閃光の操者
オランの街 雑貨屋 コージィ |
一方、パオル、アルト、シェルの三人は、ミーシアに教えられたリファの家へ向かった。
リファの家は雑貨屋を営んでおり、店の中には女性が一人。どうやら、伝票の整理をしているようだ。
店に入ってきたパオル達に気付くと、その女性、リファの母は顔を上げ挨拶をした。
■ パオル To:リファの母 |
こんにちわ〜!! あのリファさんのお母さんですか? あ、ボクはパオルって言います。 ボク達はリトナル夫妻に頼まれて、アニエスさんを探している者ですが、 リファさんはいますか? |
■ リファの母 To:おおる |
リファかい? リファならほら、あそこだよ。 |
アニエスの事件を心得ているのか、リファの母はすんなりとパオルの話を受け容れた。
指さす先には、女の子が3人ばかり。小さな男の子も見える。
■ アルト To:リファの母 |
あの子が……。すまないね、んじゃ早速行ってみるよ。 どうもありがとう(^^) |
オランの街 路上 |
■ パオル To:リファ、シモーフ、アイザ、レント |
こんにちわ〜!! 君達、ちょっといいかな? えっと〜君がリファさんで、シモーフさん、アイザさん、それにレントくんだよね。 |
■ リファ To:パオル |
……お兄さん、だれ? だめだよ、お母さんから、知らない人についていっちゃダメって言われてるんだから。 |
■ パオル (独り言) |
(  ̄□ ̄;)!!(がーん!!) ………………………………………………………………。 ……そりゃそうだよ……お互い初対面なんだからしょうがないじゃないか。(ブツブツ) それにしても、ボクってそんなに怪しく見えるの? |
■ アルト To:リファ |
お、意外としっかりした子だね。感心感心(^^) 心配しなくても大丈夫。私たちは、そのお母さんから聞いてここに来たんだからね。 私はアルトっていうんだ。ま、仲良くしようよ。 |
■ リファ To:パオル、アルト |
そう言うわけじゃなくって……。 訳があって、母さんから気を付けるように言われてるんだ。 お姉さん達は? |
■ シェル To:リファ |
どういうこと? この辺りでなにかあったの? そのこと、もう少し教えてもらえないかな? |
シェル、キミは何のためにここに居るんだい?
何があったたか、キミは既に知っているはずだ。
■ アルト To:リファ |
……その「訳」ってのは、ひょっとして友達のアニエスちゃんの事かい? それなら、ますます心配はいらないよ。私たちは別にあんたたちを誘拐する気も、取って食う気も全く無いからね(^^) ただ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……構わないかい? |
■ シェル To:リファ |
そういうこと(^^) それに、ボクらは話を聞きに来ただけなんだ。 ボクはシェル。よろしくね(^^) |
■ リファ To:アルト |
アルトにシェルね? 私は、リファだよ。……いいひとみたいだね。 よろしくね。で、こっちのお兄さんは? |
■ パオル To:リファ、シモーフ、アイザ、レント |
あ、ボクの名前はパオルって言うんだ。よろしく! 君達に用というのはね……アニエスさんについてなんだ。 ボク達はバートン=リトナルさんに頼まれて、彼女を探しているんだよ。 それで彼女の事について、何か気づいた事はないかな? 少し前から何か様子が変だったとか、何処かで見かけたとか……。 |
■ レント To:パオル |
バートンさんてアニエスちゃんのおとうさんの? アニエスちゃんが、どうかしたの? カゼであそべなくなったってアニエスちゃんのママから言われたよ。 びょうきなのに、あそびにい行っちゃったのかな? アニエスちゃんってば、わるい子だね。 |
話が分かっていないレントが、きょとんと答える。
■ パオル To:レント |
う、うん……そうなんだよ。(^^;; (迂闊だったかなぁ……) |
■ リファ To:アイザ |
アイザ、レントと向こうで遊んでて。 |
■ アイザ To:リファ |
うん、分かった。 |
気を利かせたリファの指示で、アイザがレントの手を引いて少し離れたところで遊び始めた。
■ シモーフ To:おおる |
アニエスを見つけてくれるの? わたし達も、心配してるの。あの日は、約束してたのに、アニエスは遊びに来なかったの。 それでね、家に行ったら、もう出かけたって。 |
■ リファ To:おおる |
私達も、全然分からないんだ。 アニエス、ちょっとわがままだけど、約束は破った事無いのに……。 |
本当に何も知らないようだ。
■ パオル To:リファ、シモーフ |
ふむ……なるほど。遊ぶ約束をしていたのに来なかったんだね。 (ここまではたいした距離も無いし、同じ通りなのに来てないか……。自発的に約束を破って来なかったとすると、誘拐された!? う〜〜〜ん……??) ところで、いままでにアニエスさんが何か変な物を持っていた事とか、何か見せてもらった事は無かったかな? |
■ シモーフ To:パオル |
変わった物? それなら、いろいろ見せて貰ったよ。 ほら、これはアニエスに貰ったの。 |
そう言ってシモーフが取り出したのは、いくつもの木片の下端を金具で留め、上端部は少し余裕を持たせて紐で繋いだ品物。シモーフが、それをパッと振ると、扇形に広がり、微かに香料の香りが広がった。
分かりやすく言ってしまえば、香木を使った木扇である。
■ リファ To:パオル |
私は、こういうの。 投げると、結構飛んで面白いよ。 |
リファが取り出したのは、薄い円盤状の金属片。
かなり精巧な彫り物がしてあり、中心部には数cmほどの細長い穴が開けられていた。しかし、色々なところにぶつけたのか、結構傷が付いていた。あるPL:くう〜〜、日本刀の鍔〜(T_T)
僕が日本刀マニアと知っての所業ですかぁ?(T_T)いや、たまたま偶然。
■ アルト |
(あぁ、なるほど……アニエス嬢が時々持ち出してたっていう、店の品物はこれだね(^^;) |
■ シモーフ To:パオル |
でも、最近は余り見せて貰ってなかったかなあ? |
■ シェル To:シモーフ&リファ |
へぇ、面白いものもらったんだね。 見せてくれて、ありがとう(^^) じゃあさ、アニエスちゃんが面白いものをあまり見せてくれなくなったのは、いつ頃からだったか覚えてる? |
■ リファ To:シェル |
いつ頃って言われても……。 最近は、アニエスのお父さんもずっと家にいたみたいだから。 |
バートン自身が仕入れの旅に出ていなければ、(風変わりな)商品が入ることも少ない。
■ シモーフ To:シェル |
お父さんが、旅行から帰ってきた時に、いっぱい見せてもらってたの。 |
■ シェル To:リファ&シモーフ |
なるほど。 アニエスちゃんはお父さんの旅行のおみやげを見せてくれてたんだね。 |
■ アルト |
あの親父……頭蓋骨以外にもちゃんと趣味があったんだねぇ。 |
だから、バートンは別に頭蓋骨マニアでは無いというのに……。
■ パオル To:リファ、シモーフ |
ふむふむ……そうなんだ。 それじゃあさ、アニエスさんがよく行く場所とかに心当たりはある? |
■ シモーフ To:パオル |
さぁ? 大体一緒に遊んでるから……。 |
■ パオル To:リファ、シモーフ |
そっか……ちなみに君達の遊ぶ場所って、大体はこの近所なの? |
返事は肯定。
■ パオル To:リファ、シモーフ |
一応確認しておきたいんだけど、ボク達以外に最近アニエスさんの事を聞いた人はいる? あ、もちろん彼女の両親以外でね。 |
衛視以外にはいない、との答えです。
■ アルト To:リファ&シモーフ |
それじゃあこの辺りのことについては、かなり良く知ってるってわけだね。 子供は街の王様っていうけど、さしずめリファ達はお姫様ってとこかい?
んじゃ、お姫様?(^^) |
■ リファ To:アルト |
お姫様なんて、照れちゃうな(^^;; うーん、何かあったかなぁ? |
こんな話をしてると、
■ レント To:おおる |
ねえねえ、おねえちゃんたち! |
■ アルト To:レント |
ん、私たちのことかい? 何だい? レント坊。 |
■ シェル To:レント |
ん? レント君、どうしたの? |
素直に振り向く二人。
振り向いた先には、いつの間に近づいてきたのか、手にカンテラのような物を持ったレントが立っていた。
そして、にっこり笑って、カンテラのような物に付いた紐を引いた。
■ パオル |
……………………………………………………………………。 (ふむ……現場も特定出来てないし、もう少し情報が欲しいなぁ。 とりあえずジョージさん達の収穫しだいだし、もっと足を使って情報を集めないとなぁ…………。) |
パオルは考え中。後で起こってる事には気づいてないようだ。
■ リファ To:レント、おおる |
こらぁ! アルト! 目ぇつぶって! |
■ アルト To:リファ |
………………!? |
■ シェル To:レント&リファ |
え!? なに!? |
リファの声に、咄嗟に目をつぶった二人。
■アルト |
(うぁ……目の裏が眩し……(×_×)) |
ギリギリで間に合った瞼の上からでもまぶしさを感じた。
■ アイザ To:レント |
こら! それはやっちゃダメだって言ったでしょ! |
■ レント To:おおる |
アニエスちゃんにもらったおもちゃを、おねえちゃんたちに見せて、あそんでるんじゃなかったの? みてみて、すごいでしょう(^^) |
そう言って、自慢げに手にした物を見せびらかす。
どうやら、さっきの光はこれかららしい。GM注:原理? 企業秘密です。
■ シェル To:レント |
あ〜、びっくりした(汗) そんなものまで持ってるなんて、レント君、なかなかやるなあ(^^) |
■ アルト To:レント |
あー……すごいねぇ。こりゃ大した威力だ(^^; これも、アニエスちゃんにもらったのかい? |
■ レント To:アルト |
うん、すごいでしょう! 『ぴっかり君』っていうんだよ。 |
正式な名前は、バートンしか知らない。
■ アルト To:レント |
『ぴっかり君』……。なかなか洒落た名だねぇ。 面白いもん見せてくれてありがと、レント坊(^^) でも、次からそれをあんまり人に向けてやるんじゃないよ? 危ないからね。 |
そう言って、頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
愛情表現であり、いじめているわけではない。
■ リファ To:アルト |
そろそろ家に帰らなきゃいけないんだけど、アニエスのこと、アルト達に任せて大丈夫だよね? 約束してくれる? |
■ アルト To:リファ |
今日は色々すまなかったね、助かったよ(^^) アニエスちゃんのことは、私たちに任せときな。 ほら、約束だよ。 |
そう言って、小指をリファの目の前に掲げるアルト。
■ シェル To:リファ |
アルトさんの云うとおりだよ。 アニエスちゃんは、ボクらがゼッタイ見つけるから安心してね(ニコッ) なんなら、ボクとも指きりしようか?(^^) |
■ パオル To:アイザとレント |
大丈夫!! すぐにまたアニエスさんと遊べるよ。 ボク達が約束するからさ。それじゃ指切り、指切りと……。 |
アルトに習って、シェルはシモーフと、パオルはアイザとレントと指切りした。
……これも、立派な契約である。責任を持ってアニエスを見つけないと。
■アルト To:リファ |
さ、これでもう安心だろう? んじゃ、気を付けて帰るんだよ。 |
■ リファ To:アルト、パオル、シェル |
うん、ありがとう。 それじゃあね。 |
もうじき日もおちる。
リファ達は、口々に挨拶すると、それぞれの家に帰っていった。