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「願いの泉」 |
戦闘は終わったかに見えたが、まだ皆は安心していなかった。
■ティトル To:スキュラ |
ホントにこれでおしまい? ………やっぱりこうしとこっと |
ティトルは、スキュラが再び起き上がってこれないように、 ティヴァ(シャムシール)をスキュラの頭に突き立て、 地面に串刺しにした。
■リグ To:スレイ |
・・・・・。 スレイ兄ちゃん、今度はどう? |
リグも剣を構えたままだ。
再びスレイはセンスオーラをした。
大丈夫、今度は不死の精霊力は感じられなかった。
■スレイ To:ALL |
もう大丈夫みたいですね。泉のほうからも感じなくなりました。 |
■ティトル To:スレイ |
もういいの? じゃぁ、これはやめっ…と。 |
ティヴァ(シャムシール)をゾンビ・スキュラから抜き取る。
■リグ To:ALL |
泉とスキュラの邪気が消えたんだったら、カナル兄ちゃん達の方を手伝ってくるね。 |
■イスカ To:リグ |
私も行くよ。あとは杖を見つければ依頼は完了、と。 それにしてもリグ、みごとな剣捌きだったね。 |
■リグ To:イスカ |
えへへぇ〜、スゴイでしょ〜(^.^) なんてね、自分でもビックリしてるんだ。 もしかしたらチャ=ザ様のちょっとしたイタズラかもね。 じゃ、いってきま〜す。 パチャパチャ・・・・ザブン |
リグとイスカも飛び込んだ。
スレイは岸辺へ近づき、それらを見守る。
■ティトル To:潜ってる人 |
どうですかぁ〜見つかりそうですかぁ〜? …………(自分の鎧を確認) 頑張って下さいねぇ〜 |
ティトルの着ている鎧は、チェイン・メイル。
潜ったら沈むだろう。
それだから、ティトルは陸に上がり、 薪になるようなものを探すことにした。
やがて、探索から戻ってくる者達のために、 火を起こしておくことにしたようだ。
最初の探索・・・。
カナルはK-6を中心に探し、J-6に白骨を見つけた。
長い髪からすると、女性のもののようだ。
カナルは後で引き上げる為に、この場所を覚えた。
ロッドはH-5を中心に探したが、何も発見できず。
リグはF8を中心に探したが、何も発見できず。
イスカは・・・水際をざっと見てまわっている。
■スレイ To:サラ |
サラ。前に言っていた、盗賊が引きずり込まれた場所がわかりますか? |
なかなか発見できないでいるのを見て、スレイがサラに助言を求めた。
■サラ To:スレイ |
えっと・・・。 もっと右だったと思う。 そんなに岸から離れてなかったと思う・・・。 ・・・・・・思うだけだよ(^^;。 |
上空からみんなを眺めて、必死に記憶をたぐる・・・。
■スレイ To:ALL |
あの辺りですかね・・・・ もう少しこっちの方を探してみて下さい〜 |
そう言って、水面に顔を出した面々に、サラの言った方向を 指示する。
そして、定期的にセンスオーラをかける事も忘れない。
・・・もう起き上がることはないだろう。
2回目の探索・・・。 カナルはM-6を中心に探したが、何も発見できず。
ロッドはM-3を中心に探し、M-4で杖を発見した。
杖を手に、岸へ泳いでくる。
その様子に皆も気づき、次々と陸へあがった。
■ティトル To:替えって来た人たち |
あ、おかえりなさいですぅ〜 杖はあったんですか?? こっちに一応火をおこしときましたよぉ〜風邪引かない様にして下さいねぇ〜 |
■ロッド To:ティトル |
おかげさまでね。 |
取り戻した杖をちらっと見せる。
それは、杖の握りの部分が髑髏の形をしていて、 いかにも死霊魔術師のアイテムらしかった。
ティトルは、一瞬身を乗り出して見ようとするが、 まだ皆が揚がってるので、にっこりと笑らっておしまいにした。
(”良かったですね”と言う意味らしい)
■イスカ To:ロッド |
やあ、探し物が見つかったようですね。 (依頼書を取り出し)依頼された仕事は、ここまでですが・・ |
これで別れるのは寂しい・・・と顔に書いてある。
■ロッド To:イスカ |
・・・そうだね。 私が依頼したのはここまでだ。 宿に帰ったら、残りの報酬を渡さないとね・・・。 |
こちらも名残惜しそうだ。
■イスカ To:ロッド |
願いの泉にスキュラがいなくなって元通りの静かな場所に
なったことを、街に伝えにいかなければいけませんしね。 冒険はおしまい、か。 (しばらくたき火の炎を眺めている) あれ? そういえば、カナルはどこに? |
■リグ To:イスカ |
う〜ん、さ、さむ〜い。 これで一段落ついたね。 (焚き火に当たって温まります。) カナル兄ちゃんならさっき何か見つけて潜ってたから、もうすぐ上がってくるんじゃないかな。 ・・・・・ほら、上がってきたよ。 ? 何か大事そうに抱えてるけどなんだろう。 |
■スレイ To:リグ |
お疲れ様、リグ。 カナルが? |
カナルが運んできたのは、サラの骨だった。
髪の毛と、残った衣類とで、そうと察すると、 スレイは、はっとした。
■カナル To:サラ |
……ここに沈みっぱなしと言うのも哀れかと思ってね。 |
サラは白骨化した自分の体を見て、しばらく言葉が出ない。
■サラ To:カナル |
・・・ありがとう。 覚えててくれたんだね。 ・・・埋めてくれる? |
親に死んだ事を内緒にしている以上、村の共同墓地に入る事も出来ない。
サラは自分の墓を、ここに決めた。
■カナル To:サラ、おおる |
力仕事は、担当が違うんだ。 と言うわけで、よろしく。 |
自分の役目は果たしたと言わんばかりのカナルの言葉に、 サラの表情は少し暗くなった。
■ティトル To:カナル&サラ |
あ…… お墓…作るんですね、任して下さい(^-^) リグちゃんも服乾いたら手伝ってくれると思うですよぉ ちょっと待ってて下さいね |
■イスカ To:サラ |
私も手を貸すよ。こんなうら寂しい場所ではあるけれど、 リグがいるから、きちんとしたお墓にしてやれるから。 |
リグは鎧を脱いで、焚き火の前に置いて乾かすことにしたらしい。
■リグ To:サラ |
おまたせ。 立派とは言えないけどサラ姉ちゃんが満足できるのを作るからね。 |
■スレイ To:ALL |
今回はわたしもやりますよ。 |
ティトル、リグ、イスカは剣の鞘を使って、
スレイは素手で、穴を掘り始めた。
以下は、穴掘りの最中の会話・・・。
■イスカ To:ロッド |
ところでロッド、訊いてもよければ、その杖はいったい どんな力を持っているんです? スキュラがよみがえったことと、 やはり関係があるんですか? |
ロッドは、杖を調べていたが、一旦中断した。
■ロッド To:イスカ |
・・・死んだものを不死化させる力を持ってるみたいだね。 さっきのスキュラとの戦いから察するに、一度きりのようだけど。 効果範囲は・・・私にはわからないな。10mか30mか・・・。 この杖の近くで命を落とすのはゴメンだね。 |
■イスカ To:ロッド |
見かけどおり、恐ろしい魔法の品物なんですね。 |
■イスカ To:ロッド |
で、その杖をいったい何に使うつもりですか? |
■ロッド To:イスカ |
父は死霊魔術師だからね。 ・・・この杖があれば、呪文無しで (手軽に)アンデッドが作れるんだろう。 |
これを聞いて、スレイが顔をしかめた。
だが、何も言わず黙々と穴を堀り続ける。
■イスカ To:ロッド |
アンデッドを・・作ってどうするんです? |
流石に冗談なのか計り兼ねて、ロッドの顔をまじまじと見てしまう。
答えは・・・聞かない方が良いような気もするが。
■ロッド To:イスカ |
・・・父はね、最終的には自分がアンデッドになりたいんだよ。 その為にアンデッドの研究をしてるんだと、私は思う。 前に私は目的もなく永遠に生きるのは苦痛だと言ったが、 目的があれば永遠も素晴らしいものだろう? ”この世の理を全て知りたい。この世の終わりをこの目で見たい。” ―――そんな事を考える者には、”不死”と言うのは魅力的なものなのだろう。 |
これには、サラがびっくりしたようだ。
驚いた顔でロッドを見た。
■イスカ To:ロッド |
それは・・私には予想もつかない考え方だ。 みずからアンデッドに姿を変えて、まわりの人々がひとりまたひとりと 死んでいくのを見ながら、定められた命を引き延ばし、 いつまでもいつまでも生きつづけようと・・ そういう考え方も、確かにあるんですね。 |
■カナル To:ロッド |
……その結果、将来貴方と同じ思いをする者を生み出さねばよろしいのですが。 いや、差し出がましい科白ですね。お許し下さい。 |
これは、
アンデットと化した父親が、Dの様に将来ロッドの子孫に同じ様なことをする危険が あるんじゃないか?
と言う意味で言ったものらしいが、ロッドにはちゃんと通じなかったようだ。
■ロッド To:カナル |
私の母の場合とはまた違うからね・・・。 無理矢理アンデッドにされたら、それは納得いかない話だろうけれど。 ・・・でも私も目的を達成するまでは、死ねないと思うよ。 それこそ不死でありたいと思う。 しかし、不死であることが目的ではないんだ・・・。 |
■スレイ To:ロッド |
わたしにもその気持ちがわかりますよ、ロッドさん。 知りたいことは沢山ありますからね・・・ |
そしてまた穴掘りに戻るスレイ。
そうこう話しているうちに、ようやく穴を掘り終えた。
ロッドも手伝い、数人がかりで、サラの骨を横たえる。
■ロッド To:サラの骨 |
お前には世話になった・・・ |
ロッドは泥や藻をキレイに取り除くと、優しい声で言った。
・・・・・・後ろにスペクターのサラがいるのに、骨に挨拶するあたり、 ちょっと変わっているかもしれない。
そして土をかけていく。
最後の土をかけ終えると、木の枝で墓標を組み、 泉の付近に咲いていた、赤い花で飾った。
■スレイ To:サラ |
終わりましたよ、サラ・・・・・ |
みんなの視線がサラに集中する。
サラは自分の墓を見つめて、動かない。
・・・しばらく待った後、ロッドが切り出した。
■ロッド To:サラ |
サラ? どうした?お前の恨みは晴れたのだろう? |
■サラ To:ロッド |
・・・・・・私、やめた! |
■スレイ To:サラ |
へ?(^^; |
スレイは間抜けな顔になった。
多分、ロッドも心の中で同じ思いだっただろう。
■リグ To:サラ |
サラ姉ちゃん、なんで? |
■サラ To:みんな |
成仏するのやめた!! |
■サラ To:みんな |
だって、幽霊でも楽しいもん。 にっくきスキュラはみんなが倒してくれたし、 私の人生はこれからよっ! 飽きるまで生きてやるの。 |
一瞬の間ののち、イスカが朗らかに笑い出した。
■イスカ To:サラ |
はははっ、それはいい! そのほうがいいよ、サラ! いい目を見られなかった前の人生の分を取り返して、 生きているうちにかなえられなかったことをやりとげて、 いつか世界の終わりを見届けるといい。 |
■ジャン=バッティスタ To:サラ |
好きにしたらいいさ。 おまえの親が死んで、友達が死んで、おまえさんのことを知っている人間が全員 いなくなったあとも生きるがいいさ。 |
■カナル To:サラ |
このまま生きるも、成仏するも、それはサラの自由だろ。 どちらが良いかは、俺には知る術がないし、俺が思うことと サラが思うことも違うだろうしな。 |
■スレイ To:サラ |
サラ、無限の時間を生きるのは辛いですよ・・・・? |
自ら、不自然な存在になろうとするのには、賛成出来ないスレイ。
転生できる事を知っているからだろう。
■リグ To:サラ |
本当はなるべく早く天(うえ)に上がったほうがいいんだけど サラ姉ちゃんが望んでなければ仕方ないか。 |
サラは転生の事は思いもしていなかったらしい。
■サラ To:みんな |
無限に生きたりしないよ、きっと。 飽きちゃうもん、多分。 ・・・・・・ロッドが死ぬまで生きていよっかなぁ。 |
ロッドの心の声、「何だとっ(汗)?」
■ロッド To:サラ |
お前の生きる目的は? |
おそるおそる聞いてみる。
■サラ To:ロッド |
幸せになること。 |
サラはしごく真面目な態度で言ってのけた。
ロッドは絶句。
■カナル |
……変わった奴だ……。 ……! なるほど、似ていたんだな……。 |
■ティトル To:サラ |
でも幽霊さんじゃぁおいしいもの食べたり気軽に誰かとお話したりできないんですよぉ?
そんなのって幸せじゃないですよぉ〜 あ、でもロッドさんと一緒なら楽しそうですねぇ… |
■イスカ To:All |
まあ、何を幸せと思うかはそれぞれだろうし、幽霊の身だって
幸せになれないことはあるまい。 私は、サラが楽しい思いもせずに若い身空で死んでしまうのは、 とてももったいないことだと思うよ。 これは、貴重なチャンスなんじゃないかな。 |
■スレイ To:サラ、ロッド |
まぁ、目的があれば大丈夫でしょうし、一人じゃなければ楽しいでしょうし…。
ま、いいか・・・・・(^^; |
■リグ To:サラ、ロッド |
そうそう、『旅は道連れ、世は情け』って言うから。 二人とも仲良くね。 |
ロッドは、大きなため息をついた。そして・・・。
■ロッド To:サラ |
私の邪魔をしなければ、同行を許そう。 ・・・黙って私に憑依しようとしたら、許さないからな。 |
■サラ To:ロッド |
うん(^^)。 |
サラは嬉しそうに微笑むと、ロッドに抱き着いた。
ロッドは苦笑したが、追い払うような事はしなかった。
全てが終わったので宿に戻る事にしたが・・・。
■サラ To:みんな |
あっ!! 忘れてた! ここまで来て、泉に願い事しないで帰るなんて馬鹿だよねっ(^^; 皆はしないの? |
皆、顔を見合わせる。
結果は聞かなくてもわかっていた。
ぞろぞろと泉の周りに集まり、暗黙の了解でほぼ等間隔になるように立った。
■ティトル To:願いの泉 |
お願い事ってどうやってお願いするんですかね〜 う〜ん、よしっ ……なむ……なむ……。 (手を合わせてお願いをしている模様……) 皆でもっともっと楽しく一緒にいられます様に☆ |
水面にはティトルの顔が映った。
その後ろにふわふわ〜とサラが近づいて来た。
■サラ To:ティトル |
ティトは何をお願いしたの(^^)? 私はねぇ〜 スキュラに殺られる前にね〜 ”私を幸せにして”ってお願いしたんだよ。 そしたらね、何が映ったと思う? ロッドが映ったの(^^)。 |
■ティトル To:サラ |
私のお願いですか〜? これからも皆で楽しくいられますようにって(^-^)テヘヘ |
にっこり笑ってお返事。
一方こちらはスレイ・・・。
■スレイ |
(・・・・・これからも素敵な出会いがありますように♪) |
水面には、エリンが映った。
(GM注:エリンはシナリオ#12を参照)
■スレイ |
おぉぅ!?
・・・・・・な、なんで彼女が(^^; |
スレイは怪訝な顔をしてから 、幸せそうにしていた。
ロッドも何かを願ったようだ。
水面には、どこかの古い城が映し出され、すぐに掻き消えてしまった。
イスカは皆から少し離れたところで、願い事をしていた。
■イスカ |
私も、ひとつだけ。 ・・(ロッドに、また会う日が来らんことを) |
水面に映ったのは・・・赤い瞳の美青年だった。
ただこれは、イスカの知るロッドではない。
髪は本来の乳白色に戻し、イスカを見つめて優しく微笑んでいる。
■イスカ |
ああ、これが本当の、あの人の姿。 まるでこの地上のものとは思えないほど美しい・・ |
そして、カナル。
■カナル |
『願い』ねぇ……なぜあの人が永遠の若さなんてものを望んだのか、 その理由を知りたがったら、教えてくれるのか? |
あの人とはカナルの師匠、セシリアである。
(GM注:セシリアは#12を参照)
カナルが願うと、水面には黒い影が映った。
それは男とも女とも判別がつかない、人間かどうかすらもわからなかった。
その影が何事かを呟くと、セシリアが苦しみ呻いた。
それがどのようなものなのか、映像だけではしかとは分からなかった。
リグの願いはティトルと似ていた・・・。
■リグ |
え〜と、みんなが幸せでいられますように。 ・・・・・・。 ポー、どうしてるかな? |
少し間があって、水面にポチの姿が映し出される。
誰かにしかられているようだ。
(GM注:ポチについてはシナリオ#12を参照)
願いの泉は、願いを現実にする力を持つと言う。
それと同時に、未来や現実を水面に映す力もあるようだ。
それぞれ、水面に映る夢の事を思いながら、願いの泉を後にした。
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