工房

(最終更新日: 1998/09/23)
ブラキ神殿へ 学院へ

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一日目:昼3時頃

マードリス=ライラーの工房はオラン市街の南の外れにある。ブラキ神殿と近い。学院からは王城を半周する道のりになる。

マードリスの工房につくと、中からはハンマーで金属を打つ響きが聞こえて来た。どうやら仕事中らしい。
室内は暑く、扉や窓が開いているので中のようすはよく見える。ドワーフが1人、ハンマーを振るっている。もう1人助手がいるが、こちらは人間だ。

■鍛冶屋前
☆From:ジョン  To:ドワーフ&助手さん
あの・・・・・・。(申し訳なさそうに)
ごめんください。お仕事中大変申し訳ございません。(一礼する)
私、マイリーの神官戦士をしておりますムーアと申します。(また一礼)
実はある件につきまして、ちょっとお話を伺いたいのですが宜しいでしょうか?

工房内の 2 人はその声に振り返ったが、手は止めなかった。
ジョンが声をかけてから1分後、ようやく鎚の音が止まり、ドワーフがこちらへやってきた。

■鍛冶屋前
☆From:マードリス  To:ムーア
お待たせして申し訳ない。 あれを途中で止めるわけにはいかんのでね。
さて、神官戦士殿。御用の向きはなんじゃね。 剣でも作られるか?

ドワーフは汗を拭きつつ工房の入り口に立っている。ジョンを客だと思ったようだ。

■鍛冶屋前
☆From:ジョン  To:マードリス
 ああ、お仕事中大変申し訳ありません(一礼する)。実は私、買い物をしに来た訳 ではないんです。
 失礼ですが、マードリス=ライラー様でしょうか?

■鍛冶屋前
☆From:マードリス  To:ムーア
おお、いかにも。私がマードリスじゃ。

マードリスは怪訝な顔で肯定した。ジョンは間髪を置かず続ける。

■鍛冶屋前
☆From:ジョン  To:マードリス
   実は私、とある方からご依頼を受け現在ある件について現在調査をしております。
(きょろきょろ辺りを見回した後、小声で)
 できればちょっと場所を変えてお時間を頂戴したいのですが。
(さらに小声で)
 実は・・・ご子息のロドン=ライラー様にも関係している件でして。

■鍛冶屋前
☆From:マードリス  To:ムーア
息子に関係している話?
…いいじゃろう。こちらへ参られるがよろしい。

ジョンは工房の奥にある部屋へ案内された。マードリスが寝起きしている部屋のようだ。ジョンとマードリスの他には誰もいない。ジョンは単刀直入に切り出した。

■鍛冶屋奥
☆From:ジョン  To:マードリス
貴重なお時間を頂戴して申し訳ありません。
実は・・・現在ご子息のロード=ライラー様は殺人犯の嫌疑をかけられているのです。 さらに悪いことには、現在ご子息は行方が分からなくなっております。
私はとある人物からその殺人事件の真犯人を探すように依頼されているのです。
ご子息が犯人でないことを証明するためにも、調査にご協力願えませんでしょうか?

■鍛冶屋奥
☆From:マードリス  To:ムーア
行方がわからなくなっているのは知っていたが、殺人犯の嫌疑をかけらているとは…ううむ。
協力するのはかまわんが…

肯定的な手応えを感じて、ジョンはすかさずたたみかける。

■鍛冶屋奥
☆From:ジョン  To:マードリス
ありがとうございます。
では単刀直入におたずねしますが、ご子息が現在どちらにおられるかご存じないでしょうか?
また何か気がいたことがあれば何でもいいのでお教え願いたいのですが。

■鍛冶屋奥
☆From:マードリス  To:ムーア
知らん。おとといからここには戻っておらん。
息子はブラキ神殿の勤めで怪我人の治療に行っておった。 あれには戦士の修行も積ませておる。 多少のことは自分で切り抜けられる。 私はそういう風に育ててきたつもりだ。

マードリスはさすがに少し心配そうだが、息子を信頼しているという気持ちがあるので慌てたり驚愕したりということはないようだ。

■鍛冶屋奥
☆From:ジョン  To:マードリス
なるほど・・・(頷きながら)
いや、良くわかりました。ご協力ありがとうございます。

■鍛冶屋奥
☆From:マードリス  To:ムーア
ところで、あんたに依頼した人物とは誰だね。 親切な人間がおったもんだ。

親としては、自分以外の誰が息子の無実を証明しようとしてるのかが気になる。
ジョンは困ってしまった。ここで真実を言う訳にはいかないだろう。マードリスが「信頼のおける友人」を依頼者であると思いこむように上手く言えないものだろうか。そう考え、次のように発言する。

■鍛冶屋奥
☆From:ジョン  To:マードリス
それは・・・。
申し訳ありませんが依頼主につきましては守秘義務があり、お名前をおおしえすることはできないんです。本当に申し訳ありません。(頭を下げる)
ただ、一つだけ確かにいえますのは・・・ご子息は信頼のおける友人をもっておられると言うことです。

ジョンは「察して下さい」という目つきでマードリスの目を見つめた。マードリスはしばらくジョンと目を合せた後、こう答えた。

■鍛冶屋奥
☆From:マードリス  To:ムーア
そうか…。
では、私もその「友人」を信じることにしよう。 息子も信じておるのだろうからな。

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