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Sword World PBM #25
「天使のつるぎ」 | ||
| 来訪者 |
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野営地 |
なにやら険悪なムードである。
険悪なムードを制止しようと、アトールが口を開いた。
■アトール To:all (共通語) |
おいおい、まてまてって。 ウィードもノエルも、相手の話も聞かずにどんどん話を一方向に進めるのは良くないぞ(^^;; もう少しイェルクとラザから、村の状況やこれまでの経緯を聞いてから推論や行動の選択肢をあげるようにしようぜ。 |
■ウィード To:アトール (共通語) |
あぁ、すまない。少し結論を急ぎすぎたようだ。 とりあえず、あいつの相手はアトールに任せるよ。 |
■アトール To:ラザ (東方語) |
あなたの察したとおり、俺達はイェルクに連れられてはるばるこんな山奥までやってきたんだ。 理由は想像できると思うが、どうかな? |
アトールの問いに対して、ラザはしばらくこちらをじっと見つめて黙っている。真意を探ろうとしているのか、他の意味があるのか。
そして、ラザは再びにやにやした笑みを戻しながら答えた。
■ラザ To:アトール (東方語) |
つまり………イェルクに頼まれて、ヴィーザを倒しに来た助っ人ってわけか? |
■オジイ To:ラザ (東方語) |
そういうことになりますねえ。 |
オジイが頷くが、ラザはわざとらしく肩をすくめてみせる。
■ラザ To:アトール (東方語) |
さて………どうだか……… |
■ウィード To:ALL (共通語) |
お互いに相手を信用していないって訳だ。 |
ウィードはイェルクとラザの方を少し見やり、考え込むような仕草を取った。
■ノエル To:ラザ (東方語) |
私たち、ずいぶんと信用されていないみたいですね。 役に立たつわけがないとでもいいたそうですけど。あるいは私たちが村に害をなすとでも?それともイェルクさんが自分ではなく人間を頼りにしているのが面白くない? |
■ラザ To:ノエル (東方語) |
………害をなさないという証拠はないだろ? だいたいイェルクが誰を頼るという問題じゃない、こいつはただ封印を守っていればいいんだ。それ以上のことは求めていないし、許してもいないさ。 |
小馬鹿にしたような口調で、ラザは答えた。こう答えるのがさも当然とでも言いたげである。
■アトール To:独り言 (共通語) |
イェルクは村の中で、封印を守る役割を命じられている訳か。 |
■ノエル To:ラザ (東方語) |
できれば、今現在の状況を詳しく教えていただけないでしょうか。 あなた達自身の力でなんとかできそうだと思える説明がいただけたらこのまま引き下がることも考えますが、そう思えなければ・・・ 必ず村にお伺いします。 |
ノエルの発言に呼応して、黙ったまま、オジイは一歩踏み出した。
しかし、その腕をイェルクが掴んで引き留める。
■イェルク To:オジイ (共通語) |
………駄目だ。ラザは長老に次ぐ使い手だ、ただでは済まなくなる……… |
きゅっと額にしわを寄せてオジイを見上げている。
オジイがそれ以上動かないのを確認して手を離すと、イェルクはラザの方へと向いた。
■イェルク To:ラザ (東方語) |
ラザ、後で長老のところに伺います。今は退いて下さい。 |
■ラザ To:ALL |
……… |
ラザは、無言で一行を見回した。
■アトール To:イェルク (共通語) |
その前に、イェルク。 お前も俺達に話してないことが多そうだな? ラザの話を聞く限り、長老をはじめ村のみんなはヴィーザを倒すことには反対してるみたいじゃないか。 ・・・というより、イェルクの独断で今回のことを決めたとしか思えないぞ。 どうなんだ? |
■イェルク To:アトール (共通語) |
………そうだ、俺の独断だ。連中は誰一人として信じてはくれなかった。 |
イェルクは視線を伏せ、やや小さな声で答える。
■アトール To:イェルク&ラザ (東方語) |
長老や村のみんなには、使い魔の話も含めて封印が弱まっている話をしたんだろ? ラザの話を聞く限り、俺達人間が来たことを拒んでいると言うより、ヴィーザを倒す行為に対して反対している様に聞こえるぞ。 封印が弱まっているのが明らかにわかっているのに、何でヴィーザを倒すことに反対するんだ? |
■ラザ To:アトール (東方語) |
明らかにわかっている、か。だがそれは、イェルクが言っているだけだぜ。なにしろ、封印の宝珠を扱えるのはこいつだけだからな。妖魔が出てきたからって、今すぐヴィーザが出てくるとは限らないだろ? こっちから乗り込むってことは、封印を解くってことだ。イェルクの『剣』も持っていつもりだろ? ───あんたらが負けて剣を奪われたら、それこそ手に負えなくなるんだぜ。 |
■オジイ To:ラザ (東方語) |
確かにあなた方の考え方からするとそうかもしれませんねえ。 しかしですよ、ラザさん、もし封印が破られたらどのようなことになるんです。 たとえば、最初にねらわれるのは誰なんです。 イェルクさんが自分の身を守る必要にかられるのもしかしたら当然のことじゃないんでしょうか。 まあ、このあたりのことも含めてあなたがたの長老も交えてお話させていただきたいのですが如何でしょうか。 |
■ノエル To:ラザ (東方語) |
ちょっと・・・待って下さい。 あなたはイェルクさんに封印を守るだけでいい。それ以外のことは求めないと言いましたね?そのイェルクさんが自分一人では封印を守ることができないと感じたからあなた達にまず相談したのでしょう? そのときに、何か封印を強化するとか、そういう対策は話し合われなかったのですか? ただ今すぐヴィーザが出てくるとは限らないという理由だけで何もしないことにしたのだったら、単なる問題の先送りに過ぎないと思います。 それに、封印を守るのはイェルクさんの努め、封印の宝珠を扱えるのもイェルクさんだけ、といいましたね?それなら、なぜ彼女の言うことを信じないのですか?封印が弱まっている事実はないと、はっきり言える人が他にいるのですか? |
しかし、ラザは、ふんと鼻を鳴らし取り合わない。
■ラザ To:ノエル (東方語) |
こいつが信用できれば、な。だが、代々エルフとなれ合っているような奴だ。真意はどうだか。 |
■ウィード To:ラザ (東方語) |
ふぅ… イェルクが信用できない。だからイェルクが連れてきた俺達も信用できない…か。 分かりやすい理屈だが、まるで幼児だな…(`´) |
■オジイ To:ラザ (東方語) |
エルフとなれ合うと何かまずいことでもあるんですか。 |
■ラザ To:オジイ (東方語) |
さあな。人間には関係ない話だ。 |
ラザは、話す気がないとでも言いたげに手を広げてみせた。
■アトール To:ラザ (東方語) |
イェルクを信用しないのはそちらの問題だから構わないけど、それと現在の封印状態の確認とは別問題だろ? イェルクが「封印が弱まっている」って言って信用できないから封印は大丈夫、っていう理論は成り立たないぞ。 もう一度聞くけど、封印が弱まっていないと言い切れる人物が他にいるのか? |
■ラザ To:アトール (東方語) |
もちろん、弱まっていないと言い切れる奴もいないさ。弱まっていると言い切れる奴もな。 |
■アトール To:ラザ (東方語) |
ふーん。じゃあ、弱まってる可能性を否定できるわけじゃないんだな。 |
■ノエル(心の中) |
封印が解けるって言っても信用しないわけね。信用できないからって、なにも助けようとしない。 そしていざ封印が解けてしまったら、全部イェルクさんに責任とらせようってことよね。おまえが仕事をしないからだとか言って・・・自分達のことは棚に上げて・・・(-_-# |
■ソフィティア To:ALL(共通語) |
このままじゃ埒があかないわね。とにかくイェルクさんと一緒にその長老とかいう人(?)に会って、はじめから話を聞いてみましょうよ。 イェルクさんが村を出てから時間も経ってるし、ラザ(もう呼び捨て:笑)が言う分にはイェルクさんでしか解らないんでしょ?封印のこと。まさか今にも封印が解ける状態になってまで日和を決め込むとは思わないし。 |
■ウィード(独り言) |
長老とラザ、頭の硬さでいい勝負だったりするんだろうな、きっと…。 |
ウィードの独り言は誰にも聞こえなかった。
■ノエル To:ソフィー (共通語) |
そのほうがいいと思うけど・・・ 封印が解けそうな状態ってのもイェルクさん以外の人にわからないなら、危機感なんて全然持ってもらえないわよ。 まぁ、言ってみるけど |
■ソフィティア To:ウィード、ノエル |
はぁ、先が思いやられるわね。どうなっちゃうのかしら、いったい(^^; |
■ノエル To:ラザ (東方語) |
その長老という人に会ってからもう一度お話ししたいのですけどよろしいでしょうか。 封印を解くために行くというのではなく、封印の状況を見て対策が必要なら考えると言うことで、どうでしょう? |
ノエルの提案にも、ラザはふんと鼻を鳴らしただけだった。だが、これ以上話しても無駄だと思ったらしい。わざとらしく手を広げながら言う。
■ラザ To:ノエル (東方語) |
勝手にしろ。 |
■ラザ To:イェルク (東方語) |
俺は帰るぞ。お前は人間どもと仲良く地べたをのろのろ歩いてくるんだな。 |
ラザが、イェルクに向けた指を、地面に向けながら言った。イェルクは小さく頷きながら答える。
■イェルク To:ラザ (東方語) |
………はい。 |
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