遺された意志
銀の網亭 個室 |
宴会は盛り上がり、かねてからの計画通り、酒の呑み比べをすることになった。
■ ヴァーン To:おおる |
さてっと、そろそろ勝負といくかい? へっへっへ、みんなの根性のほども見せてもらおうかぁ? |
と、手にしたグラスを一気に空けた。
GM:一気のみは危険です。絶対に真似しないようにしましょう!
■ ヴァーン To:おおる |
ぷふぅぁ〜、よっしゃ、次行くぞ次! |
■ フェリオ To:おおる |
っかぁぁ〜〜、けっこー強いな、これ。 |
■シェル To:おおる |
ゴク、ゴク、ゴク……。 ふぅ〜 |
■ パオル To:ALL |
くぅ〜〜〜! これはなかなか……いけますね。 はいはい! 次いきましょ! 次!! |
上機嫌で酒を注いでまわる回るパオル。
■ アルト To:パオル |
おっと、気が利くねぇパオル♪ んじゃ私もご返杯……っと。 |
二杯目。
■ ヴァーン To:おおる |
ぷふっぷぷぅぅ、んぐ、ま〜だまっだっ平気だぜぇ〜俺様はよぉ? |
■シェル To:おおる |
ゴク、ゴク、ゴク、ゴク……。 ボクはお酒はそんなに飲めないんだけどな〜。 |
■ パオル To:ALL |
なぁ〜んか……目の前がぐるんぐるんしてるけど……。 皆さん、とりあえずドンドンいっときましょ! |
再び、皆に酒を注いでまわる回るパオル。
手元が少し怪しいか?そして、3杯目。
■ ヴァーン To:おおる |
んぐっ、んぐぅぅ、うっぷぷっ、んっぐ、ぷふぅぁ〜、なんやジョージ、もうギブなんかい? 俺様は、まだまだ平気やっちゅうねん…………(ふらふら |
ヴァーンもかなり酒が回ってきたのか、共通語に西方訛り(?)が出てきている。
■ ジョージ To:ヴァーン |
申し訳ございません…………。 戒律上、普段飲み慣れていないもので…………。 |
最初にダウンしたのはジョージだった。
■ ジョージ To:おおる |
飲み過ぎたようですね……。少し席を外させていただきます。 |
扉を開け、ジョージは静かに部屋を出た。
■ フェリオ To:ヴァーン |
はぁはぁはぁ、そーゆーブァーンらってロレツがおかひいぞ〜(ふらふら |
フェリオもあまり人のことは言えていない。
■ パオル To:ALL |
は〜い! こっちもおかわりです。皆さんもう駄目なんですか? まだたったの三杯ですよ! まだまだこれからですからね! ……。。。。(o_ _)oバタッ! グゥ〜ー……むにゃむにゃ……。 |
■シェル To:おおる |
あ、パオルさん、大丈夫? ……って、寝ちゃってる……(^^;;) |
■ アルト To:生き残り組 |
ん〜? パオルはもうダウンかい。 ……仕方ないねぇ、んじゃパオルに代わって、今度は私が酒を注ぐとしようか……。 折角の美人の酌、よ〜く味わって飲むんだよ? |
4杯目。
■ ヴァーン To:おおる |
うっぷぷっ、んっぐ、ぷふぅ、うぅぇ、はぁはぁ、なんやおっかしいなぁ、ちょいとドタマの具合が……。 |
■シェル To:おおる |
ヴァーンさん、なんか、フラフラしてるよ? だいじょぶ? |
■ フェリオ To:おおる |
ふぅぅ……やっぱりみゃほうを使い過ぎたみたいら……。 |
■ アルト To:フェリオ |
だらしが無いねぇ、これしきの酒で……って……はれ? フェリオ、な〜に分裂してんだい。 を? またフェリオが増えた…………。 |
酒をついで回るアルトの手つきも、かなりあやしいくなってきた。そして、5杯目。
■ ヴァーン To:おおる |
んっぐ、んっぐ、んっぐ、んっぐ、んっぐ、んっぐ…………バタン! ……キュ〜〜〜〜〜〜〜 〜(>○<)〜 |
■ フェリオ To:ヴァーン |
かっら、かっらぞ、ぶぁぁぁんにかっら〜〜〜…………。 はぅぅぅぅ〜〜〜…………(×_×) |
■シェル To:おおる |
う〜ん、さすがにお腹がいっぱいになってきたかも……。 ……ってあれ、ヴァーンさんも寝ちゃってる……(^^;;) よっほど、疲れてたんだね……。 |
ほんのりと頬を染めながら、シェルがしみじみと呟く。
そのシェルを、突然背後から羽交い締めにしながら、
■ アルト To:シェル |
しぇぇるぅぅ〜〜……。あんたホントに底はあんのかい……? …………何事にも、げん……かいって……もんがさ…………。 |
一瞬崩れ落ちかけた身体を何とか押し止めると、よろよろとシェルの右腕を掴んで高々と持ち上げた。
■ アルト To:シェル |
本日の勝者〜キング・オブ・のんべぇ〜〜しぇるぅぅぅぅ!! ……………………ばったり。 |
勝者は、全くもって意外な伏兵。
■シェル To:おおる |
ゴック、ゴック、ゴック……。 ……? 天井がグルクル回ってる……? |
■シェル To:おおる |
……なんか……急に……眠く……な……ってきた……。 コテン ……ス〜〜〜〜〜〜〜。(_ _). 。 。оΟ◯() |
シェルはさらに2杯を空け、ダントツのトップで勝利に花を添えたのだった。
■ パオル To:ALL |
酔ってないれふよぉ〜! ボカぁまだ酔ってないれふ〜!! この〜フライドチキンをたへるまでは……たおれ……わけにはいかんのれすぅ〜…………。 (=●^0^●=)パクパク(=●^0^●=)モグモグ |
突然ムクリと起き上がると、テーブルの上の料理を掴み、次々と頬張る。
かなり酔ってるが食い気は十分らしい。
その時である。
■ 仮面ラーダRX To:おおる |
トウッ! 君たち! 今回はよく頑張ってくれたな……。 まずは、オレからもオメデトウと言わせてくれ。 そして……オレはこの街を去らねばならない…… この街以外にもどこかで助けを求めてる人がいる……。 少しでも多くの人を救いたい。 だから、オレはこの街に留まるわけには行かないんだ……。 しかし、君たちの勇気と知恵があればこの街の平和は守られると信じている! 機会があれば、いずれまたどこかで会うこともあるだろう……。 それまで、しばしの別れだ。 |
どう登ってきたのか、部屋の窓から仮面ラーダが現れた。
■ パオル To:仮面ラーダRX |
ふにゃ? こりはこりは仮面りゃーださん! おひさしぶりでふ……。まぁまぁとりあえずは一杯のんでくらはい! ささ!! ぐっといっちゃって下さい! |
ジョージの使ってたコップに酒を注ぐと、仮面ラーダRXに手渡した。
■ 仮面ラーダRX To:パオル |
いや、そろそろオレはいかねばならん。 気持ちだけもらっておこう………。 |
パオルは、手にしたグラスを見つめ、フライドチキンと共に中身を胃に流し込んだ。
流石に酔いが回ったのか、パオルはいい気持ちでフライドチキンの山に顔をつっこんで意識を失った。
眠りながらも、フライドチキンを囓っている辺りはさすがとしか言いようがない。
■ アルト To:仮面ラーダRX |
ん〜? |
声に気付いてうっすら目を開けると、ぼ〜っと仮面ラーダを見つめた。
■ アルト To:仮面ラーダRX |
うあ? リーダー……な〜に……やってんだい……? |
■ 仮面ラーダRX To:おおる |
(みんなの酔いが醒めるまでに出て行かなくては……) アディオス!! ラーダッシュ!! |
仮面ラーダが去ったテーブルの上には、仮面ラーダマスクと、そしてジョージが購入してきた箱が置いあった。
■ 仮面ラーダRX(ジョージ) To:オラン |
(さらば!我が第二の故郷オランよ!) らぁだ〜♪ らぁだ〜♪ かめ〜んら〜あ〜だぁ〜〜♪<BGM:ロンリーラーダ |
■ アルト |
………………………………(_ _)。zzz‥ |
ロンリーラーダを子守歌に、いつの間にか、アルトは夢の中へと沈んでいった。
銀の網亭 酒場「幸せの木」 |
■ ジョージ To:おやじ |
ハァハァ…………フゥ…………。 ……マスター。預けてあったテントを受け取りたいのですが……。 |
■ おやじ To:ジョージ |
おや、どうした? ……他の連中は、まだ上だろう? |
■ ジョージ To:おやじ |
先ほどエレミアのラーダ神殿への転勤が決まりました。 時間が経てば経つほどオランを離れ辛くなりますので、今日のうちに出発しようと思います。 あと、他の人達にもそう伝えておいていただけませんか? |
■ おやじ To:ジョージ |
そうか……それは淋しくなるな。 エレミアに行っても、冒険者稼業は続けるのか? |
■ ジョージ To:おやじ |
はい。それはおそらく。まだまだ修行中ですから……。 何かの用事でオランに立ち寄ることがありましたら、必ずこの店に顔を出します。 お世話になりました。 |
■ おやじ To:ジョージ |
そうか。それなら、向こうの店で、俺の名前を出してみろ。 少しは役に立つかもしれないからな。 それじゃ、向こうでの活躍も期待してるぞ。 |
■ ジョージ To:おやじ |
はい。有り難う御座います。 それではマスターもお元気で………。 |
銀の網亭 個室 |
いつの間にか空になったフライドチキンの皿の上で、パオルは唐突に目を覚ました。
■ パオル To:仮面ラーダRX |
え、え? あれ!? ちょ! ちょっと……。 おや? これは何かな? |
いつの間にか消えていた仮面ラーダと、残された箱。
パオルは、箱を開けてみた。
■ パオル |
こ! このオランの旗は……。 まさか……あの人は!! |
箱の中には、懐かしいオランの小旗(#18参照)が入っていた。
マスクを掴むと、外へ走り出るパオル。
当然、ジョージの姿は見えるはずもない……。
■ パオル To:仮面ラーダRX |
ジョージさ〜ん! いや仮面ラーダRXさん!! 貴方の心……ヒーローの心を確かに受け取りましたよ……。 今はまだ、貴方のようになれないけど……いずれはこの迷いを断ち切って、貴方のようになりたい!! |
そう、明日に向かって誓うパオル。
その手にあるマスクには「luck&pluckiy」と記されていたとか、いないとか。
■ ヴァーン |
んんっ…………はっ、俺としたことが?! |
パオルの叫び声にがばっと跳ね起き、ヴァーンは慌てて周りを見渡した。
■ ヴァーン |
ん、なんだよ、ジョージ、それにパオルも居やがらねぇ…………ひょっとして、あの野郎…………もう行っちまったってのかい?! そりゃあないぜ!! |
パオルの後を追って部屋を飛び出した。
銀の網亭 酒場「幸せの木」 |
階段を転がり落ちんばかりの勢いで駆け下りてきたヴァーンは、酒場の中を急いで見回した。
■ ヴァーン To:余韻に浸ってるパオル |
おう、パオル、ジョージの奴、もう行っちまったのかい? まだ追いつけるかなぁ?! |
店の外で、仮面ラーダマスクを握りしめエレミアの方向を見つめて立ちつくすパオル。
■ ヴァーン To:おやじ |
お、おやじ! ジョージは?! もう行っちまったのかい? |
■ おやじ To:ヴァーン |
ああ。多分、お前達の顔を見ていると別れが辛くなると思ったんだろうよ。 ……そう言えば、あいつとは同じ頃にここの店に来たんだったな。 真面目そうな坊さんと跳ねっ返りで、どうなることかと心配したが……。 いい仲間になれたようだな。 |
■ ヴァーン To:おやじ |
そうかい、行っちまったかい……でもよ、水くせぇじゃねぇかよ、ジョージ。黙って行っちまうなんてよぉ…………。 |
■ おやじ To:ヴァーン |
エレミアに行っても冒険者を続けるって言ってたからな。 縁が有れば、何処かで会うこともあるだろう。 ……ほら、これは俺のおごりだ。 |
おやじは、カウンターにヴァーンを座らせると、カップにエフリッツタンを注いだ。
■ ヴァーン To:おやじ |
ああ、ありがとよ、おやじ……。 ……いい仲間……俺達ぁ、いい仲間だったのかな……面倒ばかりかけてたような気もするけどよ……。 ………………。 まあ、縁がありゃまた会うこともあるだろうさ……あばよ、ジョージ。 |
なんとなく天井を見上げつつ、淋しげな微笑みをうかべて佇むヴァーン。
しかし、ヴァーンも、ジョージも、パオルも、そして、アルトもシェルもフェリオにとっても……。
道はまだまだ途中である。一度離れたそれぞれの道も、再び交わることもあるだろう。
生死を共にして冒険した仲間ならば、きっと必ず……。