a masked ball
| オランの街 リトナル商会前 |
午後も早い時間。
店中をひっくり返して、店主が捜し物をしてるリトナル商会は、開店休業状態である。
バートンは、冒険者達に気付き声を掛けてきた。
| ■シェル |
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うわぁ、すごい……(^^;;) |
様々な品が散乱する店内を眺めて、目を丸くする。
| ■ バートン To:おおる |
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ダメだなぁ。 闇雲に何か無くなった物はないか探しても、埒が明かない。 そっちはどうだい? 何か分かった事は? |
| ■ ジョージ To:バートン |
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アニエス嬢を発見いたしました。 しかし、現時点では連れてくるのは困難です。 |
| ■ バートン To:ジョージ |
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なんだそりゃ? アニエスが駄々でもこねてるのか? |
| ■ ジョージ To:バートン |
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それなら、こんな大怪我はしなくて済んだのですが…………。 問題は彼女のしているペンダントです。 こういったペンダントに心当たりは御座いませんか? |
ペンダントの形状を聞いたバートンは、慌てて店の中の戸棚を引っかき回し出した。
| ■ フェリオ |
| ……ふ〜ん……色んなモノがあるんだなぁ(^-^) |
バートンが散らかしたものを見ながら、店内を物色している。
| ■ バートン To:おおる |
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そ、それだ! この前、コルナスのじーさんのとこから仕入れてきたネックレス! |
その言葉に、リュースがぴくっと反応した。
| ■ リュース |
| コルナスだって? |
| ■ ヴァーン To:リュース |
| おい、兄弟。なんか心当たりあるのかい? |
リュースを隅のほうに引っ張っていって問いただす。
| ■ リュース To:ヴァーン |
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……その店なんだよ、例の箱を頂いたのは……。 偶然てぇのは重なるもんだな……。 |
| ■ ヴァーン To:リュース |
| ははあ、読めたぜ……たんなる偶然なんてはずはねぇな、箱とペンダント――やっぱりなんか繋がりがあるに違いねぇ。 |
| ■ アルト To:バートン |
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仕入れて来たってことは、あのペンダントは元々此処の商品ってわけかい。 それなら、アニエスがあれを持ってたのも納得だねぇ……。 |
店の品物を見て回っているフェリオの方をちらりと見て、
| ■ アルト To:フェリオ |
| フェリオ……その辺の物下手に触ってると何が起こるか分かんないから気を付けなよ……?(^^; |
| ■ フェリオ To:アルト |
| は? なに? なんか言った? |
フェリオは、店の奥の方からネックレスやら指輪やら奇妙な物をたくさん装着した状態で振り向いた。
| ■ アルト To:フェリオ |
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……………………………………………………。 フェリオ……たった今から、私の半径3m以内には近付くんじゃないよ? |
すすすと、フェリオから距離をとるアルト。
| ■ フェリオ To:アルト |
| ??? ……アルト? なに? なんで避けるんだ? |
| ■シェル To:フェリオ&アルト |
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え? どうしたの? ……フェリオ、何? その格好? |
異様なフェリオの風体を見て、目をパチクリさせている。
| ■ フェリオ To:シェル&アルト |
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さぁ、なんかアルトに避けられてるみたいなんだ……。
……あ、この格好? へへ〜ん、いいだろ〜♪ここらに散らかってるのでかっこいいのを適当に付けてみたんだ(^-^) |
| ■ アルト To:フェリオ |
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……遠慮しとくよ。 まだ、人生捨てたくなるほど世の中には絶望してないんでね……(--; |
| ■ シェル To:フェリオ |
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何処からともなく声が聞こえてくる? も、もしかして、フェリオ、精霊の声が聞こえるの!? |
精霊と亡霊……一文字違いで大違いである。
| ■ フェリオ To:シェル |
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ん〜? ……これ精霊の声なのかなぁ? なんか色々と呼びかけてくるんだけど ……こっちへこぉぉぉ〜〜い……とかさぁ……。 |
| ■ バートン To:フェリオ |
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! ばかやろ! なんてもん身に付けてるんだ! それは、彼の悲運の鬼姫・オマールが愛用した首切り鋸に、稀代の道化師・シャンスンの禿げヅラ! それに、その靴は、西方で一時期流行したベルダイン・ブーツ! ! そのベルトは、伝説の勇者が晩年苦しんだ腰痛を癒したとされるマジックベルトじゃないか! 勝手に商品に手をつけるなぁ! |
| ■ フェリオ To:おおる |
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ちぇっ、ちょっと試着しただけじゃないすかぁ〜、 戻しときゃいんだろ……ってあれ?
……あ、あの……いくつか外れないんだけど?(^-^;; |
| ■ ジョージ To:フェリオ |
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なかなかお似合いですよ。 どうですか? いっそ購入されては? |
ちらっと見た後、目を背けながらそう言った。
| ■ フェリオ To:ジョージ |
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そ、そう? 似合ってる? ん〜じゃぁ買っちゃおうかなぁ? |
| ■ パオル To:フェリオ |
| うん、なかなかシュールで良い感じかもしれませんよね。 |
少なくとも誉めては無いようだ……。
| ■ バートン To:フェリオ |
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客なのか? それなら、安くしとくぞ。 お前さんなら、そのカツラの価値が分かって貰えそうだからな(^^) 5000ガメルでどうだ!? |
| ■ フェリオ To:バートン |
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う〜む……5000かぁ……出世払じゃ駄目……すよね(^-^;; しょ〜がない、とりあえず予約しとくから取っといてくれよ〜、いつか金が出来たら買いに来るからさ♪ |
| ■ ヴァーン To:おおる |
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んな事、あとにしとけよ。 それより、なあ、みんな、リュースが云うには、例の箱の出所もコルナスじーさんのトコだってよ。 ひょっとして元は飾り箱も一緒だったのかもよ。きっとなにか繋がりがあるはずだと思うんだが。 とりあえずよ、そのコルナスじーさんの線でペンダント――と箱――の出所をたどってみれば、なんかもーちっとわかるんじゃねぇか? |
| ■ ジョージ To:バートン |
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なるほど。そのコルナスさんについて詳しくお聞かせいただけますか? とにかく、あのペンダントを何とかしないとどうにもなりませんからね。 |
| ■ バートン To:おおる |
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じーさんは、骨董品屋だよ。何度か取り引きしたことも有るぞ。 あのペンダントは、この前じーさんの店に行ったときに、面白い掘り出し物って事で買い取った物なんだ。 確かに、面白い掘り出し物だったな。 場所は、ほら、商業地区の……。 |
| ■ アルト To:バートン |
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面白いって……まぁ確かにあんな物騒極まりない代物、そうは無いだろうけどねぇ? 全く、そのじーさんも何処でそんなもんを手に入れたのやら……。 |
| ■ シェル To:おおる |
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でもさ、よく、コルナスさん無事だったね。 なんでそのおじいさんはペンダントに操られなかったんだろ? 首にかけなかったから? それとも、何か別のわけがあるのかなあ? |
| ■ アルト To:シェル |
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さぁねぇ? 案外、フェリオの言っていた変態野郎ってのもあながちハズレじゃなくって、乗っ取る方もじーさんより若い女の子の方が良かったとか……。 ……もし、そうだとしたら……敵は相当のマニアックな変態だね……。 |
| ■ フェリオ To:アルト |
| ふふふ……俺はあいつの趣味を見切ったうえで変態野郎と呼んでいたのさ!! |
拳を握りしめて力説するその頭で、禿げヅラが陽光を跳ね返し光っていた。
| ■ パオル To:フェリオ |
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ふむふむ。(フェリオさんなんか、えらく力が入ってるね) (-_-;;(う……き、急に目眩が……。なんか体が変だな……) |
一瞬ふらついたパオル。原因はどう考えても……。
| ■ ジョージ To:バートン |
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そのペンダントと一緒にコルナスさんから仕入れた物は何か御座いますか? それと、仕入れたときにペンダントについて、何か仰っていませんでしたか? |
| ■ バートン To:ジョージ |
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さあなあ? 可笑しそうに笑いながら渡されたが、何も言ってなかったな。 詳しい話は本人に聞いた方が良いと思うぞ。 |
| ■ ジョージ To:バートン |
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そうですね……ではちょっとコルナスさんの所に伺ってみます。 ……あと、フェリオ君……くれぐれも万引きはしないように。 買わないのでしたら、一つ残らず外してから来て下さい。 |
| ■ バートン To:フェリオ |
| 買う気がないんなら、ちゃんと置いて行けよ。 |
| ■ ヴァーン To:フェリオ |
| おいおい、さっきはなんかえらそうな事言ってたよなぁ?(にやにや |
| ■ フェリオ To:ジョージ&バートン |
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万引きなんかする訳ないだろ……外れないんだってば(--;; バートンさぁ〜ん、これ外してください〜。 |
バートンは、何処をどう触ったのか、一瞬でカツラを外してしまった。
| ■ アルト To:リュース |
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……ところで、あんたはこれからどうするんだい? いくら何でも、このまま私たちと一緒にそのじーさんの所に行くわけにはいかないだろう? 特に急ぐ用事がないってのなら、ちょいと頼みたいこともあるんだけどさ。 |
| ■ リュース To:アルト |
| 頼み事にもよるぜ。なんだい? |
| ■ アルト To:リュース |
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いやね、何とか逃げ帰ってはきたものの、どうもさっきからアニエスの言った言葉が気になっててさ。 確か最後に、「また夜に遊ぼう」ってなことを言ってただろう? もしよかったら、私たちがそのじーさんとこに行ってる間、ちょいと子供達の様子を偵察しに行っててもらえると有り難いんだけど……どうだい? ま、あんたには帰りを待ってる人もいることだしね。別に、無理にとは言わないよ? |
| ■ リュース To:アルト |
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なあに、命を救われた礼ぐらいはするさ。それぐらいはお安いご用だ。 ただ、その前に一度家に寄らせて貰っていいか? ケイトの奴も心配してるだろうしな。 そう時間は掛けねえからよ。 |
| ■ アルト To:リュース |
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助かるよ、すまないね。 あぁ、もちろん構わないよ。顔見せて、喜ばしてやりな(^^) |
| ■ リュース To:アルト |
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ありがてえ。 それじゃ、見張りの方は任してくんな! |
言うが早いか、ささと駆け出した。
| ■ ヴァーン To:リュ―ス |
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おいっ! ちょっと待てって……あ〜あ、行っちまった。案外せっかちな野郎だな。 ったく大丈夫かぁ? ま〜たとっつかまらなきゃいいんだが……。 |
一行は、コルナスの店へ向かった。