感謝の心
オランの街 リトナル商会前 |
もうすっかり夜も更けていた。
辺りの家は完全に戸が閉ざされ、明かりも消えているというのに、リトナル商会だけは扉が開かれている。
その明かりを見て、アニエスが走り出した。
■ アルト To:アニエス |
……っと……アニエス、足下に気を付けなよ!
………ふぅ。 |
隣を歩いてるフェリオに、にっこり笑いかけた。
■ フェリオ To:アルト |
あぁ、そうだな……やっぱ絵に収めるだけの価値のあるシーンだよなぁ。 まぁ、俺は仕事を終えた後の仲間の笑顔ってのも感動の再会に負けず劣らず良いもんだと思うけどな? |
そう笑い返す。
■シェル To:おおる |
うん。大変な仕事だったけど、この仕事受けてよかったと思う。 楽な仕事でも、後味が悪いのはいやだもん。 いい仲間にも会えたしね♪ |
と言いながら、シェルは無邪気にフェリオとアルトの間に入り二人と腕を組んだ。
■ フェリオ To:シェル |
あぁ、もう!! シェルの馬鹿!! 馬鹿!!! 馬鹿ぁ!!!!(T-T) このこのこのこのぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!! |
アルトの十八番を奪う首折りヘッドロックをかける。
■シェル To:フェリオ |
うわ!? アルトさん、助けてぇ〜(^^;;) |
■ アルト To:仲良し二人 |
んー……仲間同士の友情ってのは、いつ見ても美しいもんだねぇ(^^) |
楽しそうにじゃれ合う二人[?]を見て、うんうんと感慨深げに頷くアルトであった。
■ ジョージ |
……………………………………。 |
その騒ぎの横を、無言で歩くジョージ。
そこか上の空な様子である。どうやら、その原因は先ほど神殿で聞かされた転勤の話らしい。そのことを仲間に告げるべきか……。
そんなジョージの様子に気づき、シェルの首から手を放しつつ、
■ フェリオ To:ジョージ |
……ん? ……リーダー、どした? 折角、仕事が無事終わったってのにうかねえ顔だな? とにかく、依頼が終わったんだし、さっさと金貰って宴会でもしようぜ(^-^) |
■シェル To:ジョージ |
ジョージさん、どうしたの? もしかして、仮面ラーダさんに会えなかったのがそんなに残念だったの? |
■ ジョージ To:シェル |
…………え? ……ええ、まあそんなところです……。 |
■ フェリオ To:ジョージ |
……? (仮面ラーダに会えないなんて事はわかりきってるだろうに……どうしたんだ?) |
薄々仮面ラーダの正体に気付いたフェリオは、訝しげに首を傾げた。
■ アルト To:ジョージ |
そんなにも会いたかったのかい、リーダー……。 …………仮面ラーダに負けないセンスの男だったらすぐ側にだっているのに……。 |
■ フェリオ To:アルト |
そうだよなぁ? (………………………………って、誰の事だ?) |
リトナル商会 店内 |
■ フェリオ To:バートン&ミーシア |
ちわぁ〜っす(^-^) 約束通りアニエスちゃんは無事に連れてきましたよ〜。 |
店の中では、親子三人がしっかと抱き合っていた。
■ バートン To:おおる |
おお、君たちか! ありがとう! |
入ってきた冒険者に気付くと、バートンはやおら立ち上がり、駆け寄った。
■ パオル |
え? え!?(?? |
■ バートン To:おおる |
な、なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁ |
抱きつかれそうになったパオルが思わず避けてしまったため、勢い余って、そのまま外へ飛び出してしまった……。
■ ミーシア To:おおる |
本当にありがとうございます。 |
ミーシアも立ち上がり、目頭を押さえながら礼を言います。
いつものことなのか、夫のことは放っておくようだ。
■シェル To:バートン親子 |
よかったね(^^) |
■ パオル To:ALL |
ホントに良かったですよねぇ〜。 |
■ フェリオ To:ミーシア&アニエス |
いやぁ、ホントによかったよかった。 これで一件落着だな、はははははははは…………。 |
■ アルト To:ALL |
これで、私たちの仕事も無事終了ってわけだね。 じゃ、積もる話もあるだろうし、早く親子揃って水入らずにしてあげるとしようか。 ねぇ、みんな(^^) |
■ フェリオ To:アルト |
ま、それもそうだな……野暮な事はしないで俺達は退散するか(^^) って事で俺達はこの辺で失礼しますね。 |
冒険者が立ち去ろうとしたとき、開け放たれたままの扉からバートン戻ってきた。
■ バートン To:おおる |
何だ、もう帰るのか? 礼のルーファスの頭蓋骨を見て帰らなくて良いのか? |
■ フェリオ To:バートン |
(ちぃ、おっさん、戻ってこなくていいのに……(笑)) いや、見ると欲しくなっちゃいますからね、買えるだけのお金が手に入った時にまた来ますよ(^-^) 今日はとりあえず、報酬を貰ってお邪魔虫は退散します……っとそうだった、ネックレスの代金を学院の導師からお預かりしてますよ。 箱とネックレスで2000ガメル貰ってきたんで1000ガメルずつですね、とりあえず、収めといてください。 |
と言って、セシリアから渡されたネックレスの代金を渡す。
■ バートン To:おおる |
つまり、ネックレス代と言うことか。そう言うことなら、有り難く受け取らせて貰おう。 そうだ、ミーシア? |
ミーシアは頷いて、一度奧へ入り、袋を持ってまた出てきた。
■ ミーシア To:ジョージ |
こちらは、約束の報酬です。受け取って下さい。 |
袋には、前金の残り1600ガメルが入っていた。
■ ジョージ To:ミーシア&バートン |
……(数えてる)……はい。確かに。 それではこれで依頼の方は完了と言うことでよろしいですね? |
■ ミーシア To:おおる |
はい。ありがとうございました。 |
■ フェリオ To:バートン親子 |
おっしゃぁ!! そんじゃ銀の網亭に戻って宴会でもしようぜ(^^) そんじゃ、元気でな〜、アニエスも今度からは変なモノには触らないように気をつけるんだぞ〜。 |
■ アルト To:アニエス |
友達とも、仲良くやんなよ? みんな、アニエスのこと心配してたからね(^^) |
■ アニエス To:おおる |
うん、ありがとう。 あ、ちょっと待ってて。 |
アニエスは、二階へ上がり、なにやらがさごそと机をあさっていた。
そして、息を切らせながら戻ってくると、
■ アニエス To:アルト |
これ、あたしからのお礼。大切にしてね。 |
そう言ってアルトに差し出したのは、イービエーター。
■ バートン To:アニエス |
おい! それは売り物……まったく、仕方がないな……。 |
仕方がない、と嘆息するバートンの手を、ミーシアが優しく取って微笑んだ。
■ アルト To:アニエス |
これは、確か魚の頭蓋……っと、えーと、確かイビーエーターって名前だっけね。 …………ありがと、アニエス。しっかり幸運わけてもらうよ(^^) |
差し出されたイービエーターを受け取ると、アルトはアニエスの頭をなでて礼を言った。