SW-PBeM Scenario #27
twilight garden.
黄昏の箱庭
14: 最後の手段
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砦本館 2階 廊下
1st Day 14:50-

ヴェアとアルトは砦本館内を散策し始めた。

2階を歩いていて、自由に出入りできそうな部屋は書庫だけ。
他の部屋は、全て扉が閉じられており、中を伺う事が出来なかった。
精霊力の異常も感じられない。

収穫は、寝室の扉だけが他と比べて豪華な造りであるのに気付いた程度。
■ アルト To:ヴェアリアス
ふぅん……どうも見たところ、此処が領主の部屋らしいね。

扉を観察するアルト。
■ ヴェアリアス To:アルト
みたいね。
領主さんの寝室って事は、あのアルスさんもここに寝てるのかな?

■ アルト To:ヴェアリアス
んー…此処にはたまにしか来ないって言ってたし、多分私たちの隣の客室にでも泊まってんじゃないかな?

寝室の前から離れ、廊下を歩いていると、上に向かう階段が目に付く。
■ アルト To:ヴェアリアス
ん……? どうやら、屋上があるみたいだね。
この高さからだったらちょうど砦全体が見渡せそうだし、ちょいと上がってみないかい? ヴェア。

■ ヴェアリアス To:アルト
そうね。上がってみようか?
この砦の配置もわかると思うし、それにきっと遠くまで見えると思うよ。

二人は階段を上がる事にした。

砦本館 屋上
1st Day 14:55-

階段を上ると、扉が 2つある踊り場に出た。
1つは頑丈そうな鍵で施錠された扉。
もう 1つの扉は開いていて、屋上と空がそこから見える。

開いている扉を潜り、二人は屋上に出る。


屋上では、使用人の娘が洗濯物を干していた。
容姿から、彼女がセレンだと分かる。

洗濯物を粗方干し終わったセレンが、腰を叩く。
上がって来た二人には気付いていなかった。
■ アルト To:セレン
っと……どうやら先客がいるみたいだね。

こんにちは、ちょいとお邪魔するよ(^^)
えーと、初めまして、だよね?
私の名前はアルト。今日から少しの間、仲間と一緒にこの砦に厄介になる事になったんで、よろしく。

■ セレン To:アルト
フォンさんの馬車で来た人…ですよね。

泊まりのお客様でしたか(^^) こんにちは。
自分は、見ての通りの使用人で、セレンと言います。

ヴェアが、アルトの陰から姿を現わす。
■ ヴェアリアス To:セレン
ヴェアリアス・ファレリーです(^-^)
お世話になります。

■ セレン To:アルト、ヴェアリアス
何かお世話できる事があれば、遠慮無くどうぞ(^^

挨拶を返すと、セレンは残りの干し物に手を付けた。

屋上にある物といえば、洗濯物を干す為の紐とその支柱。
そして、踊り場で見た鍵付の扉から入ると思われる、窓も何も無い小部屋。

又、屋上の縁、玄関ホールがある付近にだけは手摺が設けられていた。
その手摺に近寄るアルトとヴェア。


アルトは、ヴェアの隣で中庭に誰か居ないかを確認する。
人の姿は、門の付近にバスクの姿があるだけ。
後は、馬車が厩舎の横に移っていたのが目に付く。
■ ヴェアリアス To:アルト
ふわぁ、高いね。

ヴェアは手摺から少し身を乗り出し、風になびく髪を抑えながら景色を楽しんだ。

噂の城跡が見えないかと中央街の方向を見たが、ごちゃごちゃしていてよく分からない。
■ ヴェアリアス To:アルト
あ。あそこがわたしたちが来た街道じゃない?
こう見るとけっこう遠いのね。
・・・・うーん、やっぱりオランの街は見えないかなぁ。

手摺りから真下を覗き込むアルト。
■ アルト To:ヴェアリアス
………結構高いねぇ。
ヴェア、あんまり端に寄ると危ないから気を付け――

パキ…
■ ヴェアリアス To:アルト
うん・・・・アルトさんも気をつけ

言った傍から、アルトが手を掛けていた手摺の一部が、根元から折れた。
外に倒れかける彼女の身体。
■ ヴェアリアス To:アルト
て、ってアルトさぁん!!

慌てて駆け寄るヴェア。
■ アルト
―――――をわぁぁぁっ!! ……っっとととと…………。

反応が一瞬遅れたものの、手摺と一緒に落ちる事は免れる。
■ ヴェアリアス To:アルト
っと、とと☆・・・・ふぅ。

ヴェアはアルトの身体に抱きついて、落下しかけるのを止めた。
■ アルト To:ヴェアリアス
………………き、気を付けないと、こんな風になるよ……………。

■ ヴェアリアス To:アルト
う、うん(^^;;
それよりもアルトさん、怪我はない?

■ アルト To:ヴェアリアス
あ…うん、大丈夫。

………ヴェアのお陰だね(^^)
やっぱりヴェアは頼りになるよ♪

命の恩人…と目を輝かせ、アルトはヴェアを見た。

1st Day 14:58-

階段を誰かが上がって来た。
見ると、手に小包を持ったティアードである。
■ アルト To:ティアード
あれ…………確かティアード…だっけ?
ジークとデー…………あ、いや、その(^^;
…お使いにはこれから?

■ ティアード To:アルト
はい。これから、彼女が。

セレンを見るティアード。
■ ティアード To:アルト
セレン、急ぎの用だけどいいかな? トーラさんのご指名なんだけど。

ティアードはセレンを呼び、包みを渡して伝言を伝える。
■ アルト
(ありゃ……ジークの奴、可哀想に…(^^;;)

手伝う事が無いのを確かめて、ティアードはアルトとヴェアにも声を掛ける。
■ ティアード To:ヴェア、アルト
私達は下に降りますけど、まだここに居ますか?

■ アルト To:ヴェアリアス
そうだねぇ…。
眺めも十分堪能したことだし、私達もそろそろ下に降りるとしようか、ヴェア。

■ ヴェアリアス To:アルト
そうね、眺めもよかったし、降りますか♪

4人は、揃って屋上を去った。

砦本館 2階 廊下
1st Day 15:02-

トーラと出会う。
彼女は、手に茶器を乗せた盆を持っていた。
その後ろには、エデンも一緒である。
■ ヴェアリアス To:トーラ
あ・・・こ、こんにちは(^^;;

"しまった"という顔をするヴェア。
■ アルト (心の悲鳴)
(うぁ………また会っちゃったよ(^^;;)

さり気なく、ヴェアの背後に隠れるアルト。

トーラは、そんな二人の客人に尋ねてくる。
■ トーラ To:ヴェアリアス、アルト
お茶を用意しました。
そこの談話室で、御一緒にどうですか?

■ アルト
(御一緒に…………? うぅ、出来れば遠慮したい………)

■ ヴェアリアス To:トーラ
え、お茶?

お茶と聞いて喜ぶヴェア。
ティアードも、トーラの手にあるお茶の用意を見て、その場に立ち止まる。

セレンだけは、小包を持ってジークの待つ部屋へと急いで行った。


返事を迫られるアルト。
■ アルト
(……どうやらヴェアはお茶会に行く気みたいだね……。
 仕方がない、こうなったら最後の手段を……

―――うっ……(よろり)

突然、ヴェアにふらりと倒れ掛かる。
■ アルト To:ヴェアリアス
ん……あ、あぁ、ヴェアごめんよ…。
どうやら、さっきの乗り物酔いがまだ少し残ってるみたいでね……。

……悪いけど、少し外の空気を吸ってくるから、ヴェアは先にお茶に招待されててくれるかい?

■ ヴェアリアス To:アルト
え、あ、大丈夫?
わたしもついて行こうか?

■ アルト To:ヴェアリアス
あ、し、心配はいらないよ。少し休んでくるだけだから…。
そ、それじゃまた後でね!(^^;;;

言うが早いか、即その場を逃げ去る。
■ ヴェアリアス
(まさか・・・アルトさーん。ひとりにしないでーかむばーっくぅぅ(T_T))

■ トーラ To:ヴェアリアス
彼女、お茶が嫌いなのでしょうか?
乗り物酔いとは別の事情がありそうですが…。

トーラの方に向き直るヴェア。
■ ヴェアリアス To:トーラ
・・・・・・・・・・・・・・・。
あ、あの、わたしひとりでもよかったらご一緒させてください(^^;;

愛想笑いで承諾し、ヴェアはトーラ達と談話室へと向かった。

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Game Master 神楽kagra@na.rim.or.jp