SW-PBM Scenario #24

水面に映る夢

終章.水面に映る夢
「旅立ち」


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Contents


旅立ち

 「砂漠の花亭・個室」
宿まで帰り着いた一向は、サラの事を気遣い、宴会を自分達の部屋で行う事にした。
下で食べ物と酒を買って、一番広いロッドの部屋へ集まった。

■スレイ To:ロッド
ロッドさん、例の杖を見せてもらえます?

飲みながら、ふと思い出したようにスレイが言った。
目が好奇心で輝いている。
ロッドは部屋の隅に置いていた杖を持ってくると、気軽にスレイに手渡した。
スレイはしばらく調べた後・・・

■スレイ To:ロッド
う〜む、死者をアンデットにしてしまうなんて、やっぱりすごい杖ですね。 この杖を保管するの人も一苦労でしょうね。 近くで生き物が死なないようにしないと(^^;

そう言って、不死鳥(フェニックスではない)、不死ミジンコ等を想像し、 パニックに陥った。

■ロッド To:スレイ
全くね。
あの盗賊も、よくこんな杖を盗んだものだと思うよ。
帰り道は、荷物も増え、心配事も増え、行きより大変になったな。

”荷物”とはサラの事らしい。

そのサラはと言うと、窓から顔を覗かしてルーイェンの街並みを見ていた。
・・・・・・いや、違った。屋根に登った猫を見て、何か考えているようだ。
話題はスキュラに移った。

■スレイ To:ALL
それにしても、スキュラが起き上がってきた時にはビックリしましたね〜

■リグ To:みんな
あの時ティトル姉ちゃんも言ってたけど、私達ってもう一度動き出すものに縁があるよね。
やな縁だけど。

(GM注:これはシナリオ#12を参照)
こうして夜は更けていった・・・。

 「砂漠の花亭前」
翌朝、ロッドは一足先にルーイェンを立つ事にした。
危険な杖を一刻も早く父に渡したいのだ。
既に残りの報酬と、保存食は渡してある。

■ロッド To:皆
では、私は一足先に戻ることにします。
本当にどうもありがとう。

■スレイ To:ロッド
どういたしまして。一緒に旅を出来て楽しかったですよ、ロッド。
いろんな体験も出来ましたからね(^^)

■イスカ To:猫
ふふっ、似合うよ。元気でお行き。

ロッドの足元には、短毛、青目の一匹の猫がいた。
これはサラが昨日見つけた猫で、サラは今この猫に憑依している。
(もっと早くに気づけば、昼間も行動出来たのだが、今まで動物に 憑依することは考えてもみなかったらしい)
ロッドは皆と形式的な挨拶をすませると、最後にイスカの目の前に立った。

■ロッド To:イスカ
イスカ・・・また逢おう。

私は杖を届けたら、その足で母の行方を追うが・・・
それが終われば、今度はゆっくり貴方と語り合いたいと思う。

「語り合う」にスレイの耳がピクリと反応する。
猫も聞き取ったようだ。くるりと大きな瞳でロッドを見る。

■イスカ To:ロッド
必ず会えますよ。泉にも、そう願いをかけてきました。
短い間でしたが、あなたのおかげで良い旅ができました。 あなたと話したひとことひとことを、 私はこれから長い間、繰り返し思い出すことでしょう。
(ロッドの姿を目に焼きつけようとするように、じっと顔を見つめる)
・・忘れません。決して。 では、また会う日まで。

イスカは両手でロッドの手を握った。
ロッドは一瞬驚いたようだが、その手をぐっと引き寄せると、 イスカの唇に軽く接吻をした。

■ロッド To:イスカ
これで、私の事を忘れられないね。
君にキスをした失礼な奴として、覚えておいてくれるだろう?
文句は次に会ったときに聞くよ。

イスカの手を放し、笑いながら言う。

まだ状況がつかめずあっけに取られる皆を残し、 ロッドは猫と一緒に去って行く。
イスカは呆然と立ったまま、泣き出しそうな、嬉しそうな、複雑な表情で ロッドの後ろ姿を見送っていたが、しばらくしてから、はっと 我に返ると、みんなが自分のほうを見ているのに 気づいて頬を赤らめた。

■イスカ To:スレイ
何、見てるのっ!

イスカは照れ隠しに、手近なところにいたスレイの胸を両手でぽかぽか殴った。

■スレイ To:イスカ、ロッド
いえ、別にぃ〜〜〜〜〜(にま)

とは言うものの、顔はにまにまと笑っていたし、 耳までピクピクさせている。
スレイは全身で笑いを表現しながら、楽しそうに殴られている。

■スレイ To:イスカ
ええ、なんでもないですよ、ほんと。なるほどねぇ〜〜〜♪

と、言いながら後方にスキップ。
―――イスカはますます赤面した。

 「酒場」
 その後、イスカ達の方は急ぐ旅でもないので、もう少しルーイェンで遊んでから 帰る事にした。
キャラバンを見たり、水の祠を見学した後、今は酒場にいる。
誰から言い出したのか・・・リュイ達の事を聞き込む事にしたのだ。
 聞き込みの結果、酒場の主人がリュイ達らしき人物を知っていた。

主人が言うには、以前、ルーイェンの3貴族の内、 クラームス家が冒険者を雇って、ウェルザー家が擁立した「水の巫女」の候補者を 拉致監禁するという事件があったらしい(表沙汰にはなってない)。

その時、拉致監禁を実行したという冒険者が3人組で、 そんな格好をしていたと言う事だ。

もちろんこれは噂であり、主人も冒険者の名前までは知らなかった。
ただ、実際に「水の巫女」の候補者が拉致監禁されたと言う話は聞かないので、 この話はデマか、雇われた冒険者が失敗したかのどちらかだろう。
冒険者がリュイ達だったとするならば、失敗しててもおかしくなさそうだが・・・。

■スレイ To:ALL
あ、相変わらずですね(^^;
今も昔も、人間の本質は変わらないってことでしょうかね(苦笑)

■イスカ To:ALL
まったくだね。また会うことがあったら、この話をしてみよう。 「なんでその話を知ってるんや!?」って慌てる顔が目に浮かぶよ。
それにしても、彼らも今ごろはどこでどうしているやら・・

■リグ To:ALL
リュイ姉ちゃん達のことだもの、何処でも元気にやってると思うよ。

リュイ達の身を案じながらも、これ以上情報は聞けそうになかったので、 翌日出発することにした。

 「自由人の街道」
それから約10日後―――一向は来たときと同じ、 自由人の街道を歩いていた。明日にはオランに着くだろう。
イスカは歩きながらふと空を見た。
Vの字型に隊列を組んだ渡り鳥が空の高みを飛んでいくのが見える。
それを見ると、イスカはため息をついた。

■イスカ To:All
今まで黙っていてすまないけれど、残念ながらこのパーティの リーダーを続けることはできなくなってしまったみたいだ。
私はもう、家に戻らなければ。
南から、あの海凪鳥がわたってくる季節になったら、いったん 家に戻るという約束なんだ。いつでも足かせつきの自由というわけ。 オランの手前でみんなとはお別れになるね。

■ティトル To:イスカ
えっ? ええ〜っ!
イスカさん居なくなっちゃうんですかぁ〜帰っちゃう??

………やですぅ〜
だってまだ皆で一緒にしたいこと沢山あるんです〜
銀の網亭のマスターにも報告しなくちゃだしっ!オランに帰ったらロレッタさんの ケーキも食べなきゃです〜
それからっ、それから……。

………………はにゅ〜。

ティトルも、自分が無理を言ってるのがわかるので、途中で半泣きになってしまう・・・。

■イスカ To:ティトル
ありがとうティトル。私だって帰りたくなんかないし、 帰ったとしてもどうせ厄介なもめごとを抱え込むだけ。 でも、それが私のしなければならないことだから・・。
確かにロレッタさんのケーキもすごく魅力的なんだけど、 オランに入ったらずるずると長居してしまいそうでこわいんだ。 だから、ね。
みんなも、今までありがとう。

■スレイ To:イスカ
・・・・寂しくなりますね。
でも・・・・・・・また会えますよねっ?

イスカとのあんなシーンやこんなシーンが走馬灯のように思い起こされる。

■カナル To:イスカ、スレイ
この稼業を続けていれば、いずれ何処かで、また会う機会もあるだろうさ。
元気でな。

■ティトル To:イスカ
……イスカさんが帰ってきたらっ、また一緒に居て下さいぃ〜
だって、ちゃんとお願いの泉にそうやってお願いしたんですぅ(;_;)

だから、今度イスカさんが帰ってきたらまた…一緒にお仕事しましょぉ

半泣きから本泣きになってしまった。

■イスカ To:ティトル
うん、ありがとう。約束するよ。だから、泣かないで・・
ほらほら、かわいい顔が台無しになる。

■リグ To:イスカ
またね、イスカ姉ちゃん。
オランに戻ってきたら連絡頂戴ね。
すぐ会いに行くから。

・・・・・そだ、これあげる。
(首にかけてたネックレスを渡す。)
お母さん特製のお守りだから効果はわたしの保証付きだよ、道中気をつけてね。

■イスカ To:リグ
えっ、そんな・・もらっていいの?大切なものだろうに・・。
わかった。ありがたく、借りていくことにするよ。(^ ^)
リグをいつも守ってくれる力が私にも及ぶなら、こんなに 心強いことはない。深い森の奥にもきっと道が開ける。
でも、私は必ずオランに戻ってきて、ちゃんとこれをリグに 返すよ。だから、今は引き換えに、私のイヤリングを渡しておくね。 これが、約束の代わりだよ。また会おう、という。 私が帰るまで、持っていてくれる?

と言って、イスカの瞳と同じ色をした、翡翠のイヤリングを”片方”、 リグの手の上に乗せる。

■リグ To:イスカ&みんな
もちろん。
そして、またイスカ姉ちゃんのところに戻れる時まで大切に預かってるね。
(クルッっと、みんなの方を振り返って)
その時はみんなも一緒だよね。
ニコッ

スレイも同意の笑みを浮かべる。
想いは、皆一緒だ。

南の空へ消えた渡り鳥のように、また再びここへ戻ってくる事を信じていた。
その時が新たなDream Weaverの旅立ちだ。



The End.

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連絡先
GM:澤口 佳子(かなめ)
E-Mail:kaname@yk.netlaputa.ne.jp