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Sword World PBM #25
「天使のつるぎ」 | ||
| 魔術師たちの憂鬱 |
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魔術師ギルド |
調査結果は以下の通りだ。
■ウィード |
強力な魔物を飼っていた古代の魔術師について。 これについてはすぐに結論が出た。単純明快な結論である。 そのような魔術師は「いた」。たくさん。 古代においては、強力な魔物を従えることは日常的なことですらあり、魔獣な どの合成生物・ゴーレムのような人工生命体を飼っていた魔術師は、現在文献が 残されているだけでも数千を下らない。 もちろん、それらの文献全てを読むことなどできるはずもなかった。 バイナルから借りた助手が、炎に耐性のある魔物という条件で調べたが、数千 もある記録の中から、炎に耐性のある魔物だけを抜き出すのはますますもって不 可能な作業だった。 |
■ノエル |
宝珠及び剣について。 ノエルはこれらについて有益な文献を見つけることはできなかった。 調査が足りなかったのか、文献そのものが魔術師ギルドにないのか、それは分 からない。 |
■バイナル |
炎に耐性のある魔物について。 炎に耐性のある魔物は、基本的には体内に強い炎の精霊力を宿した魔物という ことになる。炎の精霊そのものは当然として、一部の巨人や、ドラゴンなども耐 性を持つタイプがいる。また、異界の生物で炎を吐くタイプの魔物にも、炎に耐 性のあるものがいるようだ。 霊体の魔物にはそもそも物理的なダメージ自体加えることができないため、も ちろん炎は効かない。 |
■助手B |
特定の魔物にのみ効果のある結界について 強力な魔物を封印・支配しておくための手段は、古代において様々研究されて いたが、それらは常に万能というわけではなかった。強力な結界ほど制約も多く、 例えば炎の精霊王を閉じこめることができる魔法陣が他の魔物には全く無力とい うこともよくあったようだ。 ドラゴンでも破壊できない強靱な材質の檻でも、ドラゴン用に作られた巨大な 格子ならば人間が簡単に通れてしまう。イメージとしてはそんな感じらしい。 |
■ウィード To:ノエル |
結論としては… "いくらオラン一の知識の宝庫でも「ヴィーザ」を特定するには情報が少なすぎる" って事だな。 今回の仕事は思ったより厄介かもしれないぜ。 |
■ノエル To:ALL |
(あまり芳しい結果じゃないなぁ・・・と思いつつ、深々と頭を下げる) みなさんありがとうございました。 またなにかあったらよろしくお願いします。 |
■ウィード To:バイナル |
おっちゃん、色々とありがとな。 それから…俺達は明日出発するんだ。 今日のうちにウィリンに例の話しをしておくよ。 知識神に祈っておくから、後は適当にがんばってくれ。(^^;) |
■バイナル To:ウィード |
フッ、無論だ。任せておけ。 |
何を任せるのかよくわからないが、とにかくバイナルは髪を掻き上げる仕草をした。
■ウィード To:バイナル |
あ、言っておくけど、ウィリンに手を出したら 殺すからな。 |
と、ウィードがブロードソードの柄に手を添える。というか、どうやって図書館に刀剣を持ち込んだのか自体謎だ。
■バイナル(小声) |
チッ……… |
何が「チッ」なのかは、この際深く突っ込まないことにする。
■ノエル To:ウィード |
そろそろ帰りましょうか? みんな待っているはずだから。 |
■ウィード To:ノエル |
そうだな。帰ろう。 |
助手x2の「早く帰れ」と言いたげな視線に見送られつつ、二人は魔術師ギルドを後にした。
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