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第十章「隠したもの」 |
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レイチェルの部屋 |
さて、クリスとジョージが部屋を出て行った後の、レイチェルの部屋では―――
■ヴァーン To:ドリス&パオル |
(ジョージとクリスの足音が遠ざかっていっくのを聞き届けてから、) さっきはクリスさんがいたんで、ジョージも詳しいことは言わなかったんだと思うが、 と、レイチェルが7年前にジャムを隠した話について語る。 だそうだ。 |
■アーギー |
(あれ?もうジャムのこと話しちゃった・・(^^; ・・・まあいいか、クリスさんも今はいないし・・・。) |
■ドリス To:ヴァーン & レイチェル |
ジャムを隠した…? なんでジャムなんか… (…といいかけたところですっかり忘れてたシュガーのことを思い出し) はっ……(慌てて口をつぐむ) (おずおずとレイチェルに切り出してみる) えっと…レイチェルちゃんは、ジャムを隠した理由とかは思い出せたの? |
■レイチェル To:ドリス |
………わたくし、ジャムを誰かに届けなくてはいけなかったのです。でも…何かあった時のために……半分だけ残していきました………。………その半分が…ワイン小屋に……… |
■ドリス To:レイチェル |
ねぇ、誰かに届けるって、その相手が誰かは全然思い出せないの? 何か断片でもいいから…… 親しい人のような感じとか、そうでないかとか… |
■レイチェル To:ドリス |
いえ………親しい人ではなかった、と思います。ただ、オランに持っていこう…と………。 |
■ドリス To:タニア |
タニアさんはレイチェルさんの行動の理由とか、ジャムを届けようとした相手とかについて心当たりはありますか? |
心当たりがあるのに隠そうとしたりしてないか表情をうかがいながら、ドリスが尋ねる。
■タニア To:ドリス |
いいえ。オランにレイチェル様の知り合いがいるという話も知りませんし……… |
しかし、タニアの表情から、偽りは見いだせない―――
■ヴァーン To:ALL & アーギー |
結局、その誰かってのはわからねぇってことだな。 (と、溜め息まじりに呟くが、) それはそうと、おれも最初から居たわけじゃないからな。その「ジャム」の他にはなんか話はねぇのかい? |
■アーギー To:ドリス&パオル&ヴァーン&ラクル |
えっと・・あ、そうか、じゃああのこと話さないと・・ (と、レイチェルが隠したジャムを持っていた「ルーカス」について、タニアから聞いたぶんを話す。) |
■パオル |
・・・・・・ジャム・・・・、・・・・ルーカス・・・・・・・・・・。 (なるほど・・、記憶を失う前のレイチェルさんは自分の父親が暗殺された事を知り、証拠となるジャムも手に入れていたんだ・・・。 誰かに届けようとしたのは、ジャムに毒物混入されてるか鑑定してもらう為だろうねきっと・・。 領主が替わってから、使用人がタニアさんとルーカスって人以外全員辞めさせられたってことは、その人たちは前領主が病死でなく毒殺された事に薄々気づいてたんじゃないかな? そもそも前領主の時には下っ端料理人だった人が、領主が替わってから副料理長に抜擢されたってのはどう考えてもおかしな話しだよ。 まぁ、料理が美味しいのなら納得できるけど・・。 ふむ・・・とすると・・そのジャムを回収して、調べる必要あるな・・・。 後そのジャムを作ったルーカスって人にも、少し話しを聞かないと駄目だね。 でも・・毒入りジャムを作りましたって言うはずないし・・・、脅して自白させる? そのジャムを突きつけても、シラを切られたら意味が無いし・・・。 う〜ん・・・・難しいな・・。 ともかくこれは後でディオンさんとの話し合いでの切り札になるかもしれないから、なんとしてでも手に入れないとね・・・。) |
壁にもたれたままぼーっと天井を見上げるパオル。表情からは、何を考えているか分からない。というか、今日の夕食のことを考えているようにしか見えない。
■ヴァーン To:ドリス & パオル |
ふ〜ん、それでジョージが厨房へ行かなきゃなんねぇとか云ってたんだな。 ところでよ、庭園の方はどうだったんだ? 何か変わったことはあったのかい? |
■ドリス To:ヴァーン & アーギー |
う〜ん……。庭園の方は特に何も無かったよ。 すっごく広い庭園なのは確かだけど…それだけって感じ。 そうそう、この部屋に来る途中で、昔のレイチェルさんの絵姿を見せてもらったんだけど…確かに見た目は全然別人に見えたね。 |
■ヴァーン To:ドリス & パオル |
へぇ〜、肖像画があるのか。 |
■アーギー To:ドリス |
全然別人・・・? ・・・それって髪だけじゃなくて、顔そのものとかも違ってたっていうこと・・? |
■ドリス To:タニア |
タニアさんも驚いたでしょう。 外見が全く変わってるようですけど……レイチェルさん本人だってすぐ判りました? |
■タニア To:ドリス |
………はい。なんというか、直感的に、ああレイチェル様なんだな、って………。 |
■アーギー |
・・・・・・・・。 ・・・・直感・・・・・・・・・。 |
■パオル |
・・・・・・・・・・・・・・。 (それはきっと愛の力でしょ・・・) |
パオルの推論が正しいかどうかは誰も知らない………
レイチェルの部屋 |
■ジョージ To:扉越し |
(コンコン) ジョージです。失礼します。 (部屋に入る。) |
■クリス To:ALL |
戻りました。 |
■アーギー |
あ、戻ってきた、か・・・。 |
■ジョージ To:おおる |
鍵を取ってきました。 それと、ワイン小屋に行く前か帰りに副料理長のルーカス氏に話を聞きたいのですが、どうでしょうか? |
■ヴァーン To:ALL |
っと、その話の前に、聞いてもらいてぇことがあるんだが…… と、アリルという名の娘を探していること について簡単に説明する。 まあ、皆には前にも話したと思うけど、特にクリスさんやタニアさんにも聞いてもらいたかったんでな。 それでだ、さっき俺達を案内してくれた娘なんだが、ちょいと聞いてみたらアリルって名前だって云うんだ。特徴もだいたい一致してるしな。 どうも、あの娘が俺の探してるクラリスの妹じゃねぇかってわけだ。 |
■ドリス |
(話を聞きながら小声でボソリ) えっ、あのヴァーンくんが色目を使ってた……(ヴァーンに睨まれて慌てて言いなおす)もとい、見つめてた女兵士さん。例のクラリスさんの妹だったの??? こんなとこで会えるなんて凄い偶然というかなんというか… (本当に偶然なのかな???) |
■ヴァーン To:タニア & クリス |
こういう事情なんだが、あの娘がこの屋敷に奉公に来た時の様子とか何か、覚えてたら教えてもらえねぇだろうか? とくにタニアさん、アンタはずっとこの屋敷にいて古株なんだろう? |
■タニア To:ヴァーン |
アリルですか?彼女はだいぶ昔にアルベルトが拾ってきたんですよ。アルベルトっていうのは、ディオン様付きの衛兵で…ああ今日は屋敷に残ってたから会ってませんか?30過ぎくらいの槍を持った大男なんですけど。 奉公に、というか彼女も今はディオン様付きの衛兵ってことになってるんですけど、ここ1年ほどの話ですね。 |
どうやら、門番をしていた兵士のことらしい。
■ヴァーン To:タニア |
ああ、さっきのおっさんだな。それだけでも十分だ、ありがとうよ。 |
■ヴァーン To:パーティーの面々 |
じつはさっきな、とにかくと思って、もしかしてクラリスの妹じゃねぇのかって尋ねてみたんだけどな。姉も両親も7年前に死にました、とまあそれしか答えてくれねぇんだ。 あの感じからして十中八九、間違いねぇと思うんだが、なんか認めたくねぇ事情があるんだな。 で、とりあえず、そのアルベルトさんのとこに行って話を聞いてみてぇんだが誰かついて来てくれねぇかな? 別に報酬があるわけじゃねぇ、ただのお節介だから、皆に相談するのはどうかとも思ったんだが、俺ひとりだと、どうにもな。 |
■ドリス To:ヴァーン |
うん。それはいいけど……。 そんなに慌てて今すぐ行かなくても、先にワイン小屋へ行って、レイチェルちゃんの記憶を確認してからでもいいんじゃない? |
■ヴァーン To:ドリス |
(声をひそめて、) だってよ、今はお客様扱いだけど、ディオン子爵が帰ってきたらどういうことなるか、わかんねぇじゃねぇか。 |
■パオル To:ヴァーン&ドリス |
確かにヴァーンさんの言うとうりもしれませんよ。 第一まだ屋敷の主であるディオンさんに、レイチェルさんが認められた訳じゃ無いし。 最悪の場合、ボク達はこの屋敷からつまみ出されるというのもありうるでしょ? とりあえずボクがお節介焼きのヴァーンさんのお供をしますよ。 その間に、皆さんはワイン小屋へ行って下さい。 |
■アーギー To:ALL |
うん・・・鍵ももうあるし、ワイン小屋の方へはもう向かったほうがいいんじゃないかな・・。 ・・・てことは、ヴァーンとパオルが別行動で・・・ってことでいいのかな? ・・誰か、他に意見ある・・? |
■ジョージ To:おおる |
わかりました。では私はワイン小屋の方に行きましょう。 アルベルト氏の方は2人にお任せします。 では、行きましょうか? |
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