その言葉は『ジャンニ』
賢者の学院 セシリアの部屋の前 |
部屋を出るとすぐに、
■ フェリオ To:シェル |
あ〜、シェル? 実はな……こんな事言うのも何なんだが……飯を食おうにも金が無くてな……わりぃけど食事代を貸して欲しいんだ(^^;; 全くダセェ話だよな……とてもじゃねえが他の皆にゃ言えねえな(--;; |
■シェル To:フェリオ |
お金? うん、いいよ。 どのみち、アルトさんの分も買うんだしね。 ……んじゃ、お店探そ。 この建物の中にあると楽なんだけど……フェリオ、知らない? |
辺りを見回してお店を探すが、ここは研究室が並ぶ階……。
■ フェリオ To:シェル |
…………そうだな……あそこは定食屋か何かじゃないか? 何となくそれっぽい感じがすると思うんだが……。 |
と言って、怪しげな扉の付いた部屋を指差す。
扉に書いてある文字は『死霊魔術研究室』……。
フェリオの方向音痴は、方向感覚がないためだけではないらしい。
■シェル To:フェリオ |
……なんか「死霊」とか書いてあるよ……? ……フェリオ……さっき幽霊の話したばかりじゃない……(--;;) なんでこれが定食屋なの……? (アルトさんの言った通りになったよ……(--;;)) |
■ フェリオ To:シェル |
そうか? ……美味しそうな匂いがするんだけどなぁ……血肉したたるステーキのような……(゜¬゜) まぁ、違うんならしゃあないな……何でもいいからとっとと食って戻ろうや(^^) |
二人が去りかけたとき、丁度その扉が開き、
「ありがとしたっ!」
と、威勢の良い声を掛けられ、一人の魔術士風の男性が出てきた。
■ フェリオ To:魔術士風の男&シェル |
……は? …………やっぱり定食屋だったの……かな? ……なぁシェル?どう思う? |
■ シェル To:フェリオ |
……ほんとに定食屋なのかなあ? ……とりあえず、あの人に聞いてみるよ。 |
シェルは、今でてきた魔術師風の男性に話し掛けた。
■ シェル To:魔術師風の男性 |
あの〜、いきなり、すいません。 ボクら、食事できる所をさがしてるんですが、食堂かなにか、御存じないでしょうか? |
■ 魔術師風の男性 To:シェル |
食堂? 1階に有るぞ。 |
■シェル To:魔術師風の男性 |
あ、そうでしたか。どうも有難うございます。 早速、言ってきます。 あ、ところで……。 |
今男が出てきた扉を指差し、
■ シェル To:魔術師風の男性 |
……ここは、食堂じゃなかったんですね。 ボクはてっきり、あなたが今食堂から出てきたのかと思ったんです(^^;;) ……では、失礼します。 |
■ フェリオ |
(ん? ……じゃぁさっきの声は一体なんだったんだろうな……(?_?)) |
シェルは、その男におじぎしてから、フェリオを引っ張って1階に向かった。
■ 魔術師風の男性 To:シェル |
あ、待てよ……っていっちまったか。 一応ここも食堂は食堂だったんだがな……。 |
食堂『ねくろまんしー』。
趣味が高じて昼時に店を開きだしたという、一風変わったお店。学院の、隠れた名店となっている……らしい。
賢者の学院 階段 |
■ フェリオ To:シェル |
って、おいこらシェル!! 後ろからマントを引っ張るなってばさぁ〜。 食堂は一階なんだろ? ここの階段って急だし危ないと思うんだけどなぁ(^-^;; …………お願いだから人の話を聞けぇぇぇ〜〜〜!!
ひいぃぃぃやあああああぁああ |
■シェル To:フェリオ |
……え? フェリオ、なんか言った? |
ようやく後ろを振り向いて、
■シェル To:フェリオ |
……あ…………(^-^;;) |
シェルと階段と私……。
そんなフレーズがフェリオの頭を駆けめぐったかどうかは定かではない……。
賢者の学院 セシリアの部屋の前 |
フェリオ達が食事を終えて戻ってくる頃には、文献をあたり始めてから、既に1時間近くが経過していた。
■シェル To:アルト |
ただいま〜。 はい、これ。アルトさんの分だよ(^^) |
シェルは、アルトに食堂で買った食べ物を渡した。
■ アルト To:シェル&フェリオ |
お、ありがとさん(^^) どうやら、迷わずに帰って来られたみたいだね。 心なしか、フェリオの生傷が増えてるような気がするけど……。どこかでドラゴンと遭遇でもしたかい? |
■ フェリオ To:アルト |
ん〜……まぁドラゴンじゃねえが……流石は学院って感じかな? ……階段が急過ぎんだよ……大体さぁ、何もこんなバカみたいに高い塔を作らなくったって……ブツブツ……。 |
■ シェル To:アルト |
……アルトさん、どう? 見つかりそう? |
■ アルト To:ALL |
んー見つからないねぇ…………。 まぁ、この分厚い本の中からお目当ての情報を見つけだすとなると、それこそ神頼みでもしなけりゃそうそう簡単には見つから………………。 |
ふと、ページをめくっていた手が止まった。
そして、アルトはその項のある一点を見つめながらにんまりと笑った。
■ アルト To:ALL |
…………ふふふ……見つけたよ。 いやいや、これも私の日頃の行いが良いからだねぇ(^^) |
そのページを開けたまま、本をセシリア導師に渡すアルト。
■ アルト To:セシリア |
封印の箱…………どうやら予想的中みたいだよ? そのためには、箱を持って合い言葉を言う仕掛けになってるみたいだね。 鍵となる言葉は、『ジャンニ』……朝をもたらす者、ねぇ……? |
■ フェリオ To:セシリアちゃん |
見つかったんですね? ……その合い言葉を唱えれば子供達……肉体を乗っ取られたアニエスと映身と化した子供達を救う事が出来るのですか? |
■ セシリア To:フェリオ |
可能性は高いね。少なくとも、ペンダントを壊すっていうのよりはずっとましだろうね。 |
■シェル To:おおる |
でも、合い言葉って、箱を持って言わなきゃならないんでしょ? てことは、先にアニエスちゃんから箱を取りかえさなきゃならないね。 ……できるかなあ? |
■ アルト To:シェル |
なぁに弱気な事言ってんだい。できなくても、やるしかないだろう? ……まぁでも、確かに、何か先手を打った小細工でも用意しておかないことにはまた朝の二の舞かもしれないねぇ。 子供達には迂闊に手を出せないし…………。
……っと、そうだ! シェル、あれなんかどうだい? |
……レント曰く、『ピッカリ君(仮)』。
これではまるで、アルト自身が『うっかり君』である。
■シェル To:アルト |
そりゃそうだね(ポリポリ) 『うっかり君』? ……ああ、あのピカッて光るおもちゃだね。 なるほど。向こうの注意を引き付けるにはもってこいかも。 じゃあ、倉庫に行く前にレント君の家に寄って借りていこうよ。 アニエスちゃんを助けるためだもん。レント君きっと貸してくれるよ。 |
■ フェリオ To:シェル&アルト&セシリアちゃん |
光か……確かにアイツには有効かもしれないな……。 ま……小細工は出来るだけするか。
では、導師。一刻を争う為、我々はこれで失礼させていただきます。 |
■ セシリア To:小僧っ子(フェリオ) |
ああ、待ってるよ。 それと一つ言っておくけどねえ……人を外見で判断してると酷い目に遭うよ、坊や(微笑) |
■ フェリオ To:セシリアちゃん |
……ええ、わかっていますよ、セシリア導師。 今回の一件でその事は十分に思い知りましたので……ね。 |
…………………全然わかっていないようだ。
■ アルト To:セシリア |
んじゃ、色々と世話になったね。 今度来るときは、何か手土産でも持ってくるよ。 導師も、次から部屋の片づけには注意しておくれよ? |
アルトは、通路に出たところでふと足を止めた。
■ アルト To:セシリア |
………………と、それから…………。 いや、こんなこと別にどーでもいいんだけどさ。 ……バースって偏屈導師は、まだ元気かい? |
■ セシリア To:アルト |
なんだい、おまえさんは、バースんとこの娘っこかい。 相変わらずやかましいことだよ。あいつは、あと20年はくたばらないんじゃないかね(笑) |
■ アルト To:セシリア |
ふん、昔から憎まれっ子は世にはばかるって言うからねぇ。がみがみ言ってる内は、そう簡単にくたばりやしないさ。 小言言うのが生き甲斐みたいな爺さんだからね。
ま、もし話す機会があったら、ひとつ不良弟子が宜しく言ってたって伝えといておくれよ。 |
■ セシリア To:アルト |
ああ、伝えとくよ。 しかし、今日日の弟子はカナルと言いお前さんと言い、師匠を敬う気持ちに欠けてるねえ(苦笑) |
■ アルト To:セシリア |
カナル? ってのは、ひょっとしてセシリア導師の弟子かい? |
■ フェリオ To:アルト |
へぇ……アルトの師匠かぁ……。 ……そう言えば俺はアルトの事を全く知らないんだよな、アルトも俺の事知らないだろうし……な。 どうだい? 最初の宴会もお流れになっちゃったし……この仕事が終わったら一緒に酒でも飲まないか? |
と言いつつ肩に手を回そうとする。
■ アルト To:フェリオ |
仕事後の一杯かい? そりゃいいねぇ。酒の誘いなら、いつだって大歓迎だよ(^^) |
にっこり笑顔でそう言いつつも、アルトは背後に伸ばされた手をがしっと素早く掴むとそのまま引っ張って行き、シェルの肩の上にぽんとのせた。
■シェル To:アルト&フェリオ |
ん? フェリオ、どうしたの?(^^) |
と、肩をくんできたフェリオに取り敢えず微笑む。
■ フェリオ To:シェル |
あ〜いや、何となく急にシェルと肩が組みたくなっちゃってな……。 |
■ アルト To:フェリオ&シェル |
ま、でもどうせ飲むなら、打ち上げも兼ねてみんなで騒ぐとしようよ。最初の宴会の分までさ。 ね、シェル?(^^) |
■シェル To:アルト&フェリオ |
そだね。楽しむなら多い方がいいもんね。 ね、フェリオ?(^^) |
無邪気に話を振られたフェリオは、
■ フェリオ To:アルト&シェル |
あぁ、そうだねぇみんなでやったほうが楽しいよねぇ……はははははははははははは……はぁ……。 |
やけっぱちの笑い声と共に、そのままシェルと肩を組んで歩いていったのだった。
賢者の学院 一階ロビー |
学院のロビーには、苛立たしげにリュースが待っていた。
■ リュース To:おおる |
おせえよ。すげえ待たされたぜ? とりあえず、ガキ共はまだ倉庫にいるみてえだ。さっさと来てくれとさ。 |
■ フェリオ To:リュース |
わりぃわりぃ、でもそれなりの収穫はあったからさ……これで何とかなりそうだぜ(^^) |
■ アルト To:リュース |
でも、倉庫に向かう前にちょいと寄り道するところが出来てね。 悪いけど、旦那も一緒につき合ってもらえるかい? |
■ フェリオ To:アルト&シェル |
あっと……俺も小細工に協力しなくっちゃな(^^) ん〜っと……とりあえずリトナル商会へ報告となんか道具借りに行ってくるぜ。 |
■ アルト To:フェリオ&リュース |
じゃ、そっちはよろしく頼むよ。 と…………でも、フェリオ一人だけじゃ危険だねぇ…………。 リュースの旦那、すまないけどリトナル商会までフェリオの道案内してもらえないかい? こっちはシェルと二人で行って来るからさ。 |
■ フェリオ To:アルト |
…………………………………………………………。 |
■シェル To:アルト |
じゃ、ボクらも出ようよ。 |
■ アルト To:シェル |
そうだね、まずはリファの所に行ってレント坊の家を聞くとしようか。 |
■シェル To:フェリオ&リュース |
リュースさん、フェリオのことよろしくね。 |
■ フェリオ To:シェル |
……………………………………………………。 |
■ リュース To:シェル |
ああ、分かったぜ。それじゃ、例の倉庫でな。 |
■ フェリオ To:アルト&シェル |
……………………しくしくしくしくしくしく……信用ないんだなぁ俺ってば(T-T) |