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「砂漠の花亭〜願いの泉」 |
歓楽街を抜け、水の祠のある広場を通り、右手に広大な私有地、 左手に旧市街を見ながら、貿易中継地の方へ進んで行く。
貿易中継地まで来ると、あたりはかなり殺風景になってきた。 中継地には、いくつものテントがはってあり、キャラバンが連れたラクダが 何十頭と繋がれている。
貿易中継地から、道が二手にのびている。 左の道は太く、キャラバンロードと言い、こちらはカーン砂漠に続いている。
右の道は細く、願いの泉はこの先にあると言う。
一向は右の道に進んだ。道の入り口には、ロープが張ってあり、 看板がぶら下がっている。
それには共通語で”これより立入り禁止区域”と書かれていた。
■ティトル To:おおる |
こっから立ち入り禁止ってことは泉はすぐなんですね〜 なんだか緊張しますぅ |
■ジャン=バッティスタ To:ティトル |
そうか? 別に気にならないけどな。 |
バティは既に立ち入り禁止ゾーンに侵入していた。 ロープの向こう側から返事をする。
ロープを超え、寂しい道をしばらく行くと、徐々に景色が 変わって行った。
貿易中継地付近では、砂だった地面が、土に変わってきている。
気温も少し低くなり、気をつけてみると、生い茂る草木の種類も 少し他とは異なるように見える。
ここは精霊のバランスが他とは少し違うようだ。
■ティトル To:おおる |
なんだか、変なところですねぇ〜 (とキョロキョロ〜) |
■ジャン=バッティスタ To:ティトル |
なんだ、ティト。 怖くなったんなら後ろからついてきてもいいぞ(笑) |
■ティトル To:バティさん |
こ、恐くないですよぉ(><;) |
本当は恐いのだが、必死になって弁明する。
スレイに憑依したサラも、辛い記憶を思い出しているのか、 身震いをした。
「願いの泉」 |
日も暮れようかと言う頃、ようやく願いの泉に到着した。
あまり大きな泉ではなさそうだが、暗くなってきたのと、 霧が出てきたので、全体を見渡す事は出来ない。
スレイは着いてすぐにセンスオーラをしてみた。
水の精霊、大地の精霊、木の精霊、生命の精霊・・・を感じることが出来た。
■サラ To:みんな |
ここが願いの泉だよ。 さ、あの化け物をやっつけちゃって! |
サラは泉につくと、すぐにスレイを解放し、
自分はふわふわと宙に浮きながら、落ち着かなげにしていた。
もう泣いてはいない。口調もいつものサラだが・・・
多少無理をしている感じがある。
■ジャン=バッティスタ To:サラ |
それが仕事だからな。やることは一応やりますよ。 もっとも頑張るのはティトとカナルとリグとスレイとイスカだけどね。 |
■サラ To:バティ |
ティトとカナルとリグとスレイとイスカ・・・だけ? ・・・・・・・・・ あ、バティが入ってない! |
バティの言葉をいちいち真に受けるサラ。
■イスカ |
(小声で)スキュラは、どこにいる・・? |
イスカは泉の方に視線を向けた。
■ティトル To:おおる |
うわぁ… なんか気味が悪いですぅ〜サラさぁん〜ココって前からこうなんですかぁ〜 全然"お願いの泉"って感じじゃぁないですよぉ〜(--;) |
■サラ To:ティトル |
ん〜、私が子供の頃に来たときは、もっと青々としていて
キレイな泉だったよ。 |
ティトルは、ふらふらと泉に近づいて行く。
泉にスキュラがいるのか、ま近で見てみたいと思ったのだ。
■サラ To:ティトル |
ティト? え、ちょっとまさか?! |
ティトルが泉に近づいて、水面を覗くと・・・
ティトルの顔が映った。
水面下を泳ぐスキュラの姿は確認出来なかった。
■スレイ To:ティトル |
ティ、ティトル!まだ何も準備していないのに不用意に近づいたら危ないですよ!! こっちの作戦を決めておかなきゃ。 |
慌ててティトルを手招き。
■ジャン=バッティスタ To:ティトル |
そうそう、スキュラが飛び出してきて、あたまをガブリとやられちゃうぜ〜 |
■サラ To:バティ |
・・・・・・・・・ |
そうして、殺られたのがサラである。
■リグ To:ティトル |
(独り言) クスッ もちろん、そんなことはバティ兄ちゃんがさせないと思うけどね。 ティトル姉ちゃん、スキュラも出てこないみたいだから一度戻って作戦考えようよ。 |
■スレイ To:ALL |
さぁ、手順を話し合いましょうか。 |
泉から少し離れたところに集まると、作戦会議を始めた。
日が沈みきらぬうちにカタをつけたい。
作戦会議の結果、ティトルが囮になって、スキュラをおびき出し、 陸にあげてから、一気に皆で叩く事になった。
(普通、スキュラが好むのは男性であるが、スレイやバティに囮をやらせるのは 不安だったらしい)
まず、カナルがロッドを含めた全員にカウンター・マジックをかけた。
スキュラの精霊魔法に備えたつもりである。
全員、配置につき、武器を構える。
そしてティトルが泉に向かって歩いて行った。
■サラ To:ティトル |
ティト・・・気を付けてね。 |
サラは(いつものように)上空から応援。
■ティトル To:スキュラ |
スッキュラさぁん〜出てきて下さいねぇ〜〜♪ 石なげるのはごめんなさぁい〜♪ (作詞作曲ティト) |
■イスカ |
ティトル・・さすが、バティさんの一番弟子・・(^ ^; |
草むらに身を潜めつつ、つぶやく。
ティトルは、スキュラの注意を惹くために歌いながら近づくと、 駄目押しに石を泉に投げ入れた。
石は水面にいくつも円を作り、沈んでいった。
波紋が全て消え、また静かな水面に戻った頃、 スレイの耳は水底から聞こえてくる音を捉えていた。
さっきとは別の波紋が広がり―――
それは姿を現した。
ティトルの前方20メートルほどの所に、女の上半身が現れたのだ。
女は長い金髪に、白い肌、ふくよかな胸をしていて、とても美しかったが、 ティトルの姿を確認すると、邪悪な笑みを浮かべて、水面に消えた。
■スレイ |
なるほど、引きずり込まれるのも納得です・・・(苦笑) |
■ティトル To:スキュラ |
スッキュラさぁん〜出てきて〜〜〜♪ (スキュラを目撃…したが潜ってしまったので) あれ? スッキュラさぁん〜もう一回でてきてぇ〜下さいねぇ〜〜♪ (作詞作曲やっぱりティト) |
そして再び、現れた。
距離は半分以下に縮まっている。
確実にティトルを襲う気だ。
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カナルは既に精神力のほとんどを使ってしまっている。 じっと動かず、防御に専念する。
スレイは魔法を唱えるつもりだが、敵に気づかれたくないので、 行動順を遅くした。
■ティトル To:スキュラ |
スッキュラさぁん〜♪ わぁ♪ あ、始めましてですぅ〜石投げちゃってごめんなさいです |
ティトルは防御専念しつつ、じりじりと後退していた。
スキュラは久々の獲物に喜んでいるようだ、酷薄そうな笑みを浮かべる。
ティトルも負けてはいない。不適ににっこり笑ってみせた。
■サラ |
キャッ、出た! |
ここで草むらに隠れていたリグが飛び出した。
スキュラの退路を断つような位置へ移動すると、そのまま攻撃をしかける!
だが、慌てたのがよくなかったのか、リグの攻撃は空を切った。
■リグ |
やあっ!っとはずした。 次は当たってもらうからね。 |
今度はリグの反対側からバティが回り込んだ。
攻撃はせず、防御に専念する。
スキュラの攻撃・・・泉から姿を現したスキュラの下半身は、 6本の大蛇と、12本のタコの足で構成されていた。
6本の蛇のうち、3本がティトルを襲う!
■ティトル To:スキュラ |
よっ…と?! うわっ!わわっわっっ!! な〜! さ、三回も攻撃してくるなんて卑怯だぁ! |
なんとか、かわしきったが、これはかなり恐い。
最後にスレイがイスカにファナティシズムをかけた。
イスカの恐怖心が完全に拭い去られる。
イスカはスレイの魔法に気づき、軽く手をあげて感謝の意を表した。
■スレイ To:イスカ |
さぁ、頑張ってくださいね、イスカ。 |
■イスカ |
ようしいいぞ、さあ来い、近くへ、もっと近くへ・・ |
スキュラに向けて弓を構えつつ、その時を待った。
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