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第三章「お子さまランチ」 |
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オランの大通り |
オランの町中。ちょうど昼時のせいか、街の人通りも多くなっている。
「銀の網」亭を出て、ジョージとパオル、そしてレイチェルは、通商ギルドへ向かう途上にあった。
■パオル To:ジョージ&レイチェル |
やっぱりスゴイですよね〜オランの街は・・・。 (町並みを見渡しながら関心するパオル) 街は大きい!人は一杯いるし、物も沢山ある! ボクの住んでたとこじゃあ、石畳の道なんてなかったですからね〜。 本当に・・・、スゴイですよね〜〜。 そう思いません? |
パオルの台詞は、レイチェルの耳には入ったいないようだ。彼女は何が興味深いのか、視線をあちらこちらにさまよわせている。
■ジョージ To:パオル&レイチェル |
そうですね・・・・。オランほどの大都市は数少ないですし・・・・・。 まだ、舗装されている都市はあまり多くありませんからね。 おそらくオランはアレクラストでも最大級の都市じゃないでしょうか。 多少物価は高めですが・・・いい街ですね。 (二人に) ちょうど昼時ですし、先に何か食事をとりませんか? オランを出ますと保存食が主になりますので、しばらくおいしい物は食べられそうにありません。 何か、豪華な物でも食べましょう。レイチェルさんもよろしいでしょうか? |
■レイチェル To:ジョージ&パオル |
は、はい。 あの、でも、わたくし、オランで食事のできるところと言っても不案内ですわ。 ジョージさんやパオルさんは何かお勧めの店などありますの? |
■パオル To:ジョージ&レイチェル |
そ〜ですね。 ボクはオランに来て半年くらいですけど、美味しい店なら結構知ってますよ! う〜ん・・・そうですね〜・・・。 羊の丸焼きがある「白き牝鹿亭」、鳥料理が美味しい「吊るされた七面鳥亭」、山羊料理なら「捧げられし黒山羊亭」なんかも、でもやっぱり「猛り狂う牛亭」のレアステーキは美味しかったなぁ〜。 |
色々な料理が頭に浮かび、パオルの腹が鳴った。
■ジョージ To:パオル |
では、その「猛り狂う牛亭」というのはここからは近いのですか? |
■パオル To:ジョージ |
え〜と・・・近いですよ。 あ、ほら!あそこです。 |
パオルは既に店を見つけて指さしている。素早い。
■ジョージ To:パオル&レイチェル |
なるほど、あの店ですか・・・・それなら、そこに決めましょうか。 レイチェルさん。そこの店でよろしいでしょうか? |
■レイチェル To:ジョージ&パオル |
はい、よろしいですわ。 でも、あの、わたくしの故郷では、あまり昼食を食べる習慣はありませんの。 わたくしは、軽くお茶をいただく程度ですけれど、よろしいかしら? |
■パオル To:ジョージ&レイチェル |
「猛り狂う牛亭」で良いんですか? やった〜!何を食べようかなぁ〜。(ウキウキ) |
パオルは喜んでいる。小躍りしている。嬉しいらしい………。
■レイチェル To:ジョージ&パオル |
(くすくす) では参りましょう。 |
レストラン・猛り狂う牛亭 |
こざっぱりとしたレストランに、三人は入った。
すぐに従業員が出迎えにくる。
■ジョージ To:従業員? |
失礼する。 3人なのだが、席は空いているかね。 |
■店員 To:ジョージ |
はい。三名様ですね…。 ………あの………お客様? |
店員の視線は、パオルの剣に向かっている。
■パオル To:店員&ジョージ&レイチェル |
こんにちわ〜! あ、しまった!・・・ボク、剣持ってきてるんだ。 あの〜スミマセン。女将さん呼んでもらえますか? 今日はたまたま剣を持ってきてたんですよ。 剣を預けますから店に入れてもらえないでしょうか? ジョージさん、レイチェルさんスミマセン! この店は一応そういう決まりなんですよ、ホラ。 |
パオルが指さした注意書きには、
「酔っ払い、ゴロツキはお断り!!(冒険者も) ペット及び刃物、武具の持ち込み禁止!!」………と書かれていた。
■ジョージ To:レイチェル |
(張り紙を見て・・・) レイチェルさん。 こういうわけですので、何か刃物を所持していられましたら、預けていただけますか? |
■レイチェル To:ジョージ |
はい?刃物ですか? 護身用のナイフならもっておりますけれど、これもお預けした方がよろしいですの? |
■ジョージ To:レイチェル |
ええ、お願いします。そういう決まりのようですので・・・。 |
レイチェルも、パオルと同じように店員にナイフを渡す。
■ジョージ To:店員 |
誠に申し訳ないのだが、これでなんとか入れてもらえまいか? |
店員が、武具を受け取る。
すると、店員の態度がさっきまでの不機嫌そうなものとはがらりと変わった。
■店員 To:ジョージ |
ええ、それではお預かりいたします。 三名様ですね。どうぞこちらへ。 |
と、三人は空席―――オランでも昼食を食べる習慣はあまり一般的でないのか 空いている―――に案内された。
■ジョージ To:レイチェル |
(レイチェルにイスを引いてあげる) どうぞ。レイチェルさん。 |
■レイチェル To:ジョージ |
ありがとうございます。 |
三人は席につき、メニューを開いた。
■ジョージ To:店員 |
(自分もイスに腰掛けメニューを見る) ・・・・・・ふむ・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!?←何か発見した。 わ・・・私は・・・お、お子・・・・い・・・いや、ハンバーグステーキセットをお願いできるかね。(汗) |
■店員 To:ジョージ |
…? はい、ハンバーグステーキセットですね。 |
■レイチェル To:店員 |
わたくしは…レモンティとチーズケーキをお願いしますわ。 |
■パオル To:店員 |
そ〜だなぁ〜・・、今日は何を食べようかな? う〜ん・・・、これからむこう半月は食べられないからなぁ〜・・。 ハンバーグ、ビーフシチュー、ビーフステーキ・・・・・・他にもスパゲティと かも食べたいな〜。 ・・・・・・・・どうしようかな〜・・・。 |
パオルは真剣に悩んでいるようだ。
店員は、パオルの注文を聞こうと、ジョージの横から、パオルの側に移動しようとした。
それを、ジョージが呼び止める。
■ジョージ To:店員 |
・・・・・ちょ、ちょっと待ってくれたまえ! ・・・や、やはり・・・・・お・・・・・オホンッ!・・・失礼、 (ちょっとよそ見しながら) ・・・・・・お・・・・・お子さまランチを・・・・・・(ぼそ |
■店員 To:ジョージ |
…?? はい、お子さまランチですね。 |
ジョージがわざわざ小声で言っている意味が分かっていないのか、気の利かな い店員はわざわざ復唱する。
■パオル To:店員 |
(ジョージのお子さまランチというのを聞いて。) あ、ボクもお子さまランチを一つお願します! それとあとビーフシチューにビーフステーキ、それにタコと野菜のマリネも! 飲み物はいつも通りオレンジジュースね。 |
更にパオルが追い打ちをかけるように、大きな声で注文した。
ジョージは気まずそうにうつむいている…。
店員は注文を確認し、店の奥に戻っていった。
レストラン・猛り狂う牛亭 |
■ジョージ To:レイチェル |
(まだ恥ずかしそう) ・・・・・そ・・・それでは、食事をとりながら何かお話しでもしましょう か。 (照れ隠しにわざとらしく) そうだ!アングラードの名所なんか聞きたいですねぇ。 |
■レイチェル To:ジョージ |
名所………ですか。 そういえば、観光用というのはないですけれど、街はずれにお父様がお作りに なった庭園がありますの。他の貴族の方などをもてなすのに使うものなのですけ れど、よろしければご案内しますわね。 |
■ジョージ To:レイチェル |
庭園ですか?いいですね、ご迷惑でなければ是非お願いします。 ・・・・そういえば、私の実家の裏に大したものではないのですが小さな林があり ましてね、 小さい頃にはよく、「秘密基地」なんかを作って遊んだものです・・・・ ・・・・レイチェルさんにはそういった思い出の場所なんかございませんか? |
■レイチェル |
(少し怪訝そうに) 秘密基地…ですか? いえ、わたくし、そのようなものは…。 |
■ジョージ To:レイチェル |
そ、そうですか・・・・。そうですよね・・・・。 いえ、誰しも故郷にはお気に入りの場所があるかと思いまして・・・・ |
ジョージは少しがっかりした様子で言った。
■パオル To:レイチェル |
そうだ!レイチェルさん。 アグラードには、何か美味しい食べ物は有ります? |
■レイチェル To:パオル |
美味しい食べ物ですか? そうですわねぇ。あまり名物といったようなものはないのですけれど、我が家 の料理長はなかなかの腕と評判ですの。何かごちそうできると思いますわ。 |
■パオル To:レイチェル |
そうなんですか?それは楽しみだなぁ! よ〜し、がんばるぞ!! |
レイチェルの言葉に、パオルは妙にやる気を増している。
■パオル To:レイチェル |
ところで、レイチェルさんのお父さんはどんな人なんですか? ボクの父さんは若い頃は冒険者だったらしくて、ちょうど顔に十字の傷痕があるんですよ。 (目の下を横に、左目の上から下へと指で十字を描いた。) だからクロスフェイスって呼ばれてたみたいです。 ボクが父さんの本当の名前を知ったのは、父さんが死に際ですけどね。 |
■レイチェル To:パオル |
わたくしのお父様ですか? どちらかというと芸術などが好みだそうで、よく絵画を買ってきたり、楽士を呼んだりなさっていますわ。 あまりわたくしと会うことはないのですけれど、とても優しいお父様ですのよ。 |
■パオル To:レイチェル |
へ〜そうなんですか・・・。 あ、でも・・あまり会うことがないなんて、寂しくはないんですか? |
■レイチェル To:パオル |
? いえ、そんなことありませんわ。会おうと思えばいつでも会えますもの。 |
などと話していると、料理の用意ができたらしく、店員が料理をトレイに載せて持ってきた。
次々と料理が並べられる。
■店員 |
ご注文の品は以上でよろしいでしょうか。 |
■パオル To:店員 |
とりあえずボクはこれで良いですけど・・ |
■ジョージ |
(すでに店員の話は耳に入っていない) お・・・おお・・・これは凄い・・・神よ・・・・感謝いたします・・・・(感嘆) ウサギのリンゴにタコのウインナー。パスタの川に、サラダの森。 プリンの丘にチェリーが乗って、ハンバーグの岩山には小さな目玉焼きがかぶさり・・・ そして、ピラフの家の頂上にはオランの旗が・・・・・ ・・・・うーむ・・・見事だ・・・・・まさにドリーム・ランド・・・・(ちょっとトランス状態) |
■レイチェル To:店員 |
はい、わたくしもよろしいですわ。 |
■パオル To:レイチェル&ジョージ |
それでは・・いただきま〜す! ((=●^0^●=)バグバク、(=●^0^●=)モグモグ) ((=●^0^●=)バグバク、(=●^0^●=)モグモグ) ((=●^0^●=)バグバク、(=●^0^●=)モグモグ) (軽くビーフステーキにタコと野菜のマリネを平らげた。そしてオレンジジュースを飲み一息ついて) ふぅ〜〜〜・・・、ね!おいしいでしょ? |
しかし、ジョージは、パオルの呼びかけにも答えず、一心不乱に食べている。
レイチェルは、小さなケーキをゆっくりと食べている。
そして、パオルはいつの間にか食べ終っている…。
■ジョージ To:パオル |
パオル君。そのチェリー食べないのですか? 後でがっつくようですが、私の好物なんです。いただけませんか? |
■パオル To:ジョージ |
え、これですか?残り物で良ければどうぞ。 はい。(ジョージの皿にチェリーを移す) |
■ジョージ |
(パク。) レロレロレロ。(チェリーを舌の上で転がす) |
■パオル |
(ジョージさん、舌が器用なんだな〜) |
パオルはジョージの妙技(?)に感心している…。
■パオル |
ごちそうさまでした。(ペコリ) |
■レイチェル |
ふう。とてもおいしかったですわ。 |
■ジョージ To:おおる&店員 |
(チュバ、モグモグ、コロン)←チェリー食べた では、そろそろ行きましょうか? (店員に) すまないが、会計を頼む。 |
■店員 To:ジョージ |
お子さまランチ一点で10ガメルになります。 |
■ジョージ To:店員 |
10ガメル、ではこれで。 (店員に10ガメル渡す。) |
■店員 To:パオル |
お子さまランチ・ビーフシチュー・ビーフステーキ・タコと野菜のマリネ、で
すね。 占めて20ガメルになります。 |
■パオル To:店員 |
おいしかったです!また来ますから、女将さんによろしく言っといて下さい。 あ、20ガメルですね・・・ハイ!(店員に20ガメル渡す。) それじゃあまた!・・・・、ん?そうだ!スミマセン・・・先ほど預けた剣を返してもらえますか? |
剣を受け取り、パオルはそのまま店を出た。
■レイチェル |
あ、待ってください。わたくしも参りますわ。 |
最後に勘定を払ったレイチェルが、のたのたとついてくる。
■ジョージ To:店員 |
・・・・と、ところで・・・・この旗は頂いて行ってもよろしいかね? |
■店員 To:ジョージ |
はい・・・もちろんでございますよ |
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