交錯する情報
オランの街 リトナル商会前 |
リトナル商会に戻ったのは、ジョージ達の方が少し早かった。
店を出てから既に2時間ほど経過しており、そろそろ陽も落ちかけていた。
中では、バートンが商品(?)を漁っていた。
……一見、遊んでいるように見えなく無いこともない。
バートンは、帰ってきた一行に気付くと、顔を上げた。
■ バートン To:ジョージ |
店の方からは、何かを持ち出したか、まだ分からないな。 そっちは、何か手がかりは見つかったかい? |
■ ジョージ To:バートン |
ええ、最近アニエス嬢と同じように何人か子供が行方不明になる事件が起こっているようです。 あくまで噂ですので断言はできませんが……。 オラン官憲から行方不明事件の情報を聞ければ楽なのですが、難しそうですね。 とりあえず、他の仲間と合流次第、引き続き調査をします。 |
■ フェリオ To:バートン |
そーそー、そうなんすよ。 そんで、官憲に情報を聞くって言っても冒険者にあっさりと教えてくれるとは思えないんで、紹介状とゆーか……一筆書いてもらえないっすか? 娘さんの捜査に対して協力を求められるよーなものが欲しいっす。 具体的には……我々が怪しい者ではないとゆー事とアニエスちゃんの捜査を行っているので協力して欲しいとゆー事を書いてほしいっす。 |
■ バートン To:フェリオ |
それは構わないが……。 わかった。ちょっと待ってくれ。 でも、冒険者なら、そう言う真っ当なやり方じゃなく、裏から官憲の気が付かないような物に目を向けて…… |
バートンは、羊皮紙にサラサラと書き込みなが、ブツブツと呟いた。
■ フェリオ To:バートン |
ふっふっふっ……バートンさんもまだまだっすね。 プロとゆーものはさまざまな方向から真実に向かって徐々に歩んで行くものなんすよ……。 もちろん表からも、そして裏からも……ね。 そして……裏の捜査の方は依頼人も気付かないうちに何時の間にか進行してるもんなんすよ……(多分(笑)) |
■ バートン To:フェリオ |
そういうもんかね。 まぁ、お前さん方に任せたんだ。信じて待つとするさ。 ほら、これでいいか? |
フェリオに手渡した羊皮紙には、バートンの名前と、この冒険者に娘の捜索を依頼している事、そのために協力して欲しい旨等が書かれていた。
■ フェリオ To:バートン |
ま、そんなもんっすよ〜(^^) 任しといてほしいっす! すぐにアニエスちゃんは見つけるっす。 (とは言ったものの……今んとこ「〜らしい」って情報だけで有力な確定情報はな〜んにも掴めてねえんだよなあ……。 ま、とりあえずはアルト達を待つか……) |
タイミング良く、アルト達も戻ってきた。
■ アルト To:ALL |
ただいま〜。今帰ったよ(^^) どうやら、リーダー達の方が一足早かったようだね。
で、どうだい?何か面白い情報は手に入ったかい? |
■ フェリオ To:アルト&パオル&シェル |
さっぱりかぁ……そりゃまいったな。 こっちもロクな情報がなかったけど……面白い奴ならいたぜ? どーやら同じ事件を追ってるらしいんだがな。 覆面で高い所に登りたがり、更にポーズをとりながら話す熱血な奴なんだが……誰かの知り合いか? まあ、状況から判断したが……とりあえず味方らしいからそーゆーどっから見ても妖しい男を見かけても斬りかかるなよ?(笑) |
■ パオル To:フェリオ、ALL |
え!? 覆面? ポーズ? 熱血ぅ〜? ふむぅ〜〜〜………………………………………………………………。 やっぱりあの方かなぁ。(ぼそ) あの、ひょっとして……仮面ラーダと、その人は名乗りませんでしたか? |
■ アルト To:フェリオ |
はぁ? 何者だい、そりゃ。 覆面って……んな恥ずかしい格好をした奴がそうそういるわけ……。 |
そこで何故か、フェリオをまじまじと見つめるアルト。
「人のふり見て我がふり直せ」
そんな台詞が、アルトの頭を駆けめぐったかどうかは定かではない。
■ アルト To:フェリオ |
ま、まぁ、服の趣味ってのは人それぞれだしね。 そんな奴がいてもおかしくはないか……。 |
■ フェリオ To:アルト |
でもなあ、あそこまで常軌を逸した破壊的なセンスの持ち主も珍しいと思うぞ? 大体、あの覆面がいけねえ。 もっと、こう……角を付けるとか、光り輝く装飾を付けるとか……。 もしくは覆面と揃えて全身タイツ姿で登場するとか……。 ……ブツブツ……ブツブツ…… |
自分のセンスには全く気付いていないらしい。
■ ヴァーン To:フェリオ & パオル |
だからよ、ありゃあ仮面ラーダ様だって。 パオル、ま〜た出たんだぜ! 正義の味方仮面ラーダ様がさ。前の仕事の時には随分と助けてもらったけどよ、どういうわけだか、今回も助けてもらえるみてぇだ。ありがてぇこったよなぁ。(にやにや |
■ シェル To:ヴァーン&フェリオ&パオル |
正義の味方仮面ラーダ? そんな人に会ったの!? パオルさんも会ったことあるなんて、うらやましいなあ。 いつか、ボクの前にも出て来てくれないかなぁ〜♪ |
■ パオル To:シェル、ALL |
ええ、無茶苦茶カッコイイですよ!! 突然現れる謎の正義の味方仮面ラーダさん……その仮面の下の素顔はきっとかなりの男前じゃないかな? ボクなんか前回の冒険で、命を救われましたからねぇ……。 あの時のお礼も言ってないし、もし今度会えたらたらちゃんとお礼を言わないとね。 |
■ ヴァーン To:シェル & おおる |
なんだ、オメェもあったことねぇのかい? 今をときめく仮面ラーダ様によぉ。 めっちゃ、かっこいいぜぇ〜。それによぉ、名前からしてラーダ−神殿に関係あるらしいってこと以外、正体が謎に包まれてるってのがいいよなぁ。(にやにや |
■ ジョージ To:おおる |
そういえば、私もまた会えませんでしたね……。 やっぱりラーダ神殿の関係者なんでしょうかね……? |
■ アルト To:ALL |
へぇ、なるほどねぇ。 ……でも、ラーダってのは英知と知識を司どってる神さんだよ? んな妙な覆面男が、仮にも神に仕える聖職者たちと関係なんてあるわけ……。 |
そこで、何故かまた再びフェリオに視線を移す
言いたいことがあるのなら、はっきり言った方がよいのでは?
■ アルト To:ALL |
……いや、まぁ、最近は坊さんも個性的だしね。 そーいうのも、あり得なくはないか……。 |
■ フェリオ To:シェル&アルト |
ん〜、ま、見といて損はねえだろぉな。 シェルの好奇心を満たすにゃぁ十分だろうし……。 でもよ、少なくとも俺はチャ・ザ神殿であんなふざけた格好してる奴を見た事はねえぞ? ま、俺に勝てるセンスの持ち主もいなかったがな。 ふふっ……俺が神殿内を歩けば、誰もが視線を向けてきたもんさ。 |
その視線がどんな視線であったかは、想像に難くない。
■ ジョージ To:アルト&パオル&シェル |
それはそうと情報収集ご苦労様です。 一応、こちらが聞いた(と思われる)話を伝えておきます。 というか……私は聞いてないのですが……。 |
ジョージは、フェリオから聞いた話を、アルト達に伝えた。
■ ジョージ To:アルト&おおる |
……というわけです。 つまり、子供の行方不明事件は他にも数件発生しており、オラン官憲の方でも捜査を進めているようなので、協力もしくは捜査の情報だけでも入手できれば……と考えていたのですが……。 まだ、バートン氏の方も片づいていないようですし、我々はまた数グループに分かれて引き続き捜査をしましょう。 また数時間後にここで集まります。 |
■ アルト To:ジョージ |
へぇ……他にも行方不明者がいたとは初耳だねぇ。 こりゃ、何だかきな臭い予感がするよ……。ちょいと捜査を急いだ方が良さそうだね。 |
■ シェル To:アルト |
そうだね。 なんか、隠れて悪いことやってる人がいそうな気がするよ。 急がなきゃ! |
■ パオル To:ALL |
ふむ……それは大変な事になってますね。 悠長に事を構えてる分けには、いかないようですねぇ。 |
■ ジョージ To:ヴァーン |
ヴァーン君、経費として前金の400ガメルを全て渡しておきます。 使う金額はあなたの判断に一任します。 みなさんもそれで良いですね? |
先程ミーシアから受け取った前金の400ガメルを、そのままヴァーンに渡す。
■ ヴァーン To:ジョージ & おおる |
あいよ、例のルートの方な。預かっとくぜ。 じゃあ、俺はちょいと裏の情報筋をあたってくるが、要点は、 聞き込んできた噂話のウラ & 他の行方不明事件も含めた情報 ってことでいいんだな? |
■ ジョージ To:ヴァーン |
それと、アニエス嬢の目撃情報とこの件についての官憲の捜査状況をお願いします。 こっちの捜査と重なる部分もあるかも知れませんが、念のためです。 |
■ ヴァーン To:ジョージ & おおる |
なるほど、わかったぜ。まあ、まかせといてくれ。 そうだ、ひょっとしてついて来たいってヤツはいるかい? まあ、あんまりきれいなトコじゃねぇが、愉快な(?)な体験ができるかもよ?(にやにや |
■ フェリオ To:ヴァーン&オール |
俺は遠慮しとくぜ。 ま、無駄かもしんねえけど俺は一応官憲にあたってみるぜ。 ここでボーッとしててもしゃあねえからな。 って事で路上調査(?)の方は任したぜ〜(^^) |
■ ヴァーン To:フェリオ |
そうかい、そいつは残念だな。オメェさんなんか、いいオモチャに……いや、なかなかいい素質があると思ったんだがな。(にやにや まあ、官憲の方はお任せだな。俺ぁ、そっち関係はどうも苦手でな。 |
■ シェル To:ヴァーン&フェリオ |
だめだよ、ヴァーンさん フェリオはボクのおもちゃなんだから♪ というわけで、ボクはフェリオについてくよ♪ |
……。
おもちゃについていくのか?
いや、問題はそこではない、……か?
■ フェリオ To:独り言 |
(……………………シェルって天然じゃなかったのか!? う〜む、俺は意識的に遊ばれたのかぁ。 エルフはやっぱり、老獪だなぁ、(T_T)) |
■ アルト To:ヴァーン |
裏情報ってことは、行き先は盗賊ギルドかい? 付いてってもいいってのなら、是非お供したいねぇ(^^) 噂に伝え聞くギルドを直で見る機会なんて、そうそう無いだろうしさ。 一緒に行っても構わないかい? ヴァーン。 |
■ ヴァーン To:アルト |
はぁて、盗賊ギルドってのは? そう云った覚えはねぇけどな?(と、とぼけて肩をすくめてみせる まあ、ちょいと刺激が強すぎるかもしれねぇが……いや、アルトなら大丈夫か。ついてきてくれるってんなら大歓迎だぜ。へへっ、コイツはおもしれぇ事になりそうだ。(にやにや |
■ アルト To:ヴァーン |
よし♪んじゃ、決まりだね。 ま、何かあった時にゃ……ひとつ宜しく頼むよ? 相棒(^^) |
■ ヴァーン To:アルト |
おう、まかせときな。(にや (相棒……か、いい響きだな……) |
■ フェリオ To:ヴァーン&ジョージ&アルト |
あ、そ〜だ!また別れる前に言っとくぜ? …………お前さん達、な〜んか大切な事を忘れてないかい?(にこにこ) あ〜、そうそう、これも忘れてたかもしれないけど……俺、チャ・ザだからね………………意味、分るよね〜(にこにこ) |
にこやかな表情ではあるが、そこはかとなく妖しげなオーラが感じられる。
■ シェル To:フェリオ |
……? (フェリオってば、見たことない色のオーラだしてる……?) |
フェリオの方見て、首をかしげるシェル。 恐らく、分からない方が幸せかも知れない。
■ ジョージ To:フェリオ |
ああ……そうでした。30ガメルでしたね。 |
賭けの負け分、30ガメルを取り出すと、フェリオに払った。
■ ヴァーン To:フェリオ & アルト |
はぁ〜て、ね? 何の事だかさっぱりだなァ。 さあて、アルト、さっさと行こうぜ? |
と、すっとぼけた顔でフェリオと視線をあわさないようにしつつ、部屋を出ていこうとするヴァーン。
しかし、その腕を後ろからフェリオが掴む。相変わらずの笑顔だが、オーラがまるで目に見えるかのようである。
■ フェリオ To:ヴァーン |
……………………そうかぁ、ヴァーンには何の事か分らないのか……。 まあ、たかが30ガメル……されど30ガメル。 「約束した報酬を払わない」という契約違反に対して俺はチャ・ザの教義に乗っ取ったしかるべき行動を取らせてもらうよ? …………例え、仲間であっても……ね(にこにこ) |
■ アルト To:フェリオ |
はは……(^^;; (フェリオ、目がマジだねぇ……) 悪い悪い、忘れてた訳じゃないんだよ?
……えーと、ひのふの……30ガメルっと。ほら、これで間違いないね。 |
■ フェリオ To:ジョージ&アルト&ヴァーン |
はい、御両名様、確かに30ガメルを受領いたしました。 今後とも、よろしくお願い致します(^^) …………さ、て、と、ヴァーン君? 残るは君だけだよ? あ、お金がないとは言わせないよ? 今、400ガメル貰ったよね〜。 まぁ、でも一応選択肢を3つあげよう。 壱、今すぐ30ガメル払う。 弐、その腰の立派なレイピアとバイバイする。 参、……………………右目と左目、どっちがいい? さ、好きなのを選んでね〜♪俺としては一番をオススメするよ?(にこにこ |
■ ヴァーン To:フェリオ |
…………んなこと云たってよ、この金は預かっただけだしよ。 壱 俺の懐には27ガメルしかねぇ。 弐 たかが30ぽっちで手放せるほど、お安い代物じゃねぇ。 参 んなもん、どっちの目もごめんだ。 つうこったからよ、別に逃げるわけじゃねぇんだ、今回の仕事が片付けて報酬をもらうまで待ってもらえねぇかな? ……それとも、腕ずくでこの400ガメルんなかから持ってくか、ま、どっちでもスキな方を選びな。(にやにや |
ある意味殺気をたたえた笑みを浮かべて肩をすくめてみせるヴァーン。
これは、普通は単なる居直りと言わないか?
■ ジョージ To:フェリオ |
待って下さい。先ほどヴァーン君にお渡しした400ガメルは経費です。 この一件が無事解決するまでお待ちいただくことはできませんか? 取り急ぎ必要だというのでしたらヴァーン君の分は私が立て替えましょう。 それでよろしいですね? フェリオ君。 |
アニエス救出のために気が急いているリーダーは、さらにフェリオに30ガメルを渡そうとした。
しかし、ヴァーンは30ガメルを差し出すジョージの手を押しとどめて、
■ ヴァーン To:ジョージ & フェリオ |
いや、そりゃありがてぇがよ、ちょっと待ってくれ。 なあ、「マジシャン協会の蒼き予言者」にして「チャ・ザの御心の語り手」ことフェリオくんよぉ、別にばっくれよぉってんじゃねぇんだよ。ただ、ち〜っとばかり待ってくれってんだ、チャ・ザの寛大な御心でもってさ、なぁ、なんとか待っちゃもらえねぇもんかな。頼むぜ? |
ヴァーンは、今度は一転。下手にでて拝み倒しだした。
■ フェリオ To:ヴァーン |
…………いやぁ、別にね、バックレないで払ってくれるってんなら待ちますとも(^^) 俺のレベルがもう少し高ければ、クエストが使えるんですが…………ま、お客様(?)を信用して待つと致しましょうか。 それじゃ、報酬獲得後にちゃんと請求しますんでよろしく(^^) |
一触即発のパーティーの危機は去った……。
……はぁ(嘆息)
■ ジョージ To:おおる |
では、私はこの周辺の目撃情報をあたってみます。 人手が要りますので、他に誰かついて来ていただけますか? |
■ パオル To:ジョージ |
は〜い! ボクが一緒に行きま〜す!! それじゃま、早速行きましょう。 今は時間を無駄にする訳にはいかないですからね。 |
■ ジョージ To:パオル |
そうですね。それでは我々も出ましょうか………。 |
■ シェル To:フェリオ |
んじゃ、フェリオ、ボクらもそろそろ「かんけん」に行こ? |
と言いながら、フェリオのマント引っ張るフェリオ。
学習したのではなかったのだろうか?
■ フェリオ To:シェル |
よっしゃ、道案内は任せろ! 自慢じゃねえが、官憲にはちょくちょく行ってたんだ。 方向音痴の俺でも場所は覚えてるぞ(^^) ゴー♪ゴー♪レッツゴ〜♪ |
しかし、フェリオの歩き出した方角はオランの外へ出るための道……。
■ ヴァーン To:頼りなさげな二人組 |
やれやれ、そっちじゃねぇだろうが。ちゃんと帰ってこれんか、心配だぜ? |