勝負の行方
スラム 倉庫の中 |
倉庫の中を覆っていた闇は、アルトの唱えた呪文によってかき消された。
倉庫へ入った冒険者達の眼前、シェルの持つカンテラに照られアニエスがゆっくりと振り向いた。
■ アニエス To:おおる |
へえ、本当に来てくれたんだ。 てっきり逃げだすと思ったのに、見た目以上に頭悪いのかな? |
例の箱を手に持ちながら、アニエスは満面の笑みで冒険者を迎えた。
しかしその目には、明らかに蔑みの色が見えた。
■シェル To:アニエス&他の子供達 |
子供達が大勢捕まってるのに、逃げ出すわけないでしょ。 みんな、今度こそ助けてあげるからね! |
■ パオル To:アニエス |
ふぅ……悪いけど……ボクらは遊びに来たんじゃないよ。言う事を聞かない悪い子をお仕置きに来たんだよ。 ちなみに言っとくとね、確かにボクは頭も悪いし、トロイし、ドジだし、よく食べるけどね……。って! なんで君にそこまで言われなきゃならないの!! いいかい? 悪ふざけもそろそろ終わりにしてくれないかな? 何が目的かは知らないけど、これ以上勝手な真似はさせないからね!! |
パオルも、囮になるためか、武器は抜かずにアニエスに近づいた。
■ 仮面ラーダRX To:アニエス |
オレは逃げも隠れもしないっ!! 今度こそ決着をつけてやるぞ! ラーダァブレイドッ!! (芝居がかったポーズで剣を抜く。) 行くぞっ!! (この辺でBGMが変わる) |
……変わらない。
仮面ラーダは、心の中でBGMを奏でつつ、アニエスに向かって突進した。
■ アニエス To:おおる |
そうこくっちゃ。 上手く踊ってよね。面白かったら、お兄ちゃん達もあたしの おもちゃに加えてあげる。 |
アニエスの指示で、映身達も冒険者を迎え撃つべくゆっくりと立ち上がった。
■ フェリオ |
(まいったな〜……てっきりヤツは箱には触れないもんだとばっかり思ってたけど……手に持ってるんじゃやりにくいな〜……) |
仮面ラーダとパオルとフェリオ。三方向からアニエスに向かって突進を始めた。
スラム 倉庫の屋上 |
■ ヴァーン To:独り言(屋根上で待機中) |
まだだ、焦っちゃいけねぇ、俺様の出番を待つんだ…………。 |
仲間を信じ待つことも、大切な仕事である。
仲間が作ってくれる一瞬の隙の為に、ヴァーンは耐えた。
スラム 倉庫の中 |
■ アルト To:アニエス |
(さて……と) ……あんたの遊び相手は、今度は私がするよ! アニエス……いや、クリカイル!! |
■ クリカイル(アニエス) To:アルト |
小娘、何故その名を! |
クリカイル(アニエス)の注意が自分に向いた瞬間、アルトの『ピッカリ君』が閃光を放った。
■ 仮面ラーダRX To:キール |
(くっ!退く気はないようだな……。ならばここは……) ラーダラーダ ラーダ(エコー) ジャンプッ!! トウッ!!\(`O´)/ |
助走をつけ、大きく子供を飛び越した。
……一人目は。
■ 仮面ラーダRX To:ウォルト |
あら? ………もう一人……… |
派手な効果音と共に(GM:有りません)仮面ラーダの膝蹴りがウォルトに炸裂した。
■ 仮面ラーダRX To:ウォルト |
大丈夫か!? 男なら痛みや苦しみをバネにして立ち上がるんだ!! 負けるな!! |
■ フェリオ |
……自分で膝蹴りカマしといて大丈夫か? も何もあったもんじゃねえな……。 |
■シェル To:ティータ&サージ |
ティータ、サージ、ごめんっ! (キッ) ……大地の精霊……ノームよ……我が敵の歩みを妨げよ……! |
所々石が禿げ、土がむき出しになっている床から、シェルの召喚に応じて土の精霊が現れた。
ティータとサージは、抗いきれずに見事に転倒してしまう。
■ クリカイル(アニエス) To:アルト |
お、おのれ、小む……すめぇ……。 貴様、何故それを……。 |
『ピッカリ君』の影響なのか、明らかにクリカイル(アニエス)の動きは鈍った。
■ アルト To:アニエス |
(ふぅ……どうやら上手くいったみたいだね……) …………さて、何して遊ぶんだい? 今度の鬼はあんたの番だよ。 |
■ クリカイル(アニエス) To:おおる |
蛮族共がぁ! 貴様ら如き虫けらが、私に盾突いたこと、後悔させてやるぞ! |
呪文を唱えようと試みているようだが、精神の集中が出来ていないようだ。
映身も冒険者を攻撃するが、効果的なダメージは与えることが出来ない。
■ パオル |
(子供たちの攻撃は平気だけど、問題は魔法か……。ヴァーンさんに期待したいね) |
■ 仮面ラーダRX |
(今だ!! あの箱さえ落とせば……大いなるラーダよ我に力を!) おおおおおおおっ!ラーダブレイクッ!! |
クリカイル(アニエス)の持つ小箱を狙って、仮面ラーダが剣を振り下ろした。
しかし、クリカイル(アニエス)は身をよじってかわした。
■ 仮面ラーダRX |
(しまった! オレとしたことが……。 最初から使った必殺技は必ず破られる絶対のジンクスがあるというのに………) |
■シェル |
(これ以上精霊の力使ったら気を失うかもしれないな……) ……でもやるだけやってみるか (キッ) ……精神の精霊……レプラコーンよ……悪しき魔術師の心をかき乱せ……! ……… (バタッ) |
シェルは、精神力を使い切りその場にぱたりと倒れた。
しかし、そのかいあってか、精神をかき乱されたクリカイル(アニエス)は、途中まで完成していた呪文の詠唱が出来なくなった。
■ ヴァーン To:アニエス |
(亡霊め、なめてっと、痛い目見るぜぇ?!) |
満を持して飛び降りたヴァーンだったが、着地寺に結構大きな音が立ってしまった。
■ アルト |
さぁて、と。後は任せてこのまま一人で物見遊山……ってわけにはいかないねぇ。 |
ディランに対し、鞭を振るうも、ダメージは与えられなかった。
■ フェリオ To:アニエスもどき |
さっさと消えやがれ!! この変態魔術師がっ!! |
フェリオも鋭い踏み込みで仮面ラーダ同様に箱を狙うも、クリカイル(アニエス)のすばやい身のこなしにやはり避けられてしまう。そして、映身となったディランは、アルトを攻撃した。
■ アルト To:ディラン |
あいたた……。 ディラン、正気に戻ったら覚えてなよ……(--;; |
■ パオル To:アニエス |
アニエスさん! 今、助けるから心をしっかりもって!! |
■ 仮面ラーダRX |
(みんな! オレに力を貸してくれっ!!) ラ〜ラ〜ラ〜♪<BGM:チャージアップ! ラーダパワー(コーラスバージョン) GM:有りません。 (この辺画面分割でアニエスの友人達のイメージ) GM:は現れません。 集まれ!奇跡のエネルギー!! (手のひらに光が集まってくるような気がした) GM:気がしただけです。 R! X! ラーダチョォ〜ップ!! (このシーン別アングルから3回ほどリピート) GM:しません。 |
ラーダブレイド(レイピア)を床に落とし、ラーダナックル(セスタス)で箱を狙う。
強烈な一撃が、クリカイル(アニエス)の手から小箱を弾き飛ばした。
■ アニエス To:仮面ラーダ |
蛮族が! 許さぬ、許さぬぞ! |
素早く反応したのはヴァーンだった。
すかさず小箱をキャッチし、クリカイル(アニエス)に向ける。
■ ヴァーン To:古の亡霊 |
おおっとっと……へへ、頂いたぜ?! てめぇの負けだな(にや |
アルトが、
■ アルト To:ディラン |
ミイラ取りがミイラになってんじゃないよ、この馬鹿! |
パオルが、
■ パオル To:アニエス |
ゴメン! アニエスさん!! ……って! わ! わ!わ! わあぁぁぁぁぁぁぁ……!!! |
体当たりで相手を止めようとした。
その瞬間。