Sword World PBM #25

「天使のつるぎ」








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リーゼルの家

 小一時間ほどして、バスケットに入ったパンを持った女性が部屋に入ってきた。 彼女はリーゼルの妻のミァンだと名乗りテーブルにバスケットを置く。
 それから、さっき入り口で会ったルァンだ。どうやらリーゼルの娘らしい。何 が楽しいのか知らないがとにかく楽しそうに、皆の前に食器を並べている。
■ノエル To:ルァン
 あら、楽しそうねぇ。
 イェルクおねぇちゃんと一緒にお食事できてうれしい?

■ルァン To:ノエル
 うん、楽しいよ!!
 ノエルにも食器あげるね。はい。

■ノエル To:ルァン
 はい、ありがとう(^^)

 イェルクは、その後ろから、ルァンとお揃いのエプロンを付けさせられて少し ばつが悪そうに鍋を運んできた。
■ノエル To:イェルク
 そのエプロン、おそろいで似合ってるじゃない。
 鍋の中身は何かしら?

■イェルク To:ノエル
 材料がなかったから………シチュー………

 イェルクが鍋を開けると、暖かい湯気と共にチキンスープの匂いが立ち上った。
 野菜や鶏肉をホワイトソースで煮込んだだけのものだが、結構おいしそうだ。
■ソフィティア To:料理人?
 うわぁ、すっごく美味しそう。手伝いますね。

 食器を並べたり手伝い始める。
■アフル To:ソフィティア
 あ、俺も手伝うよ。

 すかさずアフルも手伝い始めた。
■ノエル To:イェルク
 いい匂いね・・・材料がないなんてとんでもない。
 食べるのが楽しみ(^^)

 ノエルは表面上にこやかにしつつ、ルァン達が楽しげに食事の準備をしている 様を見ている。手伝い始めたアフルとソフィティアを見て、この二人もお揃いの エプロンが欲しいかな、とも。
 だが、内心はこれから起ることを考えて気が重くなっているようだ。
■リーゼル To:ALL
 では、食事にするか。

■オジイ(独り言かな)
 いただきます。  むぐ。むぐ。
 むしゃ。むしゃ。
 はむ。はむ。
 ごく。ごく。
 いやあ、うまいですねえ。

 オジイはあっという間に食べ終わってしまった。
■オジイ To:ALL
 ども、リーゼルさん、ミァンさん、ルァンちゃん、イェルクごちそうさま。
 美味しかったです。

■ソフィティア To:心の声
 オジイったらあいかわらずすごいたべっぷりよねぇ。  とても真似できないや(ブツブツ)

 全くどうでもいいことに感心している。
■アトール To:all
 ずっと保存食ばかりだったから、こんなに美味しい物が食べられたなんて ラッキーだったな。
 ほんと美味しかったよ。ごちそうさま。

■ノエル To:ALL
 ごちそうさま・・・

 ノエルの皿にはまだシチューが残っている。元々小食な上に気分が重くて食べ きれないらしい。
■ソフィティア To:エルフの皆さん+イェルク
 ホント美味しかったわ。何日ぶりかしら普通にご飯をたべるなんて。

 なんだかんだ言いつつ、ソフィティアはしっかり食べている。
リーゼルの家

 食事が終わり―――
■ノエル To:イェルク
 ところで、例のヴィーザを倒すための剣、そろそろ見せてもらえない?

■アトール To:イェルク
 そういや、まだ見せてもらってないな。

■イェルク To:ALL
 うん。

 素直にうなずくと、イェルクは剣を取り出し、ゆっくりと鞘から抜いた。
 うっすらとした輝きのようなものとともに、長剣と呼ぶにもさほど長くもない 刃が姿を現す。
■イェルク To:ALL
 これが………『剣』だ。

■アフル To:イェルク
 へぇー…、ちょっと持ってみても良い?

■イェルク To:アフル
 どうぞ。

 剣を受け取る。アフルにも使えそうなくらいの手頃なサイズ だ。だが、かつてかなり過激な使い方をされたのか、刃自体がかなり痛んでいる ように感じられる。それこそ、そこいらの武器屋に売っている剣の方が出来がい いくらいだ。魔法の武器は、普通の武器に比べて軽く強靱だと言われるが、持っ てみた感じではさほど軽いとも思わない。
 ただ、精霊使いのアフルには、剣に、蠢くような強い精霊力を感じられた。
■アフル To:イェルク
これなら俺にも扱えそうだけど…、思ったよりかなり痛んでるなぁ。
あ、そうだ、ヴィーザの力を押さえてる間っ 必要だったら、この剣で切り付けるのって無理のような気がするけど(^^;;

■ノエル To:ウィードバル
 ねぇ・・・これだけ魔神って書いてあると言うことは、ヴィーザって・・・やっぱり精霊力のかたまりのような魔神なのよ ね?
 学院で調べたときに、そんなの見つけた記憶ない?

■ウィード To:ノエル
 精霊力のかたまりのような魔神?
 魔精霊か…聞いた事がないな。

■ソフィティア To:イェルク
 ふぅん、かなり痛んでるんだ。後でわたしにもみせて。

■イェルク To:ソフィティア
 はい。

 ソフィティアの見立てでも、やはりかなり痛んでいるように見える。冒険者に なる前は武器屋の娘だったソフィティアの目には、はっきり言って売り物になら ないレベルのなまくらにしか見えない。元はかなりの名剣だったかもしれないが、 今となってはただの刃のついた棒だ。
■ソフィティア To:ALL
 ここまで痛んでると、折れるまでに何回か切りつけられるか分からないわ(^^;  何時でも武器を交換できるようにして使わないとね。

■ノエル To:イェルク&リーゼル
 さっき話していたときには、剣でヴィーザの結界をつぶせば普通の武器や魔 法も通じるかもしれないと言っていましたよね。
 それってどうやるのかしら?かすり傷一つでも負わせるとか、持って何か念 じるとか、いろいろあるでしょう?

■イェルク To:ノエル
 切りつけるだけでいいはずだ。

■ノエル To:イェルク
 ヴィーザにあたればいいってことよね?

■イェルク To:ノエル
 ………のはずだ。

 イェルクは少し自信なさげな様子だが、頷いた。
■ソフィティア To:ALL
 ところで、その時になったら「これ」だれがもつ?

■オジイ To:ソフィティア and ALL
 アフルかソフィか自分ですよね。
 宝珠でヴィーザの魔法を封じているときに、ほかのもの、たとえばアフルが精霊 の魔法が使えるのか使えないのかってこと、わかりますか。
 それによっても持つ人間は変わるような気がしますし。
 もし、使えないのならアフル、使えるのならソフィが最適のような気がしますね え。

■イェルク To:オジイ
 魔法は、たぶん使えると思う。

■ソフィティア To:ALL
 だったら、私が使うのがよさそうね。

■オジイ To:ソフィティア
 じゃあ、ソフィ。シールドを貸しておくよ。どのみちメースは両手持ちするつも りだし。

■ソフィティア To:オジイ
 シールドか、ふだん使ってないけど使ってみようかな……。ただ、なれてない 道具だし、しっくりこなかったら落としちゃうけどいいの?

 ソフィティアは普段盾を使わない。守りより攻撃を重視しているのだ。
■ウィード To:イェルク
精霊魔法だけでなく暗黒魔法も封印できるのか?
もしそうなら魔力対抗魔法はいらない事になる。
防御の魔法をかけれるだけかけてから俺も剣を抜く。

■イェルク To:ウィード
 暗黒魔法は封じられない。だから暗黒魔法は警戒しておかないといけない。

■ウィード To:イェルク
 そうか…。
 なら魔力対抗魔法と防御の魔法が必要だな。

■イェルク To:ウィード
 そうか、古代語魔術にはそんな魔法があるのか。それは助かる。

■アトール To:all
まとめるとこんな感じなのかな?
 イェルクが宝珠でヴィーザの力を抑えて、ソフィーがその剣でヴィーザの 結界を破る。
 後は、暗黒魔法と使い魔に気をつけながら直接攻撃でタコ殴り。
 ・・・と言うことか?

■ウィード To:ノエル
そうだな。
だが…
前線に出る人全員には二つの魔法をかけるには精神力が持たない。
ノエルにはトランスファーで援助してほしいな。
それとも、二つの魔法を2人でそれぞれ1つずつかける方がいいか?

■アトール To:ウィード
それなら、俺がトランスファーした方が良いだろう。
 まだまだ修行の身だけど、魔法使いの手助けにはなると思うぞ。

■ウィード To:アトール
 じゃあそうさせてもらうよ。

■アフル To:ALL
俺は前に出る人全員にファナティシズムを掛けた方が良いかな?
 敵の攻撃はよけにくくなるけど、向こうが一人だけなら有効だと思うんだけど… 。

■オジイ To:アフル
 そうですね。オジイにはかけて貰いたいですね。相手が一人ならかなり有効です よ。
 ただ、それよりも可能なら使い魔を倒すのをアフルに引き受けて貰いたいですね 。

■ウィード To:ALL
 そうだ。ヴィーザが魔法のかかった武器でしか傷つかない可能性があるな。  エンチャントを忘れずにかけなきゃな。

リーゼルの家

■イェルク To:ALL
 これからどうしよう?やはり長老に会っておきたいか?

■ノエル To:イェルク
 説得できるなら会って話したほうがいいとは相談していたんだけどね。まだ 結論が出たわけじゃ・・・

■イェルク To:ノエル
 ………俺は…正直言って説得する自信はない………

■ソフィティア To:イェルク
 そうは言っても、勝手に我々だけで決めて良いものかどうか。 もし、勝手にやったりしたら、それこそ人間とフェザーフォルク と人間の間に問題が起こるんじゃないかしら?  せめて、話すだけでも話しておいたほうが言いと思うわ。イェルク さんが私たちを連れてくることもみんなしらないんでしょ?

■ウィード To:イェルク
イェルクが弱気になってどうするんだ。
これはあんたの村の問題だろ?
俺達は全力でバックアップする。だから、もっと自信を持てよ。
いつまでもそんな気持ちじゃだめだぞ。

■ノエル To:ソフィティア
 それはラザって人が長老にぐらいは話していると思うけど。
 ただ、変に誤解されて伝えられても困るし、勝手に封印を解いてから行った ら・・・
 イェルクさんの立場ってのもあるしね

■アトール To:イェルク
 長老を説得する自身は無くても、説得する必要はあると思っているんだろう?

■イェルク To:アトール
 ………説得できるなら…でも説得できないなら………

 
■オジイ To:イェルク
 確かに説得するのは難しいかもしれないですね。
しかしながら、彼らに危害が及ぶ状況であることを考えると消極的ではあっても賛 成して貰いたいもんですよねえ。
一度会いに行っても良いのではないでしょうか。
行く場合には、その際の説得の方法を考えないといけないですけどね。
あ、あと、こうなったからには封印の場所は誰かが見張っているかもしれないです し………。

■イェルク To:オジイ
 ………うん………

■ノエル To:オジイ
 誰か見張っているというのはあるかもしれないわね。
 でも、先に自分の目で封印を確認してから行くのもいいかもしれない。
 自分で見たら、話を聞いただけでは気がつかなかったことも出てくるだろう し、説得する材料になるかもしれないでしょう。

■ウィード To:ノエル
そうだな。判断材料は多いに超したとはない。
行った方がよいと思うぜ。

■オジイ To:イェルク
 で、もし、会いに行く場合ならば、長老を説得する際に、封印がどれくらい弱ま っているかということを説明しなければいけないと思うんですよ。イェルクが思う に封印が弱まっている兆候は、インプがでてきたこと以外何かありますか。

■イェルク To:オジイ
 ………俺にしかわからない兆候ならいくらでもあるが………誰にでも分かるよ うな兆候となると難しいな………

■ノエル To:イェルク
 イェルクさんにしかわからないって・・・なぜ?
 とにかく私たちにわからないことでも言ってみてもらえない?

■イェルク To:ノエル
 え………俺は触れるだけでも宝珠の状態もある程度分かるし、宝珠の方から力 が弱っていると訴えかけてくる。………でもそれでは説明にならない。

■ウィード To:イェルク
だが封印が弱まっているなら、洞窟に近づけば俺達でも気づく事があるかもしれ ない。
ヴィーザの脈動のようなものがさ。

■アフル To:イェルク
あ、そうだ。
さっき、普段なら、その洞窟にはは入れないけど、今なら入れるかもしれないって 言ってたよね。
その事を長老さん達も知ってるなら、実際に入れるってことを示せば良いんじゃな いかな?

■ノエル To:アフル
 本当に入れるかどうか試すのも悪くないわね。封印の中に入ったとたん黒こ げにされるのはいやだから、外から見て近くにヴィーザがいないとわかるよう なら、かしら。

■イェルク To:アフル&ノエル
 なるほど………それならば、封印が弱まっていることの証明になるかもしれな いな。

■オジイ To:イェルク and all
 そうですか。うーん。
 となると、どうしましょうか………。

■ノエル To:オジイ&ALL
 まず、封印の洞窟に行ってみる。それから封印の状況を自分達の目で確認し てイェルクさんの村に行く。ということでどうかしら。
 どちらにせよ、封印の洞窟はここからイェルクさんの村に行く途中にあるの でしょう?なら、寄り道してもさほど遠回りにはならないはずだわ。
 そこで状況を見て説得できる材料がないとなれば、また考え直さなくてはな らな「かもしれないけど。

■オジイ To:ノエル&ALL
 ええ、良いですねえ。ではまず封印の洞窟を見に行きますか。
………。
さてと。

 ここで、オジイは何かを決心したようにイェルクの目を正面から見た。
■イェルク To:オジイ
 ?

 少しきょとんとした表情で、イェルクは首を傾げる。
■オジイ To:イェルク&ALL
 イェルクちょっと話があるんだ。外へでませんか。

■イェルク To:オジイ
 どうした?ここでは出来ない話なのか?
 ………まぁ…構わないが。

■ノエル To:イェルク
 あら。デートのお誘いじゃない。よかったわね〜

■イェルク To:ノエル
 ………ま、まぁ何でもいいんだが………

■オジイ To:ノエル&ALL
 いやあ、ばれましたか。

 といいながらも、オジイは緊張しているようである。
■ノエル To:オジイ
 二人でゆっくり楽しんでいらっしゃい・・。って言いたいけど、そうはいか ないわよ。
 何かあるかもしれないし、野次馬で(^^;;ついて行かせてもらうわよ。

■アトール To:オジイ
というわけで、俺もお邪魔しま〜す(^^;

■オジイ To:ALL
 じゃあ、ちょっと星でも見にいきますか。

■アフル To:オジイ
あ、俺は邪魔しないから(^^)。

 と言いつつも、面倒事を押しつけたことを目で謝っている。
 そう、オジイがこれからしようとしていることは、面倒なことなのだ。


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ゆな<juna@juna.net>