:ティアード
それなりに大きい建物だし・・・メイドさんが二人だときつくないかな??

■ ティアード To:フェリオ
大変ですよ、2人だけだと。
猫の手を借りたいくらい忙しい時もあって。
でも、フェリオ様は心配しなくていいですよ。私達の問題ですから。

■ フェリオ To:ティアード
フォンさんから聞いたんだけど・・・前に働いてた娘・・・コレットだっけ?
いなくなっちゃったらしいね、仕事がきつくて逃げ出しちゃったのかな?

■ ティアード To:フェリオ
コレットの事は良く知りませんが、今は暇を貰ってるみたいです。
そうトーラさんから聞きましたから。
でも……、

何か言いかけたが、話題を変える。
■ ティアード To:フェリオ
あ、それで皆さんは、コレットとお知り合いなんですか?
先程、お茶会の席でもそういう話を聞かれていたみたいなので。

■ フェリオ To:ティアード
別に知り合いって訳じゃないけどさ、そういう話はやっぱり気になるんだよな。
なんたって俺達は冒険者だしさ。

でも・・・暇を貰ってる?
・・・おかしいなぁ、フォンさんは急にいなくなったとか言ってたと思ったんだけど?

■ ティアード To:フェリオ
そうなんですか?
どちらにしても、私が勤め始める前の事なので詳しい事情は知らないんです。
私、3日前ここに来たばかりで。

でも、まさか、コレットに何かあった事をフォンさんから聞いて、調べに来た――。
という訳では無いですよね(笑)

いえ、よく冒険者の方はそういう調査の仕事もすると聞いた事があって。

■ フェリオ To:ティアード
はははっ、俺達は道で困ってたフォンさんを助けたから招待されただけだよ。
それにメイドさんがいなくなったからって、フォンさんが調査する理由がないでしょ?

■ ティアード To:フェリオ
えへへ、そうですよね。

■ フェリオ To:ティアード
・・・まぁ・・・何かヤバイ心当たりでもあるんなら別だろうけどね。
例えば・・・そうだなぁ・・・実はコレットちゃんって娘が誰かに誘拐されたらしくって、その現場を見ちゃった・・・とかね?

それを聞いたティアードは、真剣な顔をした。
声を落として答える。
■ ティアード To:フェリオ
そう。例えば、コレットは見てはいけないものを見てしまった……とか。

フェリオも、真剣な顔になる。
■ フェリオ To:ティアード
見てはいけないもの・・・それは一体?

■ ティアード To:フェリオ
見た者は、この砦から人知れず消える……。
それは――、

間を開けて、
■ ティアード To:フェリオ
トーラさんが、仕事中に欠伸する所とか。

■ フェリオ To:ティアード
ぐぅ・・・そ、それはまぁある意味、確かに見てはいけない禁忌のモノの部類に入りそうだね。
目が合ったら殺されそうなシーンだよな、うん。

■ ティアード To:フェリオ
そうでしょ?
コレットが急に居なくなった原因は、トーラさんだったのでした〜。

楽しそうに言うティアードであった。

砦本館 1階 会議室
1st Day 15:55-

薄暗い部屋の中へと案内される。

中央には、10数人が席に付ける大きな会議机が置かれていた。
一通り眺めると、暖炉や彫像、馬車に描かれていたものと同じ文様の旗。
大きな風景画と人物画が数点、花の生けられていない花瓶等が目に付く。
床は絨毯敷きで、掃除はきちんとされていた。

ティアードが窓のカーテンを開ける。
■ フェリオ To:ティアード
なかなか良い部屋だね、流石はお城の会議室って感じ。
なんでも干ばつ問題とかが大変らしいけど・・・そういうのもここで会議してるのかな?

■ ティアード To:フェリオ
私が来てからは、一度も会議は開かれていないんです(^^;
何を話し合うんでしょうね?

■ フェリオ To:ティアード
さぁ・・・。
もしかしたらメイドさんの働きぶりを議論して給金アップとかの相談をするのかもね(笑)

■ ティアード To:フェリオ
はぁ……。
貴方が御主人様なら良かったのに(^^;

■ フェリオ To:ティアード
はははっ、冒険者として成功して大きなお屋敷でも手に入れたら雇いに来るよ(^-^)

■ ティアード To:フェリオ
あはは(^^)

……なぁんだ、雇い人に変わりはないのか…。

小さな呟きだったが、聞き漏らさない。
■ フェリオ To:ティアード
ん? 雇い人じゃいや?
じゃあ・・・何がご希望なのかな?
ティアードちゃんの希望だったら出来る限りかなえてあげるよ?

■ ティアード To:フェリオ
それ、本気?
だったら、早くお屋敷建ててお迎えに来て欲しいな(^_-)

■ フェリオ To:ティアード
ま、冒険者稼業なんて、いつ、何処で、何があるかわかんないからな。
もしホントにお屋敷建てられたら呼ぶさ。

■ ティアード To:フェリオ
その時は宜しくね(^^)

区切りの付いたところで、聞き込みに移る。
■ フェリオ To:ティアード
あ、そういえば領主さんに挨拶した時に、冒険者がどうとか話してるのが聞こえちゃったんだけど・・・。
俺達のほかに冒険者が宿泊してたりするのかな?
もしかしたら知り合いかもしれないし、居るんだったら会ってみたいんだけどさ。

■ ティアード To:フェリオ
この城には、1人だけしか他には泊まっていませんよ。
アルスさんと言って……、木の下で寝てる人を見かけたと思いますけど。

その話は、もしかすると、ルエナ家が雇ったという冒険者の事かも知れませんね。
そんな噂なら聞いてます。

■ フェリオ To:ティアード
ルエナ家? 初耳だなぁ、何それ?
それと・・・なんでルエナ家ってのは冒険者雇ったのかな?
沼地がどうとかってのも聞こえたんだけど・・・。

■ ティアード To:フェリオ
ネヴィル家と並ぶ、このロスフェルの有力貴族ですよ。
聞いた話だと、南部の湿地帯でしている水路工事の護衛に雇ったとか。
お知り合いなら、会えるといいですね。

■ フェリオ To:ティアード
ふぅん・・・有力貴族同士かぁ・・・仲悪かったりするのかな?

■ ティアード To:フェリオ
私も、貴族同士の事情までは……。

肩をすくめる。
■ フェリオ To:ティアード
それもそだね。
(つまり・・・表面上は問題なしって訳か・・・。
 でも何でネヴィル家とやらがやってる水路工事の報告がここに来るんだ?
 ・・・なんかやってるのか?)

それと・・・水路工事で冒険者の・・・トラブル解決のプロの護衛が必要だなんて。
何か危ない事でもあるのかい?

■ ティアード To:フェリオ
怪物か何かが出るらしいんですけど。
噂ですから本当かどうか……。

■ フェリオ To:ティアード
へぇ? 怪物かぁ・・・。
どんな怪物か知ってる? 言い伝えでも良いからさ(^-^)

首を横に振り、
■ ティアード To:フェリオ
言い伝えでしたら、昔は竜が居たそうですけど。

■ フェリオ To:ティアード
竜かぁ・・・信憑性にかける言い伝えだなぁ(^-^;;

言ったティアードも苦笑した。

1st Day 16:10-

窓の外に目を向けるティアード。
■ ティアード
あ。一雨来るかな?

暗い雲が空を覆い始めていた。
■ ティアード To:フェリオ
あの、すみません。
どうも天気崩れそうなので、洗濯物が心配に。

案内の途中でしたけど……。

そう告げて、退出しようとする。
■ フェリオ To:ティアード
洗濯物を取り込むのかな?
だったら俺も手伝うよ(^-^)

■ ティアード To:フェリオ
では、お願いします。

そして玄関ホールへ。
そこで、
■ アルス To:ティアード
よ。ティアードちゃん元気?

外の散歩から、アルスが戻って来ていた。
■ ティアード To:アルス
アルスさんも手伝って下さい。

挨拶代わりにそう答え、屋上に急ぐティアード。
事情が飲み込めない中、フェリオの姿を見つけたアルスは、その横に並んで付いて来る。
■ アルス To:フェリオ
なぁ、何かあるのか?

■ フェリオ To:アルス
ん〜・・・何でも屋上で無邪気に戯れている白く奇麗な天使達に、上から見下ろしている黒い悪魔の攻撃が今にも加えられそうなのを察知したので、救出する為に上に向かっているようですね。

奇麗な天使達 → 洗われた洗濯物
黒い悪魔 → 雨雲
■ アルス To:フェリオ
何だそりゃ?(汗)

結局、何か面白そうなので付いてくる。

砦本館 屋上 階段室
1st Day 16:20-

1人の少女と、2人の戦士の戦いは終わった。

今3人は、洗濯物の山に埋もれたまま、階段の踊り場肩で息を整えている。
閉ざされた屋上に通じる扉からは、黒い悪魔が暴れる音が響いていた。
■ フェリオ To:ティアード、アルス
いや〜、何とか襲撃をかわせて良かった良かった。

さて、これからどうするの?
運ぶんなら手伝うよ(^-^)

■ ティアード To:フェリオ、アルス
お願いします。はぁ…。
私の部屋――使用人室まで運んで下さい……。

■ フェリオ To:ティアード
おっけー、了解だよ。

■ アルス To:ティアード
……しょうがねぇな。持ってくだけだぜ。

3人は洗濯物を抱え直し、2階の使用人室へ向かった。

砦本館 2階 使用人室(中央の部屋)
1st Day 16:40-

アルスは、物を置くと、さっさと去って行った。
■ ティアード To:フェリオ
あ、そこの上に置いておいて下さい。

4つある寝床の内の1つを示します。
■ フェリオ To:ティアード
はいはい。

洗濯物を置きつつ、部屋の中を見渡す。

大きさは、フェリオ達の割り当てられた部屋とほぼ同一。
窓がある事と、壁に棚が作り付けられている点が違っていた。

4つ置かれた寝床の内、使われているのは奥の2つだけ。
左側はきちんと整理整頓清掃が行われていたが、反対側は、出しっぱなし脱ぎっぱなしで汚れあり。
対照的な状況である。

寝床をじぃ〜っと見つめながら、
■ フェリオ To:ティアード
う、う〜ん・・・どっちがティアードちゃんの寝床かわかんないけど・・・。
トーラさんに見られたら、行方不明になりそうな床が一つあるね。

■ ティアード To:フェリオ
……。
そ、そっち(乱雑な方)がセレンのなんですよ(^^;
もう、駄目だなぁ、彼女ったら。
全然片付けとか出来てなくって、あははっ(汗)

■ フェリオ To:ティアード
へぇ? そうなんだ・・・とすると、こっちの奇麗な方がティアードちゃんのベットなんだね。
俺は最初、てっきり逆かと思ってたよ、はははははははは。

■ ティアード To:フェリオ
笑うと彼女が可哀想ですよ。ぁははは。

引きつった笑い顔。
■ フェリオ To:ティアード
それもそうだね。
ま、トーラさんに見つかる前に直した方が良いよって言っといてあげなよ(^-^)

使われていない寝床の下に、何やら荷物が見えた。

中身の詰まった袋状の荷物には、
「コレ…」(…部以降は、寝床の陰になって見えない)
と文字が書かれた札が付いていた。
■ フェリオ To:ティアード
(ん・・・?コレ・・・コレ・・・コレット・・・か?)
ねぇねぇ、これってなに?

聞きつつ、寝床の下から引き摺り出してみる。
極端に重くも軽くも無い荷物。

札には、「コレットの」と書かれていた。
■ ティアード To:フェリオ
これって?

ああ…、それ。
私が来た時に、セレンが片付けてたみたいだったけど。

■ フェリオ To:ティアード
ふぅん・・・なにが入ってるのかな?

・・・普通、暇を貰って帰る時に荷物を置いていく? おかしいな・・・。
・・・ティアードちゃん、ちょっと開けても良いかな?

■ ティアード To:フェリオ
うん。
「フェリオ様が勝手に開けた」、って事にするからいいよ。

我関与せず。
しかし、少し離れて見ていたり。
■ フェリオ To:ティアード
そう冷たい事言わないでさぁ・・・なにも見なかったって事じゃ駄目?(笑)

ま、とりあえず開けてみるか・・・・・・下着とかだったらどうしよ・・・。

しっかり縛られた口紐に苦労する事数分。袋が開く。

袋の中には、服や日用品といった物が入っていた。
下着もある。

変わったものと言えば、風景や人物の描かれた使い古された羊皮紙が数枚。
コンテ画で、とても丁寧に描かれたものである。
風景は、何処か高い場所からの眺めと思われるものが数点。
人物は、ルドラの絵だと一目で判る物が1枚。
他にも3枚の女性画があったが、誰なのかは分からなかった。
■ ティアード To:フェリオ
あ〜あ。勝手に開けちゃった。

……その絵、何?

■ フェリオ To:ティアード
なんだろなぁ・・・というか誰だろ、これ?
でも、なかなか上手いなぁ。

■ ティアード To:フェリオ
これは、離れのレイアさんみたい。
…この人は……誰だろ?

ティアードは、3枚のうち2枚を見て、そう呟いた。

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