頑固じじいと正しくつき合う方法
オランの街 コルナスの店 |
商業地区のはずれに、一件の小さな骨董品店があった。
店の作りは、リトナル商会と同程度。店の中には、初老の老人が一人、壺を磨いていた。
■ ジョージ To:じじい |
ごめんくださーい。 リトナル商会の使いで参った者ですが……。 |
■ コルナス To:使いっ走り |
なんじゃ? バートンとこの? |
■ ジョージ To:じじい |
失礼。あなたがコルナスさんでしょうか? リトナル氏に売ったペンダントの件でお話を伺いたいのですが、少々お時間いただけますでしょうか? |
■ コルナス To:使いっ走り |
ああ、かまわんが。 なんじゃ? |
■ フェリオ To:じじ〜 |
あのペンダントは誰から仕入れたんだい? っつーかじいさんがあのペンダントに関して知ってる事を詳しく教えて欲しいんだけどさ(^^) |
■ コルナス To:礼儀知らず |
……。 目上の者に対する言葉遣いも知らぬ若造に、話すことなど無いわ。 さっさと出て行け! |
■ パオル To:コリナス |
こんにち……。って、え? え? あれ? れ? いきなり……な、何なんですか!? |
フェリオの口調に腹を立てたのか、コルナスは冒険者を追い出し始めた。
■ アルト To:コルナス |
っとと、ちょいと待っとくれよ(^^;; ここで追い返されたんじゃ、バートンの旦那に合わせる顔がない。 今のはこっちが悪かったよ。別に悪気は無いんだけど、どうも言葉ってやつは誤解をされやすくってねぇ。 突然こんな大人数で押し掛けておいて信じてくれってのも身勝手だけど、ここはひとつ、バートンの旦那とその若造たちを助けると思って気を静めてもらえないかい? |
■ フェリオ To:怒りっぽいじじ〜 |
あぁっと、ごめんなさい〜(^-^;; 実はバートンさんの娘さんの命がかかってて一刻を争うんで焦ってたん……ですよ〜。 気に障ったら謝り……ますからお話を聞かせて……くださいよ。 お願い……します〜(_ _) |
■ パオル To:コリナス |
そ〜ゆう訳なんで、お願しますです。 |
フェリオにならって頭を下げるパオル。
■ ヴァーン To:独り言 |
やれやれ、こういう爺いにはそれなりの扱いってもんが必要なんだよ、まったく。フェリオも案外わかってねぇな……。 |
■ コルナス To:若造&嬢ちゃん |
全く、最初から素直にそう言えばいいんじゃ。 で、なんじゃと? バートンとこの娘の命とは穏やかじゃないのう。 何が聞きたいんじゃ? |
■ ジョージ To:コルナス |
まあ、そのペンダントの事で先ほど酷い目に遭いましてね。 先ほどの非礼につきましは謝罪します。 それで、件のペンダントのことなのですが………。 |
そう言って、ペンダントの形状について説明する。
■ ジョージ To:コルナス |
………こういった感じのペンダントをリトナル氏に売ったことは覚えてらっしゃいますか? そのペンダントの効能、入手経路についてご存知でしたら教えていただきたい。 それと、何かそのペンダントと関係のありそうな品は同時に入手されませんでしたでしょうか? |
■ コルナス To:おおる |
ああ、そのペンダントか。あれがどうかしたのか? あれは、知り合いから譲って貰った品で、ある箱の中に入っていたんじゃ。 |
■ ヴァーン To:独り言 |
ふ〜ん、知りあいねぇ……って箱って云ったな、今確かに……。 |
■ アルト |
………………ある箱…………? |
■ シェル To:コルナス |
あの〜すいません。その知り合いの人って、もしかして魔術師の人ですか? それから、コルナスさんはそのペンダントを身に付けたことはありますか? |
■ コルナス To:おおる |
……魔術師、と言うわけではないが、あながち無関係ともいえんな。 それに、何故わしがペンダントを身に付けなければならないんじゃ? |
■ シェル To:おじいさん |
……あ……それもそうですね。お店の商品を身に付けるってのも変ですよね(^^;;) (あちゃ〜、バカなこと聞いちゃった〜(^^;;))
…………? |
■ コルナス To:エルフ君 |
うーむ、仕入先をほいほい人に喋る物ではないんじゃが……。 ようするに、そこのお嬢ちゃんも行ったことがあるじゃろ? 三角塔じゃよ。 あそこで廃棄処分になった物を持ち出して売りに来る奴が居るんじゃ。 今回の小箱もその関係じゃろう。 ……さすがに、そいつの名前までは教えられんぞ。 |
■シェル To:おじいさん |
(三角塔? ……アルトさんが行ったことあるってことは賢者の学院のことかなあ?)
とんでもない、これだけ教えてもらえれば十分ですよ。 ……あ、すいません。名乗るの忘れてました(ポリポリ) ボクはシェルって言います。エルフ族の精霊使いです。 |
■シェル To: アルト |
ねえ、アルトさん、三角塔って賢者の学院のこと? |
■ アルト To:シェル |
ん……? あぁ、そうだよ。 うー……しかしよりにもよって厄介なとこから仕入れてきたもんだねぇ……。 |
すこぶる嫌そうにしている。
■ アルト To:コルナス |
と、そういや私もまだ名乗ってなかったっけね。 私の名はアルト。ま、「お嬢ちゃん」ってのも悪くはないけどさ(^^) お察しの通り、三角塔とは切りたくても切れない仲の職業ってやつさ。 |
■ フェリオ To:コルナス |
あ、それからペンダントが魔法の品物だとか聞いた事がなかったっすか? もしくは何かいわくつきだとか……どんな事でもいいですから何か ありませんか? |
■ コルナス To:おおる |
小箱を引き取ったときは、中に何が入っているか知らなかったんじゃ。 あの箱には、鍵穴があったわけでもないのに、何故か蓋がぴくりともせんでのう。わしも、ただ同然で引き取ったんじゃ。 なかなか細工が綺麗で、それ自身、箱としての用途にはつかえんでも、インテリアにはなるかと思ってな。 それが、数日前かのう。ふと気付いたら、箱の蓋が開いていたんじゃ。 そして、中にはあのネックレスが入っていた、そう言うわけじゃ。 |
■ パオル To:コリナス |
ふむふむ、なるほど……。 |
■ ヴァーン To:独り言 |
やっぱりそういう事かい。どうもあの飾り箱が今回の要みてぇだな。 |
■ フェリオ |
(……やっぱり封印か? ……しかし何もしてないのに封印が外れるってのはどういうこった? 考えられるのは、このじいさんが嘘をついているか、知らぬ間に封印を解く何らかの事をしてしまったか、誰かが解いたか……ってとこか? まさか賞味期限がきれた〜……なんてこたぁねえだろうし……。 やっぱり誰かが解いた……ってのが有力かなぁ……) |
■ アルト To:コルナス |
へぇ……? そりゃあまた、妙な話だねぇ。 ……その箱だけど、バートンの旦那に譲ったのがペンダントだけってことは、まだここに置いてあるんだろう? よかったら見させてもらえないかい? |
■ コルナス To:お嬢ちゃん |
箱か? うーむ……。 それなんじゃが、数日前に店に盗人が入ってな、その箱が盗まれてしまったんじゃ。 もともと、ただのような物で手に入れた物じゃし、中にあったネックレスもそれなりの値でバートンに売ったので、損害は大してないんじゃが。 |
■ アルト To:コルナス |
(……どうやら、間違いないみたいだね) そりゃ残念だねぇ、是非一度見てみたかったんだけどさ。 それにしても、その箱が開くきっかけみたいな事は本当に何も無かったのかい? |
さあ? と言う風に首を傾げた後、
■ コルナス To:おおる |
そういえば、バートンの奴は、あのネックレスに触ったとき変な痺れるような痛みを感じたとか言ってなかったかの? まあ、そう言った気味悪さもあって、変わり物が好きなあいつに譲ろうと思ったわけなんじゃが……。 |
バートンは、そんなことは言っていなかった。
が、彼のことだから、そんなことは気にしなかった可能性もある。
■ ヴァーン To:独り言 |
んな物騒なもの、人に売るんじゃねぇよ。だいたい。、お人よしのバートンに押し付けただけだろうが……。 |
■ アルト To:コルナス |
いや、そりゃ初耳だね。 ……てことは、旦那はそんな痺れを感じたってわけかい? |
■ コルナス To:アルト |
まあ、そう言うことじゃ。 何というか、意識が遠くなるような、そんな不思議な感じじゃったな。 |
■ フェリオ To:コルナス |
…………あの……少し気になったんですが……お聞きしても良いすか? さっき三角塔で廃棄処分になった物を持ち出して売りに来る奴がいるって言いましたけど……それってイケナイ事なのでは?(^-^;; |
■ コルナス To:若いの |
確かに、誉められたこと、じゃないわな。 しかしまあ、落ちてる物を拾うことまで神様も咎めはしないじゃろ? |
■ フェリオ To:コルナス |
そりゃまぁ、落ちてたモノを拾うのは悪い事じゃないですけどね……。 (落ちてたモノがバケモンだったりしなければ……の話だよ、まったく(--;;) |
■ ジョージ To:コルナス |
実はあのペンダントには…………。 |
リュースが箱を盗んだことは伏せ、倉庫内での出来事を話した。
■ ジョージ To:コルナス |
…………この件ではすでにかなりの犠牲者が出ています。 このまま放っておけば、もっと増えることでしょう。事は一刻を争います。 あなたに箱を売った人物を教えていただけませんか? ご迷惑はおかけしません。 |
■ コルナス To:神官君 |
……うーむ。信用はこの商売の最低限のルールじゃからな……。 |
■ ヴァーン To:コルナス |
じいさん、そりゃアンタの信用問題だってこともわかるけどよ、こっちだってそれどこじゃねぇんだよな、何とか頼むぜ? |
■ ジョージ To:コルナス |
…………わかりました。 私は、ジョージ=マクドヴァルと申します。 ペンダントと箱について何か気づいたことや思いだしたことがあれば、リトナル商会の方にご連絡いただければ幸いです。 どんな些細なことでもかまいません。御願いいたします。 |
コルナスは何かを振り切るように一つ頷くと、店を出ようとするジョージ達を呼び止めた。
■ コルナス To:ジョージ、おおる |
…………待ってくれ。 バートンはともかく、あのペンダントのせいでお嬢ちゃんが困っているのなら、やはり見捨ててはおけんな……。 わしの名前を出して、オルダスと言う男に会ってみろ。 |
■ アルト To:コルナス |
オルダス…………? 聞き覚えのない名前だねぇ。 まぁ、学院にはさっぱり戻っちゃいないし……会ったことあってももう覚えちゃいないだろうけどさ。 |
■ フェリオ To:コルナス |
……コルナスさん、ありがとっす(^^) あなたは良い人っすね……ま、後は任しといてくださいよ、あなたの心意気を無駄にしない為にもきっとアニエスを助けてみせますんで(^^) |
オランの街 コルナスの店の前 |
■ ジョージ To:おおる |
みなさん。なにぶん時間がございません。 すぐに三角塔に向かいましょう。 |
■ ヴァーン To:おおる |
なにも、みんなでぞろぞろ行かなくたっていいような気もするが……。 |
■ フェリオ To:ジョージ&おおる |
オッケー! 目指すは三角塔だな。 (……三角塔って……どっちだったけかな?(^-^;;) |
■シェル To:フェリオ |
フェ〜リ〜オ〜先頭いっちゃだめだよ〜?(^^) |
と言いながら、フェリオのマントを掴む。
完全に、フェリオの方向感覚については、信頼が失われたようである。
■ フェリオ To:シェル |
ば、馬鹿野郎! あ〜んな巨大で有名な建造物の場所くらいわかんないとでも思ったのか? ぐだぐだ言ってないでさっさと行くぞ〜! |
と言いながら指さしたのは、王城……。
■ アルト To:ALL |
う〜………………やっぱり、行くんだねぇ……。 |
何やらしぶしぶ付いていくアルト。
■シェル To:アルト |
……? アルトさん、なんでそんなに嫌そうな顔してるの? 前はそこで勉強してたんでしょ? |
理由が分からず、キョトンと聞くシェル。
■ アルト To:シェル |
…………………………。 |
無言のまま真顔でシェルに近付くと、肩に手を置き、そっと耳元にささやきかけた。
■ アルト To:シェル |
実はね、シェル……ここだけの話だけど、三角塔の魔術師ギルドってのは世を忍ぶ仮の姿……。 その実体は、裏で毎夜極秘の人体実験を繰り返す、悪魔信奉者達の本拠地なのさ……。 地下に降りると、幾重にも続く犠牲者達の叫び声がいつも反響しててねぇ……そりゃあもう、ぞっとする光景だよ? あんな所にのこのこ出向いてっちゃ、命が幾つあっても足りないねぇ……。 |
語り終えると、シェルの反応をしばし観察する。
シェルが、どうやら話を真に受けているのを見て、嬉し気に離れた。
■ アルト To:シェル |
……ってのはまぁ、冗談だけどさ(^^) ま、誰にでも苦手な場所のひとつくらいあるってことだね。 |
にっこり楽しそうに笑うと、シェルの肩をぽんと叩いた。
■シェル To:アルト |
そうだよね。誰でも苦手なところってあるもんね(^^) (ボクだって、故郷の森に帰るのはちょっとイヤだもんな…) ……ところで、さっきの魔術師ギルドの話、ほんっとに冗談だよね? |
にっこりと笑い返しますが、その笑みはどこかひきつっていた。
どうやら、アルトの冗談を一瞬真に受けたようである。
■ アルト To:シェル |
…………さぁねぇ? 見ようによっちゃ、ぞっとするような場所には違いないんじゃないかい? シェルがどう思うかは……行ってみてのお楽しみってやつだね。 |
意味深な笑みを浮かべる。
■ ジョージ To:おおる |
……あの……私、ちょっと野暮用があるのですが……。 皆さん先に三角塔へ行っていただけませんか? 私も後から参りますので。 |
そう言うと、足早にその場を離れた。そして……。
ぐぅ〜〜〜!!
その音の主は言わずと知れた……。
■ パオル To:ALL |
(^^;; あらら? そーいえば……朝から何も食べてなかったですよね。 スミマセンけどボクもちょっと良いですか? 後でリトナル商会の方に行きますんで……。 |
心なしか頼りない足取りでその場を立ち去ろうとするパオル。
かなり……いや、かつて無いほどの空腹状態なのだろう。
■ ヴァーン To:ALL&パオル |
俺も三角塔は遠慮しとくぜ、ああいうとこは苦手でな。 それより、やっぱり俺はリュースが心配だから様子を見てくるぜ。 パオル、腹ごなしには付き合うからよ、ちょいと例の倉庫までついてきてくれよ。さすがに一人じゃ怖ぇからな。 |
と、パオルに声をかけつつその場を離れた。
■ パオル To:ヴァーン |
え? 腹ごなし? それなら是非ともお供させて頂きますよヴァーンさん! もちろん、ヴァーンさんのお・ご・りですよねー!! |