絆
銀の網亭 酒場「幸せの木」 |
いつも通りの喧噪。
何気ない日常に戻ってこられたこと、冒険者が幸せを感じるときの一つかも知れない。
ドアを開けたヴァーンに気付いた親父は、さっそく声を掛けた。
■ おやじ To:ヴァーン |
おう、どうした? 他の仲間は? まさか、お前さんだけが生き残ったなんてことはないよな? |
■ ヴァーン To:おやじ |
まさか! 縁起でもねぇこと云うなよ、おやじ。全員、無事でピンピンしてるさ。 ただ、俺のほうの後始末が先に終わったってだけだろう。みんな、そのうちに来るさ。 おやじ、とりあえず酒だ。火酒を一杯頼むぜ。 |
■ おやじ To:ヴァーン |
そりゃ良かった。 送り出した奴らにまた無事に出会えたときほど、この店をやってて良かったと思うときはないのさ。 ほれ、いつもの酒だ。 仲間が来るまでまだ時間があるんなら、少し話を聞かせてくれよ。 |
いつもの酒をグラスに注ぎヴァーンに渡すと、おやじもジョッキを片手に興味津々と言った風にヴァーンを見た。
■ ヴァーン To:おやじ |
とにかくくたびれたよ、今回はさ。 実際、かなりやばかったしな。なんと言ってもよ、俺ぁあんな火の玉見たのは初めてだったからな。なんでも古代王国の魔法らしいんだけどさ。あんなもの食らった日にゃ俺なんか……………………。 |
ヴァーンのグラスが1杯しか空かないうちに、ジョージ達が戻ってきた。
■ ジョージ To:ヴァーン&おやじ |
ヴァーン君、今戻りました。 マスター。宴会の用意を御願いできますか? |
■ フェリオ To:おやじ |
ちゃーっす、今帰ったぜ〜。 さ〜てっと、宴会だ宴会だ、楽しい宴会だ〜(^-^) |
■ パオル To:おやじ |
ただいま〜! ゴハンはできてますか〜? こっちは何時でもいけますよ!! |
■ シェル To:マスター |
マスターさん、ただいま〜。 無事に終わってよかった〜。 あ、ヴァーンさん、先に帰ってたんだね。 |
■ ヴァーン To:ALL |
おう、皆お疲れさん。へへっ、こっちは意外と早く片付いたもんでよ、先に一杯飲ませてもらってるぜ? |
■ アルト To:ヴァーン |
仕事の疲れは旨い酒で癒やす。これが仕事の基本ってやつだねぇ。 ……でも、いいのかい? ヴァーン。先にとばして飲んでて後で潰れても知らないよ(^^) ま、ヴァーンには無用の心配だとは思うけどね。 |
■ ジョージ To:アルト&ヴァーン |
まあ、毎日あれだけお酒をたしなんでるヴァーン君ですから、きっとこの程度ではハンデにもなりませんね。 |
■ おやじ To:おおる |
お、全員揃ったようだな。 さて、ここじゃなんだろう。二階を使ってくれ。 と、そのまえに注文を聞いておこうか? |
■ ヴァーン To:おおる |
俺だって、一応皆を待ってて、まだ一杯しか飲んでないんだぜ? おやじ、もう一杯頼むわ。 |
■ フェリオ To:おやじ&おおる |
せっかくのお祝いなんだからよぉ、ケチくせえ事言わないでビンだろうがタルだろうが適当に見繕って持って来てくれや〜(^^) |
■ パオル To:おやじ&おおる |
それじゃあ料理の方も大皿に一杯頼みましょうよ! おやじさ〜ん! そーゆーわけだから料理は十人前でお願ね。 |
■ アルト To:おやじ |
ひとつ自慢の腕を振るって、旨い料理を頼むよ? |
■ おやじ To:おおる |
おう、これで全部か? それじゃ、上で待っててくれ。急いでもって行くからな。 |
ジョージ達の注文を書き留めると、おやじは厨房へと向かった。
銀の網亭 個室 |
■ ヴァーン To:おおる |
さてっと、酔っ払う前に金の清算だけしておこうぜ?! とりあえず、俺が預かってた分の残りが150ガメルあるぜ。 |
と正直に机の上に前金の残り150ガメル出した。
■ フェリオ To:おおる |
ふっふっふっ、こっちだってちゃぁ〜んと学院の導師から報酬
貰ってきたんだよ。 |
と同じく正直に机の上に2000ガメル出した。
■ パオル To:ヴァーン |
これでまたお酒が沢山飲めますね? あの……昼間飲んでたジュースは何でしたっけ……ササササ、サ……サラマンデル? テルかな? あれも美味しかったけど……。 あれってどこで売ってるんです? もう一度飲んでみたいかなーと……。 |
■ ヴァーン To:パオル |
サラマンダラってんだよ(笑) ここでも売ってるし、おやじに頼んどいたから、瓶ごと持ってきてくれるはずさ。 |
■ アルト To:パオル&ALL |
へぇ? 結構パオルもいける口なんだねぇ。 それなら、どうだい? 後からみんなで一緒に飲み比べでもさ(^^) |
■ ヴァーン To:アルト & おおる |
ほほ〜う、そいつはいいねぇ。楽しみだぜ(不敵な笑み) |
■ アルト To:ヴァーン&フェリオ |
流石にヴァーンは自信あり気だねぇ……でも、そうやすやすと一人勝ちはさせないよ(^^) ついでにフェリオ。もし私に勝てたら、仕事前の借金はチャラで構わないよ。 やっぱ勝負ってやつには、こういう醍醐味がなくっちゃねぇ♪ |
■ フェリオ To:アルト&ヴァーン |
よっしゃぁ、受けてたつぜ。 あ、そうだ、ヴァーン!! お前もまだ賭け金払ってないよなぁ? さっさと払ってもらおうか……と言いたいとこだけどな、飲み比べで勝ったらそっちもチャラにしてやるぜ? そのかわり負けたら倍取るけどな? さ〜って、面白くなってきやがったな〜。 |
おやじと女将さんが注文の品を持って上がってきた。
樽はさすがに持ってこられなかったが、ビンを数本持ってきたようだ。
たくさんの皿に、山のような食料がのり、美味しそうな匂いが部屋にたちこめた。
■ おやじ To:おおる |
ほらよ、待たせたな。 どうだ? 今回は結構稼げたのか? |
■ 女将 To:フェリオ |
下で景気の良いこと言ってたんだから、期待してるわよ(笑) |
■ フェリオ To:女将さん |
ま〜かしときなって。 装備買った金引いてもあんたを食事に誘えるくらいの金は十分にあるぜ? チャ・ザ神殿の側で美味いパスタを出す店知ってんだけど……今度一緒にどう?(笑) |
■ 女将 To:フェリオ |
あらあら、お茶目な坊やだ事(笑) でも、そう言うセリフは、せめてこの人が居ないときに言った方が身のためよ? 私もこの人も、伊達に冒険者をやってたわけじゃないからね。 |
本気か冗談か。おやじは、凄みのある笑みを浮かべながら、大きな音を立てフェリオの前にグラスを置いた。
■ フェリオ To:おやじさん&女将さん |
な〜に言ってんすか、おやっさんのいない時に言ったら冗談にならんでしょぉが?(笑) でもまぁ、その気になったらいつでも言ってね〜。 |
■ ジョージ To:おやじ&おおる |
注文の品と部屋代………150ガメルで足りますか? ではとりあえず、この150ガメルを支払いに充てておきます。 |
情報料の残りの150ガメルを親父に渡した。
■ おやじ To:ジョージ |
ああ、十分だ。 なら、酒の食い物もたっぷり持ってこんとな。 |
■ ジョージ To:おおる |
では、依頼料の残り1600ガメルと学院からの謝礼2000ガメルを6人で分配します。 一人600ガメルですね。お確かめ下さい。 |
3600ガメルを6人で割り、600ガメルずつみんなに配った。
■ アルト To:ジョージ |
ひのふの……と、よし、確かに受け取ったよ。 |
■シェル To:ジョージ |
え〜と、600ガメルだよね。 ……うん。たしかにあるね。 |
■ ジョージ To:パオル |
それと、パオル君から預かっていた財布と、立て替えて貰っていた分をこの報酬からお返しします。 |
借りていた財布をパオルに返す。
財布の中身は、立て替え分の金額をジョージの報酬から戻し、預かった時の金額に戻してあった。
■ パオル To:ジョージ |
あ、はい。あれ? あんまりお金が減ってないみたいですけど……。 |
■ ジョージ To:パオル |
ああ……食事代はおごらせていただきました。 |
■ パオル To:ジョージ |
え? そーなんですか?どーもありがとうです!! |
■ フェリオ To:おおる |
よし、そんじゃあ金の分配も終わった事だし、まずは乾杯といこうぜ〜。 リーダー、号令頼むぜ(^-^) |
と、言いつつコップを配る。
■ ジョージ To:おおる |
それでは、依頼の成功を祝って………。 乾杯!! |
■シェル To:おおる |
(ジョージにならって) かんぱ〜い!(^^) |
■ ヴァーン To:おおる |
仕事の成功と全員の無事を祝って…………乾杯! |
■ アルト To:ALL |
良き出会いと、出会えた仲間達に……乾杯♪ |
■ パオル To:ALL |
皆さんの無事にかんぱ〜い! |
■ フェリオ To:おおる |
そんじゃ、最後に俺達の前途に……乾杯!! |
■ ジョージ To:おおる |
(グラスを一杯空ける) …………このような席でこんな事を言うのは誠に申し訳ないのですが。 私、近日中にエレミアのラーダ神殿に転勤することに決まりました。 それほど離れた土地ではありませんが、これからはお会いすることも少なくなるでしょう。 オランに立ち寄った際は銀の網亭に顔を出しますので見かけたら声を掛けてください……。その時は、 余裕があればおごったりおごらなかったり……(弱気) |
■ フェリオ To:ジョージ&おおる |
っておいおい、リーダー……今、前途に乾杯したばっかなのに……。
……ったく、しょうがねえなぁ、どうせヘマやって左遷されたんじゃねえのか? |
コップの中には、石のついたネックレスが入っていた。
おそらく、グラスを配るときに密かに忍ばせたのだろう。
ジョージのグラスには白、パオルには水色、アルトには朱赤、ヴァーンには暗い蒼、シェルには暖かい橙色、そしてフェリオ自身のグラスには青空の様な青色の石が入っていた。
■ ジョージ To:フェリオ |
なんと!? いつの間にっ!? お心遣い感謝します、フェリオ君。有り難く頂戴しますよ。 |
■ アルト To:フェリオ |
……これ、フェリオが選んだのかい? たく、相変わらず憎い演出してくれるねぇ。 ……ありがと、すごく嬉しいよ。これでみんなバラバラになっても、大切な―――って、くうっ……どうも私は、こういうムードには弱いんだよ……。 |
目元をごしごしと擦りながら、アルトが声を詰まらせた。
■ フェリオ To:アルト |
な〜に、安心しろって。 もし、バラバラになってもアルトになんかあったら例え場所がケイオスランドだろうがイーストエンドだろうが……相手がドラゴンだろうがマナ・ライだろうが、駆けつけてやるからよ。 |
と言いつつ肩に手を……。
■ アルト To:フェリオ |
嬉しいこと言ってくれるねぇ。 そんな事聞くと、今度魔術師ギルドのマナ・ライの部屋に襲撃かけたくなるじゃないか……。 でも、ま………。 |
しかし、アルトは背後のフェリオの手から身体をかわし、にっこり笑って……。
軽くフェリオに抱き付いた。
■ フェリオ To:アルト |
……え? |
しかし、すぐさま離れると、
■ アルト To:フェリオ |
頼りにしてるよ、フェリオ(^^) |
悪戯好きな少女のように微笑んだのだった。
■ フェリオ To:アルト |
あ……あ〜っと……お、おう、任しとけよ。 ま、まぁ……安物で悪ぃけどな……はは(^-^;; |
■ ヴァーン To:フェリオ |
おう、うまいことやるじゃねぇか、ええ? (にやにや |
と、フェリオの脇腹を肘で軽く小突く。
■シェル |
(フェリオ、喜んでもらえてよかったね) |
コップからネックレスを取出しながら、フェリオに向かって微笑む。
■ アルト To:ジョージ |
それにしても、リーダーも水臭いねぇ。 そう言う話があったんなら、一言言ってくれれば良かったのに……。 |
■ ジョージ To:アルト |
申し訳ございません。先ほど神殿に寄った際に突然言われたものですから……。 |
■シェル To:ジョージ |
そうだったの……。 (だから、神殿出たあと、なんかうわのそらだったんだ……) 寂しくなるね。でも絶対また会えるよ! |
そんな雰囲気の中、何故か一人硬直しているパオル。
静かにコップを置くと、おもむろに右手を口の中に突っ込んだ。
その手を引き出すと、確かに水色のネックレスが出てきた。
■ パオル To:フェリオ |
凄いですねぇ〜。何時の間にボクの口の中に入れたんですか? ありがとうございます。大事にしますよ! |
■ フェリオ To:パオル |
へへ〜、凄いだろ〜…………って口の中? (と、途中で気付けよ、パオル) |
■ ヴァーン To:パオル |
くっくっくっ、さすがパオルでも、ネックレスは食えねぇよな、そりゃあ。 |
■ アルト To:パオル |
ブラックホール(パオルの胃のことらしい……)に落っこちる前で良かったねぇ……。 パオル、せっかく文無しのフェリオがなけなしの金をはたいて買ってくれたんだから、食うんじゃないよ。 |
■ フェリオ To:アルト |
うぅ……何もそんなに甲斐性無しを強調しなくても……。 そりゃ借金してる身分だから何も言えないけどさ……。 |
■シェル To:パオル |
パ、パオルさん……(^^;;) 口の中に入る前に気付いてよ(^^;;) |
■ アルト To:ALL |
んじゃ、リーダーの新しい門出を祝って、飲み比べで今日はひとつぱ〜っと盛り上がるとしようか! |