SW-PBeM Scenario #27
twilight garden.
黄昏の箱庭
18: ロスフェル講座
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砦本館 2階 書庫
1st Day 15:30-

文献を読むエレボス。 最初は、砦について書かれたものから。

ロスフェル砦。
この砦が最初に築かれたのは、230年前の事。
最初はこの地方に入植する際の橋頭堡として。そして入植後は治安の維持を役割とする形で運用。
近年は、ロスフェル城に大半の役割を移している。

本館の構造は、
・地上2階、屋上あり。
・地下2階。
尚、詳細は別本「ロスフェル砦設計図一覧」を参照。
別本の「ロスフェル砦設計図一覧」は、書架を探しても見当たらなかった。
続いて、ロスフェル地方についての文献に目を通す。

オランから南西に2日の距離。
平野部が大半を占めるが、南部には湿地帯が広がる。
大きな河川は無いが、地下水が豊富であり、居住地では井戸と地下水路によって水を賄っている。
一部地下水路は古代王国期の物とされる。

オランと辺境地を結ぶ要所として、貿易業が行われているが、その他にも農耕と養蚕が盛んである。

人口は、市街に250名、貧民街に400名。郊外に1800名と推計される。
この文献は、5年前に書かれた物。
書庫にある蔵書は、どれも2年以上前に書かれた物ばかりであった。

廊下から、ヴェアに呼ばれる。
■ ヴェアリアス
エレボスさんいる?入るよ?

手にカップの乗った皿を持ち、入って来るヴェア。
■ ヴェアリアス To:エレボス
どう、はかどってる?

気分転換にお茶をもらってきたけど、ちょっと休憩しない?

■ エレボス To:ヴェアリアス
ありがとう、ちょうど休憩を入れようと思っていた所です。

■ ヴェアリアス To:エレボス
はいどうぞ。熱いから気をつけてね。

ティーカップを渡す。
■ エレボス To:ヴェアリアス
はかどっているとは言えないけど、面白いのは見つけたよ。
これを見て下さい。

■ ヴェアリアス To:エレボス
え、なに?

砦の構造について書かれた箇所を見せる。
■ エレボス To:ヴェアリアス
見てください、ここです。
フォンさんも知らなかったらしいですが地下2階と書いてあるんですよ。
どうも、これを見てから何かが引っかかるんですよ。

ここまで説明してから、お茶を飲む。

ヴェアは本を借りて目を通した。
■ ヴェアリアス To:エレボス
地下2階・・・・。
そういえば、ここって元々は砦なのよね。
ということは戦争の時の仕掛けもあったりするわけね。
たとえば、戦争に負けたときに脱出するための地下通路とか、隠し部屋とか・・・・。
もしかしたら失踪事件になにかしらの関係があるかもしれないわね。

■ エレボス To:ヴェアリアス
脱出を考えると絶対にあると思ったんで、来る途中フォンさんに聞いたんですが。
そこまではフォンさんも知らなかったようで。
しかし、これで隠し部屋があることは解りましたね。

■ ヴェアリアス To:エレボス
エレボスさん、羊皮紙持ってる?
これ書き写しておこうよ。

■ エレボス To:ヴェアリアス
羊皮紙ですか……。
さっき、トーラさんに頼んだんだけど来る気配が無いので部屋に取りに行きます。

■ ヴェアリアス To:エレボス
ごめんなさい、じゃあ、わたしはもう少しここで調べて見るわ・・・。

エレボスは、一旦荷物を置いた部屋に戻る。

砦本館 2階 使用人室(冒険者・男性部屋)

荷物を漁りながら呟く。
■ エレボス
ヴェアの機嫌は直ったみたいだな……。
しかし何故怒っていたんだろう、知らないうちに怒らせるような事をやってしまったんだろうか……。
機嫌が良い時に謝っておくか……。

昨日の朝食の時の事を思い出していた。

砦本館 2階 書庫

ヴェアは、ウォルクライの研究について分からないか調べてみる。
しかし、関係ありそうな文献は見つからなかった。
■ エレボス To:ヴェアリアス
ただいま。
あるだけ持ってきましたので、必要なだけ使ってください。

では、続きをはじめましょうか……。

ヴェアは、50年程前に書かれた古書を手に取る。
それは、ロスフェルの歴史年表であった。

-230入埴開始
 開発を指揮した者の名を取って、ロスフォード地方と呼ばれる
-220古代王国期の地下水路が発見される
-215付近の妖魔や害獣の討伐が一段落
-200領主交代。ロスフォード家 → ノース家
 地名がロスフェルに改名
-195大干ばつ
-185マーファ神殿建立
-180水利権を巡る騒動勃発
-176ノース家 → ルエナ家
-169地下水路網整備
-158養蚕が盛んになる
-140ロスフェル城建立
-132南部湿地帯で怪物掃討戦
-126ルエナ家 → ネヴィル家
-123記録的な猛暑
-120疫病発生
-116大地震
-113幻獣襲来
-111ロスフェル城改修
-102地下遺跡発見
-095"闇"事件
-082ネヴィル家 → ロスフォード家
-081ロスフォード家 → ネヴィル家
-073大干ばつ
-064南部湿地帯で怪物掃討戦
-056市街で大火
-052地下水位の低下
欠損した頁を除き、以上の情報が得られる。
■ ヴェアリアス To:エレボス
エレボスさん、これ見てくれる?
この城の歴史みたいなんだけど、何か気になることを書いてると思わない?
わかるだけでも書き写しておこうか?

■ エレボス To:ヴェアリアス
お家騒動を以外では、地下水位の低下ぐらいですかね。

お家騒動は何処にでもある事ですね。
今回の事件も領主になりたいと思ったアルスが起こした事かもしれません。
ただコレットさんを殺したのなら、死体はすぐに見つかる場所に放置しておいた方がルドラさんを失脚させやすいと思うので、お家騒動の確立は低いですね。

地下水位の低下の方は、ウォルクライさんに関る事かも知れません。
さっき気が付いたんですが、砦の堀に水は張られていなかったんですよ。
これは、行為に空堀にしてあるか、水を張れない理由があると思うんです。
しかしこの年表を見たら後者の方になると思いますね……。
そう考えると、広大な農地があることで知られているロスフェルで、ウォルクライさんが穀物の収穫を増やす研究をしている理由がはっきりします。

先の調査結果に合わせ、年表も書き写しておく。

書き写している間、ヴェアは屋上の事やお茶の席の話をエレボスに伝えた。
コレットについて、トーラは話すことをひかえている事や、ウォルクライの話である。

1st Day 16:20-

調査を続けていると、窓の外が暗くなり激しい夕立が降り始めた。
ヴェアは、雨音を聞いて顔を本から上げる。
■ ヴェアリアス
・・・・・そういえば、ジークさんたち買い物に出てたよね。
大丈夫かな・・?

10分ほどで降りは弱くなり、15分もすれば晴れ間が戻った。

1st Day 16:40-

調査と書き写しを一通り終えて。
■ ヴェアリアス To:エレボス
これで写すのは全部かな。

■ エレボス To:ヴェアリアス
これで終わりですね。
机が無いから汚い字ですが、読めれば大丈夫ですよね(^^;;;

■ ヴェアリアス To:エレボス
じゃあ、わたしはこの食器返してくるね。

ティーカップを持って、ヴェアが立つ。
■ エレボス To:ヴェアリアス
あ、食器なら私が返しに行きましょうか?

■ ヴェアリアス To:エレボス
気にしないでいいよ、エレボスさんはここで調べものを続けてて。

そう言い残して、ヴェアは書庫を出ていった。

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Game Master 神楽kagra@na.rim.or.jp