救出作戦開始!
スラム 倉庫前 |
スラムの一角の、荒れ果てた元は何かの倉庫であった建物。その前で、ディランは立ち止まった。
ここだ、と、ディランが目で合図した建物は、何人の侵入も拒むかのように、窓は全て戸が下ろされ、入り口の扉も閉められている。
■ ジョージ To:ディラン |
ここに行方不明の子供達が? |
■ ディラン To:おおる |
そのはずだ。 |
■ シェル To:おおる |
……なんか、気味が悪いね……。 |
■ ジョージ To:ディラン |
この建物の入り口……又は出口はここだけなのでしょうか? |
■ ディラン To:ジョージ |
ああ。左右、後ろ、隣接する建物との間に隙間がないからな。 出入りできるのは、正面の扉と、窓と……それぐらいか。 |
■ ジョージ To:ディラン |
なるほど………。 つまり、子供を救出したとしても外へ出るときはこの扉ということになりますね。 |
■ フェリオ To:ディラン&オール |
するってーと、中にいる奴等は袋の鼠ってわけだな? んじゃ、うだうだ言わずに一気に突っ込もうぜ? 例え犯人に窓から逃げられたって、俺達が頼まれたのはアニエスの捜索であって犯人逮捕じゃねえし……。 ……で、ディランさんよ、あんたはどうする? 一緒に来るかい?それとも……ここで待ってるか? |
■ ディラン To:フェリオ |
俺は荒事は苦手でね。 でもアルトの為なら、いかなる危険が待ちかまえるともお供するぞ。 |
そう言って、アルトにウィンク。
■ ヴァーン To:独り言 |
けっ、ったく気障な野郎だねぇ。 |
■ アルト To:ディラン |
……ま、人手は多いにこしたことはないけどさ。 ディラン、あんた獲物は何か持ってんのかい? |
■ ディラン To:アルト |
まぁ、それなりにね。 |
マントをめくると、そこには一振りのレイピアが。
■ アルト To:ディラン |
上等(^^) んじゃ、ひとつそのお手並み拝見といこうか。 |
にやり、とするアルトに、ディランも笑みを返す。
■ パオル To:ALL |
で、どうします? 正面から突撃しますか? それともヴァーンさんに中の様子見てきてもらいますか? |
■ シェル To:おおる |
僕は暗視ができるんだけど、役に立つ? |
■ アルト To:シェル |
暗視って……それも精霊の力、ってやつかい? 便利なもんだねぇ。 まぁでも、ひとまずここは専門職に任せるとしようよ(^^) 下手に足音でもたてて中の奴らに感づかれちゃ厄介だしね。 |
■ シェル To:アルト |
そ。精霊使いなら、みんな使えるよ。 でも、それほど便利ってわけでもないよ。ぼんやりとしか見えないんだもん。 そりゃそうだね(^^;)、覗くまえに足音がバレたら、元の子もないもんね(ポリポリ) |
■ ジョージ To:シェル |
…………それにはどのみち窓や扉を開ける必要がありますね。 中が暗いとは限りませんし。 ここはひとまず、ヴァーン君に任せた方がいいでしょう。 必要になりましたらその時は御願いします。 |
■ シェル To:ジョージ |
そのときは、任せてよ! |
■ フェリオ To:ディラン&オール |
ん〜……ここはヴァーンと「アルトにいいとこ見せたい」らしいディランに先行偵察してもらうか? 子供を人質に取られたらどうしようもないからなぁ……。 とりあえず、敵の人数くらいは確認しときたいし。 |
■ ヴァーン To:おおる |
へへっ、俺の出番かぁ?! まあ、専門家だからな俺達は。よ〜し、ここは俺に任せな! |
■ パオル To:ヴァーン |
頼みますヴァーンさん。 ヴァーンさん次第ですからね。 |
■ ディラン To:アルト |
アルトが行けと言うのなら、どこまでも。 |
■ アルト To:ディラン&ALL |
そりゃあ、頼もしい台詞だねぇ? ま、でもその腕前は後で見せてもらうとして……偵察ならヴァーン一人でも十分なんじゃないかい? |
■ フェリオ To:ディラン |
おおぉ〜、そこまで言うんだったら偵察なんてけち臭い事言わねえでどぉ〜んと最前線でも任せてみようかぁ(^^) 誘拐犯をばったばったとかっこよくなぎ倒しゃあアルトのハートもがっちりキャッチだろうしな? |
■ ディラン To:フェリオ |
おっ、いいねぇ。 じゃあ、そうさせて貰おうか? なんて言うと思ったのかい? それは、俺が請け負った仕事じゃないぞ。もし俺にそこまでの働きをさせるのなら、それ相応の報酬が必要だろう? それに第一、前線に出たら、何かあったときにアルトを守れないじゃないか。 |
■ アルト To:ディラン |
……大人しくただ守られるだけ、なんてのはこっちが御免だけどね。 しかし、ディランが言ってんのはもっともだね。 まぁ、こっちも別にあんたが好意でしてくれる以上のことを押しつける気はないから、安心しなよ。 自分たちの仕事は、自分たちで片を付けるよ。 |
■ シェル |
(運命の出会いねえ……どうやらディランさんの勘違いっぽいなあ……(--;;)) |
■ヴァーン To:おおる & フェリオに耳打ち |
まっ、そりゃそうだ。別に俺一人で十分だぜ、これくらいのことならな。 なあ、あのディランて野郎は、どうも信用しきれねぇと思うわねぇかい? それとなく様子に注意しといてくれ。 |
■ フェリオ To:ヴァーン |
オッケー、任しとけよ。 そっちこそドジんなよな? |
■ ヴァーン To:フェリオ |
なぁに云ってやがんだ、ええ? 任せとけってんだよ、これくらい朝飯前だぜ?! |
■ フェリオ To:ヴァーン |
へへっ、そいつぁ頼もしいな。んじゃ、頑張ってくれや(^^) |
フェリオは、スッとディラン後ろへまわった。
レイピアを下げている側の斜め後ろ45度、距離1.5m程後ろで、さりげなくディランの動きを見張る。
ディランは、それに気付いているのかどうなのか。
フェリオの目には、しかし怪しい挙動は映らなかった。足音もなく倉庫に近づいたヴァーンの耳に、子供の話し声らしきものが聞こえてきた。
扉の鍵は、どうやら閂のようになっており、開けるなら蹴破るしかないようだ。
それだけを確認すると、ヴァーンはパーティーの元へ戻った。
■ ジョージ To:ヴァーン |
どうでした? 何かわかりましたか? |
■ ヴァーン To:おおる |
ああ、とりあえずな……。 |
と、中の様子について皆に説明する。
■ ヴァーン To:おおる |
……ちゅうこった。あの扉は蹴破るしかねぇと思うぜ? |
■ ジョージ To:おおる |
このままここにいても一向に事態は変わりません。 一旦中に入ってみようかと思いますがどうでしょう? |
■ アルト To:ジョージ |
……リーダーも、なかなか大胆だねぇ。 確かに、打つ手をぐずぐず考えてるよりはその方が手っ取り早いけどさ。 こりゃ失敗のできない山場だしね、慎重に行動するに越したことはないと思うよ? このまま突入するんだったら、念のため正面からとあの窓の側とで二手に分かれてみるってのはどうだい? |
■ ヴァーン To:おおる |
だけどよ、俺らの中でまともな戦士はパオルしかいねぇんだぜ? 二手に分かれたらやばいんじゃねぇか? |
■ フェリオ To:ヴァーン&オール |
中に入るのと外で待機するのに分けるだけだろ? 別に二手に分かれても大丈夫じゃねえか? それに万が一、子供を人質にでも取られた時に全員が動けなくなったらきついと思うぜ? |
■ パオル To:ALL |
そーですね。もしもの時の事も考えておいた方がいいですね。 それで、ボクは一番前で戦えば良いんですよね? |
■ シェル To:おおる |
え〜と、ボクの役目はパオルさんの援護だね。 あ、そうだ。もし、声が届かないくらい分断されちゃったら、シルフに頼んでボクの声をジョージさんに届けるからね。 |
手短に突入作戦について話し合い、配置が完了した。
■ ジョージ To:おおる |
(指による合図):それでは入りますよ。3……2……1……GO! |
こうして倉庫攻略作戦(byジョージ)が発動された。