相変わらず汚い酒場
オランの街 シーフギルド支部入り口 |
薄汚れた裏通りにある一件の酒場。
そのあまりにも汚らしい外見から、誰一人として近寄ろうとする客は居ない。
ムッとする臭気がたちこめる中、店の回りには残飯を狙う野良猫の姿すら見えない。
そんな酒場の前で、ヴァーンは立ち止まった。その姿を、うつろな視線で見上げる、一際強い異臭を放つ乞食が一人。
■ アルト To:ヴァーン |
へぇ…………なるほど。酒場に偽装してるとはねぇ。 こりゃあ、退屈せずにすみそうだよ。 |
この状況で、そんな台詞が吐けるとは……アルトもかなりの強者である。
と、その乞食が、下卑た笑みを浮かべながらヴァーンに近づいてきた。
ヴァーンとアルトは、同じ空気を吸うことさえ憚られるような、まるで有色不透明な気体がまとわりついたような不快感を覚えた。
■ 乞食(ギルドの門番) To:ヴァーン |
へへ、どうした兄ちゃん? こんなねぇちゃん連れてここに来るとは、商売がえでもしたのか? |
値踏みをするように、アルトを頭から足の先まで舐めるように観察する。
ヴァーンは、その門番の視線を遮るように自然にすっと前へ出る。
■ ヴァーン To:乞食(ギルドの門番) |
けっ、別に商売がえしてなんかいねぇけどさ。 たまには綺麗なねぇちゃん連れてることくらいあるんだよ、俺だってな。(にやにや |
■ 乞食(ギルドの門番) To:ヴァーン |
そうかい、良い値で売れると思ったんだがな……。 ってことは、新入りか? |
■ アルト To:乞食(ギルドの門番) |
残念だけど、私はただの見学だよ。 こっちも、そうそう簡単に売り飛ばされるわけにはいかなくってね? 仕事がてら、ちょいと酒を飲みに来たってとこかな。 まぁ、ここのルールは守るし迷惑はかけないから、安心しなよ。 |
■ ヴァーン To:乞食(ギルドの門番) |
ちゅ〜こった。 せっかく、たまにはこの殺伐としたわれらが職場に潤いを、って美人を連れてきたんだぜ? いれてくれんだろ? |
■ 乞食(ギルドの門番) To:アルト |
へっ、せいぜいケツの毛まで……おっと、れでぇの前じゃ下品な言葉はまずいな。 ほら、さっさと入りな。 |
いやらしい笑みを浮かべたまま、スッと道をあける。
動く度に空気が動き、慣れかけた悪臭に新たな匂いが加わる。
■ ヴァーン To:乞食(ギルドの門番) |
(けっ、いまさら、下品もクソもあるかよ?! へへ、すまねぇな。ところで、れでぇじゃなくてレディだろ?! |
ヴァーンはそう毒づくと、返事を待たずに、アルトを連れて早々に店内に入った。
シーフギルド支部 酒場 |
こんな場所で、飲食物を取り扱って良いのだろうか?
この酒場に来る連中は、そんな感想を持つタイプではないらしい。
しかし、とヴァーンは思う。
これでもかなり綺麗になった方であった。以前の支部の汚さは、筆舌に尽くしがたく、慣れた者でも用がなければ近づきたくない場所であった。
それが、少なくとも、酒場は酒が飲める程度の場所にはなっていた。
■ アルト To:ヴァーン |
……やれやれ、やっとあの匂いから解放されたねぇ。
いや初っぱなから、期待以上の体験をさせてもらったよ。 ま、どうやら中はそれ程ではないみたいだけどね? |
■ ヴァーン To:アルト |
へへ、びっくりしたかい? まっ、慣れてくりゃ、そんなに居心地悪くもないもんだぜ。 さてと、ちょっくら店長と交渉してくっから、カウンターで待っててくれよ。ちょいと長くかかるかも知れねぇから、一杯やっててくれてもいいぜ? めずらしく、ちゃんとバーテンがいやがるみてぇだからな。(にや ほほっ、ホントのお客なんてマジでめずらしいこったから、みんなでこっちを窺ってやがんな。こりゃあ、退屈はしねぇですむと思うぜ?(にやにや) ほんじゃあ、あとでな。 |
と、アルトをカウンターの前までつれてくると、そこで別れて奥の店長室へ向かった。
■ アルト To:ヴァーン |
んじゃ、のんびり楽しませてもらうとするよ。 情報の方、よろしく頼むよ。 |
と、軽く手を振って見送った。
シーフギルド支部 支店長室 |
相変わらず不潔な部屋の、いつも通り薄汚い机に、そしてこれまたいつも通り薄汚いその小男は座っていた。
ぐちゃぐちゃといやらしい音を立て噛みタバコをやりながら、その小男、ドワーフのガノンはヴァーンに一瞥をくれた。
■ ガノン To:ヴァーン |
おう、おまえさん、相変わらずしけた面してやがんな。 で、今日は何のようだ? |
■ ヴァーン To:ガノン |
けっ、わるかったなぁ、いつもしけたツラでよ。 いやな、ま〜たガノンさんのお力を借りてぇとおもってよ。ほら、知りてぇことがあったら、金もってガノンさんに会いに行けっていうだろ?(にやにや まあ、今度のヤマの事でイロイロと裏をとっておきてぇことがあってよ、調べてもらいてぇんだけどよ? |
■ ガノン To:ヴァーン |
まずは、出すもん出してからにしな。それによっちゃ、少しは俺の知識を分けてやっても良いぜ。 話はそれからだ。 |
■ ヴァーン To:ガノン |
ちっ、あいかわらずがめついなぁ、まあそれでこそガノンさんってもんだがよ。(にやにや ほらよ、とりあえず前金で50でどうだい? |
と、机の上に金を置く。
■ ガノン To:ヴァーン |
こんな湿気た額で何を教えて貰おうってんだ? まったく、犬の糞みてぇにしみったれやがって。 ……で、知りたいことは? |
ごつい指からは想像もできないほどの素早い動きで前金を数え、そう言った。
■ ヴァーン To:ガノン |
(くぅ〜〜毎度毎度ながらむかつくぜぇ〜〜 ……まあ、そういわねぇで頼むぜ? でだ、故買屋のリトナル商会って知ってるだろ? そこの一人娘……アニエスってんだが……が行方不明だってんで捜索を請け負ったんだが、 ・最近行方不明事件が何件も起きてるらしい、で、それについての情報 ・「真っ赤な袋を担いだ人さらいがいるらしい。」「スラムには、でっかい鼠の化け物がでたらしい。」という噂の真偽 ・アニエスらしき娘(栗色の髪と大きな茶色の瞳、身長120センチ程、黄色のワンピース)の目撃情報 ・リトナル商会が最近トラブっていないかどうか ってあたりを調べてももらいてぇんだが? あとの礼の方はネタ次第って事でどうだい? |
■ ガノン To:ヴァーン |
なるほど、今回はあそこがおまえさんの稼ぎ場って事か。 こんなちんけな金じゃ大したことは教えられねえなぁ。 まずは、「真っ赤な袋を担いだ人さらいがいるらしい」なんてのは、オランにゃおまえが生まれる前から噂されてる話だぞ。 馬鹿馬鹿しいデマだな。 |
■ ヴァーン To:ガノン |
んなこといったってよ、俺は西方の生まれだからな、んな噂の事なんざ知らなかったんだよ。 で? |
と、肩をすくめ、先を促す。
■ ガノン To:ヴァーン |
それに、スラムのでかい鼠っていうのは本物の情報だ。 おまえも顔を出してる、あの酒場の連中が退治したって事だ。 その一件にゃ、他の支部の連中が一枚噛んでたらしいがな……。 |
■ ヴァーン To:内心の呟き |
……。 (ほう、そんな話があったとは知らなかったな。今度親父に聞いてみよう…… |
その間に、ガノンは、なんとタン壺に噛みタバコを棄てた!
道理で、床の上には噛み終わったタバコが散らばっていないはずである。
■ ガノン To:ヴァーン |
で、リトナル商会のことだと? あそこは、俺達にとっても使い勝手の良いとこだからな。話はすぐに回ってくるぜ。 だから、何か悪い噂がありゃぁ、おまえさんの耳にも既に入ってるだろうよ。 |
■ ヴァーン To:ガノン |
そりゃあ、そうだ。まあ、一応確かめただけさ。アンタの早耳には俺の聞いてねぇ噂も届いてるかと思ってな。(にや |
ガノンは、新たな噛みタバコを口に含むと、それを噛みながら黙った。
目は、この金じゃこれで全部だ、と言ってる。
■ ヴァーン To:ガノン |
…………ちっ、わかってるよ。あと100だそう。これでどうだい? |
と、しぶしぶ金を上積みする。
■ ガノン To:ヴァーン |
最初っから素直にだしゃぁ良いんだよ、小僧っ子が。
確かに、この二・三日、ガキがいなくなっちまったって話が多いな。
そして、これがとっておきだ。 |
■ ヴァーン To:ガノン |
……はぁ、そいつを聞かなきゃ帰れねぇよ。これでなんとか頼むぜ、ガノンさんよ? |
観念したようにため息を尽きながら、さらにあと100ガメル上乗せする。
■ ガノン To:ヴァーン |
ようやく話が分かるようになってきたじゃねぇか。 とっておきってぇのはな、今お前さんが言ったような背格好のガキをスラムの西地区で見たって話があるのさ。 他にも、数人のガキがいたようだが、それがどうやら行方不明のガキ共じゃないかって話だ。もっとも、こっちはまだ、未確認だがな。 |
■ ヴァーン To:ガノン |
ほぅ……スラムの西地区ねぇ。で、ガキどもが一緒にいたってんだな? ……その、様子とかもうちっと詳しくわかんねぇのかい? ふらふらして病気みてぇだったとか、正気じゃなさそうだったとかよ? |
■ ガノン To:ヴァーン |
さぁなぁ? 見つけた奴も、何事かと思って後をつけようとしたらしいんだが、あの辺りは道が入り組んでるからなぁ。 見うしなっちまったらしい。
……詳しい話は、調べておいてやるぞ。 |
話を終えたガノンは、出ていくようにと、軽く手を振った。
■ ヴァーン To:ガノン |
(しまったぁ!! やっぱり最後の100Gはでかすぎたかぁ。でもまあ、このちびでぶ、今日はやけに渋かったからなぁ、しょうがねぇかぁ…… ……そうかい、じゃあ追加調査の方もまあよろしく頼むぜ? (と、部屋を出ていきかけて、 おっとそうだ、この連続行方不明の件でよ、官憲はもう動いてんのかい? それだけ、オマケで教えてくれよ? |
■ ガノン To:ヴァーン |
動いちゃいるが、大した進展はないようだな。 |
それだけを口にすると、机の上の書類に目を落とした。
■ ヴァーン To:ガノン |
……そうかい、ありがとよ。 |
と、手をひらひらさせながら部屋を出ていった。
シーフギルド支部 酒場 |
さて、一方。
酒臭と汗臭と腐臭が立ちこめる中、取り残されたアルトにバーテンが声を掛けた。
■ アルト To:独り言 |
へぇ……同じギルドでも、あの堅っ苦しい学院とは随分違うもんだねぇ…。 |
比較対象が違いすぎる気もするが……。
アルトは、見慣れぬ雰囲気に浮かれ、楽しそうにきょろきょろと辺りを見回していた。
■ バーテン To:アルト |
姐さん、見ない顔だね? そんなところに突っ立ってないで、一杯どうだい? |
■ アルト To:バーテン |
っと、こりゃ失礼。 酒場に来てまず酒の一杯も頼まないとは、ちょいと気が利かなかったね。 じゃ、とりあえず酒と簡単なつまみでも頼もうか。 今仕事中なんで、酒は軽いやつを頼むよ? |
■ バーテン To:アルト |
……軽めの酒ねぇ……。 それじゃ、お近づきの印にこのつまみはサービスだ。 |
バーテンがグラスに注いだのは、無色透明な酒。
■ アルト To:バーテン |
こりゃどうも(^^) ……ん、なかなかいける酒だねぇ。気に入ったよ。 しかしこれで“軽め”ってのは……ヴァーンのあの酒豪っぷりも納得だね。 実は今、連れがここの大将に会いに行っててね。悪いけど、戻ってくるまでしばらく待たせてもらうよ。 |
■ バーテン To:アルト |
(オイオイ、マジかよ? あの酒を軽く流し込みやがった……) |
■ ディラン To:バーテン、アルト |
相手が悪かったな、ヨーク。 しかしお嬢さん、良い飲みっぷりだね。 もう一杯、お酒を奢らせて貰って良いかな? 俺は、ディラン。貴女のような美しい方を心から愛する、いわば美の信奉者と言ったところかな? |
そう名乗った男は、30代半ばぐらいに見えた。少々浅黒い締まったからだ。髪は短く、口ひげを生やしている。渋みがかったいい男である。
■ アルト To:ディラン |
はは、なかなか人を見る目があるねぇ。 もちろん、奢りの酒を断るほど無粋じゃないよ。 旦那みたいな正直者の酒は、特にね(^^) 私の名前はアルト。ここじゃ初顔なんだけど、その様子だとディランの旦那はここの馴染み客かい? |
■ ディラン To:アルト |
まぁ、そうなるかな。 それに、ディランの旦那という呼び方は頂けない。 お嬢さんのような美しい方には、ディランと呼び捨てにして欲しいな。 しかし、貴女のような方をこんな所で待たせるとは。 その連れが男ならば、許せん所だ。 しかし、そのおかげでこうして話をする機会が得られたと思えば、それもまた素晴らしい運命の巡り合わせ、と言えるのではないかな。 |
■ アルト To:ディラン |
上手いこと言うねぇ。 しかし、運命なんてものは、えてして悲惨な結果に終わるもんだよ? 私としちゃ、酒が取り持つ縁ってやつの方がよっぽど頼りになるけどね(^^) ま、何はともあれ乾杯しようか。 |
■ ディラン To:アルト |
まぁ、それも良いか。 そうだな……この出会いが、酔いのように醒めてしまう夢でないことを祈りつつ、乾杯するとしよう。 |
■ アルト To:ディラン |
ところで、ディランは最近この辺りで子供が行方不明になってるなんて話を聞いたことはあるかい? |
■ ディラン To:アルト |
子供の行方不明……。 小耳に挟んだ程度ならば。 それがどうかしたのかい? |
■ アルト To:ディラン |
いやね、今ちょうどその行方不明になった子供の捜索を引き受けてんだよ。 ここへ来たのも、その情報集めってやつでね。 こういう仕事はとかく情報量が決め手になるからさ。何か、いい話でも聞いてないかと思ってね。 |
■ ディラン To:アルト |
ふむ、しかし、残念ながら、私ではアルトのお役に立てそうもないな。 キミのお仲間が、ここのボスと話しているのなら、それを待った方が良いだろう。 性格や行動はともかく、ここのボスの情報は他の店にもそうひけは取らないから安心したまえ。 だからそれまでの間、ゆっくりとアルトのことを教えて欲しいな。 |
ディランは、自分のグラスをそっとアルトのグラスに触れさせると、さりげなくアルトの腰に手を回した。
■アルト To:ディラン |
んー……私のことねぇ……。 人に教えられるほどご立派なことは、別に何にも無いと思うよ? あえて言うなら、ちょいと魔法が使えるってこと位かな。 何なら、試しにその手で体験してみるかい? |
しかしアルトは、にっこり笑うと、腰に伸びてきた手から身体を逸らした。
■ ディラン To:アルト |
……悲しいね。 しかし、すぐには分かり合えないのもまた、愛か。 おっと、そうこうしている内に、アルトの連れが戻ってきたようだ。 では私も、消えるとするか。美しい人よ、またいつの日か会えることを。 |
■ アルト To:ディラン |
(大した役者だねぇ……) 酒、美味しかったよ。御馳走さん(^^) |
ディランは、酒の代金をカウンターに置くと、手を振るアルトに微笑むと、店の奧へ消えた。
そして、丁度その入れ違いの格好で、ヴァーンが戻ってきた。
■ ヴァーン To:アルト |
おう、わりいな、待たせてよ。 |
■アルト To:ヴァーン |
お帰り、ヴァーン。意外と遅かったね。 まぁ、その分こっちはのんびり一杯やれたけどさ。 で、何か良いネタは聞けたかい? |
■ ヴァーン To:アルト & バーテン |
ああ、無駄足じゃなかったぜ。まあ、高くついたけどな、とりあえず、スラムでそれらしい娘を見かけたって話だ。 (しっかし、ちっとばかり金を出しすぎたたなんて、カッコ悪くて云えねぇな、へへ、内緒内緒 (・ε・) おっ、すまねぇな、俺にも一杯くれよ、いつものヤツ、ほら『エフリッツタン』、あれ頼むぜ? ところでやっぱりよ、アルトみたいな美人ともなるとみんなほっとかねぇな。さっき話してたの、あれディランの野郎だろ? |
注文を受け、バーテンが酒を出した。
■ アルト To:ヴァーン |
なんだ。あの旦那は知り合いだったのかい。 そうと知ってりゃ、ヴァーンの弱みの一つでも聞き出しとくんだったねぇ。惜しいことしたよ(笑) それにしても、スラムとは……こりゃ、ますますきな臭くなってきたね。 まぁ、収穫もあったことだし、一息ついたら戻るとしようか。 |
■ ヴァーン To:アルト |
おっととアブねぇアブねぇ(にや) こちとらスネは傷だらけだからなぁ(にやにや) まあまずは一杯飲ませてくれよ。ジョージの前じゃ飲めねぇからなぁ。店長とやりあうのは結構くたびれるんだぜ。 |
バーテンのだした酒を一気に飲み干してもう一杯注文する。ヴァーンの酒の強さは承知しているのか、何も言わずにバーテンが、酒をつぎ足した。
■ ヴァーン To:アルト |
(☆。☆)/□。゜. ングッ、ぷはぁ〜、ふぅ〜。 そうだ、なあ、ディランの野郎、なんつってんだい? へへ、「貴女と今夜出会えたのはきっと運命だったのだ……」とかなんとか云ってよ、口説かれてたんだろ? |
■ アルト To:ヴァーン |
さぁてね? 野暮なことを聞くもんじゃないよ。 あぁ、でも……そうだねぇ……「こんな美人をこんな所で待たせるとは、許せない男だ」とか言ってたっけ(^^) |
■ ヴァーン To:アルト |
いやな、運命の出会い云々ってのがヤツのお決まりの口説き文句だからな――まっ、そんなことはどうでもいいんだけどよ。へへ、今度どっかでばったり出くわすようなことがあったら、せいぜい気を付けなよ。ヤツの稼業は美人専門の詐欺だからな、メロメロにさせて、そんでさんざん貢がせといてドロン! ってやつさ。(にやにや |
……ヴァーンは、実際はディランの名前ぐらいしか知らない。
■ ヴァーン To:アルト |
で、なんつったって? 「こんな所で待てせるなんて許せねぇ」だって? ハハ、たしかにそうだなぁ、お詫びに一杯奢るぜ? もう一杯くらいいけるだろ? |
■ アルト To:ヴァーン |
奢りとあらば、何杯でも(^^) 警告の方も、有り難く受け取っとくよ。 ま、そうそうあっさりメロメロにさせられる気も無いけどね。 んじゃお言葉に甘えて……ヴァーンのお気に入りを一杯頂けるかい? |
さっきの様子を見ていたバーテンは、やはり何も言わずに酒をついだ。
内心どう思っているかは、その表情からは窺い知ることは出来ない。
■ ヴァーン To:アルト |
まあアルトなら大丈夫だろうが、キッツイぜ? コイツは。なんせ、かの炎の魔神エフリートの舌も真っ赤に腫れ上がったっつうくらいだからなぁ、へへ。 |
■ アルト To:ヴァーン |
へぇ? てことは、ヴァーンはエフリートを上回る酒上戸ってわけだね。 いやはや、そんな曰くを聞いたらからには、ますます飲まないわけにはいかないねぇ? 精々、舌が火傷しないように注意して飲むとするよ。 |
軽口に冗談を返しながら、美味しそうにつがれた酒を飲む。
■ ヴァーン To:アルト |
へへっ、うめぇだろ? しっかし、あんまりゆっくりもしてられねぇか、一応仕事中だしな。そういや、フェリオとシェルは大丈夫なんかな、迷子になってなきゃいいけどなぁ。(にやり |
■ アルト To:ヴァーン |
そうだねぇ。これ以上探す相手が増えるのは遠慮したいとこだよ(笑) まぁ旨い酒も飲めたことだし、そろそろ集合場所の方に向かうとしようか。 そんじゃヴァーン、どうも御馳走さん(^^) なかなか見学も楽しかったよ。 |
得る物は、いろいろあった……のだろうか?
ちなみに、ヴァーンがしっかりと金を請求されたのは言うまでもない。