SW-PBeM Scenario #21
子供達は夜の住人
5章 冒険者、捕縛される!?

……優しい篝火

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スラム  詰め所

■ コミナ To:おおる
こんな部屋しかなくてすまんが、今晩はここで我慢してくれんか。

 そう言ってコミナが案内したのは、詰め所内の仮眠室らしかった。
 簡易ベッドが備え付けられており、なんとか体を休めることが出来そうである。
■ パオル
………………………………………………………………。
(死ぬ覚悟ができてないなら剣を抜くべきじゃない、でも……殺す覚悟ができてないのに剣を抜くから…………あんな事になるんだ。
結局、剣は殺す道具に過ぎないのか…………。
信念……ボクには信念なんてものがあるの? ボクは……何故、剣を手にするの?
分からない……分からないよ父さん! 剣とは何なの? 剣士とは何なの!? 冒険者とは…………)

 初めて人を斬ったことがよほどショックだったらしい。
 部屋の隅で、自問するパオル。
■ ジョージ
ふぅ…………。
(とんだところで時間を食いましたね……関係ない犠牲者も出してしまいましたし……。
 まあ、だからといって一度受けた依頼を投げ出すわけにも行きませんからね……。
 とりあえず、今日は疲れました……。休みましょう……)

 逆に、今後のことを気に病むジョージは、さっさと床につき、疲れをとろうとした。
■ フェリオ To: パオル
パオル……リンゴ、食うか?

■ パオル To:フェリオ
ありがとう……ございます。でも今はいいです。
何も…………食べたく無いんですよ……。
スミマセン……。

 せっかくのフェリオの気遣いも、今のパオルには届かなかった。
 フェリオも、差し出されたリンゴを所在なげに見つめる。
■ ヴァーン To:パオル
 んだよ? らしくねぇなぁ……。

 ぼそっとそう言って肩をすくめる。
 しかし、口調からはパオルを思う気持ちがにじみ出ていた。
■ フェリオ To: パオル
そっか……ま、いいけどよ。
……リーダーも寝ちまったみてえだし……寝るか……。

■ アルト To:パオル
そうだね……今日何があっても、生きてる限り次の日はやってくるもんさ。
パオルも、あんまり根詰めてないで明日に備えて早く寝た方がいいよ?
んで、明日も頑張ろうよ。
それじゃ、お休み……。

 今後のことを考えれば、休息をとることは必要である。
 アルトは、別にあてがわれた部屋に戻り、眠りについた。
■ シェル To:パオル
パオルさん……元気だしてね……。
……お休み……。

 パオルを心配そうに見ながら、シェルも瞼を閉じた。
■ ヴァーン To:パオル
 さあて、とっとと寝ようぜ? こんなときは寝ちまうに限る!
 俺ぁ、寝るぜ?!

■ パオル To:ALL
…………そーですね。寝ますか……。
……おやすみなさい。


スラム  詰め所前

■ コミナ To:おおる
昨日は、すまなかったな。
こっちでも、何か分かったら知らせよう。

■ ジョージ To:衛視A
いえ……こちらこそご迷惑をおかけして、誠に申し訳御座いませんでした。
ご協力していただけるなら幸いです。

 深々と頭を下げながら礼を言う。
■ パオル To:衛視A
ご迷惑を……お掛けしました。

 まだ吹っ切れないのか、暗い声で、こちらも深々と頭を下げながら言った。
■ ヴァーン 
 ………………。
(意外と悪くねぇもんだな、今度ヤサ追い出されたら、また世話になっかなぁ…………)


オランの街  スラム

 詰め所からしばらく歩いたところで、冒険者達は今後の相談を始めた。
■ ジョージ To:おおる
さて……昨日はとんだ災難に見舞われましたが、気を取り直して捜索を続けなければなりません。
次はスラムで聞き込みをしようと思いますが、朝食がてら一旦、リトナル商会に戻りましょうか?
それとも、朝のうちに何件か回っておきますか?

■ パオル To:おおる
昨日は……スミマセンでした。
ボクのせいで…………皆さんにも迷惑を掛けてしまって…………。

■ フェリオ To: パオル
あ〜っもう! 暗くなるなよ? パオルってばよ!
お前一人のせいじゃねえよ。
お前は仲間を護ろうとしただけだろうが……。
それをいちいち気に病むなよ……お前は戦士だろう?
仲間を守るんだろう? 誰一人殺めずに済むと思ってたのか? 甘ったれんな
……お前は昨日、仲間を護る為に剣を振るった、結果相手は死んじまったけど俺達は助かった、お前の剣のおかげで助かったんだよ。
それでいいじゃねえか、お前の剣で助かった人間もいるんだからよ
前向きに行こうぜ、前向きによ(^-^)

■ ヴァーン To:パオル
 済んじまったことをいつまでもクヨクヨしてたってしょうがねぇだろう?!
 だいたい、フェリオのリンゴを全部食っちまうくらいじゃなきゃ、パオルじゃねぇぜ? 腹が減ってっと、ますます気が滅入っちまうもんだ、なあ!
(人なんてよ、意外にあっけなく死んじまうもんなんだぜ……この世の中、そんなもんなんだ…………つれぇだろうけどよ…………)

■シェル To:パオル
パオルさんのせいじゃないよ。
パオルさんは、ボクらを守るために戦ってくれたんでしょ?
もし、パオルさんが戦ってくれてなかったら、ボクやアルトさんは死んでたかもしれないんだ。
パオルさんがボクやアルトさんを守ってくれたんだよ?
だから……ね? パオルさん、元気だしてよ。

 励ますように、パオルの目をじっと見つめる。
■ アルト To:パオル
そうそう。大体パオルが沈んでると、何て言うかさ、調子狂うんだよ。
らしくないよ?
ほら、しっかりしなって。

 BANNG!!
 アルトの平手が、勢い良くパオルの背中を叩いた。
 〜〜(ノ−−)ノフラフラ。
アルトの一撃で、よろけるパオル。
■ フェリオ To:パオル
はぁ〜〜……。
重傷だな、こりゃあ……(^-^;;
ま、そのうち治るか。

■ シェル To:パオル
……パ、パオルさん……(ポリポリ)
(だいじょぶかな、ほんとに……?(^^;;))

■ アルト To:パオル
よしっ、気合いも入ったところで、今日も張り切ってアニエス嬢探しといこうか(^^)

■ パオル To:おおる
あの……スラムで、少しでも情報を集めませんか? 昨日は……ダメだったから…………。
それに……あまりゆっくりしてる時間もないのでしょう?

■ アルト To:ALL
そうだねぇ。
バートンの旦那たちに、何か喜ぶ情報の一つでも持って帰ってやりたいしね。
リトナルの方には、昼頃戻ったんでいいんじゃないかい?

■ ヴァーン To:おおる
 手ぶらじゃ帰りづれぇよなぁ、やっぱり…………ん?

■ ディラン To:アルト
アルト、キミの美しさは、このスラムにあっては荒れ地に咲く一輪の薔薇以上に目立つ存在のようだね。すぐにキミに気付いたよ。

 スラムという場にはそぐわない、歯の浮くようなセリフ。
■ アルト To:ディラン
……この聞き覚えのある、白々しい声と恥ずかしい台詞回しは…………ディラン! やっぱりあんたかい。
一体どうしたんだい? こんな所に。美の信奉者にしちゃ、随分と俗な所にいるじゃないか。

■ フェリオ To:独り言
ぞぞぞぞぞぞ(>_<)
と、鳥肌が…………。

■ ヴァーン To:独り言
 …………。
  (うげっ、なんでテメェが出てくるんだ? こんなところでよ?)

■ ディラン To:アルト
白々しい声とは心外だなぁ。俺は常に本心しか口にしていないのに……。
今日の俺は、ギルドからのメッセンジャーなんだ。
彼へのね。

 指さす先は、当然ヴァーン。
■ フェリオ To:心の中
(…………ナンパ野郎かと思ったら…………ただのパシリかよ…………)

■ パオル To:ディラン
…………………………………………。

 突然現れた見ず知らずの男に、不審げなまなざしを向けるパオル。
■ アルト To:ディラン
へぇ、てことは何かいいネタが手に入ったってわけかい?
そりゃあ、有り難い。どうもわざわざすまないね。

■シェル To:アルト&ディラン
……?
アルトさん、この人、誰?
アルトさんの恋人?

 事の成り行きについていけず、目をパチクリさせながら、二人を見比べる。
■ アルト To:シェル
…………………………。
今、何か言ったかい?シェ〜ル(^^)

 笑顔のまま、シェルの頭にうめぼし攻撃をかけた。
■ シェル To:アルト
え? だから、アルトさんのこい……うわ!?
ひぇぇ、アルトさ〜ん、ボクは何もいってないよぉ〜(ジタバタ)
(なんでアルトさん怒ってるんだろ? ……あとでディランさんにも聞いてみよっと)

 目をパチクリさせながら、ジタバタもがくシェル。
 ディランは、シェルには何も答えずに、意味深に微笑むのだった。
■ ヴァーン To:ディラン
 …………ほう、で?

■ ディラン To:ヴァーン
どうやら、キミの探し人の居場所が分かったようだよ。
昨夜、例のメンバーがまた子供を見かけてね。今回は、上手く後をつけられたらしいんだ。
しかし、そこにはギルドのお仲間がいたらしくてね。一応メンバーの不文律って奴で、そのまま帰ってきたらしい。

■ ヴァーン To:ディラン
 …………そいつは、ちぃ〜とばかり厄介だな。

■ ディラン To:ヴァーン
しかし、そいつ、リュースって言うんだが、そいつは盗みが専門の奴でね、子供を誘拐するような度胸がある奴じゃない。
それに、ここまで大がかりな事をやるのなら、事前にギルドに知らせるはずだって言うんで、ガノンの方でも困ってるようなのさ。
で、こうなったら、キミに任せてみよう、て事になったのさ。

■ ヴァーン To:ディラン
 がぁ〜、ますます厄介な話だな、そいつは…………。

 考え込むように腕を組む。
■ ディラン To:ヴァーン
場所なら、俺が案内するぞ。

■ ヴァーン To:ディラン & パ〜ティ〜の面々
 そいつはありがてぇが、ちょっと待ってくれよ。他のやつらと相談してからだ。

 聞いてくれ、どうやらガキどもの居場所が掴めたらしい。こちらのディランさんが案内してくれるそうだ。
 どうする、早速行ってみるかい?

■ ジョージ To:ヴァーン
居場所がわかったのなら、ぐずぐずしている暇はありませんね。
すぐ行きましょう。

■ パオル To:おおる
望むところです。昨日のミスは、今日の働きで取り戻したいですから…………。
早速いきましょう!

■ アルト To:パオル&ディラン
お、調子出てきたね、パオル(^^)
んじゃディラン、案内の方宜しく頼むよ。

■ シェル To:パオル&ディラン
あ、いつものパオルさんに戻ってる(^^)
やっぱ、パオルさんはそうでなくっちゃ♪
ディランさん、ボクはシェルっていうんだ、よろしく(^^)

■ フェリオ To:ディラン
…………ふぅん…………案内ねぇ…………。
ま、よろしく頼むわ……。

 そう言いながらも、ディランに聞こえないよう、こそこそっとヴァーンの側によって、
■ フェリオ To:ヴァーン
おい、ヴァーン……こいつ信用出来るか?
大体、何で俺達がここにいるって知ってるんだ?
行った先で変な奴等が待ち伏せてるって事はねえだろうな?

■ ヴァーン To:フェリオに耳打ち
 俺達のギルドは何でも知ってんだよ。とくによ、ブタ箱行きになったなんて間抜けな話は、あっという間に知れちまうんだ。
 それにな、絶対的に信頼のおける奴なんて俺達のギルドにはいねぇよ。だけどな、こうやって接触して来たって以上、この一件に無関係ってことはないさ。ついていってみりゃあ、なんか進展があるはずだと思うぜ?

■ フェリオ To:ヴァーン
ふぅ〜ん…………流石は噂の盗賊ギルドとそのメンバーだな…………。
ま、ついてって鬼が出るか蛇が出るかはお楽しみって事か…………。
…………念の為、一応警戒はしとこうぜ?

 二人がそんな会話をしている間に、シェルはトコトコと、ディランの方に寄っていくと、
■ シェル To:ディラン
ねね、ディランさんて、アルトさんの知り合いなの?

■ ディラン To:シェル
あぁ、知り合いなんてもんじゃないさ。
俺は昨夜、あの酒場でアルトにあった瞬間に、初めて運命って奴を信じる気になったよ……。

 みんなでゾロゾロとスラムを歩きながら、ディランが有る事無いこと嬉しそうに語っていたのは言うまでもない。

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