学院

(最終更新日: 1998/09/24)
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一日目:昼3時頃

学院入り口では相変わらず来訪者チェックが行われている。氏名・訪問先を記帳しなければ中に入れない仕組みだ。一旦学院の外に出たカヴァレスとユリは、再び記帳しなくては中に入れない。しかもまた厄介な案内人がつきまとって自由に調査できそうにない。

思案した挙句、カヴァレスは学院内に残る数少ない友人・知人を頼ることにした。

■賢者の学院
☆From:カヴァレス
さぁて,どうする・・・奴ぁ居やがるかぁ?
奴が居りゃぁ・・クク,話しが早ぇんだがなぁ。

記帳台のある玄関付近から、門の中のようすを観察する。すると、学院の衛兵がいるのを見つけた。カヴァレスは手始めにこの衛兵に友人へのつなぎを頼むことにした。

■学院:玄関
☆From:カヴァレス  To:衛視
よぉ,衛視殿よぉ,ガリオが見えねえが・・・
なぁに,怪しいもんじゃねぇ・・クク,確かに見た目は骸骨みてぇだが, これでもれっきとした人間だぜぇ?
カヴァレスが呼んでると言やぁ解るさぁ。ちぃと呼んできてくれねぇかぃ?

いかにも怪しくて横柄だが、これがカヴァレスのお願いスタイル。
頼まれた衛兵は、胡散臭げに頭から足先まで眺め倒してからしぶしぶ同意した。

■学院:玄関
☆From:その辺にいた衛兵  To:カヴァレス
ガリオか?… ちょっと待ってな。

待つことしばし。カヴァレスの友人のガリオがやってきた。

■学院:玄関
☆From:カヴァレス  To:衛兵ガリオ
よぉ,元気にしてたかぁ? 俺かぁ? クッククク,見りゃあわかるさぁ。 相変わらず死にそうだぜぇ・・。
なぁに,わざわざガリオ殿をお呼び立てしたのは他でもねぇ, ギャレットの野郎の事さぁ。クク,解るだろう?

■学院:玄関
☆From:ガリオ  To:カヴァレス
なんだ、まだ生きてやがったのか。 へへ、相変わらずのようで安心したぜ。
なんだ?とうとうジィさまの元へ戻る気になったとか…? まさかなぁ(笑)

カヴァレスがギャレット師の元へ戻るなんてことは、彼にとってはよほど面白い冗談だったらしくケラケラと笑う。

■学院:玄関
☆From:カヴァレス  To:衛兵ガリオ
俺ぁこれから奴の所にこの嬢ちゃんを連れて行かにゃぁならねぇんだ。 が・・・クックック,当然奴の顔なんざぁ見たくも無ぇ。
そこを,何があったか知らねぇが監視だか何だかに付きまとわれてみろ, 扉の前でアホ顔下げて待ってる事も出来やしねぇ。
ギャレットの部屋までなんざぁ目ぇ瞑ってたって行けるぜぇ? よぉ,お前ぇが監視って事で上手くやってくれねぇかぃ?
なぁに,今が忙しいなぁ解ってるさぁ。 さっきから衛視がうろちょろしてやがるからなぁ。
中に入ったら後は持ち場に戻って構わねぇ,それで充分だぜぇ?

■学院:玄関
☆From:ガリオ  To:カヴァレス
なんだなんだその娘さんは!まさかとは思うがカヴァレス、彼女か? お前も隅におけないなぁ。

よし、いいだろう。俺がついて入ることにしてやるよ。 記帳だけはしてくれ。決まりだからな。
中に入っちまえばこっちのもんだろ。後は勝手にすりゃあいい。
おっと、騒動起こしても俺の名前だけは出してくれるなよ。 これでもマジメに勤めてるんだから。

■学院:玄関
☆From:カヴァレス  To:ガリオ
クッククク,暫く見ねぇうちに脳味噌まで腐っちまったかぁ?
この嬢ちゃんが何だってぇ?クク,そのボケた頭で考えるがいいぜぇ。

悪態をつきながらもカヴァレスは手早く記帳を済ませた。ガリオは素早く手続きを終えて 2 人を中に導いた。約束通り、玄関から見えなくなった辺りで別れる。

■学院内部
☆From:ガリオ  To:カヴァレス
(後ろを振り返って)もういいかな…。
じゃ、俺はここで消えるぜ。後はよろしくやんなよ。

と言ってユリにウィンク。何をよろしくやるんだっての。

■学院内部
☆From:カヴァレス  To:ユリ
さぁて,上手く学院にゃぁ入れたぜ。後はお互いの領分だぁ,好きにするさぁ。
"ユリ"嬢ちゃんも,ここは知らねぇ訳じゃぁ無ぇだろぉ? クク,仕事が終わったら外で待ってるこったなぁ。

言いおわると、カヴァレスはマントをひるがえして単独で目的地へと向かう。


最初の訪問先は魔術の塔内、カヴァレスの学院修行時代の同期の友人でダニーという男に会うのが目的だ。

■魔術の塔:教室
☆From:カヴァレス  To:ダニー
相変わらず辛気臭ぇ所だぜぇ・・・ もっとも,おめぇにゃぁピッタリかぁ?ダニーよぉ。
クク,無駄話をしてる暇ぁ無ぇ,単刀直入に聞くぜぇ? 学院で起きた殺人事件について,知ってる事ぁ洗いざらいぶちまけなぁ。
なぁに,悪いよぅにゃぁしねぇぜぇ。クッククク, 素直にならなけりゃぁ「悪いように」なるかもしれねぇがなぁ。

■魔術の塔:教室
☆From:ダニー  To:カヴァレス
あっ…。(すでに逃げ腰)
カ、カヴァレス君じゃないか。
う、うん。何でも話すからカンベンしてよぅ〜。

衛視さんがそこら中うろうろしてるよ。 事件のあった知識の塔だけじゃなくて、ほんとにそこら中だよ。
殺された人はジャック=スロークソルム師で、 この人はコモンの研究をしてる人で、 知識の塔の賢者様だよ。
えっとねぇ、あとはねぇ…

どちらかというと「友人」というよりは「苛めてた相手」…か?ダニーは一生懸命カヴァレスのために思い出そうとしているが、これ以上は何も知らないらしい。

■魔術の塔:教室
☆From:カヴァレス  To:ダニー
ケッ,相変わらず使えねぇ・・・仕方ねえ,よく聞けよぉ?
俺ぁこれから学院を一巡りしてくるからよぉ, それまでに何かを思い出しておけよぉ?
なぁに,思い出せねぇならメシュラムにでも聞いてくるがいいぜぇ。 理由だぁ?そんな物ぁ自分で考えるんだなぁ。
くれぐれも逃げようなんざぁ思うなよぉ? クックックックック・・・

余程ダニー君を苛める…いや、ダニーと会話するのが楽しいのか、いつもより長ぁく笑うカヴァレス。酸欠になるぞ。

■魔術の塔:教室
☆From:ダニー  To:カヴァレス
う、う、うん。わかったよ。メシュラム先生にも聞いてみるね。
じ、じゃあまたね、カヴァレス君。

情けない顔をして困ってるダニー君を放っておき、カヴァレスは次の目的地へとマントをひるがえす。ダニーは不気味に機嫌のいいカヴァレスにさらに脅えつつも、ちゃんと後ろ姿が見えなくなるまで見送った。その後駆け出したのは、噂のメシュラム先生に話を聞きに行ったようだ。


カヴァレスの次の目的地は図書館。いそいそと片づけに励んでいる友人のジルを見つけ、唐突に声をかける。

■図書館:地下書庫
☆From:カヴァレス  To:ジル
ククク,相変わらず真面目なこったぜぇ,勤勉青年殿よぉ。

■図書館:地下書庫
☆From:ジル  To:カヴァレス
うわっ!と、びっくりしたなぁ。 後ろから急に声をかけないでくれたまえよ。本を落とす所だったぞ。
何だ。帰って来てたのか、カヴァレス。何か用か?

■図書館:地下書庫
☆From:カヴァレス  To:ジル
ジャックって野郎がくたばりやがったのは当然知ってるなぁ? クッククク,これだけ騒いでりゃぁ解らねぇ方がどうかしてるぜぇ。
そこで聡明なジル殿よぉ,何か知ってたら哀れな俺に教えちゃぁくれねぇか? クク,別になにも出やしねぇがよぉ。

■図書館:地下書庫
☆From:ジル  To:カヴァレス
あー、あれね。知ってるよ、もちろん。
しょうがないな。特別に秘密の情報を教えてやろう。 被害者の賢者の読書傾向だ。そういった情報は極秘だからな。 本当ならあまり他人に言ってはならないのだが、特別だ。

この先は声を落として…

■図書館:地下書庫
☆From:ジル  To:カヴァレス
主に、薬物や毒物に興味があったらしい。 研究対象の付与魔術や共通語魔法以外に、そんな本を借りていた。 精霊なんかにも興味があったらしく、「薬と精霊」という本に至ってはなんと貸出し期限をを3回も延長している。
その本は主に精神の精霊と薬物の作用について論じられたものでね…

以下、延々とどーでもいい本の内容の解釈が続く。

■図書館:地下書庫
☆From:カヴァレス  To:ジル
他に何かここ最近聞いた事はねぇかぃ?何でも構わねぇ, 導師の野郎共なんざぁこの辺で無駄口の一つも叩いているじゃねぇかよぉ。
思い出してくれねぇかぃ? クク,愚者を助けるとおもってよぉ。

■図書館:地下書庫
☆From:ジル  To:カヴァレス
被害者は学院の外に特に親しくしている人物がいるようだな。 他の導師がそんな事を言っていたのを聞いたことがある。 なんでも、そのおかげで最近羽振りがいいのだとかなんとか…
別に、聞き耳を立てていたわけじゃないぞ。

カヴァレス、しばし黙って熟考。何も言わずに黙ってられるとさすがに不気味さ満点だ。

■図書館:地下書庫
☆From:カヴァレス  To:ジル
・・・・・・・・・・・・(黙考中)
よぉ,ジル殿よぉ, その「友人」と「羽振りの良さ」を知ってる奴ぁ大勢居るのかぁ?
クックック,なぁに,他の導師の噂ってぇのがどれだけ広まってるかって事さぁ。
それから人物とやらには心当たりはねぇかぃ?

■図書館:地下書庫
☆From:ジル  To:カヴァレス
羽振りが良いのはみんな知ってるさ。 金の力で古代王国の貴重品を買いあさってたって噂もあるし、 下働きの子なんかにチップをやってたりもするらしい。
「人物」が誰かは僕は知らないね。知識の塔にいる奴なら知ってるだろう。 よく研究室にも出入りしてたらしいし。

■図書館:地下書庫
☆From:カヴァレス  To:ジル
そぉかぃ,ありがとよぉ。
クク,手間ぁ取らせてすまなかったなぁ。

別れようとした瞬間、ジルが思い出した!とばかりに振り返った。

■図書館:地下書庫
☆From:ジル  To:カヴァレス
あ、カヴァレス。お前が前に借りた本、まだ返してないだろう。 図書カードがないのがあるんだ。司書の方なんかカンカンだぞ。 早く返した方がいいぞ。

なんだ、ジャックの情報じゃないのね…
本を返せなんて言いがかりは軽く無視して、カヴァレスは次の目的地へと急ぐ。


次の目的地は、相談役の部屋だ。中央のホールを大きく縦断し、マントを翻してカヴァレスが行く。それはちょっと道をあけたくなる光景だ。
相談役の部屋では、目的の雑用をしている友人が見当たらない。その辺にいた人に聞いてみるが…

■相談役室
☆From:カヴァレス  To:「相談役で目に止まった人」
ちぃと頼まれてくれねぇかぁ? クク,なぁに,難しい事じゃぁ無ぇ,ダバを呼んで欲しいってだけなんだがよぉ。

■相談役室
☆From:相談役で目に止まった人  To:変な男
ダバさんなら今いませんよ。
明日には戻られると思いますが、今オランを離れてますから。

■相談役室
☆From:カヴァレス
ちっ,しゃぁねぇ・・・時間も無ぇ,他ぁあたるかぁ。

雑用係の友人は、やはり雑用で留守だった。時は金なり。カヴァレスはダッシュで次の場所へ移動。


次は事件現場の知識の塔。ここには友人は居ないので、仕方なく過去に教えを受けた事のある教師を訪ねる。上手く話がつけられればいいんだが…

■知識の塔
☆From:カヴァレス  To:「知識の塔で目に止まった人」
よぉ,オーガスタスは何処に居やがるか教えてくれねぇかい? なぁに,怪しい奴じゃぁねぇ,俺ぁ魔術の塔のモンだぜぇ。 クッククク,もっともこんな格好をしてりゃぁ直ぐわかるがなぁ。

■知識の塔
☆From:知識の塔で目に止まった人  To:怪しい奴
オーガスタス先生なら 3 階のお部屋にいらっしゃるんじゃないかしら?
先程指導を終えて戻られたようだから。

この塔の学生らしい。薬草籠を抱えた女性が怪訝そうな顔で教えてくれた。カヴァレスは 3 階までダッシュ。結構がんばる。

■知識の塔:3階
☆From:カヴァレス  To:オーガスタス
これはオーガスタス殿,ご機嫌麗しゅう。 この度は・・・クック,ご同輩が残念な事でしたねぇ・・
聞きゃぁジャック師にゃぁ随分と悪い噂が有ったようでぇ,ククク。

■知識の塔:3階
☆From:オーガスタス  To:カヴァレス
久しいのぅ、カヴァレス。ギャレット師はお元気か?
まったくのぅ。しかし、悪い噂もあったが研究者としてはなかなかの もんじゃった。惜しい人材を亡くしたとも言えるのぅ…。
ところでそれがどうかしたかの?

■知識の塔:3階
☆From:カヴァレス  To:オーガスタス
なにねぇ,俺ぁ奴が何かしてやがったと踏んでるんでさぁ。 クク,急に羽振りが良くなったり,何かを気にしたりしてたようだからよぉ。
とにかくこのままじゃぁ第二のヤツが出かねねぇ, 何とかする為にも何か手掛かりを知りてぇんですよぉ・・・。

「何かを気にして」の部分は、カマをかけてみた。被害者が何かを気にしていたようなら、これで何か情報が出ないか?

■知識の塔:3階
☆From:オーガスタス  To:カヴァレス
おぬしにまでそんな話が届いとるか…。困った事じゃの。ホッホッホ。 確かに、奴が何であんな目にあわにゃならんかったかがわからんうちは、引き続き学院内の誰かが狙われる可能性もあるわけじゃのう。 わしもそこは心配に思っておったのよ。
ふむ。何か原因があるとすれば、奴の研究しておったコモンルーンについてか、バルスの方の関係かのぅ。

カマには何もかからなかったが、新しい情報はあったようだ。

■知識の塔:3階
☆From:カヴァレス  To:オーガスタス
バルス・・・?そりゃぁ一体何なんだぁ?済まねぇが詳しく教えてくれねぇかぃ?
それから,奴ぁ何のコモンルーを研究していやがったんだぁ? コモンルーン如きで命を落とすたぁ思えねぇが・・・・

■知識の塔:3階
☆From:オーガスタス  To:カヴァレス
バルスは昔このギルドにいた男での、ジャックとは親友じゃったのよ。 ギルドを出た今でも、よくジャックの研究室を訪ねて来ておったのぅ。
おお、そうそう。ジャックの葬式を出したのもそのバルスと、この塔の 5 階におるバーレルンの 2 人じゃった。 バーレルンに聞けば何か知っとるかもしれんのぅ。
ホ?あとは何じゃったかの。どうも年を取ると物忘れが激しくて…
そうじゃ、コモンルーンか。特別変わった物じゃないが…
ああいった研究者の元には、巷には流れん魔法を込めた試作品なんかもあるからのぅ。そういうもんを欲しがる奴もいるじゃろうという、単なる推測じゃよ。推測。ホホ。

■知識の塔:3階
☆From:カヴァレス  To:オーガスタス
クックック,こりゃぁ・・・

いろいろ済まねぇなぁ,オーガスタス殿よぉ。 最後にバルスって奴が今どこに住んでいやがるか知らねぇかぃ?
なぁに,迷惑はかけやしねぇ,これも学院の安全の為だぜぇ?

■知識の塔:3階
☆From:オーガスタス  To:カヴァレス
ホウ?バルスの住所とな。
確か、ひいらぎ通りの方だとか言っとったと思うよ。

■知識の塔:3階
☆From:カヴァレス  To:オーガスタス
ひいらぎ通り・・・クク,ありがとぉよぉ。
オーガスタス殿よぉ,恩にきるぜぇ。精々長生きするんだなぁ。クックック・・・

一応感謝の念を表わしているらしい。

■知識の塔:3階
☆From:オーガスタス  To:カヴァレス
おお、お主ものぅ…。ホッホッホッホ…

結構いいコンビかも。


そして食堂へ到着。カヴァレス的には暇な頃を見計らったつもりだったのだが、その頃は夕食へ向けて嵐のような忙しさの真っ只中だった。

■学院:食堂
☆From:カヴァレス  To:厨房の奥
サルヴァトーレは居るかぁ? クッククク,死神様が来てやったぜぇ。

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
こーのクソ忙しい時間に何しに来やがった!
キャベツが腐るじゃねーか。死神め!

随分なご挨拶が帰ってきた。どうやら喧嘩友達のようだ。

■学院:厨房
☆From:カヴァレス  To:サルヴァトーレ
ククク,いつまでうだつの上がらねぇ仕事を続けるつもりだぁ? 店を持つってなぁいつの話だかなぁ。クッククク・・・。

ここで一呼吸おいて、

■学院:厨房
☆From:カヴァレス  To:サルヴァトーレ
さぁて,時間もねぇ事だから手短に聞かせて貰うぜぇ。 ジャックって野郎がくたばりやがったのは当然知ってるなぁ?
聞きゃぁ奴ぁ最近随分と羽振りが良かったみてぇじゃねぇか。 なぁに,どんな事でも構わねぇ,ここ最近の奴の事ぉ聞かせてくれねぇかぃ?
食堂に居りゃぁ導師やら生徒やらの噂話は聞こえてくるだろぉぜぇ。

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
まったく、お前より先にくたばるなんて残念なこった。
ジャックさんはいい人だった。 何せ、俺の夢を理解してくれたんだからな。 店を持つときゃ金を貸してくれるって言ってくれたぜ。 「自分も若い頃は無茶したもんだ。若い頃の苦労は買ってでもしとくべきだ」 って言ってなぁ…

と言いさして涙ぐむ。 珍しくジャックに好意的な人物が現れた。

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
クク,だから手前ぇは幸せだってんだよぉ。
よぉく学院の給料を考えてみる事ったぜぇ。お前ぇの店の資金だぁ? クッククク,どんな金を手にしてた事かよぉ・・・。
その「若い頃の無茶」って奴,お前ぇなら知ってるんじゃねぇかぁ? なぁに,奴が良い奴かは別にしてきっちり仇はとってやるぜぇ, お前ぇの協力次第だがなぁ。
お前ぇは仕事を離れるわけにゃぁいかねぇ, するってぇと頼れるのはこの死神様だけだぜぇ?クックック・・・

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
死神の仇討ちだってぇ?笑わせやがるぜ。

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
・・・・・奴ぁ最近外部の奴と妙に親しかったそうじゃねぇかぁ。
クク,そいつだって飯を食わずには居られねぇだろぉ,ここに来たはずだぜぇ。 お前ぇの記憶にジャックの無念がかかってるんだぜぇ? しっかり思い出すんだなぁ。

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
本気かよ。…もちろん、協力はするぜ。ジャックさんのためだもんな。
ジャックさんの若い頃の事についてはわからない。 何度聞いても話しちゃくれなかった。 よくある武勇伝みたいなもんじゃねぇのかな。
外部の奴なぁ…。うーん。あ、あの人かな。
俺に金を貸してくれるって言ってた時に一緒にいた人、なんていうかこう、 世慣れてるっていうか、すれてるっていうか、学院じゃ見ない感じの人と 時々来てた。俺の店が出来たらお得意さんになってくれるって言ってた人だ。 名前は…なんて言ったかなぁ…。

カヴァレスはその名前に心当たりがあった。さっき知識の塔の知人に聞いた奴だろう。いやいや、思い込みは禁物だ。確認を取ろう。

■学院:厨房
☆From:カヴァレス  To:サルヴァトーレ
すれてる奴ねぇ・・・・・・・(黙考中)
そいつぁ,バルスってぇ奴じゃぁ無ぇかぃ? クク,なぁに,ちぃと心当たりがあってよぉ・・。 どんな風体をしてやがったかぁ?仕事くらいは聞いてねぇかぁ?

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
ああ!そう、バルス。バルス=ホーカニッツさんだ。
何でもオランで商売をしてるって言ってたぜ。 ジャックさんと同じ位の年で、鋭い目付きをした男だ。 黒い髪に緑の目で、導師さん達みたいなローブを着ていた。

■学院:厨房
☆From:カヴァレス  To:サルヴァトーレ
クク,まぁいい,上出来だせぇ。
腐ったキャベツを売りつけられちゃぁかなわねぇ, 「自分の店」とやらの落成を・・クックック,楽しみししてるぜぇ?

と、小馬鹿にするように言い捨ててとっとと食堂を後にするカヴァレスであった。
その後ろ姿に喧嘩友達からの送る言葉。

■学院:厨房
☆From:サルヴァトーレ  To:カヴァレス
ケッ、俺の店に来てみろ!塩まいてやるぜ!
いけねぇ、シチューが焦げちまう。


次の目的地は真理の塔。カヴァレスはここの教師に知り合いがいることを思い出した。 真理の塔に行って辺りを見渡し、オルロイ先生を探すが見当たらない。

■真理の塔
☆From:カヴァレス  To:「真理の塔で目に止まった人」
よぉ,オルロイを見なかったかぁ? クッククク,ちぃと先生殿の賢察を伺いたくてなぁ。
魔術の塔の骸骨が来たと言やぁわかるさぁ,ちぃと呼んできてくれねぇかぁ?

■真理の塔
☆From:真理の塔で目に止まった人  To:魔術の塔の骸骨
オルロイ先生なら、ホールにいらっしゃいましたよ。

という訳で、3 つの塔の中心にあるホールへと戻る。
ホールの階段に腰掛けて、オルロイと仲間の導師が何やら語り合っているのを発見。

■学院:ホール
☆From:カヴァレス  To:オルロイ
オルロイ殿よぉ,助けると思って何か教えて欲しいんだがよぉ・・
俺ぁどうにもわからねぇ。何ってジャック師の事よぉ。
いやぁ,何,奴がどぉなろうと俺にゃぁ関係ねぇんだがよぉ・・・。
奴は突然羽振りが良くなりやがった。 聞きゃぁ外部の人間ともずいぶんと親しくしてたってぇ話だぜぇ? そこで奴ぁ殺されやがった。何か有るたぁ誰でも考え付くさなぁ。
そこがわからねぇ。愚者の頭じゃぁわからねぇのよぉ。 どうしてそんなに「何か有る」ってぇ事が分かるをするのかよぉ。
なぁ,オルロイ殿のご賢察を聞かせてもらえねぇかぃ? この事件の裏にある真理って奴をよぉ。

カヴァレスはあくまでジャックには無関心を装い、さらにオルロイ先生の大好きな「真理」という言葉を使って相手の反応を探る。

■学院:ホール
☆From:オルロイ  To:カヴァレス
ずいぶん疲れておるようだな、カヴァレス。体は大事にしなさい。
さて、今日の質問は随分哲学的だね。
「何か有る」とわかるのに見えない。それは何故か? それはお前が頭で考えようとしているからだろう。
カヴァレスよ、真理は得難いものだ。
あらゆる事象を丹念に辿り、そのほとんどを捨て去り、それでもなおかつ残ったものが真理となる価値を持つ。
水晶の中の一辺の金剛石。
真理とはそういうものなのだ、カヴァレスよ…

この先生、すっかり自分に酔っている。

■学院:ホール
☆From:カヴァレス  To:オルロイ
・・・・・・・・・・・・・・・・・

何と突っ込んだらいいかわからず、とりあえず黙殺するカヴァレス。 その冷たい空気に気づいたのか、先生はちょっと声を落としてこう追加した。

■学院:ホール
☆From:オルロイ  To:カヴァレス
真理の高みに到達する為には、まずその足元を疑わなくてはならない。 私は内部の犯行だと見ている。
そうでなければ、一体犯人はどこから入ったというのだ?

■学院:ホール
☆From:カヴァレス  To:オルロイ
クク,違ぇ無ぇ。 オルロイ殿よぉ,真理とやらは存外近くに有るかもしれねぇなぁ・・・
ちぃと時間が無ぇんでよぉ,これで失礼するぜぇ・・。

またもや講釈が始まってはたまらんと、とっとと逃げるカヴァレスであった。


さて、聞き込み先もあらかた尽きたかという頃、カヴァレスは最初に話を聞いたダニーの成果を確かめるべく、魔術の塔に舞い戻った。

■魔術の塔:教室
☆From:カヴァレス  To:ダニー
よぉ,なにをそんなにびくついてやがるんだぁ?

相変わらず後ろから唐突に声をかけるカヴァレス。

■魔術の塔:教室
☆From:ダニー  To:カヴァレス
うわっ!…あ、カヴァレス君。は、早かったね。

ダニーも相変わらずビックリ。

■魔術の塔:教室
☆From:カヴァレス  To:ダニー
さぁて,メシュラムの野郎に聞いた事やら思い出した事やらを教えてもらおうかぁ。
時間が無ぇんだ,手短に話せよぉ?

■魔術の塔:教室
☆From:ダニー  To:カヴァレス
えと、メシュラム先生もあんまり知識の塔の人のことは知らないんだって。
… そ、それだけなんだけど。お、怒らないでぇ。

かなり逃げ腰のダニー。

■魔術の塔:教室
☆From:カヴァレス  To:ダニー
・・・・・・まぁ,お前ぇにゃぁ期待ちゃいねぇがなぁ?クックック・・

と言って10ガメルを投げてよこした。横柄な態度だが、これがカヴァレスのやり方なのだ。わざわざ自分の為に動いてくれた友人への、いわゆるせめてもの感謝の気持ちというやつ。簡単に言えばお駄賃。
ダニーは投げられて転がる 10 ガメルを一生懸命追いかけて、ようやく拾ったところで振り返る。

■魔術の塔:教室
☆From:ダニー  To:カヴァレス
あ、あの、カヴァレス君、これ…

しかし、そこには既にカヴァレスの姿はなかった。

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