SW-PBeM Scenario #21
子供達は夜の住人
第2章 冒険者、依頼人に会う

賭けの行方

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オランの街  路上

 オランののどかな昼下がり。
 楽しそうにはしゃぎながら道を行く子供達。重そうな荷物を抱えて歩く物売り。暖かな日射しを受けうたた寝する老人。
 当たり前の日常が繰り広げられていた。
■ ヴァーン To:おおる
 そういや、リトナル商会っていやぁよ……。

 道すがら、『リトナル商会』について思い出していたヴァーンが、パーティーにそう切り出した。
 ヴァーンの記憶によれば、リトナル商会は、表向きは骨董品を取り扱っているが、裏では盗品等を引き取る故買屋という一面も持っていた。
 しかし、手堅い商売を営んでいるため、恨みを受けたりするような事は皆無だったはずである。

リトナル商会  店内

 おやじの地図の通り、オランのスラムに近い一角に、『古美術取り扱い リトナル商会』の看板を掲げた店があった。
 こじんまりとした作りで、大きな商売をしている様には見えない。
 店を覗くと、一人の男が商品を拭いていた。
■ ジョージ To:リトナル商会のどなたか
失礼します。銀の網亭で依頼の紹介を受けた冒険者の者ですが……。
依頼人のバートン氏はおいででしょうか?

 店の扉を開け、ジョージが男に声を掛けた。
■ バートン To:ジョージ
私がバートンですが……あなた方、銀の網の!?
娘を、娘をぉぉぉ!!

 男、バートン・リトナルは、いきなりジョージにしがみつき、そう懇願した。
■ フェリオ To:独り言
(ふ〜ん……このおっさんがバートンかあ……。
…………親馬鹿は予想通りだな……(^^;;;
リーダーもどうせしがみつかれるなら女の子の方がよかったろうに……哀れな(笑))

■ シェル To:バートン&ジョージ
…………!!(パチクリ)
(……びっくりしたあ。ほんとに切羽詰まってるんだ。急いで会いに来てよかったみたい)
(それにしても……ジョージさんってば、マイペースだなあ。)

■ ヴァーン To:バートン
 おいおい、落ちつきなって。
(ん〜、リトナル商会のバートンっていやぁ、それなりに名も知れてんのに、こんな親馬鹿親父だったとは……)

■ パオル To:バートン&ALL
(^^;;; ………………。
(す、すごい取り乱しかただね。これは頑張らないといけないなぁ)

あのスミマセン。とりあえず落ち着いてもらえませんか?
ボクらも詳しい事を聞かせてもらわないと、バートンさんの娘さんを探しようが無いんですけど……。

■ ジョージ To:バートン
失礼。貴方がバートン氏でしたか……。
私はジョージ=マクドヴァルと申します。
よろしければ、詳しいお話を伺いたいのですが?

 あくまでもマイペースを崩さないジョージだが、内心はかなり困っているらしい。
■ バートン To:パオル
そ、そうですね。それでは、早速、中へどうぞ。

 バートンに促され、パーティーはリトナル商会の奧へ入った。
 どうやら、住居兼店舗らしく、店の奧は自宅へ繋がっているらしい。
■ アルト
(へぇ……結構こじんまりとした店だねぇ……。誘拐だったらもっと景気の 良さそうな店狙うだろうし……やっぱこりゃあ家出か迷子ってとこかね?)

 店の中は、煩雑に色々な物が置いてあった。
 高価そうな壺や絵画などから、価値があるのか分からない木彫りの猿の手や、干涸らびた動物の死体らしい物まで。ありとあらゆる物が、恐らくは主人にしか分からないであろう配置で置かれていた。
 アルトの見た通り、やはりそれほど儲かっている、いう風ではなかった。

リトナル商会  居間

 バートンは、パーティーを居間に案内すると、椅子を勧めた。
 客の気配を感じ、家の奧から一人の女性が現れた。
■ バートン To:ミーシア
おい、ミーシア! お茶の準備だ!
アニエスを探してくれる冒険者が来たぞ!

 バートンの妻らしいその女性は、パーティーに挨拶をすると、お茶の準備をするべく台所へ向かった。
■ フェリオ To:独り言
(む〜……年齢差を差し引いても78点……合格ラインだ(笑)
旦那とは対照的に落ち着いてんなぁ、普通こういう時は奥さんの方が取り乱すと思ってたけど……。
それにしても予想外に若そうだ……この分じゃ子供の年齢ハズしたかな? (^^;;;)

■ シェル To:フェリオ
(キョロキョロ)
(これが骨董品かあ〜。見たことないものがいっぱいあるなあ。)
(……でも、こういうのってどんな価値があるんだろ? 見てもわかんないや(^^;;)
…………??
フェリオ? 何をブツブツいってんの?

■ フェリオ To:シェル
ん? 何を言ってるかって?
…………実はな、神官って〜のは常に神と交信してるんだよ、お前さんが精霊と話をするみたいにな。(^^)
だから今度から虚空に向かってブツブツ言ってる奴を見たら精霊使いか神官だと思えよ。

■ アルト To:シェル
……もしくはただの危ない奴か、だね(笑)

 無垢な(?)エルフに嘘を教えてはいけない。
■ シェル To:フェリオ&アルト
……知らなかった。周りからはそういう風に見えてたんだ(しみじみ)
じゃ、フェリオやアルトさんも変な人に見られないように気を付けようね(^^)

 ……ほら、信じた。
■ アルト To:シェル
あぁ、そうだね気を付けるよ(^^)
…………………………。
……………………? 何か違うよーな(--;)

■ フェリオ To:心の声
(…………なんでアルトも? 神官だと思ってんのかな? それともナチュラルにヤバイ奴だと思ってんのか?(笑))

シェルPL:単に魔法使う人はみんな同類項だと勝手に思ってるだけっすよ〜。

 ミーシアがお茶とクッキーを運んでくると、バートンが改めてパーティーを見渡し、挨拶をした。
■ バートン To:おおる
私は、バートン・リトナルと言います。
……そう言えば、そちらの神官の方は、私のお名前をご存じでしたね。
ああ、銀の網のご主人にお聞きになったのですね。

 なにやら、うんうんと頷いています。
■ ジョージ To:バートン、ミーシア
(奥さんに)
ああ……おかまいなく。
(バートンに)
ええ、お名前とご職業は伺っておりました。
…………では、一応我々の名前だけでも紹介をさせていただきます。
ご主人には先ほども申し上げましたが、私はラーダの神官でジョージ=マクドヴァルと申します。
一応代表をやっております。

■ パオル To:バートン、ミーシア
あ、申し遅れました。ボクの名前はパオル=バードです。
よろしくお願いします。

■ フェリオ To:バートン、ミーシア
え〜、俺はフェリオだ。
職業はマジシャン、よろしく頼む(^^)
(一応ボケ担当をやってるぜ…………とは言えないな(笑))

■ アルト To:バートン&ミーシア
私の名前はアルト。
私たちがこの仕事を引き受けたからには、娘さんはもう見つかったも同然さ。
すぐに感動の再会をさせてあげるから、まぁどーんと任せときなよ(^^)

■ シェル To:バートン&ミーシア
ボクはシェル=レインです。(ペコッ)
見たことあるでしょうけど、エルフ族です。
職業は精霊使いです。
アニエスちゃんはゼッタイ見つけてあげるから、安心してね。(ニコッ)

■ ヴァーン To:バートン & ミーシア
 俺はヴァーンだ。娘さんはきっと見つけるから、まかせてくれ。

■ ジョージ To:バートン&ミーシア
早速ですが、いくつかお聞きしてよろしいでしょうか?
まず、お嬢さんについてと、お嬢さんが居なくなったときの状況について簡単にご説明いただけますか?

■ バートン To:ジョージ
えっ、あ、ああそうですね。
娘のアニエスがいなくなったのは、一昨日の夕方頃でしょうか。
いつもその時間には帰ってくる、いい子なのに……。

 ハンカチを手に、さめざめと涙を流す父親。
■ ミーシア To:ジョージ
娘は、昼頃、外に遊びに出ました。
そしてそのまま、夕食の時間になっても帰ってこなかったんです。
しっかりした子で、今までこんな事は一度もありませんでした。
それで、心配した主人が昨日『銀の網亭』の方へ……。

■ パオル To:ミーシア
(=●^0^●=)ポリポリ(=●^0^●=)ポリポリ、(=●^0^●=)ズズズ。

ふむ……なるほど、遊びに出たまま帰ってこなかったんですか……。
ところで娘さんは幾つなんですか?

 質問しながらも手はクッキーを探し続ける。
 しかし出されたクッキーはもう無くなっていた。どうやら、ほとんど一人で食べたようだ。
■ ミーシア To:パオル
アニエスは、今年で11歳になりました。
あら? クッキーが無くなってしまいましたわね。
少々お待ち下さい。
おかしいわねぇ? 量が少なかったのかしら?

■ アルト To:ミーシア
じゅ……11歳ぃぃぃ〜っっ?!
あ、いや……(こほん) そんなに小さいのに可哀想にねぇ……。
(とほほ……(T_T))

■ ヴァーン To:独り言
 ……。
(あぁぁぁぁ、10ガメルがぁぁぁぁ。
 や、やべぇ、まぢで破産の瀬戸際だぜ、こりゃあ。
 くそぉ〜、コイツ(フェリオ)にだけは負けたくなかったってぇのによぉ。
 ちぃっっくしょょうぅぅぅおぉぉぉ〜〜!

 上手くポーカーフェイスを保っているが、内心は非常に悔しいようだ。
■ フェリオ To:ミーシア
いよっしゃあーーーーー!!

 おめでとう、フェリオ! ドンピシャ正解、賞金獲得!
 思わず、立ち上がってガッツポーズしてしまうフェリオ。
 娘を心配する親の前で、それはあるまい。体中に突き刺さる鋭い視線に、ハッと我に返るが、時既に遅し。
■ フェリオ To:ミーシア
……………………は!? …………し、失礼しました(^^;
えっと………………その………………実は………………ク、クッキー大好きなんです(^^;;
おかわり持ってきてくれるなんて嬉しいな〜…………な〜んて思っちゃって(^^;;;
あは、あは、あはははははは(^^;;;;
(なんとか話を戻さねえと……)

そ、そうだ! 娘さんが何処に遊びに行ったかわかりますか?
何処か心当たりがありませんか?

 何処まで誤魔化せたか……。
■ シェル To:フェリオ
あれ?フェリオもドラゴンの胃袋持ってんの?

■ フェリオ To:シェル
ふっ……自慢じゃねえがチャ・ザ神殿に居候してた時は「虹色の底無し沼」って呼ばれてたんだぜ?
ドラゴンだろーがドラゴンスレイヤーのリジャールだろうが、俺の敵じゃねえよ(^^)

 ミーシアは、パーティーの行動に怪訝そうな顔をしながらキッチンへ向かった。
■ バートン To:フェリオ
心当たりですか?
……知る限りは当たったんですが、アニエスの友だちもその日は一緒に遊んでいなかったというのです。

■ ジョージ To:バートン
ふむ。ではアニエス嬢の外見的特徴や、最後に見たときに着ていた服装等を教えていただけますか?

■ バートン To:ジョージ&おおる
分かりました。
アニエスは、

 栗色の柔らかそうな髪と大きな茶色の瞳は、母親似。
 身長は、120センチ程。失踪時は、黄色のワンピース姿だった。
■ バートン To:ジョージ&おおる
アニエスは、とてものびのびと育ってますから、自由奔放で子供らしい……。

■ ミーシア To:バートン
ああいうのは、『ワガママ』って言うんです。
全く、あなたが甘やかしすぎるから。

 キッチンから、クッキーを持ってミーシアが帰ってきた。
 いかにも親馬鹿然としたバートンに、困ったように突っ込む。
■ バートン To:ミーシア
そ、そんなことはないぞ!

■ ミーシア To:おおる
ともかく、アニエスは私達夫婦の大切な娘です。
どうかよろしくお願いします。

 そういって、深く頭を下げた。
■ フェリオ To:バートン&ミーシア
(へえ……夫婦仲は悪くなさそうだな……バートンもあんまし「後ろ暗い」奴には見えねえしな)
え〜っと、娘さんが一昨日の昼間に出掛けた時に変わった事はなかったっすか?
妙にそわそわしていたとか、遊びに出掛ける時には普通は持ち出さないような物を持っていたとか……。

もしくは交友関係か商売関係で「娘さんが行方不明になる、あるいはさせられる」ような心当たりはないっすか?
非常に失礼な質問をして申し訳ないんですが、娘さんを捜索する為の手掛かりが少しでも欲しいんすよ。
それに変わったところがなければそれはそれで手掛かりになるんで一応聞いときたかったんすよ。
どんな小さな事でもいいんです、何かないっすか?

■ ヴァーン To:バートン & ミーシア
 いや、フェリオの言う通り、もうすこし手掛かりがねぇことにはどうにもな。
 バートンさん。リトナル商会っていやぁ、裏じゃちょいとは名の通った故買屋だ。まあ、アンタんとこはカタイ商売してるって評判だからまさかとは思うけどよ、最近トラブッたとかってことはなかったかい?
 どんな小さな事でもさ、念の為に聞いときてぇんだが?

■ バートン To:ヴァーン
えっ? ……なるほど、あなたはギルドの……。

その点は、問題はないはずです。
最近、特に大きな取引をしたわけでもないですし、あなたも知っているように、うちはもめ事が嫌いですし、そう言うことは避けるように商売してきましたから。


■ バートン To:フェリオ、ミーシア
それと、フェリオさんの質問ですが……ミーシア、何かあったか?

 ミーシアは、頭を振ります。
■ ミーシア To:おおる
分かりません。普段通りの様子だったと思いますが……。
いつものように、行ってきます、って挨拶して出かけましたし。

■ ジョージ  To:バートン&ミーシア
なるほど。それでは最近は厳しく叱りつけたり、お嬢さんの機嫌を損ねることは無かったのですね?
それと、後で当たってみたいので、先ほどのお話にあったお嬢さんの交友関係の住所等を教えていただけますか?
また、いつも遊びに行く場所をご存知でしたらそれについてもお願いします。

■ シェル  To:バートン&ミーシア
あの〜、すいません。
アニエスちゃんの友達で、特に仲の良かった子とかいたら、教えてもらえませんか?
あと、できたら、アニエスちゃんの似顔絵みたいなものを描いていただけませんか?

■ ミーシア To:シェル
分かりました。
そうですね、アニエスの親友といえば……。

 友達として、 また、仲がよい(?)男の子として、 の名前を教えて貰えた。
■ ミーシア To:ジョージ
それと、厳しく叱ったことですか?

 困ったようにバートンの顔を見て、
■ ミーシア To:ジョージ
主人は、この調子ですから、もっぱら叱るのは私ですが、ジョージさんが仰るようなことはなかったと思います。


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