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「自由人の街道」 |
■スレイ To:ALL |
そういえば、どうしてバンパイアなんかに襲われたんでしょうね? そんなに頻繁に現れる奴ではないでしょう? ・・・・もしかしてあそこはバンパイヤの巣だったとか(^^; |
戦闘が終了し、しばらく街道を進むと、ふいにスレイが疑問を口にした。
■ティトル To:スレイ |
あ…そういえば…そうですよね〜 兄さまから聞いてるところによるとあんな風に出て来るってことはなさそうなのに… ああいうのの近くにはどこかに「親」みたいなバンパイアが居るものなんですって でもぉ…あの人達だけだったですよね〜 う〜ん(--;) 近くに日の光を避けられるような建物でもあるんですかね〜 |
ようく見れば、森の奥に塔のようなものが見えるが・・・
スレイが視界の隅に塔を発見。
じーっと見つみている。
■スレイ |
・・・・・・・・・・ふふっ、まさかねぇ(^^; |
ティトルが、スレイの視線の先を見た。
■ティトル To:スレイ |
…うぃ? …………アハハ…。 まさか…なぁんて…ねぇ…(^^; |
2人、何やら同じような想像をしたらしいが、 お互いに笑って誤魔化す事にしたらしい。
■スレイ To:ロッド |
ロッドさん。杖を盗んだ盗賊についてですけど、どのくらいのことがわかってい
るのですか? 例えば名前とか年齢、どこかの組織に属していたのかどうかなど・・・・。 あと、いつごろ盗まれたかわかりますか? |
しばらく、するとまたスレイが口を開いた。今度はロッドに対しての質問である。
■ロッド To:スレイ |
?急にどうしたのかな? 前に盗賊の話をした時は、さほど興味をしめさなかっただろう? |
スレイに対してだいぶ気を許してるのか、砕けた調子で応えるロッド。
■ロッド To:スレイ |
まぁいい。 盗まれたのは約1ヶ月ほど前だ。 盗賊の名前や、まして所属ギルドなどはわからない。 ルーイェンで似顔絵を元に、調べるつもりだったが、 それより先にサラと出会ったんでね。 |
荷物から似顔絵を取り出し、見てみる。
■ロッド To:スレイ |
これを見ると・・・若そうだよ。 30ちょっとじゃないかな。 |
似顔絵の男は、肌は日に焼けてて浅黒く、童顔だが、目に力のある男だった。
これをスレイが見ようとし、ロッドの肩から覗き込もうとしたところ、 ロッドは(それを嫌がり?)さっと似顔絵をスレイに手渡した。
が、スレイは別に気を悪くした様子はない。
■スレイ To:ロッド |
いや、急に思いましてね。
盗賊さんが杖を盗んだのなら、その理由らしいことを道中の村で漏らしているん
じゃないかなぁ、って。 可能性は低いでしょうけど、聞きまわってみようと思って。 なんのために杖を盗んだのか興味が沸いてきたんです。 だって魔法使いさんから物を盗むのなら、もっと高価な物だってあったでしょう しね(^^) |
■ロッド To:スレイ |
私が盗賊なら、こんな所で、盗品について語ったりしないけれどね。 もっと安全な所へ逃げ延びてからにするだろう。 聞くのは自由だ。 ただし、出発時刻を変えるつもりはないから、 休憩時間の中でやってくれ。 |
■スレイ To:ロッド |
ええ、そうしますよ(^^) それにしても、普通の人っぽい盗賊さんですねぇ。 あ、預かっていていいですか?それとも一緒に聞き込みします? |
ロッドは首を振って、断った。
(だんだんスレイの扱いがサラと一緒になってきてる・・・)
■イスカ To:サラ |
そろそろタリム村だ。サラ、よかったら私の体を使うといい。 |
前方に、宿場町が見えてきた。そろそろ夜明けも近い。このままでは村人に サラを見られてしまう恐れもある。
■サラ To:イスカ |
さんきゅ(^^)! (・・・ふふふ、この体でロッドに迫っちゃおっかな?) |
サラの考えはむろんイスカには聞こえない。
だが、ロッドは(そんな考えを察したのか)嫌そうな顔をした。
「タリム村」 |
タリム村は、こじんまりとした村ではあるが、宿屋の部屋はきれいだし、 食事も美味しく、感じの良い村だった。
多分、それは大都市オランからさほど遠くない事が理由だろう。
■スレイ To:酒場のマスター |
すいません、お聞きしたいことがあるのですが。3、4週間ほど前に、この男を
見かけませんでしたか? 「ルーイェンに行く」みたいなことを言っていたかもしれないのですが? |
ロッドに言われたように、スレイは出発時刻より少し早めに支度をし、 酒場のマスターに聞き込みをした。
似顔絵を見せながら、手元に2,3ガメルをちらつかせる。
■酒場のマスター To:スレイ |
・・・・・・いやぁ、悪いけど見てないな。 |
酒場のマスターは、顎鬚をいじくりながら、似顔絵を見ていたが、 どうやら知らないようだ。
スレイは、仕方なく、ミルクを頼んだ。
「ロプ村」 |
タリム村から何事もなく更に2日ほど歩くと、 ロプ村に着いた。
ここは更に小さく、全部で12,3世帯しかなさそうだった。
メインストリートと呼べるようなものも存在せず、旅篭屋はたった一件しかない。
ここでもスレイは同じようにして、聞き込みをしたが、誰も似顔絵の男を見た者はいなかった。
「アブダル村」 |
そして、更に3日行くと、アブダル村に着いた。
ここからは、街道を離れ、村の東を流れている川づたいに北上しないといけない。
今までの2つの村に比べて、ここはかなり大きく、旅篭屋の他にも、 貸し馬屋、貸しロバ屋、貸しラクダ屋などもあった。
ここでは、カナルも自由時間に聞き込みをした。
カナルは酒場にいた老人に、スキュラについて尋ねてみた。
昔、スキュラが川を上っていったなんて話が聞けないかと期待したのだ。
老人の返事はと言うと・・・
■老人 To:カナル |
すきゅら? ―――あぁ、そーいやぁむかしゃー出たっちゅー話、聞いたっけーか。 ここよりゃー、だいぶ上手の方でねぇ。 むかしゃー、沼地っちゃーがんこあっただん。 今じゃー枯れちゃったんも多いもんでねぇ。 おんしゃらも沼地にゃー気ーつけんといかんに。 |
ここまで来ると、東方語と言えどもだいぶ訛りがキツイらしい・・・。
いや・・・若者達は普通の東方語を話しているので、この老人固有のものかもしれなかった。
■リグ To:カナル |
・・・・・沼地が頑固? なんかよく分からないけど、昔は出たけど最近は聞いてないみたいだね。 |
ちゃんと大事な部分は伝わったらしい。
カナルも納得したようで、地酒を飲みながらゆったりとしている。
その頃、スレイはやっぱり盗賊について聞き込みをしていた。
■酒場の客 To:スレイ |
ああ、この男ならだいぶ前に見たよ。 カードでやられてね(^^;悔しかったから覚えてたんだ。 ルーイェンに行くかどうかは言ってなかったけど、砂漠の天気について 心配してたから、行ったかもしれないね。 |
■スレイ To:酒場の客 |
へぇ、そうなんですか。 あっ、マスター。この人の飲み物はわたしの奢りです〜♪ そうそう、その人は細長い包みみたいのを持っていたでしょう(笑) あと、天気の他には何か言っていませんでしたか? |
■酒場の客 To:スレイ |
え、奢ってくれるのかい、悪いねぇ(^^)。 細長い包み?ああ、持ってたな、なんでそんな事まで知ってんだい(^^;? (魔法使いだからかな・・・(^^;;;?) 天気の他に・・・・・街の規模はでかいのかなとか、そんな事言ってたかな。 あと、キャラバンが集まるなら競売なんかもあるかなとか・・・ あいつ、商人かなんかだったのかな??? |
■スレイ To:酒場の客 |
さぁ、どうでしょうねぇ?(^^; |
ちょっと動揺して耳がピクピク。
スレイはしばらくこの男と話したが、それ以上有益な話は聞けなかったようだ。
「アブダル村〜ルーイェン」 |
アブダルを出発し、川に沿って北上して2日。
前方に建物の跡のようなものが見えて来た。
天井も壁もあちこち崩れ、人が去ってからかなりの年月が経ったものと思われる。
■スレイ To:ALL |
なんでしょうね、ここは。村の跡・・・? |
■イスカ |
おや、こんなところに道しるべが。ルーイェンはもうすぐかな? |
見ると、古ぼけた標識が立っていた。
共通語で”ルーイェン””北西”などと書かれているのが かろうじてわかった。
建物の跡から比べれば、この標識はずっと新しいもののようだ。
■ロッド To:イスカ |
ここから北西へ後1日だ。 オアシスにつくまで、水の補給は出来ない。 今日はここで一泊し、夜に出発、明方にはルーイェンに入ろう。 |
■スレイ To:ALL |
いよいよルーイェンですね、楽しみです(^^) やっぱり砂漠だから、火の精霊力が強いんでしょうねぇ・・・・ |
一向は、川の土手で日陰になる所を探して、野営した。
まだ砂漠に入ってはいないが、かなり日中の日差しは厳しくなってきている。
夕方、ルーイェンを目指して出発する。
地面が徐々に土から砂に変わってゆくのが足の裏の感覚からもわかる。
空気は少し肌寒い。砂漠は昼と夜で気温の差が激しいのだそうだ。
地平線の遥か上空に浮かぶ月は、空気が澄んでいるためか、青白く、 とてもきれいに見える。
■イスカ |
これが、砂漠・・。 ほんとうに、何もない。何も聞こえない。死の静寂だ。美しいな・・ |
イスカがぽつりとつぶやいた。
■ロッド |
・・・・・・ 多数の精霊が仲間のような声で話しかけ、 時には彼の名前を呼んだりする。 すると、旅人は往々にしてこれに惑わされて、あらぬ方向へと誘い込まれる。 そして、2度と姿を見せない・・・。 ―――砂漠には気をつけて。 |
ロッドも囁くようにひっそりと言った。
砂漠はきれいだが、危険な場所でもある。
やがて、地平線の向こうに緑の島のようなものが、 ぽっかりと浮かんで見えて来た。
近づいても、蜃気楼のように消えることもなく、それは徐々に細部をあらわにしていった。
とうとう、オアシス都市ルーイェンに辿り着いたのである。
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